ヤンキー少女は迷子の歌姫に恋をする 作:アッシュクフォルダー
後藤暁美と椎名立希が海辺の広場で歩いていると、
高松燈と出会うが、燈が変な儀式?をしていた。
「さぁ!みなさん!ク・リパースの高まりを感じますか?
そうです。これが、シュレピッピ。
そう、鍛錬なのです。人は徳を積めば、必ず救われます」
と、燈は他の人たちに交えて、妙な儀式をしていた。
「燈が洗脳されている!インチキ宗教団体に!」
「燈ちゃんを助けないと!」
「私一人で良いと思ったけど、暁美の力も必要そうね」
「あぁ、アタシも感じるよ」
暁美と立希は、燈を助ける一心で、燈の前にやって来た。
「燈!何しているの?変な宗教に入っちゃダメだよ!」
「えっ?で、でも、この人は…」
「そう思われても、不思議ではありません。
私は30年ほど前、様々な悪事を重ね、去年、出所した者です」
「この人を助けたから」
「えっ?」
「燈さんは、出所した私に本当の優しさと慈愛と慈悲を
教えてくれました。まるで、天使のような存在でした」
「燈が天使なのはわかるけど、
おじさんは、燈に手を出そうとしているでしょう?」
「そ、そんなことはないです!
もう、悪事はしません。
これ以上、罪を重ねない為にも、啓発活動をしているのです」
その、おじさんは、かつて、聖心真理教という、
インチキ宗教団体の開祖であり、30年前に、
様々な悪行や詐欺と犯罪事件を起こし、
結果、国家権力に潰されたらしく、
開祖は、30年間刑務所で過ごしていたというが…
「そうです。私は30年前の世の中で一世風靡していた、
悪徳宗教の開祖だった、田中市雄です」
「田中さんは、悪い人じゃない。
ちゃんと罪と向き合って、生きているから」
「燈ちゃん…」
「燈…」
「詐欺の手口、そして、洗脳の方法や手法まで、
ネット動画で公開して、利益も一切出さずに、
これ以上、悪事が広がらない為にも、啓発活動をしています。
仮に収益があっても、被害者の会に全額寄付しています。
その為、私は今、住む場所すらない人以下の存在です」
「ううん。違う!田中さんは人以下じゃない!
惨めでも、ダメでもない。ちゃんと、立派に生きている人間だから!
私と違って…」
と、燈は自分で責めた。
「ここまで言って、そんな言葉をかけてくれるのは、
燈さん位ですよ。私は人間を皮を被った、一端のペテン師です。
だからこそ、詐欺の手口や、悪徳宗教の実態など、
私が啓発して、死んでいくしかないのです」
「で、燈は、このおじさんとどういう関係?」
「助けたから。倒れていて、死のうとしていた」
「私が橋の上から飛び降りようとしていたら、燈さんに止められたんです。
あの時の私は自暴自棄になっていました。
出所しても、後は死ぬだけでしたから。
燈さんを知ってわかったんです。彼女の優しさ、そして慈悲と慈愛は、
私を救ってくれたんです。
だから、啓発活動をする原動力になったんです」
「燈ちゃん。アンタ、スゲーじゃん」
「そんなことないよ…」
「燈さんは、まだ若い。
それに、多くの友達に恵まれている。
だからね、燈さん。私は感謝してもしきれない程、
優しく親切にしてくれたから、どうも、ありがとうございます」
「…」
「燈さんのような人が増えたら、
世界中は、きっと本当に平和になるに違いありません。
私はかつては人を欺く詐欺師だった。
今の詐欺師たちに言いたい。止めなさいと。
今の私みたいになり兼ねないと」
「…」
「明るい未来を、燈さんたちの手で、創ってください。
燈さん達なら、きっと出来ると信じています」
と、おじさんは、他の人たちに対して、
詐欺の手口を暴露するのだった。