僕の平穏だった学園生活   作:-つくし-

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満更でもない

「うん、このピザ美味しいですね」

 

「そうだね〜。おまけに食べ歩きもできるし一石二鳥って感じ。ほらこのまんじゅうも食べていいよ」

 

「ありがとうございます。でも僕には可愛くて食べれません...」

 

「なにそれw。乙女かっつーのw」

 

 

 僕らはお昼時の混み合い始める時間帯の前に軽めの昼食を取っている。当初の目的であるホットドックを諦め、可愛い三目のキャラクターのまんじゅうとちょうどその店舗で売っていたピザを片手に店を出た。どちらもシェアするにはピッタリで味を共有することもできて話のタネにもなった。

 

 

「ねえ、あれってあやめと古海君じゃない?おーい!」

 

 

 食べ歩きながら次の目的地へと歩を進めていると正面から仲睦まじく歩いてくる古海と百鬼さんが見えた。

 

 

「ああ、紫咲さんと風真。なんか久しぶりだね」

 

「そうだね。そっちはどう?楽しんでる?」

 

「うん!余たちはすっごく楽しんでるぞ!大輝がリードしてくれるからマップとかいちいち広げなくて済んでるし!」

 

「いや少しは貢献しろあやめちゃん」

 

 

 実は古海、この日のためにかなり館内のマップを頭に入れているということを僕は知っている。古見曰く、ここで俺のできるところをアピールしないと今後この作品に出れるかわからないからな、とのことだ。それは一旦置くとして、少しズボラな百鬼さんと割としっかりしてて引っ張っていける古海との相性は言うまでもなく良いのではないだろうか。

 

 

「頑張ったな古海...。僕泣きそうだワ...」

 

「いきなりなんだよ...。俺たちは次、高いところにいって一気に落ちるやつに乗りに行くんだ」

 

「余が乗りたいって言ったんだ〜。けど場所は全くわからない余」

 

「任せて百鬼さん多分こっちであってるから」

 

「古海君すごいね。さっきシオンたちそれ乗ってきたんだけどちゃんと方向合ってるよ」

 

「でしょ!やっぱり俺って違うから」

 

「あやめちゃんもちゃんと道検索してあげなよ、古海君が大変だから」

 

「でも古海もはりきってるからたまにサポートするくらいでいいよ」

 

「ごめん、俺が悪かったから会話に入れてください」

 

「まあ余は大輝に任せることにする余、なんたって何も知らない余が変にでしゃばるよりきっと安心だ余!」

 

「ちょっと待ってあやめちゃん、さっきから名前で...」

 

「じゃあそろそろ余たちは行くよ!じゃあねシオンちゃん、風真君!」

 

「じゃあな」

 

「「...バイバイ」」

 

「ねえ、あやめちゃんと古海君ってあんなに仲良かったかな?」

 

「僕にはわかりません。でもそんなことは...」

 

 

 真相は闇の中。しかし帰ったら問い詰めればいいだけの簡単なお話だった。

 

 

「にしても結構近かったですね。僕もエスコート成功してますか?」

 

「いやさっき食べ物買った時から見えてたしw。ノーカウントです!w」

 

「精進します」

 

 

 僕たちが次に選んだ乗り物は大きな火山の傍にある有名アトラクションだ。地底に潜って探検している途中にトラブルが発生するといった趣旨のアトラクションだ。

 

 

「ここも結構並びますね。疲れてないですか?」

 

「まだ大丈夫、遥は?」

 

「もちろん大丈夫です

 

「でもさっきみたいなカップルいないから少し安心だわ〜。こんなのが毎回続いたらやになっちゃう」

 

「そうですね、さすがに僕もきつかったです」

 

「だよね〜、わかってる〜」

 

「ちなみにこのアトラクション、身長制限あるらしいですよ。足りてますか?」

 

「カッチーン。さすがに足りてるわ!」

 

「はは」

 

 

 いつもの報復だ。今日くらいはきっと許される。結局その後は一転攻勢、いつものように僕がいじられイタズラされ待ち時間を過ごした。そんな調子で僕たちは無事に乗り物まで到着し腰を下ろした。

 

 

「結構遅いんですね、少し安心しました」

 

「でしょ〜だからシオン遅いって言ってあったじゃん」

 

「いや嘘の可能性も加味したら信じない方が妥当かなと」

 

「信じてくれてもいいじゃんかよ〜」

 

「にしても綺麗ですね」

 

「ね〜。映像で見たことはあったけど、ちょっと幻想的」

 

「...ちょっと待ってください、キャッチコピーにトラブルが起きて...、みたいなこと書いてあったってことは...」

 

「...気づいた?」

 

「うお!いきなり化け物...ってわあああぁああ!!?」

 

 

 背景お母さんお父さん、僕臓器浮き上がって死にそうです。元気な面しばらく見せれなくてごめんなさい。

 

 

「いやなんで連続でこういう系なんですか...」

 

「そりゃまあw面白いですし?w」

 

「もうアトラクション不審になりそうです...」

 

「シオンが選んだんだしくるってことくらいわかるでしょ〜w」

 

「失態です...」

 

 

 さっきの二の舞、反省を活かしきれなかった。2回目はないだろうと思ったが言わずもがな2回目はちゃんときてしまった。幸い、さっきよりも長くはなかったが蓄積分を含めたらさっきよりも負荷は重くのしかかってきた。

 

 

「...行きましょう」

 

「あれ?回復早いね」

 

「慣れたみたいです不本意ながら。あと時間も惜しいので」

 

「あとで気持ち悪くなっても知らないからね」

 

 

 倦怠感を吹き飛ばすべくベンチから勢いよく立ち上がり、今のエリアとはおさらばした。

 

 

「ここも人気のとこですよね?僕聞いたことありますよ」

 

「そう、シオンも1回乗ってみたかったんだよね〜」

 

「あれ?風真と紫咲さんじゃん、おっす」

 

「ああ柊、もしかしてこれ乗るの」

 

「あったりまえよ、ちょうど良かったな。一緒に並ぼうぜ」

 

「そうだね〜」

 

 

 運良く柊大空さんペアと合流を果たすことができた。他のペアともすれ違うことはあったが一緒にアトラクションに乗るのはこれが初めてだ。

 

 

「今までどこ行ってきたんですか?大空さん」

 

「え?そりゃもういっぱい乗りすぎてわからないや」

 

「もちろん俺も覚えてない。だけどあるもの片っ端から乗っていったぞ」

 

「それって時間足りるの?」

 

「う〜ん、スバルたちは乗り終わったらすぐ移動してを繰り返してたから案外足りちゃうのかもしれない」

 

「なんか2人らしいや。ね、風真君」

 

「そうですね」

 

「ところで君たち2人はどこへ行ってたんだい?」

 

「僕たちは有名どころ回ったよ、間違えはないかなって思って」

 

「でも風真くん毎回気持ち悪くなるのwまじでウケるw」

 

「紫咲さんのチョイスが悪いです」

 

「結局シオンが風真君を振り回してるんだな〜」

 

「俺たちの予想通りですね、大空さん」

 

「ところでスバルたちは他のペアとあった?シオンたちはあくあペア以外とは会ったんだけど」

 

「え?!そんなに会ったの?スバルたちは逆に今まであくあたちとしか会ってないんですけど」

 

「運良いな、風真。みんなどんな感じだった?」

 

「仲良さそうだったよ。くじにして成功って感じ」

 

 

 夢の国巡りも後半戦、疲れもあるが楽しさに拍車もかかってきた。おそらく終わる頃には足が棒になっていること間違えなしだが足を絶え間なく動かしているうちはきっと大丈夫だろう。

 

 

「にしてもスバル的には制服で正解だったなって感じ」

 

「そうかー?俺は私服でも良かったけど」

 

「なに?文句でもある?」

 

「いやそういうわけじゃなくてよ、せっかくプライベートなんだからみんなの私服を見るのも醍醐味なんじゃねーかって思って」

 

「確かにね、でも僕は制服でも良かったと思うよ。柊の言うことも一理あるけど。大人になってから制服着るのはちょっと抵抗あるし学生のうちしかできないしさ」

 

「風真にはロマンがないのか?ロマンが」

 

「まあ少しは気になるけど、僕たちが制服着れるのはあと1年ちょっとだからね」

 

「そんなしんみりなさるなって風真君、シオンたちの学校生活はまだまだ終わらないよ」

 

「そうだそうだ!」

 

「大空さんと俺はちゃんと卒業できるとは決まってないし!」

 

「なんでスバルまで巻き込まれんの?!柊より頭良いんですけどっ?!」

 

「はは!」

 

 

 そうか、声に出して気づいた、みんなと過ごせる学校生活はあと1年半なんだって。学園祭も光の速さで終わって、夏休みも気怠げに過ごしてたらもうあと少し。後期も球技大会があってテストがあってそれで...

 

 

「いて」

 

「ほーら、なに神妙な顔しちゃって。話ならシオンが聞いてあげるから今は楽しみな!わかった?」

 

「そうですね」

 

 

 気がついたら僕たちの番は目の前まできていた。

 

 

「おい風真!お前運転席当たったのか?羨まし〜」

 

「風真君安全運転ね〜」

 

「よくわかんないけど頑張る」

 

 

 迷宮の中はとても幻想的だった。ハンドルを握って僕もそれっぽくハンドルを回す。無免許にしては良いハンドルさばきだと自分で自負する。さながら探索になれた1人の探検家を今なら名乗れる気がした。大きな骸骨から逃げ、迫力満点な迷宮の中をみんなでくぐり抜けた。

 

 

「いや〜想像以上に楽しかったな!」

 

「だね、僕の運転上手だったでしょ?」

 

「あれ、意外とノリノリ?ウケる〜w」

 

「風真君もあんなふうにノリノリなんだね」

 

「僕だって人並みの感情はありますよ」

 

「風真、こう見えても情に厚いんだぜ?大空さん」

 

 

 大空さんの鶴の一声、いやアヒルの一声もあって4人で写真を撮ってまた2つのペアに別れ次なる目的地へと向かった。

 

 

「う〜んこのドリンク美味しい!ありがと!」

 

「いいえ、たまにはいいかなと」

 

「いや〜今日は気前がいいね〜」

 

 

 僕たちは歩き疲れたのもあり、最寄りのお店に行きちょうどよく美味しそうなドリンクを見つけた。間髪入れずシオンが飲みたい!親にねだる子どものようだったため、奢ってしまった。これが母性?

 

 

「遥もこれ飲む?...あっ」

 

「じゃあお言葉に甘えていただきますね...うん美味しいです。...どうかしましたか?」

 

「...い、いや!なんでもない」

 

「...そうですか?」

 

 

 一瞬何か言いたげな顔をしていたが、シオンに免じて聞かないでおくことにした。

 

 

「きた時は朝だからさ、明るかったのに、もう夕焼けまで出てきちゃったね〜。ほんと一瞬」

 

「ですね、さっきみんなと別れた感じがします」

 

「それな!」

 

 

 気づいたら既に夕焼けが出ていた。今日一日雨が降らないでくれたことを心の中で感謝しておく。予報的には雨が降ると言われていたが今日一日は耐えてくれたようだ。

 

「ってことはあと乗れて1個くらいですね。なに乗りますか?」

 

「う〜ん、シオンも悩んでるんだよね〜...」

 

「そうですか」

 

「じゃあ最後は遥の乗りたいの!それにしよう。シオンばっか申し訳ないし」

 

「えっ。でも僕これ乗りたいとかないですよ」

 

「じゃあ今決めればいいじゃん、なんでもいいからさ。ほら、マップ広げて!」

 

「う〜ん、じゃあここでもいいですか?」

 

 

 僕はマップに指をさしてシオンに同意を求める。え?と最初こそ疑問符が浮かんでいたシオンだが、快く了承してくれた。

 

 

「ねえなんでまたここにしたの?シオン的には楽しいからいいけどさ、遥めっちゃ気持ち悪そうにしてたじゃん」

 

「僕にもよく分かりません。でもなんとなく、もう1回ここがいいなって」

 

「それならいいんだけどさ。最初から水、買っといてあげよっか?w介抱するのシオンなんだし」

 

「お願いしようかな」

 

 

 僕が最後に選んだ場所は最初に選んだ、タワー型のアトラクションだった。

 

 

「僕、くじでシオンを引けて良かったって思ってます」

 

「ははw、いきなりどうしたのさ」

 

「たまには聞いてくださいよ、さっき聞いてくれるって大空さんと柊といた時言ってくれたじゃないですか」

 

「しょうがないな〜」

 

「なんとなくですけどね。確かに皆さんいい人です。きっと誰といっしょになっても今日は最高の思い出になったと思います。でも、なんとなくシオンさんと行けてよかったなって思って」

 

「あれ?いつもと違って語彙力ないねw緊張してるの?w」

 

「つんつんするのやめてくださいwこちょばいです」

 

「はいはいw」

 

「なんか、安心するなって。思いました。今日はありがとうございました」

 

「なんだ〜w」

 

「どうかしましたか?」

 

「告白でもされるのかと」

 

「まさか」

 

「別に〜?期待なんてしてませんけどね〜」

 

「あ、次僕たちの番ですよ」

 

 

 慣れた手つき、って言っても2回目だけど。僕たちは隣り合わせに着席し、上昇しながら落下するのを今か今かと待っている。

 

 

「すっかり夜だね〜あっという間」

 

「ですね、またみんなでこれたらいいですね」

 

「だね〜。来年の今頃は受験勉強か〜。やになっちゃう」

 

「まあその時はその時です。シオンはさっき今を楽しもうって言ってくれましたから」

 

「ちゃんと覚えてる!偉いじゃん!あとでよしよししてあげる〜w」

 

「子ども扱いしないでください」

 

「「あっ」」

 

 

 僕たちの目に映ったのは

 

 

「「きれい...」」

 

 

 窓が空いたあとに見えたのは東京のそれはそれはとても綺麗な夜景だった。一瞬映った後僕たちは感動を攫われるかのように下降した。吐きそうだった。

 

 

「ここのベンチも2回目だね〜。朝と夜いる場所が一緒になるなんてw。はい水」

 

「...ありがとうございます」

 

「結局気持ち悪くなるしw」

 

「...でも綺麗なものが見れて満足です。付き合ってくれてありがとうございます...」

 

「...別に〜」

 

 

 シオンは宣言通り僕を介抱してくれた。アトラクションに乗り終わる度グロッキーになる僕の面倒を見てくれるのは感謝してもしきれない、シオンさまさまだ。

 

 

「あ、シオンたちきた!おかえり〜!」

 

「ただいま!」

 

 

 僕の気分が落ち着いたあと、みんなが待っているであろう集合地点に向かった。僕たちのペア以外はみんな揃っていて、僕たちの帰りを今か今かと待っていたとのことだ。みんなで記念撮影をしたあと、名残惜しさを隅に追いやって夢から覚めた。

 

 

 帰りはシャトルバスに乗った。シオンと隣の席であったが、バスが発進するやいなや眠りについてしまった。周りを見渡すとほとんどの人は眠りについていて、今日どれほどみんながはしゃいでいたかを表していた。じゃあ僕はって言われると、もちろん楽しかった。しかしなんだか寝れなかった。

 

 

「...かわいい」

 

 

 シオンが僕の肩に頭を預けてきた。普段のいたずらっ子は今の瞬間赤ん坊へとタイムスリップしていた。なんとなくほっぺたを触る。

 

 

「ん...」

 

 

 起きたのではないかとビビったが意外と眠りは深かったようで安心する。

 もちもちの肌。しっかり手入れしているんだなと実感する。

 

「...ありがとう、シオン」

 

 ほっぺを触らせてくれたことではない、今日楽しませてくれたことへの他意のない感謝だ。僕もみんなに合わせて目を閉じる。再び夢の国へと誘われるんじゃないかと期待する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サブキャラの話を番外編に載せるのはありか

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