「で、コピー機の使い方なんだけど、こうやってここをこうしてこうやってあげればすぐにコピーができちゃいます!あとはここに紙をセットして...あ!その時にこの横にある支えをこうやって紙のサイズに合わせてあげないとダメですからね!」
「わかりました」
「紙はサイズに応じてここの棚から取っていってくださいね」
「はい」
「じゃあ早速なんだけど、これを印刷してくれるかな?枚数は...全クラス分で!その間に白上は他の仕事しちゃうので!」
「承知しました」
生徒会に入ってから本格的に仕事をやり始めた。今の目先の目標は球技大会の運営だ。ちょうど今年はバスケットボールを行う予定なため、僕も即戦力として駆り立てられた。
「にしても...」
こうやっていつも行事ごとに資料を準備して裏ではこんな地道な作業もやって頭が上がらない。実際にやってみないと生徒会の人を敬うのは難しいと感じた。
「印刷し終わったペコか?」
「はい、今終わりました」
「よし、ありがとペコ」
この人は兎田さん。少しツンとしていて他の人に比べて距離を感じてしまう。そりゃあ新参者、ましてや数少ない男子と来たら少し警戒してしまう気持ちも分からなくない。
「ごめんね〜、ぺこちゃんほんとはあんなにツンツンしてないんだけど...どうしちゃったんだろう」
「いえ、全然大丈夫です白上先輩。いきなり男子が来たら誰だってきっと驚きますよ」
「う〜んそういうものなのかな...、白上にはわかりませんね...。ま、まあ!今日のところはこれくらいにして風真君は今日もう帰っても大丈夫ですよ!」
「わかりました、今日もありがとうございました」
「あ!この資料渡しておくから、目通しておいてね!」
生徒会に入ってからというもの、時間の流れが早くなったと思う。今まで部活に入っていなかったせいでもあるが。寝て目が覚めたら準備して学校に行って適当に授業を受ければ放課後、というサイクルに生徒会が加わるだけで一日が急速に流れていく。
「じゃあ今日は会議があるので!せっかくだし風真君アナウンスしてみてください!」
「え?僕がですか?」
「はい!いい声してるので!ここのボタンを押したら全校にアナウンスが通ります。あとはここのマイクの音量のところを引いてもらえば...って感じです!原稿はここにあるので!」
「わかりました...」
ピンポンパンポン
「全校生徒に連絡です...」
まさか自分が校内放送をする立場になるとは想像もしていなかった。普段は聞き流しているあの校内放送を自分が。
「よしいい感じだね!あとはアナウンス通り昼休みの時間帯に体育委員集めて会議するので、4時間目が終わったら生徒会室に来てね、ばいばい!」
「お疲れ様です」
4時間目を終えたあとすぐに生徒会室に向かった。今までなら紫咲さんや柊と一緒にご飯を食べていた日々が一転して騒々しくなってしまった。
「...きたぺこか」
「はい、資料もいっしょに持ってきました」
「ありがとぺこ。今日はぺこーらが説明するからあんたは隣に立ってるだけで大丈夫ぺこ」
「わかりました。でも大丈夫なんですか、兎田さんに全部任しちゃって」
「大丈夫ぺこ、それにぺこーらたちが受け持つのは2年生だけ。学園祭の時に比べたら全然ぺこ」
「わかりました」
「まあ、出席確認くらいはしてもらってくれたら嬉しいぺこだけど」
「あ、出席確認なんですけど、白上先輩がこの時間もったいないんですよね〜って言ってたので配布する資料に予めクラス書いちゃって、手元に残ったクラスが今回出席してないクラスってわかるようにしたんですけど」
「ふ〜んいいアイデアペコね。やるじゃん」
「ありがとうございます」
「あ、こっちに座ってください!」
仕事モードに切り替わった兎田さんはいつもに語尾ではなかった。ツンとしている中にも愛想良くできるところが生徒会に入れた理由なのではないか。テキパキと仕事をこなして全体への説明を終える。
「質問がないようなのでこれで会議を終わります、自教室に帰ってもらって大丈夫です...ふぅ」
「お疲れ様でした。兎田さん」
「なーに、どうってことないペコよ、もう慣れたし」
「でもすごいです、なんか間近で生徒会の仕事みれて感動しました」
「間近でって言うかあんたも生徒会員なんだからね!あんたもいずれこんな風に会議を開けるようにならなきゃ困るペコ」
「精進します。今日は全クラス出席してたみたいで良かったです」
「そうペコね、来てないクラスがあったら自分の足でその教室まで行かなきゃならねーペコだからほんとにだるいペコ」
「そうなんですね、自分のクラスだけでもちゃんと来てもらえるように何とかします」
「あんたのクラスだけじゃだめペコだけどな。ま、今の仕事はこれだけだからもう教室戻って次の授業の準備してもいいペコよ」
「わかりました、お疲れ様です」
「おつかれペコ」
言われた通り自教室に戻ると柊たちが僕の座席に座っていた。
「おい今日アナウンスしたのってお前か?」
「そうだ、紛れもなく僕だ」
「まじか!お前も仕事が板にについてきたんじゃないか?」
「まだ入って間もないんですけどね、でもいっぱい仕事をやらせてくれるのでやりがいもあります」
「社畜がよ〜、落ち着いたらまた遊びに行ったりしような」
「もちろん、ていうか柊も部活があるだろ」
「俺?俺はなんとかできるし」
「ほんとかなぁ」
「ていうか次移動教室だし行こうぜ!」
「あ、そうだっけ」
僕らは教科書と筆記用具を持って早めに教室を後にした。
「そしたらぺこーらがさ!」
「おいやめるぺこ!ファファファ...あ」
「あ」
「あれ風真君じゃん、夏休み明けは初めて見たかな?」
「お久しぶりです、白銀さんと不知火さん」
「ちょっとぺこらさっきから船長の後ろで何こそこそしてんのさ」
「い、いやこの人と生徒会でいっしょペコだから...」
「じゃあ尚更何してんのさ!ていうか船長以外知り合い?!気まずいんだワ...」
「たまにはしらけんにも顔出してね〜だんちょもフレアも待ってるし」
「でもさっきの放送って風真君がやってたよね?」
「はいそうです、お恥ずかしい」
「上手にできてたよ〜ノエルもそう思うしょ?」
「あれ、もしかしてだんちょ寝てたかも全く気づかなかったや」
「いや逆によかったかもしれません恥ずかしいので...じゃあ僕は移動教室なのでこの辺で」
「ばいばい〜」
兎田さんって声のトーンあんなに高いんだ。そしてあの特徴的な笑い方。
「ファファファ!」
「おいどうしたんだよ急に」
「いや僕にもできるかなって」
「バカかお前は」
サブキャラの話を番外編に載せるのはありか
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あり
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なくてもいい