今回はギヴォトスに転移してしまったコンビニ店員の透き通るような世界観(嘘)の物語です。
しょうもない話かもしれないですが、良かったら読んでみてください。
もし読んでくれなければ、アルちゃんが白目をむくことになりますのでご注意ください。
俺の名前は花澤刃鬼。
コンビニチェーンに勤めるただの店員だ。
その日は深夜勤務で、しかもワンオペだった為に激しい業務の疲れからか、いつの間にか深い眠りについてしまった。
目が覚めた俺は品出しをする事を忘れていたことに気づき、売り場に向かったら、店外がいつもと違う光景である事に気づく。
「はぁ?何処だよここ……」
店の前に出ると自身が知る渋谷の街並みではなく、より近代化が進んだ街並みが広がる。
まだ夢を見ているのかと思った俺は、頬を抓った。
「痛え!」
完全に目を覚まさせる程力を込めたからそりゃ痛えわ。
だが目の前の景色は変わること無く、そのままだ。
夢で良ければどれだけいい事だったか。
「一体どうなってるんだよ……」
大した知識の無い頭で思考を繰り返す。
ふとあるワードを思い出した。
『異世界転移』
うちで働いている学生バイトが勧めてきた作品で、今俺の身に起きているような事があったと思い出す。
所詮は創作物でありがちな現象と高を括っていたが、体験する事になるとは思わなかったぜ。
だが今の俺の心配は、自分の身では無い。
「コンビニどうすんだよぉぉぉぉぉぉ!!」
そう……今俺は自分の働いてるコンビニと共に全く見知らぬ土地へと放り込まれてる上、営業をどうするのかと言う問題を解決しなければならない。
ここが何かしらの都市だというのは理解した。
しかし、この土地の人間に対して言葉は通じるのか?通貨は使えるのか?
解決マニュアルにも載っていない数多の問題に頭を抱える。
「と、とりあえず品出しするか……」
店の中へと戻り、半ばやけくそ……ほぼ思考を放棄した状態で品出しを始める。
変わらずにいつもと同じように惣菜パンやカップ麺、飲料水やホットスナックを準備していく。
そしてレジに立ち、お客を待つ。
「こんなところで客なんか来んのか?」
転移する前のコンビニでも、一日数十人入ればいい方だがここではどうだ?
ちくしょう、もう少し考えればよかったぜ。
『ちゃるるら ららーん るーらららーどぅーん♪』
自動ドアが開き、入店音が鳴る。
異世界で初の客が入ってきた。
「いらっしゃませー!」
普段と変わらずに大きな声で挨拶をする。
入ってきたのは、二足歩行をしている柴犬だった。
「は?」
先程と同じく俺の思考は停止した。
柴犬が服を着て、二足歩行で歩いていやがる。
本当に俺は夢から覚めているか不安になり、拳を少し強めに握り自分の額へと殴りつけた。
「ぐっ!?」
やはり強い痛みを感じても目の前のありえない光景は変わらない。
夢ではないと嫌でも悟る。
そうこうしてると柴犬がレジまで来ていた。
「お兄さん、お会計お願いします」
「あっ、すみません」
新聞に缶コーヒーとサラリーマンがよく買う商品だなと思いつつ、レジに通していく。
この柴犬もサラリーマン……なのか?
兎にも角にもまだ情報が足らねぇ。
「お買い上げありがとうございましたぁ!」
「良い店だね、また利用させてもらうよ」
柴犬は軽く一礼すると店を出ていく。
いつもなら嬉しい一言も、この状況下では素直に喜べない。
なんだ……俺は○ートピアの世界にでも来ちまったのか?
『ちゃるるら ららーん るーらららーどぅーん♪』
再び入店音が鳴る。
自動ドアの方に目をやるとまたもや驚きの光景を目にした。
「へぇ~凄い品揃えが良い店じゃん」
入店してきた客は、見た目からして学生だろう。
だが驚く所はそこではなく、プ〇キュアみてぇなヒラヒラとしたコスプレ衣装みたいな服を着て、頭の上に天使の輪っか見てぇのが着いてることだ。
さっきの柴犬といい、このプ〇キュアも一体何なんだ。
「あっ、すみませ~ん紅茶の茶葉って売ってる?」
俺が頭を抱えているとプ〇キュアが紅茶の茶葉を売ってるか聞いてきた。
そんなもんねぇよと言いてぇところだが、一応お客様だ。
適当に午〇の紅茶でも薦めておくか。
「お客様大変申し訳ありません、当店では紅茶の茶葉は取り扱っておりませんが紅茶そのものであればお売りしています」
「え~?紅茶そのものが売ってるってこと?」
俺は業務用冷蔵庫から午〇の紅茶を一本、プ〇キュアの前に持ってくる。
「これが紅茶なの?」
プ〇キュアは興味津々といった様子で午〇の紅茶を持ち上げて、色んな角度から見ている。
そんなに珍しいもんじゃないだろうと思ったが、ここが今日本かどうかも分からん場所だと言うのを思い出す。
「こちら1本158円になります」
「え!?紅茶なのにそんなに安いの!?」
軽いカルチャーショック的なものを受けているプ〇キュア。
本来紅茶なんて嗜好品の類だしな。
こんなコンビニで高々数百円で買えるなんて思いもしないだろう。
「じゃあ買うわ、はいお金」
「お買い上げありがとうございます!」
プ〇キュアは会計を済ませるとステップを踏みながら店を出る。
一応話は通じるから言語の問題は無し。
通貨も日本円と似ているから対応がまだ出来たのが幸いだ。
開店して数分で色々疲れてきたが、客の出入りはまだまだこれからだ。
『ちゃるるら ららーん るーらららーどぅーん♪』
と再び入店音が鳴る。
「いらっしゃいませー」
再び入ってきたお客様に挨拶をする。
「おいテメェ金をだせ!!」
「は?」
入ってきたのお客様では無く、フルフェイスのヘルメットを被った学生服を着た女学生。
オマケに左手にマシンガンが握られており、銃口を俺へと向けていた。
おいおいおい、アメリカより治安悪すぎねぇか。
流石に乾いた笑いしか出ねぇ。
「おい聞こえなかったのか!金を出せって言ってんだろ!」
態度を変えずに再度俺に脅しを掛けてくるヘルメット女。
成程、こちらがやめてと言っても聞く気が無さそうだ。
であらば、こちらもそれなりの対応をしねぇとな。
俺は掛けている伊達メガネを外し、胸ポケットに入れる。
「おい!いい加減にカネを)」
「ガタガタうるせェんだよボケが!」
俺はお客様の丁寧接客モードから有料健康不良モードに移行した。
俺の怒号にビビったのか、後退るヘルメット女。
言っておくが、俺は女を殴る趣味は無いが強盗となれば話は別だ。
「うちの店に強盗に入るって事は死にてぇって事だよな?
それに俺に銃口を向けてるからには命を懸けろよ………」
「な、何言ってだよ……」
震えた声で呟くが、もう謝っても許す気は無い。
既に臨界点は超えてんだわ。
「それは脅しの道具じゃねえってことだァ!ブルァ!!」
俺はヘルメット女のマシンガンを蹴り飛ばし、胸ぐらを掴む。
そしてそのまま担ぎ上げ、予め開けていた電子レンジに頭を突っ込ませた。
「ブルァ!てめぇのその頭を温めて、クルクルパーにしてやるぜ!!」
「ごめんなさい!!ごめんなさい!!許してください!!」
命の危険を感じ、本気の命乞いをするヘルメット女。
こんなこと言うなら初めからするんじゃねぇよ。
俺はヘルメット女の頭を電子レンジから抜き、店の外へと放り投げる。
「いいか、またこの店にちょっかい掛けようって言うんなら次は容赦はしねぇぞ…………分かったな!!!」
「は、はい!!!?もう来ません!!?」
情けない声を出しながら、全速力で逃げた。
これだけ脅せば、来ることは無いだろう。
あーもう本当に疲れた。
体を軽くストレッチしてから、俺は再びレジへと戻る。
[トリニティ総合学園内]
「何これ凄く美味しいじゃん!」
花澤からプ〇キュアと呼ばれた少女『聖園ミカ』。
彼女は先程立ち寄ったコンビニで薦められた午〇の紅茶の味に感動していた。
自身が今まで味わってきた紅茶の中でも一二を争う美味さ。
これが手頃なお値段で買えるという事もあり、少し遠いが通ってみようかなと思っている。
「次はストレートティーも買ってみよう」
聖園ミカが広めたかは不明ではあるが、多くのトリニティ生が紅茶を求めてコンビニを訪れたという。
[to be continued]
最初に登場したキャラは三日月・オーガスではなく聖園ミカでした。
やるかやられるか仁義なき戦いはいつか起こるとだけ言っておきます。
花澤刃鬼VS空崎ヒナの戦いは楽しみ?
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楽しみです
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花澤が一方的にやられる気がする
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五条の勝ちだ!