コンビニ店員ですが、何か?   作:レイノート

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第3話「最強VS最凶」(前)

俺の名前は花澤刃鬼。

コンビニチェーンに勤めるただの店員だ。

この世界に来て約5日が経ち、ある程度慣れてきた。

営業に至っても、問題なく行えているどころか売上が上がってきていて好調と言える。

 

そんな今日も一日頑張ろうと気合を入れて、店先の掃除をしていた時だった。

 

 

 

 

「貴方がこのコンビニの店長さんかしら?」

 

 

 

不意に後ろから声を掛けられる。

振り向いた先にいたのは、軍服のような衣装に身を包んだ白髪の少女。

華奢な体躯をして弱々しく見えるが、肩に担いでいる彼女の身の丈程の大きさを誇る機関銃を見れば、そんな考えは泡沫に消えるだろう。

 

 

 

「(な、なんだこいつ!相当強いぞ!)」

 

 

 

久しく感じたことの無い戦慄。

命を掛けた戦いに身を投じたことがあるが、ここまで体を締め付けられる感覚をしたのは、初めてのことだった。

規格外の戦闘者。

圧倒的なまでのオーラが、これでもかと溢れている。

 

 

 

「は、はい……店長代理は私ですが?」

 

 

 

ここは一旦様子に徹する。

あの少女が何を目的で来たのかも分からない。

少なくとも今は逆らわない方がいいだろう。

 

 

 

「そう、私はゲヘナ学園・風紀委員会委員長、空崎ヒナ

 

このお店を少し調査させて欲しいのだけど?」

 

 

 

何?風紀委員だと?

何故こんなコンビニの調査をする必要があるんだ。

別に警察機関でもないんでも無いんだから断っても良さそうだが、あれ程の実力者がわざわざ出張ってくるって事は、相当やべぇ案件があるって事だろう。

仕方ねぇ…素直に言うことを聞くか。

 

 

 

「分かりました、中へお入りください」

 

 

 

「………」

 

 

 

『ちゃるるら ららーん るーらららーどぅーん♪』

 

 

店に入ると直ぐさま商品棚に近づく少女。

冷徹というかなんと言うか、冷えた目で辺りを見回していた。

商品一つ一つを丁寧に怪しい所がないかチェックしていき、次の棚に向かうを繰り返す。

生真面目と言うかなんと言うか…仕事だということもあるが、すげぇ念入りにチェックするんだな。

 

 

 

「一応裏の方も確認してもよろしい?」

 

 

「はい、どうぞ」

 

 

 

次はバックヤードの方へと案内する。

そこは段ボールに入った商品が整頓して並べられており、丁度今黒見が品数をチェックしていた。

 

 

 

「あっ、店長代理お疲……れさまです………!?」

 

 

 

何に驚いているかは知らないが、黒見が明らかに挙動不審になっている。

まさかこの少女、マジモンのヤベェやつなのか?

黒見は俺に手招きをし、ロッカーの方へと誘導する。

 

 

 

「(て、店長代理!な、なんでゲヘナの風紀委員長がここにいるんですか!?)」

 

「(俺にも全く分からないんだよ!店を調査するとか何とかで突然きたんだ!)」

 

 

 

黒見には出来る限りの事情を説明。

彼女も納得してくれたようだが、如何せん空崎ヒナから目を離そうとしない。

そんな様子が気になり、黒見にあの少女の事について尋ねる。

何でもこのキヴォトスでも一二を争う程の強さを有しており、その名は様々な学園まで轟いているというのだ。

 

 

 

「(成程な……あの圧倒的なオーラにも納得がいくぜ)」

 

 

 

空崎ヒナのことを聞いて納得していると

 

 

 

「これは何かしら?」

 

 

空崎は俺のロッカーか()()()が入ったビニールを見つける。

おいマジか!俺のロッカーまで漁ってたのかよ!

 

 

 

「動かぬ証拠が出てきたわ」

 

 

「ちょ、ちょっと待ってください!!それは!」

 

 

 

 

俺が誤解を解く為に話をかけようとするが、空崎は機関銃を此方に向けている。

これはやばいと思った俺は、裏の出入口へと急いで走る。

 

 

 

「逃がさない」

 

 

 

空崎も追跡を開始し、俺を後ろから追ってくる。

おいおい勘弁してくれよ、あんなヤベェやつとの鬼ごっこなんてごめんだぞ!

 

 

 

「くそ!」

 

 

 

空崎も街中で無闇矢鱈に発砲する様子は無い。

店の中で乱射されずに済んだが、俺の命は今風前の灯と言ってもいい状態だ。

何時でも撃てるはずなのに、撃ってこないのは恐らく俺が人がいない所で煙に巻くだと考えているからだろう。

人混みの多い所に出て、関係ねぇやつは巻き込みたくはねぇ。

 

 

 

「仕方ねぇ、彼処に行くしかねぇ!!」

 

 

 

空いた時間でこの辺りを散策した時に、人がいない潰れた廃工場があった事を思い出す。

あそこなら迷惑はそこまでかからないはずだ。

 

 

 

 

 


 

 

 

走る事数分。

息を切らしながら、廃工場へとたどり着く。

急いで物陰に隠れた。

息を潜めつつ、体力がある程度回復するのを待ちたいところだが、そうは問屋が卸さない。

 

 

 

『バキっ!』

 

 

 

逃げる途中に鍵を閉めた扉が強引に蹴破られる。

無論、蹴り破ったのは件の風紀委員長・空崎ヒナ。

ター〇ーネーターばりに執拗に追ってきやがって……流石に勘弁してくれ。

 

 

 

「鬼ごっこは終わり……大人しく出て来てもらえれば軽い処分で済ませるわ」

 

 

 

そんなわけが無い。

風紀委員会のトップが出張ってきた時点で、軽く済むの問題を大きく超えている。

どう反論しようが問答無用で捕まるのは目に見えていた。

 

 

 

「反応はないか……じゃあ実力行使といく」

 

 

 

空崎は機関銃を構え、当たり構わずに乱射をする。

 

 

 

「くそぉ!!」

 

 

 

銃弾の嵐によって直ぐさま炙り出され、俺は空崎の前へと出る羽目になった。

最初からいる位置を把握していやがったな。

 

 

 

「貴方に勝ち目は無い、大人しく捕まりなさい」

 

 

「へっ!やなこった!

 

俺はお天道様に顔向けできないことなんざしてねぇからな!」

 

 

 

俺は伊達メガネを外し、優良健康不良モードを発動する。

ファイティングポーズを取り、迎撃をする構えを取った。

奴との差は歴然。

だがそれが負ける言い訳にはならねぇ。

 

 

 

「悪いが最後まで抵抗させてもらうぜ」

 

 

「はぁ……どうせ無駄なのに、めんどうくさいわ」

 

 

 

呑気に欠伸をかいた余裕の態度にイラッときたが、俺は初速からフルスピードで空崎へと近づく。

特に構えを取ることもなく、奴はじっとこちらを見つめている。

 

 

 

「女子供は殴らない主義だが、今回ばかりは勘弁してくれよ!!」

 

 

 

空崎の手を目掛けて拳を突き立てる。

銃を握れないようにして、戦闘不能にするしかない。

 

 

 

「舐められたものね、そんなスピードでは隙を晒しているのと変わらない」

 

 

 

瞬間、空崎の輪郭がブレる。

俺の拳は空を切り、体勢を崩す。

やられた。

そう思った時には、俺は腹に強い衝撃を受けて廃材を壊しながら壁へと吹き飛ばされていた。

 

 

 

「がハァ!!」

 

 

 

腹の中が爆発したと錯覚するような強い衝撃。

余りの痛みに呼吸が上手くできない。

全身はボロボロで、立つのがやっとだった。

 

 

 

「これで終わり、大人しく便利屋との繋がりを話しなさい」

 

 

「はぁ…………かっひゅ……あっ……べんり……や?」

 

 

 

何を言ってるか分からなかった。

便利屋などと言う者と繋がりを持った事などはない。

まるであいつの会話と噛み合わねぇ。

 

 

 

「はぁ…………もう疲れたわ、大人しく従わないなら……半殺しにして連れていくだけ」

 

 

 

ゆっくりとこちらへと歩いてくる。

追い詰めれた鼠っていうのはこんな気持ちなんだろうか。

一方的に相手から受ける暴力。

こんな事は初めてだった。

 

 

 

「(何だが頭が軽くなってきたな)」

 

 

 

走馬灯のように思い出す学生時代の喧嘩に明け暮れた日々。

自惚れでも何でもなく、俺は喧嘩が強かった。

曲がった事が大嫌いだった俺は卑怯なヤツや集団で誰かをリンチするヤツに片っ端から叩きのめしていった。

そんな事を続けて二年の時が経ち、俺は全国を制覇を果たし『幻夢皇帝』と言う異名がつけられていたらしい。

 

勝手に名付けられた名前だが、不思議としっくりきていた。

何故今こんな事を思い出しているかは分からない。

負けたくないって気持ちが俺を奮い立たせているのか?

 

 

 

「(だったらやってやるよ……!!)」

 

 

 

 


 

 

 

「これで終わりね」

 

 

 

ヒナが射撃を開始しようと花澤に機関銃を構えた時だった。

 

 

 

「っ!?」

 

 

 

ヒナは咄嗟に後ろに下がった。

直感が告げた虫の知らせ。

自身が圧倒的に相手を追い詰めている。

誰の目にもそれは明らかだった。

だがしかし、

 

 

 

「(なのに……この違和感は何?)」

 

 

 

空崎ヒナが感じる違和感。

花澤は銃も持たず、自身の素手のみで戦っている。

先程放った弾幕の雨により全身はボロボロ。

息は途切れ途切れであり、立っているのですらやっとの状態。

 

 

 

「こんなに……ボロボロにされたのは、西中の奴らにリンチされた以来だな……」

 

 

 

今にでも倒れるかもしれないのに、花澤は笑っている。

その時不思議な事が起こった。

花澤の頭上に舵輪を模したような方陣が現れたのだ。

 

 

 

「(あれはヘイロー?いや…違う!)」

 

 

 

この時ヒナは、戦慄する。

ヘイローとは違う異質なナニカ。

その直感は正しく当たっていた。

 

 

 

『ガコン!』

 

 

 

花澤の頭上の方陣が回転する。

ただ回転するだけならば問題ない。

その音は、これから起こりうる事象を告げる始まりの鐘に過ぎない。

 

 

 

「おぉ……何だが体が軽くなって……最高にハイってやつだ!」

 

 

「っ!?」

 

 

 

先程までボロボロの姿であった花澤の傷が無くなっていた。

この異様な光景に、ヒナは驚く他ない。

有り得ない。

人の傷が一瞬にして完治するなどという医学を根本から否定するようなこの事象。

 

 

 

「お前の敗因を教えてやるよ」

 

 

「敗因?」

 

 

 

ヒナは思考を瞬時に切り替え、相手に自身の内面を露呈させない為に平常時の冷徹な自分を見せる。

 

 

 

「その機関銃の弾幕で、さっさと俺を倒さなかった事……俺を本気にさせちまった事だ」

 

 

「さっきからペラペラと……そんな調子じゃ貴方は負けるわ……それに勝負はここからでしょう?」

 

 

 

瞬間、花澤は高笑いを上げながら叫ぶ。

 

 

 

「そうか…そうだな……そうかもなァ!!!」

 

 

 

最凶の幻夢皇帝、ギヴォトスの地にて再臨した。

 

 

 

 

 

[to be continued]

 

 

 




読者の皆様は目撃する事になるでしょう。
最凶と呼ばれた幻夢皇帝の躍動を。
とまあ唐突なシリアス展開になりましたが、よろしくお願いします。
残りの後編が終わり次第、ギャグへと戻るのでご安心ください。

花澤刃鬼VS空崎ヒナの戦いは楽しみ?

  • 楽しみです
  • 花澤が一方的にやられる気がする
  • 五条の勝ちだ!
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