僕の平穏だった学園生活   作:-つくし-

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それが普通ペコ

「ときの先輩、次は何をすればいいですか?」

 

「う〜んそうだな、風真くんに任せる仕事は今のところなさそうだから...。少しゆっくりしてていいよ、そこのイス座っても大丈夫だから」

 

「わかりました、でもそんなゆっくりしててもいいんですか?」

 

「大丈夫だよ、まだ新人なんだし。あとそこの席座ってたらきっと仕事手伝って〜って言われると思うから!」

 

 

 ひとまず自分の仕事を終えてときの先輩の言われた通りにこのふかふかのイスに座る。教室や理科室などの椅子とは違うおそらく来客用の上品なイス。これに座れるなんて生徒会の特権だろう。

 

 

「ちょっとこっちにこいペコ」

 

 

 それもつかの間、早速暇をしていたところを兎田さんに目撃され、手招きをされながら次の仕事へと招致された。

 

 

「これ手伝ってくれペコ」

 

 

 目の前に広がるのは等間隔にそれぞれ違うプリントが並べられていて、兎田さんの手にはおそらく僕の分も含まれているであろうホッチキス2つが握られていた。

 

 

「果てしないですね...。これ僕が居なかったら1人でやろうとしてたんですか?」

 

「しょうがねーペコよ。みんなそれぞれ自分の仕事を持ってる、猫の手でも借りたいって思った時にちょうどあんたがいたぺこだから...。とにかく話す暇があったら手を動かすペコ」

 

「はい、わかりました」

 

 

 そんな会話をしてからというもの、僕たちはただひたすらに手を動かした。紙をひとつにまとめれば最後に右上をホッチキスで止める。古海のいう周回ゲームってこんな感じなんだろうか。単調な作業に始まってから間もないものも気が滅入ってしまう。そりゃあこの少し薄めの教科書を作れそうなくらい積み上がったら誰だって少しは躊躇うだろう、いやそうであってほしい。

 

 

「...あんたはなんで生徒会に入ったペコ?」

 

「え...。手短に言えばときの先輩に誘われたから入りました」

 

「ふ〜ん。そうペコね、通りでそら先輩が1目置いてるわけペコか」

 

「まさか、そんなことは無いですよ」

 

 

 パチッ

 

 

 少し会話して、また作業に戻って。この状況、はっきり言ってしまえばかなり気まずかった。和気あいあいと作業を進めるのもおつではあるが、ツンツンした兎田さんにそれをしてしまうとかえってツンツン具合が増してしまうんじゃないかと思って奥手になってしまった。

 

 

「...今日の昼休みのぺこーら見て、どう思った」

 

「え...?ごめんなさい聞き取れませんでした」

 

「だから今日の昼休みのぺこーらを見てどう思ったのって」

 

「...すごく楽しそうでした。言って気を煩わせたら申し訳ないんですけど、生徒会で僕と作業してる時よりも声がワンオクターブくらい高くて、なんかオフモードってこんな感じなんだなって」

 

「ふ〜ん。引かなかったペコか?」

 

「引くってなんで?」

 

「だってこんなに今と昼休みとで温度差あったら何か思ってもおかしくないペコだから」

 

「それくらいじゃ引きませんよ、兎田さんが友達と仲がいいってことの裏返しじゃないですか?素を出せる友達がいるってすごい良いことだと思いますよ」

 

「そうペコか」

 

「でも素を出していた方がきっと可愛いと思いますよ」

 

「可愛いってあんた...!もう天然タラシって言われてもしょーがないペコ」

 

「なんでその名前知ってるんですか?」

 

「フレアとノエルと仲良くしてたらいやでもあんたの名前は出てくるペコ。あんたはぺこーらのこと知らないかもだけど。あんたは思ったよりも学校内に名前が広まってるんだから行動には気をつけるペコ。ついでに生徒会に入ったんだから尚更ね」

 

「えぇそうだったんですか。とほほ...。」

 

「もう変えられないんだから落ち込んだって無駄ペコ、あんたが派手にやらなければこうはなってなかったペコ」

 

「別に派手にやったつもりは...」

 

「本人が思っているよりも周りからするとそうじゃないペコ」

 

「参ったな...」

 

 

 夏休みを挟んでほとんど忘れていたが未だに全校に知れ渡ってしまった事実を信じられない。だってこんなにも平凡でなにもない一生徒が...

 

 

「自分のことを平凡って思わないことペコね。平凡だったらそら先輩からスカウトなんてもってのほかペコ」

 

「確かに言われてみれば...」

 

「でもそれだけ認められてるってことなんだから、誇りに思うペコ」

 

「そうですね、そういうことにしておきます」

 

 

 ラスト3部を差し掛かったところで夕日が上り始めていることに気がついた。我ながら没頭していたんだなとふりかえる。借りた一室には電気は着いていなく、頼りになるのは窓から差し込む夕日だけ。それだけ黙々と僕と兎田さんが作業していたという証拠でもある。

 

 

「ふぅ〜終わったペコね」

 

「そうですね」

 

「これを次の会議に要項として各クラスに配布するペコ。これでなにか球技大会について質問あったらこれみて解決しろって一蹴しても構わんペコ」

 

「そんなラフな感じでいいんですね、生徒会って」

 

「そら先輩なら懇切丁寧に説明してくれるかもしれないペコだけど、ぺこーらにそんな優しさはないペコ」

 

「あはは、でも兎田さんもきっと優しいですよ」

 

「は?」

 

「だってそうじゃなかったら僕みたいな新参者放っておいても良かったじゃないですか」

 

「それは別ペコ、だってそれはあんたが...暇そうにしてただけペコ」

 

「そういうことにしておきますよ」

 

 

 僕を誘いにわざわざ借りた教室を出て、生徒会室まで戻ってきたことを僕は知っている。なんだかんだ気にかけてくれてるんだなとしみじみした気持ちになる。

 

 

「...同じ生徒会員なんだから。手を取り合うのは普通ペコ」

 

「そうですね」

 

 

 いつか砕けて笑ってくれる兎田さんは見れるのだろうか。僕たちはできた要項を抱えて活動場所へと帰還した。

 

サブキャラの話を番外編に載せるのはありか

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