僕の平穏だった学園生活   作:-つくし-

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カミングアウトは突然に

「実は地味に京都初めてだったりするんですよね」

 

「まじか?!ていうか風真君って出身どこなの?引っ越してきたって聞いてるんだけど」

 

「北海道ですよ」

 

「北海道?!そんなバカ遠いところからきてたの?!」

 

「はい、ていうか初めて柊に言った時と同じ反応してますよ」

 

「おい真似すんな」

 

「真似とかそういう問題じゃないだろ!」

 

「まあまあ落ち着いて、柊様。そんなこと言ってるうちに見えてきましたよ、清水寺が」

 

「お〜。...なんていうかお寺だね」

 

「いや寺だろ最初から」

 

 

 旅館からバスなどを使って僕たちは今日の目的地である清水寺まで到着した。今日は朝から移動しお昼頃にここに着く計算だったため、遠出をするのはやめておこうという話になり無難に清水寺を選んだ。

 

 

「人も結構いますね。特に海外の人がたくさんいてちょっと怖いです」

 

「まあ観光名所だからな、そりゃあいっぱい旅行目的の人も来るだろう」

 

「ていうかこの人数じゃ回りにくいと思うから、何人に別れない?」

 

 

 湊さんの提案の元僕たちは各々一緒に回る人を捕まえた。結果的に僕はシオンさんと、古海はもちろん百鬼さん、ほかの人たちは一緒に回るらしい。はいはいいいですよ〜余り物は余り物同士で仲良く回りますよ〜と置き土産をされた後それぞれ別の方向へと散っていった。

 

 

「シオンさんはどこか行きたいとかありますか?」

 

「ん?何も無いけど」

 

「奇遇ですね、僕もありません」

 

「ちょっと〜w少しはレディのためにリサーチしてきてもよかったんじゃないの?w」

 

「まさかシオンさんと回るなんて思ってなかったから、てっきりみんなで回ると思ってたのにこの人数と人混みじゃしょうがないですよね」

 

「はいはい言い訳はいいからエスコートしてよ」

 

「...わかりました。じゃあ...僕は団子食べてみたいので適当に歩きましょう」

 

「なんとなくわかってたわ〜w」

 

 

 言い訳の末行き当たりばったりな旅になることをシオンさんは薄々気づいていたらしく、僕のしっかりしているイメージは崩れつつあるんだなと思った。人混みを掻き分けながら店の看板や雰囲気などを吟味し、様々な店を見て回った。

 

 

「やっぱりここですかね?」

 

「そうだね、唯一!シオンと遥が一致した場所だから」

 

「なんでこんな合わないんですかね」

 

「まあいいからさそれは。とりあえず並ぼうよ」

 

 

 そこそこ列ができるほどの有名店らしいところに並んだ。数組呼ばれたあとすぐに僕たちも呼ばれ、店の中へと入っていった。

 

 

「いや〜なんと言っても暖かいね〜。シオンあのままだったら凍え死にそう」

 

「確かに若干薄着だな〜って思ってたんですけど中になにか着たりしてないんですか?」

 

「そりゃ着てるけど寒いものは寒いじゃん。それよりも何食べる?」

 

「僕は〜みたらし団子かなぁ。おすすめって書いてるし無難かなって」

 

「じゃあシオンもそうしちゃおっかなー」

 

「決まりですね。すみません〜!」

 

 

 僕は普段より1オクターブ高い余所行きの声で店員さんを呼び、注文をした。案の定シオンさんには突っこまれたが愛想がいい人とこの場この時だけは思われたかったからしょうがない。特に理由はない、少年の気まぐれだ。

 

 

「お、美味しそう」

 

「ね〜、いっぱいタレがかかってて美味しそう!」

 

「僕のも美味しそうなのであとで食べますか?」

 

「フハッ!wいやw同じだからw」

 

「じゃあ食べますね、いただきます。...うん美味しいです、団子は柔らかくてタレも甘くないくちょうどいい...ってシオンさんどうしたんですか?」

 

「いやw遥が悪いでしょww」

 

 

 どうやらツボっていたらしい。僕としてはちょっとボケたつもりだったんだけどな。僕は何事もなかったかのようにみたらし団子を食べ終え、シオンさんが食べ終わるのを待った。何度か思い出し笑いをしていたが何とか食べ終え店を後にした。

 

 

「あ、さっき古海君から連絡きてたんだけど、5時くらいに旅館に着くように各自戻ってきてだって。まあ多少は前後しても大丈夫みたい」

 

「わかりました、じゃあメインの清水寺に行きましょうか」

 

 

 清水寺と言えば周りにあるお店も確かに楽しみのひとつではあるが、1番は清水寺から見える景色だろう。夜の時間帯に見ることができないのは悔しいが清水寺のあの景色を見ただけで僕にとっては大きなお土産だ。少し歩いたのち本堂へと足を踏み入れる。

 

 

「清水寺って懸造りっていうので建てられたらしくて、釘が1本も使われてない木造建築らしいですよ」

 

「へ〜詳しいじゃん。さすがだね」

 

「奥の院ってとこに行けば僕たちがよく見る景色が見れるらしいですよ」

 

「じゃあ早く行っちゃお!」

 

「でも道わかんないです」

 

「こっちらしいよ、シオンの感がそう言ってる」

 

 

 結局間違っていた。ちゃんとシオンさんの勘は申し訳ないがポンコツらしい。まあ距離はあんまりないしそこまで支障は出ないが。これがテーマパークとかの移動距離が長いところだったらきっと怒っていただろう。

 

 

「お〜ここが...。なんか感動です」

 

「確かによく見る場所だね〜。いや〜1回でもいいから人生で見れてよかった」

 

 

 その後お土産を買ったりお守りを記念に買い、最後に再度清水寺を彷徨し清水寺に別れを告げた。もう少し時間があればもっと観光したかったが時間的にもちょうど良かったため名残惜しさを感じながら帰路に着いた。

 

「ただいま〜ってみんな帰ってたんだ」

 

「おかえり、って言っても10分くらいオーバーしてるんだけどね」

 

「え?あ、ほんとだ。みんなごめん」

 

「まあまあ修学旅行とかじゃないんだし気楽にいこう余。それよりも18時半からご飯があるから客室まで来てだって!」

 

「了解、そしたら時間までは各自部屋でくつろぐとしよう」

 

 

 僕たちは男女に別れて1度部屋に戻って行った。

 

 

「もうちょっと時間があったら清水寺まだ観光したかったな」

 

「いや〜ガチごめん!もう少しこっちに早く着くかなって思って早い時間帯にご飯頼んじゃった。本当に申し訳無い」

 

「いや全然大丈夫。むしろこんないいところ招待してくれて感謝だよ」

 

「まったくだ。俺はなんか逆に上品すぎて蕁麻疹出てきそう」

 

「やめてよ委員長...」

 

「俺は露天風呂が楽しみだな!なんたって部屋に付いてるし入り放題じゃん!!」

 

「暴れるのだけはやめてよ、粗相がないように」

 

「さすがに俺だって慎むわ!」

 

 

 雑談をしていたらあっという間に夕食の時間が来て、楽しい時間って自分が思っているよりもすぐに過ぎ去ってしまうだなと思った。夕食は京都らしい懐石料理で好き嫌いが別れそうというのが第一印象だったが、あちらの配慮で僕たちにも食べやすいであろう料理も出されて少し安心した。僕は好き嫌いは多いタイプではないが嫌いな食べ物がないわけではないので安心して箸を進めることができた。学校生活中の弁当はこんなに大人数で食べることはないので新鮮で楽しかったし食卓を囲む時もいろはと二人なため久しぶりの賑やかな食事に忘我の境に入っていた。

 

 

「風呂に入り終わったら連絡すればいいんだっけ?」

 

「ああ、お風呂に入って準備が出来次第女子の部屋に集合だそうだ」

 

「なら早く入っちまおうぜ!俺1番!」

 

 

 バシャーン!

 

 

「ああ、あいつはバカだまじで...」

 

 

 そういうことを粗相と言うんだぞ柊。服を勢いのままに脱ぎ捨て趣もなく露天風呂へダイブした。叱りたい気持ちもあるが今日くらいは大目に見て見逃してあげた。僕と委員長は柊とは対照的に恐る恐る湯に浸かる。

 

 

「あ〜〜〜。最高だな」

 

「委員長じじいやん」

 

「いや〜旅の時に入る温泉ほど気持ちいいものはないだろう。体にしみる」

 

「今日は移動したり歩いたりが大半だったから余計かもね」

 

「これで俺らも晴れて裸の付き合いってやつか!」

 

「その言い方やめてくれ間違ってはいないけど」

 

「ところで古海、百鬼さんとはどこまでいったんだ?」

 

「は?!どこまでって...」

 

「いくとこまでいったの?」

 

「んなわけ!!...ハグまでしかしてないよ」

 

「ヒョー!甘いね!初々しくて実にいい」

 

「やめろやめろそんなに揶揄うな...。委員長と風真も頷くな!」

 

「甘い、甘いな...」

 

「これぞ青春」

 

「やめろ!」

 

「じゃあ今日のおデートの方はどんな感じでして?」

 

「そのテンションでいくのはやめた方がいいぞ委員長...。今日はまあ普通に回ったよ、回っただけ」

 

「手は繋いだ?」

 

「...うん」

 

「「うっわー甘いわ」」

 

「ああもういいだろ!」

 

「ちなみに今日の夜は?」

 

「バカか!お前らは!」

 

 

 僕と委員長が古海を標的にして恋バナに花を咲かせている間、柊は妙に神妙な顔をしていた。

 

「どうした柊、全然元気ないぞ。もうお眠か?」

 

「...なあお前ら突然なんだけど少し相談していいか?」

 

「...なんだよ急に、柊らしくないぞ」

 

「...実はよ、今日ずっと朝から緊張しててよ。正直今も結構緊張してんだ」

 

「は?なんでさ」

 

「...大空さんに告白しようかなって」

 

「「「まじか!!!」」」

 

 

 僕たちは驚きのあまり湯船から体をだした。恥じらいもなく。まさか柊がひそかに大空さんに懸想してるなんて誰も思っていなかったんだから。

 

 

 

 

 

 

サブキャラの話を番外編に載せるのはありか

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