僕の平穏だった学園生活   作:-つくし-

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気分は学園祭

「おいあいつバスケ部のすごいやつじゃねーか?」

「でも実はバスケ部じゃないらしいぞ。おまけに前しらないこと研究会の部室に入ってるところを見かけた人もいるみたいだぞ」

「は?ガチかよ!いいな〜可愛い子に囲まれるなんて羨ましい...」

 

 あの対抗戦以降僕の情報は瞬く間に学校中に広まっていってしまった。おかげで廊下に出るだけで少し話題になってしまうレベルには。

 

「今日は教室で大人しくしといた方がいいな。この話題も長くは続かないだろうし少しの辛抱」

「だね〜。風真君がシュート決める度にうるさいくらいの歓声を上げてる女子もいたよ」

「だから助っ人とかはあんまりしたくなかったのに。話題になりたくないし目立ちたくもないから」

「って言っても楽しそうだったじゃんw。怒った時とかまじウケたんですけど〜w」

「もう掘り返さないでください...」

「それで、これからは学校も学園祭ムードだね〜」

「僕たちのクラスはメイド&執事喫茶だよね。如何にも高校生の出し物っぽいね」

「それな!でもシオンにメイド服似合うか不安だな〜」

「似合うと思いますよ。紫咲さんのメイド服楽しみです」

「まじ〜?そんなに期待しないでよ〜、見惚れたら奢りだからね!」

「また奢るんですか...」

 

 ちなみに紫咲さんは背番号の40点まで届かなかったから奢りね!と意気揚々と言ってきた。33得点でも満足はして貰えず、であればいっそのこと背番号を33にすれば良かったのではとさえ思ってしまった。

 

 

 

 学園祭といって偏に青春という言葉だけでは片付けられない程の効果を秘めていると思う。学祭マジック、言葉があるように男女間の仲も普段よりグッと縮まるようなイベントだ。もちろん男子同士で仲を深める良い機会にもなる。こうしたクラスのメンバーとの買い出し、装飾準備もまた僕の青春の1ページに刻まれるだろう。

 

「そういえば風真。前のバスケの試合かっこよかったぞ!お前あんなにバスケ上手いのになんでバスケ部じゃないんだよ?」

「ありがとう。それはまあなんというか高校は落ち着いた暮らしがしたいと思ってたから」

「なんだそれw面白いな。新たな一面が知れてよかったわ!それでさ風真」

「はい?」

「紫咲さんとはどうなんだよ?」

「そう!俺もそれ気になってた。隣になってからずっとイチャイチャしやがって!後ろの席から見えてるからな」

「いやそれは...」

「いいじゃんかよ!クラスメイトの仲だろ〜、少しくらい惚気けてもいいんだぞ」

「ええとじゃあ少し話すと...」

 

 放課後に一緒に帰ったことや一緒に勉強会をしたことなどをクラスメイトに話した。普段なら絶対に話すことは無いが学園祭という雰囲気が僕の口をいつもより饒舌にさせた。

 

「お前マジで罪だな」

「ああ、間違えなくやってる...。それで?付き合ってんのか?」

「...いいえ」

「「お前な!」」

「しかもしらないこと研究会にも行ってるんだろ?おまけに学園のアイドルであるすいせいちゃんと一緒にいるところも目撃されてるんだからな!」

「え?それってほんとですか?」

「「本当だ!!」」

「柊が隣のクラスの天音さんといい感じだわ〜って言ってたし」

「おまけに可愛い妹もいて...。俺はお前が前世でどんだけ徳を積んだか知りたいよ...」

「もう教室着くからもうこの話はやめません?」

 

 僕が思っているよりも最初から目立ってしまっていたみたいだ。1年生の時の平穏に学校生活を謳歌していた頃が恋しくなってくる。もう望んでも静かなスクールライフは戻ってくることはないのだろう。

 

「みんな〜ドーナッツ買ってきたよ!男子からの差し入れ!」

 

 クラス委員長の呼びかけにクラスが湧いた。気前の良い男子諸君を珍しく女子たちは賞賛してくれた。気のせいではあるかもしれないが普段よりも男子と女子が混ざっておやつタイムを楽しんでいるように見える。これもまた学園祭のおかげなのか、この機会にリア充になりたい男子諸君は獲物を血眼になって探しているに違いない。

 

「はい、これシオ...紫咲さんの」

 

思わずシオン、と言ってしまいそうになった。これも学園祭という悪魔の仕業なんだろうか。

 

「ありがとう!あ!シオンこれ好きなんだよね〜」

 

奇跡的にシオン、と言いかけていたことには気づいていないみたいだった。その瞬間僕はほっとした。

 

「良かったです、それで準備の方は順調ですか?」

「うん!でも途中でスバルが装飾品壊しちゃってさー、おかげでもう1回作り直しだよ」

「それは災難ですね」

「でもあの時スバル面白かったからいいけどw。あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ーーー!!!!ってw」

「...フッ」

「あー風真君笑ったw」

「いやなんというか...。紫咲さんのモノマネが似てて...あはは!」

 

 解像度がものすごく高いモノマネに腹筋を持っていかれてしまった。細すぎて伝わらないモノマネに出せるくらいクオリティはあり、脳内に大空さんの様子が容易に思い浮かぶ。

 

「じゃーん!見てこれ、クラスTシャツ!さっき届いたんだ」

「遂に届いたんですね」

「でさ、何この背ネームは?クソガキって??」

「湊さんが、シオンちゃんこれにしたら絶対喜ぶと思うな〜って助言くれたので」

「あくああいつ...」

「文句があるなら湊さんに言ってください」

「ふーん、じゃあこれ風真君の背ネーム見てみてよ」

「えっとこれは...天然たらし?なんでですか?」

「それは自分が1番わかるんじゃなーい?シオンはもう作業するから〜」

 

 僕も足早にドーナッツを食べ終え、廊下の装飾へと移った。

 

「風真は誰と学園祭回るんだ?いっぱいいすぎると困るよなコノヤロウ」

「う〜ん。どうしよう、いっそのこと柊とでもまわろうかなって」

「それだけはやめとけ、せっかくの学園祭なんだから女の子と回っとけ、柊は最悪ぼっちでも楽しめるだろ」

「おい!聞こえてるからな!!」

 

 どうやら遠くにいた柊まで聞こえてしまっていたみたいだ。作業を続けていると僕の肩がポンと叩かれた。

 

「やっほー、天然たらしくん」

「ああ星街先輩、こんにちはどうかしたんですか?」

「いやたまたまここを通りかかったら風真君がいたから声掛けただけだよ、それでその背ネームは何?w」

「いやこれは勝手に決められちゃって...」

「ふーん、でも案外間違ってないかも」

「星街先輩までそんなこと言うんですか?!」

「風真君はそれを罪だと思ってこの学祭期間中は背負っておいた方がいいよ」

「えぇ...」

「じゃあすいちゃんも準備あるからお互い準備頑張ろうね〜」

「はい、さようなら」

「...おい風真、星街先輩と話せるなんて羨ましいよ〜!俺あんなに近くにいるならサインでも握手でも求めれば良かった...」

「いやそこまでかよ...。サインくらいはもらってこれると思うけど」

「いーや、俺は絶対に自分の手でもらってみせる」

「こだわり強いな...」

「ていうかそんなことはどうでもいい!俺らが気になってるのは誰と一緒に学園祭を周るかだ!あんだけハーレムしてれば相手には困らないだろうけどな」

 

 僕はここにきて親しい人物を天秤にかけることになる。果たして僕は誰と周りたいのだろうか。もちろん可能なら全員と周れたらこの上ないのだが相手に失礼だし如何せんそんな時間もない。じゃあ一体僕は誰と本当に周りたいと思っているんだろうか...。

 

 

 

 

サブキャラの話を番外編に載せるのはありか

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