おじさん、異世界冒険を配信するってよ   作:影薄燕

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※原作27話、28話参照


おじさんの異世界冒険⑩ 混浴 +おまけ

 

               【ティーブレイク2】

同居人:しかし、長い1日ですね。肉体もそうだけど精神的な疲労もすごそう……

 

おじさん:3年も冒険者やってると割と耐性付きますよ? 毎回街や村の宿に泊まれるわけではありませんし、ダンジョン攻略とか――途中で集中を切らすと罠に掛かる率が跳ね上がりますから。

 

同居人:そっかー。数年もそんな暮らししてたから心身共に鍛えられたんですね。しかもおじさんの場合、野宿だろうが街や村にいようが本当に心休める日は少ないから……

 

同居人:……うん。視聴者の皆さんも休めたようですね。それでは本日最後のイベントを見ていきましょうか。

 

 

・今更だけど、あの魔獣たちの襲撃おかしくね?

・それ俺も思った

・え? 何がおかしいの?

・いや、ぶっちゃけ……唐突過ぎない?

・なーる

・魔獣について詳しくないけど、3種類のタイプ違う獣が一緒に行動するか?

・『催眠獣』『魔封鳥』『焔殺獣』見事にバラバラ

・封印都市の件とかあるし可能性ゼロじゃないんじゃねーの?

・あれは元々同じ場所に閉じ込められてた連中が、同じ目的地まで足並み揃えてただけ

・どうにも作為的なモノを感じる

・その心は?

・リーダー格&デバフ特攻2匹&雑兵十数匹とか誰かが用意したみたい

・――!? アリシアちゃんたちを襲わせるために仕掛けた?

・あくまで可能性だけど

・まさか魔王が成長途中の勇者〇すために……?

・今の時点じゃ何とも言えないし今後の展開に期待

・絵師:私たちが見てないだけで3年の月日を理不尽な世界で過ごしてるんですよね

・そりゃ疲れるにしても許容範囲内か

・体の傷もアリシアに治してもらえるから明日に響かない

・よっしゃ最後のイベントだ! 気張っていくぜ!!

 

               【まさかの混浴映像】

おじさん:あの戦いの後、せっかくだしともう1回温泉に入り直して――

 

同居人:その場面は視聴者誰も望んでないから飛ばそうか。

 

おじさん:分かった。――あぁ、ついでにアリシアも温泉入りに来たな。魔獣に焼かれたせいで仕切りが無くなったんだ。じゃあ、早送りするぞー?

 

同居人:待て待て待って! 早送りしないで戻して――「お? そうか」――戻しすぎだよ! そこまで戻すな!!

 

 

・また誰得なおじさん入浴シーンかよ

・まさかこれがイベントとか言わねえよな……?(ピキピキ)

・謎の光の無駄すぎる配慮に殺意湧き出す視聴者s

・ん? 誰か来て――

・――!?

・ア、ア、アリシアちゃんだとおおおおおおおおおおおっっ!!?

・濡れ透け入浴着きたあああああああああああ!! ¥4500

・いやエッロ! ¥1000

・ああぁ……横側だけ開いて――紐だけで――キュウ ¥900

・何人か昇天したな

・みんな胸の先を凝視するんだ! きっとアヴァロンはあそこに――!

・同居人「センシティブ対策入りま~す」

・あああああああああっ! 何だあの妙に濃い湯煙はああああああああ!

・局所だけ異様に湯気が集まって濃くなってますね(血涙)

・知らないのか? アレこそ“モザイク”“謎の光”に次ぐ究極の対策現象“妙に濃い湯気”さ!!

・何だってえええええええええ!!?

・お風呂、温泉シーン限定で我々を邪魔してきた憎き敵め――!

・男湯と女湯の仕切りも燃えてたんだったな

・SW:あの……これ実質……混浴じゃ……

・おじさんギルティ

・でも入浴着を身に付けてるし外国人判断だとどうなんだ?

・It's okay. No problem.

・サウナとかでも素っ裸で男女一緒にいる国もあるんだぜ

・――って早送りダメええええええええええ!!

・需要あるから! おじさんの入浴は無いけど、アリシアの入浴は需要あるから!

・もどしてもどしてもどして……!

・アリシアちゃんが登場した所まで戻して!

・そうそう戻していって――アホぉ!!

・戻しすぎだ! おじさんの入浴はどうでもいいから!

・戻すんじゃねぇ!

・今日の視聴者が理不尽な件

・「早送りして」→「戻せ!」→「戻しすぎだ!」は普通に酷い

・そんなすぐにパッパッとできんのよね

・でもアリシアさん、何でおじさんとこに?

 

 

アリシア:「クーロキ! ちゃんと専用の服着てますよ。ふふふ、裸だと思ったの?」

 

おじさん:「な、なんだ。温泉だからな。俺、てっきり……」

             

アリシア:「あはは! そんなわけ――キャアアアアアッ!!

              シュル……

おじさん:記憶忘却(イキュラス・キュオラ)』!

 

           【ノルマ達成映像】

 

おじさん:アリシアの肌を見た俺は即座に自分の記憶を消した。

 

同居人:判断が早い!!

 

おじさん:念のために何があったかメモを取ってから記憶を消しているのですが、これ大事ですよ? 見たか見てないかの衝突は場合によっては大きな溝になりますから。何も覚えてなければ衝突自体起こりません。

 

   1:00:03
 
     

おじさんの異世界冒険⑩

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〇〇回視聴 ~分前

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・アリシアちゃんの裸あああああああああああああ! ¥2000

・ラッキースケベきたあああああああああああ!! ¥1200

・記憶の精霊様、同居人様、アリシアちゃんの柔肌が見たいです……!!

・湯気に殺意覚えたの初めてだ

・何故1番大事なところが見えないのか(赤い涙)

・絵師:1番大事だから見えないようにしてるんでしょうが!

・それより俺はおじさんの躊躇いの無さに戦慄を覚えた

・初めて自分で自分の記憶消してるシーン見たけど……

・迅いっ!?

・あまりの判断の早さに視聴者も恐れ戦いてるのがチラホラ

・これには鱗滝さんもニッコリ

・↑するかなぁ?

・鱗滝「一瞬でも良いから考えろ」

・そうか。もうおじさんはこんなこと何度も繰り返してるのか…… ¥500

・そりゃあさ? 記憶消しすぎて脳に異常出るって

・ある意味、究極の自己保身とも取れる

・スムーズすぎて何十回と繰り返してるのが分かってしまう ¥600

 

             【まさかの年齢に仰天する映像】

おじさん:当時の俺はアリシアの裸を見た記憶を綺麗さっぱり忘れたので、余計な摩擦は発生しませんでした。

 

同居人:代わりにアリシアさんはちょびっと女性としての魅力に自信を失ってしまってますけど。

 

おじさん:次に分かったのは俺とアリシアが同い年という事実ですね。

 

同居人:どころか誕生日参照すると、おじさんの方が年下だったという現実にアリシアさんが受け止められない様子。気持ちは分かる。

 

 

・男としては気持ちが分かりにくいんだけど……どうしてアリシア残念がってる?

・気になる異性に見られるのは恥ずかしいけど――

・同じぐらい自分のことでドギマギして欲しいって気持ちが女の子にはあるの

・しかし悲しいかな。おじさんは何も覚えてない

・おじさん視点だと急にアリシアちゃんが自分の反応気にしだしてることに疑問沸くのか

・SW:あ~あ、記憶消してなかったらな~

・卑下しないで。そんな小娘の体に欲情する視聴者はめっちゃいるから

・何なら今でも少しずつ増えてる

・↑時空越えて悪寒感じそうだなヒロインズ

・アリシアさんビックリ仰天!

・珍しい表情だ。そんな顔もカワイ ¥400

・そっか。おじさんが20歳って誰も知らないんだ

・アリシアさん20歳!? 俺より年上!?

・もしかしてとは思っていたけど童顔だな……

・やっぱ異世界人視点でも当時のおじさん30歳ぐらいに見えるんだ

・お? 俺、おじさんと誕生月一緒だ ¥700

・アリシアちゃん、気を失いかけてない?

・そりゃ目の前の老け顔が自分より年下と分かれば……

・おじさんその顔やめい。余計老けて見えるじゃろ

・みんな衝撃の事実にビックリしてるけど、別のビックリ要素もあるぞ?

・異世界の暦が地球のそれとほぼ同じ可能性が出てきたからな

 

               【アリシアの過去映像】

同居人:動揺が隠せないアリシアさんですが、サラッととんでもない事実が判明しました。

 

おじさん:記憶再生(イキュラス・エルラン)』で11年前の記憶を見れば、家族と記憶を失った辛い過去が明らかになったのです。

 

おじさん:だが、俺は気付いた。記憶喪失になったアリシアにとって記憶は俺が思っている以上に大事なものなんじゃないかって。

 

 

・? 誕生日違う可能性あるの?

・もしかして捨て子だったから正確に分からないとか?

・9歳以前の記憶無いって――記憶喪失!?

・え!? アリシアさんが!

・おじさんの魔法で11年前の記憶映像が……

・アリシアちゃん視点だけど……モザイク掛かってるけど血だよな

・おのれゴブリンめ!!

・ゴブリンってやっぱ女連れ去るのかよ。

・詳しい説明無いけど、やっぱ繁殖目的で……

・本当に記憶喪失

・じゃあアリシアさんって、精神年齢は10歳前後?

・そりゃ言動がちょっと幼いはずだよ。精神と肉体が微妙に合ってない

・持ち物が破けた手紙って……

・翻訳された文字見るに、妹さんがアリシアちゃんの誕生日に渡した手紙か

・シンプルに胸くそ悪い

・てかこれ……「アリシア」って本名じゃないのか

・「ア〇〇〇」だから、「アンナ」かもしれんし「アータル」かもしれん

・家族の遺体も見つからずじまいか

・そのイーデルシアさんがアリシアさんの名付け親になるんだ

・おじさんが神妙な感じに

 

            【おじさんが正直に告白する映像】

おじさん:だから俺は――アリシアに記憶を消したことを正直に言った。

 

同居人:誠実な対応かも知れませんが……アリシアさんからしたらとんでもない真実です。血相変えて掴みかかってるじゃありませんか。

 

おじさん:だが、アリシアの過去を知った以上、黙っていることなんて俺には無理だった。俺は、これまで消したアリシアの記憶を思い出させた。

 

同居人:全部を思い出したアリシアさんにとっては青天の霹靂もいいところです。きっと頭の中ごちゃごちゃになっているでしょう。

 

同居人:しかし、どうして封印都市での一件そのものの記憶は消さなかったんです?

 

おじさん:しょっちゅう消してるので勘違いされがちですが、記憶の消去が本来怖いものであるのは理解しています。時間が経ちすぎた記憶を消してしまうと人格に影響が出る可能性が大きいので、基本的に消すのは半日も経ってないような記憶のみです。

 

同居人:………………たわし以下で売られた件を記憶から消したのって最低でも1週間以上経ってからでしたよね? 思いっきり人格に影響が出てるんじゃ……

 

 

・記憶が無いからこそ“経験した全てが宝物”か ¥800

・おじさんも大分思うことがある様子

・そりゃ記憶をポンポン消してる人からすれば耳の痛い話だよ

・けどおじさんの場合、辛い記憶が多すぎるのがそもそもの原因というか……

・天地ひっくり返っても自身の価値30銭の記憶は宝物じゃない

・!? おじさん待て! そこでそれ言うのは――!

・正直は美徳だけど……

・案の定、血相変えて掴み掛かるアリシア

・そりゃそうだろ。記憶大切な人に記憶消しましたは禁句だよ

・瞳孔開いて一気にシリアスな雰囲気に

・思い出すと鼻血出るの?

・CGクリ:待て。それ脳の負担になってるんじゃ

・おじさん、帰還してから大分辛い記憶思い出してるはずだよね……?

・配信のために過去映像間違いなく見るし、1回2回どころじゃ……

・鼻血のでどころisどこ?

・T:1度脳の検査受けてもらえ。金は十分あるだろ

・アリシア全部思い出した

・本当に大丈夫? 2回分の記憶一気に思い出すって間違いなく脳の負担になってるんだけど?

・そうなんです。おじさんが勇者なんです

・なお、討伐方法……

・↑訳分からん作戦してからの逆ギレ自然破壊だったな

・あ~あ、封印都市の結界壊した件までカミングアウトして……

・アレ、おじさんにしてはすっごい迷惑な行為だった

・だからこそ違和感もあるけど

 

             【おじさんの目的を話す映像】

おじさん:アリシアの俺を信じようとする気持ちに負け、俺は自身の出自と目的――日本への帰還とその方法の模索を話しました。

 

同居人:最強と最強とをぶつけ合わせて時空に穴を……そんなこと可能なのですか? そも、その時空のトンネルの先が日本に繋がってるとは――

 

おじさん:確かに確証はありません。ですが諦める理由にもならない。そのために冒険者となって各地を旅しているのですから。“絶対に日本へ帰る”。それだけを目的に17年がんばった結果が……今、ここで配信してる俺なんですよ。

 

同居人:そう考えると感慨深いですね。

 

 

・アリシアちゃんマジ聖女 ¥500

・普通だったらもっと攻撃的になってもおかしくないのに、それでもおじさん信じてる

・さすが人間不信だったおじさんを多少なりとも癒やした女性だ ¥1000

・お? おじさんも正体明かすのか

・目的が帰還なのは知っているけど、ようはその方法が不明なんよね

・【速報】おじさんの考えてる帰還方法、予想以上に強引

・力押しの極みみたいな方法考えてたんだな……

・そんな都合良く時空の歪みなんてできる?

・魔法要素ありきの世界ならぶつけるものによっては可能性ゼロではないかも

・疑問あるだろうけど、実際に俺らの前におじさんはいるんだよね

・え? じゃあ本当に時空に穴開けて日本へ?

・あくまで現時点で考えてる方法だから

・もしかしたら1回限りの転送装置なんてモノも登場するかもしれないし

・ぶつけられる側の強度とぶつける側の攻撃力が問題か

 

             【アリシアと約束をする映像】

おじさん:俺に取って自分や他人の記憶を消すのは生きるためだった。だが――アリシアにこんなこと言われたら……

 

同居人:アリシアさんって、ある意味でおじさんでも敵いませんよね?

 

おじさん:そうだな。俺はアリシア本人と俺自身にアリシアとの思い出を消さないと約束しました。記憶を消すなと怒られることは想定していましたが、俺との記憶を消したくないと怒られることは想定外でした。

 

おじさん:それから俺は可能な限り自分や他人の記憶を消さないようにしました。どうしても必要ならしますが、本当に必要かどうかを吟味するようになったのです。

 

 

・そうだよね。生きるためには仕方ないよね

・実際、30銭クラスの辛い出来事全部覚えていたらどうなってたか

・圧倒的なストレスから体調崩した可能性はある

・鬱ってね、なってみて初めて辛さが分かるのよね……

・そうなると冒険者業続けられてたかも怪しいか

・アリシアちゃん必死だな

・“記憶”に関しては人一倍気にするでしょこの子は

・おじさんに忘れて欲しくないし、忘れたくもない……か……

・おおっ! あのおじさんと約束取り付けたぞ!

・エルフやメイベルにも出来ないことやってのけるなー

・最後の尊さに俺氏、無事昇天 ¥4000

・惚れてまうやろおおおおおおおおおおおおおお!! ¥3000

・尚、おじさんのヒロイン

・もうそれでいいよ。俺はアリシアたんを推しにするって決めたんだい! ¥800

・絵師:良し。“額合わせの約束”ってタイトルで描くぞー!

 

            【消した記憶に関して詰め寄る映像】

おじさん:話がそこで終われば良かったのですが、アリシアの発言で俺がアリシアに関する何かの記憶を直前に消してることが分かりまして。

 

同居人:約束守ろうとするおじさん自体は素晴らしいけど、その消した記憶に問題があるという……

 

おじさん:今の俺はどうしてアリシアが頑なに教えないのか分かりますけど、映像の俺はとにかく思い出そうと必死でした。

 

同居人:これ何が酷いって、事実だけ言うと“老け顔の青年が同い年の女性に裸を見せてくれと必死にお願いしている”場面とも取れることですね。それで? この後、おじさんは思い出すことができたのですか?

 

おじさん:いや――

 

 

・意地でも約束を守ろうとするおじさんは尊敬するけど……

・その消した記憶(ラッキースケベ)を教えるって地味に難易度高い

・約束通り教える=自分のあられもない姿を思い出させるってことだしな

・おじさんの行動理由そのものは悪くないのが逆に質悪い

・しかも、約束を取り付けたのアリシアだから断りにくいというおまけ付き

・アリシアちゃん、自分の発言に責任持とうぜ?

・↑もう1回アリシアの裸見たいだけだろ

・そうですが何か???

・コイツ無敵か?

・自分から恥ずかしながらも入浴着はだけさせる女性に興奮しないとでも???

・湯気で見えなくても見たい

・妄想だけでごはん3杯はいける ¥600

・くるのか? くるのか!?

・目を瞑った数秒後に待ち受ける光景は――!?

 

             【狙撃の嵐に晒される映像】

おじさん:結界を越えてエルフに銃撃されました。本気で殺されるかと思った。必死に逃げた。

 

同居人:ツンデレさん、まだ山でスタンバってたのか。というか、ずっと監視してたのか。

 

おじさん:こうして長かった1日がようやく終わるのですが、全体通して散々な目に遭いましたよ。もう煉獄というより地獄です。

 

同居人:誰が上手いこと言えと。

 

 

・え? 今の攻撃って……?

・スナイパーエルフによる狙撃っすね

・SW:いや多い多い! 攻撃回数が多いですよエルフさん!!

・何発撃ってるんだよ!

・何で山から未だに戻ってないのですか?

・もしかして……おじさんの入浴シーン合法的に覗けると……?

・ありえない――って言えないのが最近のエルフ

・メガネの魔道具でおじさんの入浴盗み見たら……

・勇者とイチャつきだしたの目撃したか

・で、我慢が限界迎えて連続狙撃と

・勝手に覗いて、勝手に嫉妬して、身勝手に銃を乱射する

・近年希に見るレベルの女犯罪者かよ。ゴールデンとかで取り上げられるような

・暴力系ヒロインが可愛く見える理不尽さ

・いくら美しくても狙撃銃で狙ってくるヒロインとかこっちからお断り

・命がいくつあっても足りねえよ。ストレス過多で毛が抜ける

・おじさんに座布団1枚

・ホント地獄もかくやな1日だった

・アリシアさんがメスの顔になってます

・完全におじさんのこと意識しちゃったか

・数ヶ月差の年下とか誤差だろうに……

・好感度としてはヒロイン的にどの辺りだろ?

・メイベル→likeよりのLove

・アリシア→Loveよりのlike

・エルフ→Loveが行きすぎてヤンデレ疑惑浮上

・最後だけ毛色違いすぎね?

 

 

おじさん:――というわけで、長かった……本当に長かった1日がようやく終わりました。ついでに配信も長くて俺疲れた~! 同居人。結局俺らって今日どのくらい配信したの?

 

同居人:休憩を2回挟んでますが、約1時間20分ほどですね。ブッチギリで最長記録です。

 

おじさん:はぁー……視聴者や俺たちがコメント拾う時間も設けてあるとはいえそんなに……。区切りの問題もあるとはいえ、これからはこういった長時間の配信も増えてきますし、俺たちも考えなきゃなりませんね。

 

同居人:長めのは基本土日・祝日に配信するとか、追々考えようか。では、本日は本当にお疲れ様でした。長時間視聴後はゆっくり体をほぐしながら立つと良いそうですよ?

 

おじさん:チャンネル登録と高評価お待ちしてまーす!

             【この配信は終了しました】

 

・マジ長かった

・ティーブレイク2回もしたのにリラックスできなかったよ

・そりゃどんな結末に転ぶか分からない異世界過去話見てたらね?

・おじさんいるから大丈夫と思いたくても……

・現実準拠な世界観だとBADEND無くてもトゥルーエンドはありそうって考えてさ

・でも、そのどう転ぶか分からない映像作品が好きなんだろぉ?

・手に汗握る! その汗で休憩中に飲んでた飲み物を零す!!

・座ってるイスとズボンの間が蒸れる! さっき零した紅茶が原因だ!!

・↑同一人物の連続コメかと思ったら別アカウントじゃん

・たまにこんな奇跡起こすアホが生まれるのが固定ファン付いた配信の良いところ

・でも長時間配信の対策は欲しいかも。前日に言ってもらえるだけで違う

・私も途中で席外すことあったんでコメントできなかった(ションボリ)

・熱中しすぎて下りる駅過ぎちまったぜ……

・ヒロインレースにアリシアちゃんも本格参戦するかもだし、次回も楽しみ

・温泉作った転移者に孫・ひ孫がいれば、この配信見てたりするのかな?

・可能性ゼロじゃないけどそれだけ。詳細伏せてるから本人も知らないで見てるかも

・今じゃ知らない人探す方が難しいレベルの知名度だからな『異世界おじさん』

・登録や高評価してないだけで見てる人、倍以上いるよ絶対

・転移者お爺さんの子孫が見てますように願掛け

・――ところで、ガチ知らない駅まで来ちゃったんだけど、どうすれば……

 

 

 



 

 

 

【とある高校での一コマ】

 

 

「ね? ね? 昨日の配信見たよね」

 

「モッチー! イセおじっしょ? 流行りに乗れないとか花の女子高生じゃないっスよ!」

 

「昨日のは今までで1番長かったから、目が疲れちゃったよ~。おかげでお風呂中に目をほぐしててのぼせそうになっちゃった!」

 

「アンタの風呂長過ぎなの『異世界おじさん』関係なく元からでしょ」

 

 日本にある、ごく普通の私立高校。

 その教室の1つではここ最近の話題で盛り上がる3人の女子高生がいた。特に不思議なこともない、どこの学校の昼休みにでも見られるような極々ありふれた日常の光景。

 

「はぁ……こっからあのオッサン、どうなるんスかねー?」

 

「“オッサン”じゃなくて、親しみも込めて“おじさん”って言ってあげなよ~」

 

「親しみ込めてるっスよ? マジリスペクト」

 

「この際呼び方はどうでもいいよ。“どうなる”ってのがアバウト過ぎるから聞くけど、帰還と恋愛と冒険のどれ指してんだ?」

 

「もちろん全部に決まってるっしょ!! オッサンの帰還方法も気になるけど、アリシアっちの恋の行方とかー、今後の展開とかー、気になるの多過ぎっス! 個人的には異世界モノの王道展開な『エルフの里編』をやるのか気になって!」

 

「はいはい。落ち着けって」

 

「あはは~」

 

 

 かなり制服を着崩したテンションの高い女子は如何に最近の『異世界おじさんチャンネル』が面白いかを熱く語り、聞き手になってる女子は大人の対応をしているようでいて実際は友人と最近何かと話題になっているYouT〇berについて語れるのを楽しみ、どこかのほほんとした女子は合間合間に自分の意見を言いながら相づちを打っている。

 

 実はこの光景、若者を中心にかなり増えていたりする。

 元々『異世界おじさんチャンネル』で数ヶ月前から始まった真偽不明のドラマは十分な話題性もあってYouT〇beを見る人たちの間で広まっていったが、SE〇Aとの公式コラボとその情報を載せた雑誌やネット記事の効果もあって爆発的な広がりを見せた。

 

 有名になればその分、話の話題にも上げやすい。

 知っている者同士なら話題の宝庫である『異世界おじさん』について語り合い、知り合いで『異世界おじさん』を知らない人がいれば布教する、そんな連鎖が日本中で起こっていた。

 

 これがただのYouT〇beチャンネルだったら違っただろう。

 そもそもYouT〇berの上げる動画に興味の無い人や、第一印象と偏見からおじさんを嫌って見ない人も出ただろうし、そういう人も少なくない数いた。

 

 しかし個人勢でありながらハリウッド映画を越えうるクオリティのCGと、謎のコネによる美男美女と大量のエキストラを起用した長編ドラマと聞けば1度は見たいとなり――見れば、作りものとは思えないリアリティを越えたリアルの異世界が広がっているのだ。真偽を知りたくてのめり込み、あるいはツッコミどころ満載の異世界事情と人間ドラマの面白さから純粋なファンとなった。

 

 もはや『異世界おじさん』は若者を中心に“知らない方がおかしい”と言われるほどの人気の広がりを見せていたのだ。

 

 

「……で、アンタは今回気になったこととかある?」

 

「そりゃもちろん――異世界の温泉だよ~! あの映像の絶景見ながら入れたら気持ちいいんだろうな~~♪」

 

「「やっぱり」」

 

「もうしばらくすれば冬休みも近づくから、今から温泉旅の計画練ってるんだ~」

 

「バイト代使って長期休みにするのが温泉旅って」

 

「お肌もツルツルになるよ? 夕食美味しい所も多いし」

 

「だとしても、花の女子高生の趣味としてはどうなんスか?」

 

「いいじゃない温泉好きな女子高生がいても~~~! お父さん曰く、きっと私はひいお爺ちゃんの血が色濃く出たんだろう~って」

 

「あ~、アンタの父ちゃんの爺ちゃんが大工で無類の温泉好きだったって話は初期に聞いたな。死ぬ直前も温泉旅行に行こうとしてたとか……」

 

「もしかして……何十年も前の転移者ってその爺っちゃんだったりして!」

 

「あはは! そんな偶然あるわけないよ~!」

 

――ガラ

 

「おーい村山(・・)ー。確か日直だったよな? プリント多いから運ぶの手伝ってくれー」

 

「は~い! 分かりました~!」

 

 




 というわけで、今回はおまけで「ムラヤマショウジロウ」さんのひ孫さんを登場させつつ最近の『異世界おじさんチャンネル』事情を簡単に紹介しました。
 ひ孫はただの一発キャラです。SE〇AやT教頭と同じく作者の妄想100%ですが、二次創作ならいくらでもちょい役のエピソードしても良いらしいので。

 次回は唄う魔物――の前に雑談配信回するのもありと思ってる。場面を何度も変えつつ世間の反応見せるのもありかなーって。



 ただ温泉回で若干疲れたのでまた例によって“あっち系”を1つ更新してからになるかと思います。
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