ヤンキー少女は迷子の歌姫に恋をする 作:アッシュクフォルダー
ある日、後藤暁美は長崎そよと出会った。
というよりは、再会に近い。
何故なら、そよとは一度出会ったことがあるからだ。
「こうして、話すのは、初めてかも?」
「あぁ、アタシにとっては、
そよ達の、クライシックが、
アタシの心を救ってくれた」
「どういうこと?」
「…感じたんだよ。アタシ。
初めて他人に感動するって気持ちが、
芽生えて、感じたんだよ。
今までそんなことなかったのに…」
「そうだったんだ…暁美ちゃんにとって、
クライシックって、大切な存在だったんだね」
「そうよ。他の人はどうでもいいって、
思うかもしれないけど、アタシにとっての、
クラシックは、大切で心の支えの一つだから」
と、暁美は落ち込んでいる感情を、そよに見せた。
「頑張るよ」
「えっ?」
「クライシックは、私が復活させる」
「そよ。アンタ一人じゃ、ダメよ。
アタシだって、そよと同じ気持ちだから!」
「ありがとう。力になってくれるなら、
力になって欲しい」
「あぁ、アタシに任せな!」
と、暁美は空高く拳を挙げた。
「この右手は友を守るため、左手は愛する人を守るため、
アタシは、この拳を使う!」
「暴力はダメだよ…?」
「わかっているよ」
「そう言えば、暁美ちゃんって、立希ちゃんと、
幼馴染だったよね?」
「そうだけど?」
「立希ちゃんって、幼少時は、どんな子だったの?」
「そうね…アタシも立希も
二人でよく遊んで、よく口喧嘩もして、
よく支え合って、よく立希を助けに行ったわ」
「えっ?」
「立希って、あぁ見えて、好きな人には一途だからさ、
燈に対する気持ちも、現れているかもしれないな。
アイツが守る存在があるなら、
アタシは、助けてあげたい。それだけ」
「よく立希ちゃんって、ヤンチャしていたの?」
「近所のギャング達と、よく一緒にいて、
敵対している連中とも、口論しては、
アタシがよく助けに行っていたわ。
だからこそかな?
燈も自分と同じ目に遭わせたくないから、
こういう風に過保護になっては、彼氏のように、
振る舞っているかもな」
「あっ、そろそろ、暗くなるから」
「あぁ、お嬢様はギャングに襲われるぞ?」
「わかってる」
後藤暁美と椎名立希は、中学の時、
ギャングチーム、パラダイスに所属していた。
行き場のない少年少女たちが楽園を作るために、
結成した、ギャングチームであり、
堀田翔という、17歳の若きヘッドがいる。
来るものは拒まず、受け入れた仲間は、
何があっても見捨てないことを信条としている。
暁美と立希は、よくパラダイスという、
ギャングチームのアジトに、よく出入りしていた。
嫌なことが吹っ飛ぶくらいには。