※原作15話参照
【店主と値段交渉する冒険者たち――と床に転がるおじさんの映像】
おじさん:――で、何十分も吊されて連れてこられたのは主に珍しい魔物とかを扱う見世物小屋の店主のところでさ、銅貨3枚で売られたんだよ……
同居人:異世界の貨幣価値知らなくても、めちゃくちゃ安い値段付けられたってことだけは分かりますね。
・さっきから涙が止まらねえ ¥1000
・感動物語や悲恋物語で出た涙だったら良かったのに……
・ボロ雑巾みたいに床に転がされてる……
・安心安全の顔面モザイク
・モザイク貫通して想像できちゃう惨さ
・いつもはモザイク邪魔だ取れ!って言ってるけど、これはありがたい
・エロ動画ばっか見てんじゃねえよ
・銅貨3枚て……!
・円に換算したら30円ぐらいか?
・人間に付ける値段じゃねぇ
・瀕死の生オークw
冒険者「じゃあこれ、たわし拾ったんだけど売れるか?」
店主「ッチ! 汚ねぇたわしだな……」
おじさん「………………」
店主「銅貨120枚。これ以上は出さんぞ!」
【おじさんの価値がたわし以下だった映像】
おじさん:本当にショックだったよ。気絶することもできずに声だけ聞いてて、「え? 俺って、たわし以下……?」って。忘却魔法覚えて1番最初に消した記憶だよ。
同居人:たわしの値段を見るに、銅貨の価値が想像以上に低い世界のようですね。ちなみにおじさんが後に使えるようになる忘却魔法は、映像越しに消した記憶を見ると思い出しちゃうので、おじさんは呆然としてました――という設定です。
おじさん:消した記憶は何かあった時用に、メモに記してから忘却魔法を掛けるようにしてます。
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・いや桁ァ……!?
・【悲報】おじさんの価値安すぎる
・たわしの方がおじさんの40倍の価値
・銅貨1枚=10円だと思ったけどレート違うなコレ
・察するに日本円換算で3円ぐらい?
・駄菓子すら買えないじゃんか!
・たぶん奴隷の歴史紐解いても最安値だと思われる
・改めて――これ作り話なんだよね? ねぇ!?
・事実なわけないって思ってるけど……
・本当に作り話ならもっとマシな話作るだろっていう……
【地下へと連れてかれるおじさんの映像】
おじさん:こうして俺は見世物小屋の地下――ある理由であまり表に出せない生物を閉じ込めている地下室の奥にあった檻にぶち込まれることとなったんです。
同居人:兎、鳥、犬っぽい生物が檻の中からこちらを見てますね。異世界の中でも希少な生き物なのでしょうか?
おじさん:それはもう少し後で明らかになります。――では、ここから映像を1週間ほど飛ばしますね。
同居人:おや? どうして1週間も?
・ホント悲劇だ
・バッドエンドルートにしか思えない
・確かに檻の中に可愛らしい生物が見えるな
・これCG? 本物に見えるんだけど……
・自称動物博士オレ、地球にいる種のどれにも当てはまらないと断言
・少なくとも日本の生き物じゃないのは確実
・ん? 1週間も飛ばすの?
・翌日どんなことされたかとか普通は見るんじゃ……?
・嫌な予感がする
カエル
――||||||
人
おじさん「…………」
【1週間放置されたおじさんの映像】
おじさん:店主に完全に忘れ去られました。
同居人:oh……
おじさん:3日目辺りに雨が降って、地下に流れてきたそれを飲めなかったら確実に死んでいましたね。
おじさん:まぁ、たわし以下だからな俺。扱いなんてこんなものでしょう……
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・……
・……あ、その……
・……ドンマイ? ¥1500
・掛ける言葉がねぇよ
・この世に神なんていねえな
・正確には異世界
・本当のことなら世界中から同情が向けられるレベル
・同情料 ¥5000
・ カ エ ル !
・壁の文字が映画とかでしか見たことない生々しさなのですが……
【おじさんが壊れ始めた映像】
同居人:あー、壊れ始めましたねー。すごいブツブツ言ってます。
おじさん:いやいや、そんなことありませんよ! 正気を保つために月明かりに話しかけてただけですって! 顔を良く見れば分かります。まだまだ正気ですよ! 全然へっちゃらです!
同居人:ア、ハイ。
・あっ、あっ……
・あ、おじさん、ついに……
・ボル〇ッカーの話を延々としてるのが超リアル
・“SE〇A”が好きなだけの少年なのに
・茶化せねえよこんなの
・17歳の少年にしていい仕打ちじゃない
・これが異世界の現実か……クソが
・介護バイト経験者ワイ、おじさんが重度の患者(レッド)であること確認
・キャストの子のこれ、特殊メイクなんですよね……?
・頬がこけてますね
・目が完全にイっちゃってますね
・爛々と輝いてるのがまた……
・最近の特殊メイクの技術はすごいなー(棒)
・自分、念のためにスクショと警察への連絡準備してます
・本物なのか偽物なのか関係なくカワイソウ ¥3000
【幻聴?に反応するおじさんの映像】
同居人:おや? 様子が変ですね。
おじさん:いや、急に「ありがとう」って声が聞こえてさ、俺も普通に会話してたんだけど……
同居人:ここでおじさんもおかしいことに気付いた様子。誰だと叫んで何もない空間を――正確には月明かりを見つめています。
おじさん:信じられない話でしょうけど、頭の中に「私は光そのものに意志がある存在――光の精霊です。嬉しい気持ちにしてくれたアナタを助けましょう。今から言う古言語を唱えなさい。――光剣顕現《キライドルギド リオルラン》」って声が響いたんです。
同居人:そしておじさんが月明かりを手に持ち――? 振り抜きました! 床に置かれた餌用の入れ物が真っ二つに!
・まだ何もないところに語りかけてる
・タイトル「壊れた少年」 ¥500
・様子おかしくね?
・誰かいるの?
・おじさんの目に正気が戻ったぞ!
・イマジナリーフレンドでも生み出しちゃったのか
・光の精霊?
・ファンタジーっぽいのキター! ¥800
・キライド――何て?
・明かりを剣に見立てて持つとか小学生の時やったわ
・やっぱおじさん、気が触れておかし――え?
・明かりが途切れた?
・おい! 餌入れが真っ二つになったぞ!?
【光の剣で檻を斬っていく映像】
おじさん:光の剣――これが異世界で最初に使った魔法だったんです。これのおかげで無事に脱出しました。
同居人:おじさんが話していたものの正体が精霊……ということですか? もしかして転移特典で……?
おじさん:ええ、まぁ、そういうことです。それで脱出ついでに囚われていた小型の魔物も助けて一緒に外へ出たんです。
・名刀もビックリの斬れ味
・はぁー! CGすごいなー ¥600
・鉄製の檻だよな? すごい簡単に斬っていく
・精霊とか確かに異世界にいそうだけど
・何で急にそんな力使えるようになったのさ
・ご都合主義?
・いや待てオマエら! あの「翻訳」の力じゃないか!?
・あぁそうか! 精霊と対話して力を借りてるって設定なのか!
・上手く設定を活かしたな。ドラマはこうでなきゃ ¥500
・ついでで動物たちも解放
・これには動物好きオバサンもにっこり ¥900
兎魔獣「(ぴょん♪)」
おじさん「お? どうした。腹でも減って――」
兎魔獣「グバゥ!!(ガキン!)」
おじさん「ホァッ!!!??」
【正体を現した魔獣の映像】
同居人:おや? 助けてくれたことが分かっているのか肩に兎っぽい生き物が乗りました。おじさんに感謝を――あ……
おじさん:いや、正確に
同居人:害獣でしたか。
おじさん:避けられなかったら本当に終わってましたね。生命が。
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・あ、可愛い
・モフモフの異世界ウサギだ
・いやリスじゃね? 見たことない種類だけど
・軽く調べたけど既存の動物にこんなのいないぞ
・これやっぱCGにしては変なんじゃ?
・細かい毛の1本1本まで違和感なく作られてる ¥1000
・これプロでも難しい技術なんだけど……
・いいなー。こういうのマスコットにしたい
・おじさんのポ〇モントレーナーへの道が幕を――ぇ
・あ
・あ
・殺意半端ないな
・一瞬で野生に戻ったか
・笑い事じゃないぐらい危機一髪じゃん
【店主共々魔獣に襲われる映像】
おじさん:後ろ振り向いたら助けた奴らがみんな涎垂らして俺のこと睨んできて……数の暴力っていうのを肌で感じました。
同居人:そりゃ肌に牙が突き刺さってますもんね。ついでに騒ぎを聞きつけたらしい見世物小屋の店主も襲われてます。
おじさん:解放した俺が言うのも何ですが、そんな凶暴な魔獣を管理するのにセキュリティが全くなっていませんね。……本当に異世界には理不尽な魔獣がいっぱいいるんだ。会ったら即殺が基本なんだよ。
同居人:おじさん、台本台本。あ~しかし、モザイク必須の酷い有様になってますね。普通ならバッドエンドです。
おじさん:ただ、血を流しすぎて意識が朦朧としていたのが逆に幸いしたのでしょう。“SE〇A”で学んだ言葉が脳を駆け巡り覚醒したのです。
・猫被ってたか……
・本性を現しましたね
・劇的すぎるビフォーアフター
・「何と言うことでしょう~」って言ってる間に襲われるやつ
・こんなマスコットいりません
・オバサンも害しかない獣はいると思うの
・草
・おじさんの剣で化けの皮(化け物の毛皮)を剥がそうぜ
・あーしかし現実は非情。数の暴力が襲い掛かる
・因果応報で銅貨3枚店主も襲われちょる
・どう見てもCGじゃないけど言わぬが花か
・おじさん役の少年モザイクだらけ
・完全にゾンビ映画で犠牲になった人の呻き声
・ん?
・どっかで聞いたことあるワードだな
・何かのゲームだったはず
・は? “SE〇A”?
おじさん「
店主「…あ…ありがとう! 助かっ――」
おじさん「よく頑張ったなぁ……!」
店主「………………。ヒギャアアアーッ!!」
【魔獣を倒して店主を助けるおじさんの映像】
おじさん:“SE〇A”が俺に力を貸してくれたんだ。
同居人:力を貸してくれたのは精霊ですね。攻撃手段だけでなく機動力まで手に入れたおじさんは強いです。一瞬で魔獣をモザイクの塊にしました。
おじさん:店主も泣いて喜んでくれたよ。
同居人:涙の理由が一瞬で変わりましたけどね。
おじさん:その後、緊急用転送魔法で避難させました。
同居人:逆に店主の安否が心配になる強引さ。
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・おじさん覚醒 ¥700
・すげー、一瞬で凶悪な生き物を細切れに
・“SE〇A”そこまで関係あるか?
・おじさんのチャンネル見てる人はどんだけ“SE〇A”が重要か知ってる
・こんな店主見捨てれば良かったのに
・おじさん善人なんだよ
・かおwww ¥300
・モザイクが仕事してるか怪しいぐらい想像できる顔
・草しか生えねえんだわ
・良かったな店主。ヒーローがオマエを救うぞ()
・泣いて喜んでるね(すっとぼけ)
・すげー勢いで森の中に消えていったぞ?
・おじさん、店主に止めを刺した説
【おじさんが魔獣の群れと戦う映像】
おじさん:まぁ、そこからは勝つか負けるかの戦いです。こうして俺は一晩中魔獣と戦い続けました。
同居人:モザイク掛かってますけど、すごい顔してますねおじさん。どっちも獣にしか見えない。
おじさん:極限状態でしたから。
同居人:そういえば冒険者にボコボコにされて、1週間まともなもの食べれなくて、今まさに出血してる状態でしたっけ? そう考えると良くこれだけ動けますね。
おじさん:生きて、もう1度“SE〇A”をプレイするんだ!という強い思いが人の限界を超えさせたんです。
・生存競争を掛けた戦い勃発
・生きるか死ぬか
・これが実質初めての戦いって…… ¥3000
・神様、おじさんだけ難易度ルナティックで異世界に放り込んでない?
・治療代 ¥1500
・同居人、オマエがそれ言うなよ
・こうやって羅列していくとおじさんの生命力が浮き彫りになる
・現実世界の両津〇吉
・害獣の牙とかにあっただろうバイ菌も抗体が殲滅してそう
・もう1度ゲームしたいって想いだけで肉体の限界超えられるのか
・よし“SE〇A”をプレイすれば体育の成績も限界超えて――
・普通の人はできません
・インドア派最強説(おじさんのみ有効)
【お腹が膨れて幸せそうなおじさんの映像】
おじさん:最終的に全ての魔獣を倒した俺はにわか知識で魔獣を解体し、1週間ぶりにまともな食事にありつけました。
おじさん:死にかけていた俺の血肉となってくれた魔獣には感謝してます。お墓だって作りましたよ。
同居人:感謝どうこう以前にコイツらおじさんのこと本気で殺そうとしていたんだけど……まぁ、おじさんがいいなら別に問題ないか。
おじさん:――とまあ、こんな感じで異世界での最初のイベントを五体満足で生き延びれたわけだけど……
おじさん:見ての通りかなり良いスタートを切れたんです。
同居人:………………うん。良かったねおじさん。
・守りたいこの笑顔 ¥2000
・本当に化けの皮を剥いだのか
・まともな食事……?
・こういう獣肉って基本不味いうえに適切な処理してないと食えたモンじゃ……
・よく生きてたなおじさん
・お墓て
・食事に感謝するタイプだったか
・死ねば皆仏
・良く四肢欠損もなく生き延びたよ ¥1000
・は?
・いいスタート!!?
・ええええええええええええええええ!?
・これが上手くいった部類だったのかよ!
・おじさん正気に戻れ! これより酷いのそうそう無いから!
・これより酷いのがあるのか ¥500
・怖いもの見たさが ¥650
・怖えよ異世界
おじさん:――はい! 今回の映像は以上となります! どうだったでしょうか? 色々ありましたが、中々良い駆け出しだったと思います!
同居人:おじさんの認識に若干のズレがありますけど、色んな意味で楽しんでもらえたでしょうか?
・1時間も経ってないのに2時間長の映画みた気分だよ ¥1500
・胃もたれしそう
・たぶん美味しいゲテモノ料理で腹一杯になった時の気持ち ¥800
・色々ありすぎなんだよ!
・良く生きてたなおじさん!
・スタートダッシュ確実に失敗してるのに本人気付いてないのが……
・おじさんの人生見たら就活がんばれそう ¥500
・そりゃ就職面接なんて“アレ”に比べたら屁でもねぇよ
・「若干」の意味調べて?
・楽しめた……のか???
・少なくとも内容は濃かったな ¥1000
・カルピスの原液飲む罰ゲームしたことあるけどそれぐらい
・めっちゃ濃いな
・それよりも! おじさん、アレ本当に作り話なんですよね!
・そうだよそれだよ!
・CGクリエイターだ。オレは異世界を確信した ¥30000
・キャストの人って“現代”にいるの? “異世界”にいない?
・同居人んんんんん……! コメント拾ってえええええええ!
同居人:あーはいはい。コメント見てますよー。あはははっ、もちろんフィクションに決まってるじゃありませんか! この現実に魔法なんてありませんよ! キャストは親戚の子や細い伝手を使って用意しただけです。光の剣も魔獣もCGですよ。特撮の技術もやったかなー?
おじさん:え? いや、これ本t――
同居人:シャラップ!! ……ではそろそろお時間ですので、今日のlive配信は以上となります。ご視聴ありがとうございました!
おじさん:チャンネル登録と高評価お待ちしてまーす!
【この配信は終了いたしました】
・ホントかー?
・フィクションだったらもっと希望に溢れるの作れって
・剣と魔法のファンタジーどこ?
・そこになければないですね
・外国人(イケメン)に伝手があるって時点ですごいんだよ
・おじさんのお漏らしシャットアウトする同居人
・オレの中の天秤が本物のほうに傾いてる
・意地でも作りものと言い張るのか
・チャンネル登録します
・1周回って高評価してやる
・素直に高評価つけます
・次回はありますk――あ、待って!
「やったよおじさん! バズってる! 視聴数過去最高!」
「やった……俺、生放送やり遂げたんだなたかふみ……!」
「ほら見て! こんなにスパチャが!」
「え? え? マジ? 夢じゃなくて……?(ふるふる)」
「うん! おじさんが異世界でがんばった映像が評価されたんだ!」
「すげー……! 3万円入れてる人まで……!」
「今日は焼き肉パーティーしようよ!」
「……うん!!」
――おじさんの異世界での理不尽な生活は想像以上に評価された。
――勧善懲悪モノ以外が流行りだした今のニーズに嵌まったんだと思う。この調子で定期的に配信しようと決めた。次はエルフさんの話になるか。
――スパチャで得たお金で買った和牛はとても美味しく、おじさんも終始笑顔だった。
――この時は気付いてなかったんだ。
――話題になりすぎて困る事態になるなんて。
――和牛サーロインを頬張ってる俺は予想できなかった。
すごい大変でしたけどやりとげました。
集中執筆して目が痛い。
読者の皆様からの目に見える応援が作者のやる気に直結します!
続きが書けることを祈りますね。
《追記》
想像以上に評価されてやる気MAXなので数日中に続き投稿します。
一先ず繋ぎ回ということで掲示板の話にしようかなと。