世界最強の弟はとってもカワイイサメ人間   作:翁月 多々良

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 ナナキ君好感度調査パート2

 ①ユエ  ←初めての(あねぇ)
       物知りでカッコいい、あにぃと仲良し。
       大好き。


 ②メルド ←髭がジョリジョリでちょっと臭い。
       でも好き。

 ③龍太郎 ←どこかシンパシーを感じる。
       たまに肩車をしてくれるから好き。




第16話∶弱肉強食、化物兄弟

 

 

 残念ウサギこと、シア・ハウリアは目を見開く。

 

 “こんな未来、知らないです” と……。

 

 

 『GuRuAAAAAUUッ!!』

 

 ドパアァァァンッ!!

 

 彼女の目の前で、サメの化け物と、奈落から這い上がった化け物が協演する。

 

 サメの化け物、ナナキが大口を開けて無差別に帝国兵士に頭から齧り付く。グチャリッと言う咀嚼音と共にナナキの口の端から真っ赤な血しぶきが舞う。

 

 「ひぃいいッ!!逃げ━━━

 

 ドパパパァァァンッ!!

 

 リーダーが早々に死んだことで統率を失い、突如現れたサメの化け物の存在に、完全に恐慌状態に陥って逃げ惑う帝国兵。

 

 しかし、逃げた先では奈落の化け物、ハジメが待ち構える。一発にしか聞こえない銃声が全部で計6発。すべて正確にヘッドショットを決めた。

 

 ハジメが、帝国兵のあまりの脆さに「“纏雷”はいらなかったか?」と思案していると、

 

 「あ”ぁ”?」

 

 おそらく後衛部隊と思われる者達が、少し正気に戻り離れた位置から魔法で、食事に夢中なナナキを狙い撃とうとしているのが見えた。

 

 本来、詠唱中の者達の足元に“手榴弾”を投げ込むのがセオリーなのだろうが、ハジメは“縮地”で彼等に急接近。

 

 「ガッ!?」

 

 「グエッ!!」

 

 まるで羅刹のような憤怒の顔で、帝国兵二人の首を締め上げ天へと掲げると、

 

 「てめぇら……よくも俺の弟を狙いやがったな?うちの子が怪我したらどーすんだゴラァッ!!?

 

 「「「ひぃいいッ!!?」」」」

 

 その恐ろしい剣幕に掴まれていない帝国兵すら腰を抜かす。実際、魔法の攻撃を受けたとしても帝国兵の攻撃如き、ナナキには傷一つ付かない。それはハジメでもわかっていることだ。

 

 それでも、たとえ無傷でも弟が攻撃されるのは我慢ならない。その帝国兵に怒り狂う様はブラコンを通り越してもはやモンペだった。

 

 ナナキが手元にあった食事(帝国兵)をあらか食べ終わったのを見ると、ハジメは自分の手に持つ帝国兵をナナキの方へと投げこんだ。

 

 「ナナキぃ〜!おかわり追加だぁああ!!」

 

 「うわぁああああッ!!やめろおおお!!」

 

 その断末魔を最後に、ヒョイパクッと言った感じて、投げられた帝国兵はみんなナナキの口の中へと消えていった。

 

 そこからもその調子で蹂躙は続く。

 

 何とか逃げ出そうとする帝国兵をナナキが猛然と追いかけ回す。それを回り込むようにハジメはが妨害。

 

 帝国兵に喰らいつくナナキを後ろから攻撃しようとする帝国兵。だが、その切っ先が愛する弟に触れる前に、ハジメのドンナー・シュラークが火を吹く。

 

 食事に屈むナナキの上をハジメが飛び越え、帝国兵と弟の間に立ち、更に群がる帝国兵を蜂の巣にする。

 

 そんなハジメの横合いから襲いかかる帝国兵を、ナナキがその太い腕で虫を叩くように叩き潰す。

 

 ハジメがナナキを時にはナナキがハジメを補いながら戦う様はまさに共演(・・)

 

 シア・ハウリアが見た、ただ孤独に帝国兵を食い荒らすサメの魔物(・・)はどこにもおらず、凄惨さは何も変わらないはずなのに、悲鳴、怒号が飛び交い、血しぶきが舞い散る舞台の上で……

 

 化け物兄弟は、キラキラと輝いて、どこか楽しそうに見えた。

 

 そうこうしている間に血溜まりの中で蹲る帝国兵はたった一人になっていた。

 

 

 その残った一人にナナキがグリンッとその返り血で赤く染まったサメの顔ごと視線を向ける。

 

 「ひぃいいッ!!来るなぁッ来ないでください!!」

 

 そう叫んで後退りする最後の一人(ヒトツ)。ナナキはそれにあっという間に追いついて、その太い両手でガシッと掴み大きく開けた口から丸呑みするように入れ込んでいく。

 

 「うわぁああああああッやだやだッ食べられたくない食べられたくないッ!!」

 

 圧倒的な膂力で掴まれた帝国兵は泣きじゃくり、藻掻く事しか出来ず、その足から二重の牙が生え揃う地獄の大穴に吸い込まれていき、遂には、首しか見えなくなってしまったその時、

 

 「ストップだナナキッ」

 

 『ウゥ?』

 

 ハジメの鶴の一声で、ピタッと動きを止めたナナキ。ギリギリのところでその帝国兵は命をつないだのだ。

 

 ゆっくりした足取りで近づくハジメに、帝国兵が必死に叫ぶ。

 

 「お、お願いです! 殺さないでくださいッ! な、何でもす……しますからッ!! お願いします!!」

 

 「そうか? なら、他の兎人族がどうなったか教えてもらおうか。結構な数が居たはずなんだが……全部、帝国に移送済みか?」

 

 ハジメが聞いたのは、百人以上居たはずの兎人族の移送にはそれなりに時間がかかるだろうから、まだ近くにいて道中でかち合うようなら序でに助けてもいいと思ったからだ。帝国まで移送済みなら、わざわざ助けに行くつもりは毛頭なかったが。

 

 「は……話したら、殺しませんか……?」

 

 「お前……、自分が条件を付けられる立場にあると思ってんのか? 別に、どうしても欲しい情報じゃあないんだ。話さないなら今すぐ弟のディナーになるか?あ”?」

 

 ハジメがそう言うと、ナナキの顎にグググッと力が入る。それに慌てて帝国兵は叫ぶ。

 

 「ま、待って! 話す! 話しますからぁ!! ……多分、全部移送済みだと思い……ます。人数は絞り…ましたからッ……」

 

 “人数を絞った”

 

 それはつまり……老人など売れそうにない兎人族は殺したということだろう。兵士の言葉に、悲痛な表情を浮かべる兎人族達。ハジメは、その様子をチラッとだけ見やる。直ぐに視線をナナキの瞳に移すともう用はないと、ナナキにコクンと頷いて合図する。

 

 それを受け、頷いたナナキはその鋭い牙をまるで処刑台のギロチンの様に帝国兵の首めがけて下ろしていく。

 

 「待て! 待ってください!! 他にも何でも話しますから! 帝国の事でも何でも! だからぁ!!」

 

 それを聞いたハジメが目を細めて帝国兵へと言い放つ。

 

 「お前、殺した兎人族に…やめてと言われてやめたのかよ?」

 

 「はッ?」と、何を言われたのかもわからず呆然とする帝国兵。その様子を嘲笑するように見下すハジメは続ける。

 

 「わからないか?今お前は、自分たちがやった事をやり返されてる状況にあるんだよ。ママに教わらなかったか?自分が嫌がることを他人にしちゃいけませんって……。」

 

 ゆっくりと降りてくる刃に見向きもせず帝国兵はハジメを凝視する。

 

 「あぁ、勘違いすんなよ。俺は別に兎人族に寄り添って言っているわけじゃねぇ。この世界は弱肉強食。強いやつが得をして、弱いやつが損をする。今回、兎人族は弱かっただけで……そして、あんたら帝国の連中も弱かっただけの話だ。」

 

 ゆっくり降りてきた牙は遂に帝国兵の首を喰む。

 

 「あんたらが兎人族の命乞いを聞かずに殺したように、俺達もお前の命乞いなんて聞かない。それに、昔から言うだろ?」

 

 そう言うとハジメは穏やかに笑って軽い口調で

 

 「お残しはゆるしまへんでぇ〜ッ……てな?」

 

 某有名な食堂のおばちゃんのモノマネをする。それを聞いた帝国兵は一気に表情を歪め喚き散らす。

 

 「ふ……ふざけるなぁ!!やめっやめろおお━━━

 

 ぶちんッ

 

 と、何かがちぎれる音と共に、帝国兵の首が地面に転がる。

 

 その歪んだ表情を覆い隠す様にナナキの手のひらが伸び、それを鷲掴むと、ひょいと天へと放り投げバックンと口でキャッチした。むしゃむしゃと咀嚼し、ごっくんと飲み込んだ後、

 

 

 『ゲェ〜〜〜〜ッ!

 

 と樹海や峡谷まで響くゲップを漏らす。

 

 そして、口の周りにベッタリとついた赤い血糊をベロンッと大きな舌で舐め取ると

 

 『ゴチシウサマデシタァ!!』

 

 と行儀よく元気に叫んだ。するとその時、突然ナナキが船を漕ぐようにウトウトしだす。ドスンッと尻餅をつき、風船が萎むようにその体が縮んでいき、元の小さくて可愛らしいナナキに戻る。

 眠そうにグリグリと目をこすり、 

 

 

 「もう…おにゃかいっぱいれ……たべられらいろぉ〜」

 

 と呟く。

 

 おそらく、魔力飽和状態による眠気だろう。ハジメはそんなナナキのそばに寄り、背中を向け、おぶさるように促す。すると、「うぅ〜」と可愛らしく唸りながら、ほとんど意識が朦朧の状態でハジメの背中にポフッと覆いかぶさるナナキ。

 ぷーぷーと寝息を立てて眠るナナキを穏やかな顔でハジメは見つめる。地面が血溜まりに染まってなければ、一種の神聖な光景に映っただろう。

 

 「あのぅ〜、ハジメさん……そのままだと、ちょっと脳みそがバグりそうなのでそういうのは後にしてもらっていいですぅ?」

 

 シアの指摘に弟との蜜月を邪魔されてキッと睨むハジメ。

「ひぅっ」と怯むシアを尻目にユエの元へと歩き出す。

 

 「お疲れ様……」

 

 「あぁ、ただいまユエ。」

 

 ユエと応対しながらも、残された血溜まりを見つめて首をひねるハジメにユエが訝しんだ様子で聞く。

 

 「……どうしたの?」

 

 「ん?あぁ〜、いや。初めて人を殺したけど、特に何も感じなかったなぁ〜と思ってな。」

 

 ハジメが言うには、ナナキだけに人殺しの業を背負わせない為に、蹂躙劇に参加したとはいえ、思いのほか自分が殺人に躊躇いを覚え無かった事に少し感傷に浸っていたとのこと。

 

 「俺も随分と変わったもんだ……。」

 

 「……大丈夫?」

 

 「ああ、何の問題もない。これが今の俺だし、これからもちゃんと戦えるってことを確認できて良かったさ。」

 

 ただ、とハジメは続ける。

 

 「ナナキが、後でどう思うかだな……。」

  

 そう、ハジメは割り切れたとしても、ナナキもそうだとは限らない。今回、ハジメとユエ。大好きな二人に敵意を向けられ衝動的に暴れたナナキだが、後で冷静になって心を痛めてしまうのではないかと危惧する。

 

 「大丈夫……ナナキは強い子……私たちの弟だから…。」

 

 「ユエ……」

 

 そうやって一瞬顔を曇らせたハジメにユエが寄り添って言う。

 

 それもそうだな。と納得したハジメは、ユエと共に自分の背で眠る弟を撫で続けた。

 

 「まぁ、でもあれだな。俺は逆に、食事をするナナキがカワイイ意外の感想がなかったくらいだったな。」

 

 ちょっとしんみりした空気を元に戻そうとハジメが笑って言い放つ。しかし……

 

 「ハジメ……それは末期」

 

 「えっいや、ちょっと待てユエ。なんでそんな目で見る。お前だってナナキはカワイイと思うだろ?」

 

 唐突に出たあんまりなハジメの言に流石にドン引くユエ。恋人の御座なりな反応にショックを覚えたハジメは必死に弁明しようとするも。

 

 「確かに、ナナキがカワイイのは事実……でもアレをカワイイかと問われれば……議論の余地アリ……」

 

 素気なくあしらわれてしまった。

 

 「ぐぅっ」と唸るハジメを見ていたシアを含めたハウリア達が驚愕に目を見開く。あれほど凄惨な戦いを繰り広げておいて、ナナキは兎も角、ハジメすらも今まで人を殺したことがなかった事実に驚く。そして、先程までそんなハジメ達に恐怖の眼差しを向けていた兎人族達はバツが悪そうな顔になる。

 

 そんな中、兎人族を代表してシアとカムが前へ出る。

 

 「すまない、ハジメ殿。我ら兎人族は争いに慣れていない故、我々はつい、貴殿らに忌避の目を向けてしまった。助けられた身でありながら……本当に申し訳ない。」

 

 「すみません、ハジメさん……私たちのせいで、手を汚させた形になってしまって…。」

 

 そう言って頭を下げる兎人族達にハジメは

 

 「……どうしたお前ら急に……気持ち悪りぃな」

 

 と、ポカンとした顔でひどい返しをした。

 

 「キモッ!?……ひ、ひどくないですぅ!?」

 

 再びシアがキィーッキィーッと叫び始めたとき。ユエが真面目な顔で兎人族を一瞥する。

 

 「……それが理解できてるなら、私からは何も言わない。……これで何もなかったら、私から口出ししてた……。」

 

 どうやらユエは、静かに怒っていたようで、守られておきながら、ハジメとナナキに向ける視線に負の感情を宿すなど許さないと言わんばかりである。

 

 だが、兎人族達からしっかりと申告があった為、これ以上は追求しないと、その怒りを収めた。

 

 話が落ち着いたため、ハジメは、無傷の馬車や馬のところへ行き、兎人族達を手招きする。樹海まで徒歩で半日くらいかかりそうなので、せっかくの馬と馬車を有効活用しようというわけだ。魔力駆動二輪を“宝物庫”から取り出し馬車に連結させる。因みにナナキは馬車で眠かせるため、サイドカーは取り外してある。馬に乗る者と分けて一行は樹海へと進路をとったのだった。

 

 

 

 

 

 

  ◇

 

 

 

 

 

 「あの、あの! ハジメさんとユエさんとナナキさん……皆さんのこと、教えてくれませんか?」

 

 俺、南雲 ハジメは七大迷宮の一つにして、深部に亜人族の国フェアベルゲンを抱える【ハルツィナ樹海】を前方に見据えて、二輪で馬車牽引してそれなりに速いペースで平原を疾走していたとき、俺の後に座る残念ウサギがまたもや頓珍漢なことを聞いてきた。

 

 「? 俺達のことは話したろ?」

 

 「いえ、能力とかそいうことではなくて、なぜ、奈落? という場所にいたのかとか、旅の目的って何なのかとか、今まで何をしていたのかとか、皆さん自身のことが知りたいです。」

 

 「……聞いてどうするの?」

 

 唐突な問いにユエが顔をしかめて聞き返す。

 

 「どうするというわけではなく、ただ知りたいだけです。……私、この体質のせいで家族には沢山迷惑をかけました。小さい時はそれがすごく嫌で……もちろん、皆はそんな事ないって言ってくれましたし、今は、自分を嫌ってはいませんが……それでも、やっぱり、この世界のはみだし者のような気がして……だから、私、嬉しかったのです。お二人に出会って、私みたいな存在は他にもいるのだと知って、一人じゃない、はみだし者なんかじゃないって思えて……勝手ながら、そ、その、な、仲間みたいに思えて……だから、その、もっとお二人のことを知りたいといいますか……何といいますか……」

 

 残念ウサギは話の途中で恥ずかしくなってきたのか、次第に小声になって俺の背に隠れるように身を縮こまらせた。出会った当初も、そう言えば随分嬉しそうにしていたと、俺達は思い出し、シアの様子に何とも言えない表情をする。あの時は、ユエの複雑な心情やナナキへの思いにより有耶無耶になった挙句、すぐハウリア達を襲う魔物と戦闘になったので、谷底でも魔法が使える理由など簡単なことしか話していなかった。きっと、こいつは、ずっと気になっていたのだろう。

 

 確かに、この世界で、魔物と同じ体質を持った人など受け入れがたい存在だろう。仲間意識を感じてしまうのも無理はない。かと言って、俺達が、この残念ウサギに対して直ちに仲間意識を持つわけではない。が……樹海に到着するまで、まだ少し時間がかかる。特段隠すことでもないので、暇つぶしにいいだろうと、俺達はこれまでの経緯を眠るナナキは不在で語り始めた。

 

 

 

 結果……

 

 

 

「うぇ、ぐすっ……ひどい、ひどすぎまずぅ~、ハジメさんもユエさんもがわいぞうですぅ~。そしてぇ、ナナちゃん(・・・・・)はなんていい子なのですかぁ〜。ハジメさんの為に、一人でそんな危険な場所にぃ〜……同い年なのに……私よりもずっとハンデを抱えているのにぃ〜……

とっても立派ですぅ〜。そ、それなのに……私はなんでめぐまれて……うぅ~、自分がなざけないですぅ〜」

 

 

 号泣していた。滂沱の涙を流しながら「私は、甘ちゃんですぅ」とか「もう、弱音は吐かないですぅ」と呟いている。そして、さり気なく、ナナキのことも、“ナナキさん”から“ナナちゃん”に呼び方が変わってやがるし、俺のコートで顔を拭いている。

 もう鉄拳を入れる気力もない。

 

 おそらく、自分は大変な境遇だと思っていたら、俺達が自分以上に大変な思いをしていたことを知り、不幸顔していた自分が情けなくなったとかか?

 しばらくメソメソしていた残念ウサギ、しかし突如、決然とした表情でガバッと顔を上げると拳を握り元気よく宣言する。

 

 「ハジメさん! ユエさん! 私、決めました! 皆さんの旅に着いていきます! これからは、このシア・ハウリアが陰に日向に皆さんを助けてして差し上げます! 遠慮なんて必要ありませんよ。私達はたった四人の仲間。共に苦難を乗り越え、望みを果たしましょう!」

 

 

 

 何か勝手に盛り上がっている残念ウサギに、何言ってんだこいつって顔をして実に冷めた目を向ける俺とユエ。

 

 「現在進行形で守られている脆弱ウサギが何言ってんだ? 完全に足でまといだろうが」

 

 「……さり気なく『仲間みたい』から『仲間』に格上げしている……厚皮ウサギ」

 

 「な、何て冷たい目で見るんですか……心にヒビが入りそう……というかいい加減、ちゃんと名前を呼んで下さいよぉ」

 

 意気込みに反して、冷めた反応を返され若干動揺している浅知恵ウサギに、俺は核心を突きつけてやる。

 

 

 「……お前、ただ単純に旅の仲間が欲しいだけだろう?」

 

 「!?」

 

 

 俺の言葉に、残念ウサギの体がビクッと跳ねる。

 

 

 「一族の安全が一先ず確保できたら、お前、アイツ等から離れる気なんだろ? そこにうまい具合に〝同類〟の俺らが現れたから、これ幸いに一緒に行くってか? そんな珍しい髪色の兎人族なんて、一人旅出来るとは思えないしな」

 

「……あの、それは、それだけでは……私は本当に皆さんを……」

 

 

 

 図星か……。まぁこいつの状況と兎人族の習性を鑑みるに、この残念ウサギは一族を危険に晒さないために旅に出たいと考えている。だが一人で行こうとすれば他の兎人族達に止められるか、最悪ついて来ようとする。そんな中に現れた俺達はまさに渡りに船だった訳だ。

 

 

 「別に、責めているわけじゃない。だがな、変な期待はするな。俺達の目的は七大迷宮の攻略なんだ。おそらく、奈落と同じで本当の迷宮の奥は化物揃いだ。お前じゃ瞬殺されて終わりだよ。だから、同行を許すつもりは毛頭ない」

 

 「……」

 

 俺が容赦なく突っぱねると、残念ウサギは落ち込んだように黙り込む。それからも樹海に到着するまで、何か考え込むように難しい顔で大人しく座席に座っていた。

 

 

 

 

 

 

 

 





 ④光輝  ←何言ってるか分からないし、
       ちょっと鬱陶しい。



 もりこっこ さん、

 新たに評価、ありがとうございますm(_ _)m

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