僕の平穏だった学園生活   作:-つくし-

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密告犯

 学祭と言ったら何を思い浮かべる?本来授業の時間中に準備するのも学祭。創作ダンスで金賞目指してみんなで頑張るのも学祭。学祭マジックだってひとつの要素。無論、何かしら起こる衝突だって学祭だ。俺はというと断じてそのような学祭はしていない。いや少しはしているのだが、みんなが想像するような学祭とは程遠い。生徒会は学祭を運営する立場だ。中学校までは基本的には先生が主導となって行われるだろうが、高校になってからは大人ははっきり言って無能と言って差し支えないだろう。授業がないことをいいことに職員室でクーラーを全快にして涼んでいる姿を想像すると腹立たしいことありゃしない。

 

 

「一条」

 

「はい!なんでしょう?」

 

「いや、特にこれといって用事があるわけじゃないんだけど。一条はクラスのみんなが羨ましいとか思ったりはしないのか?ほら、まだ一年生だろ?少しはそういった青春の類に興味があってもいいじゃないか」

 

「いやー先輩方を差し置いて莉々華だけが遊びに行くなんてできませんよ」

 

 

 一条ははっきり言ってドジっ子だと思う、故に健気でもある。社長令嬢と聞いてお高く纏まってるんだろうなというのを想像していたが真逆だった。雰囲気が悪い時も頑張って明るくしようとするところや、自分なりに頑張るところに好感度を覚える。

 

 

「そういう先輩だって少しはクラスに顔出したらどうです?」

 

「副会長は汚れ仕事をするもんだよ。みんな頑張ってんのに俺だけが」

 

「ほーら莉々華と同じ考えじゃないですか!」

 

「まあ...そうだな」

 

「じゃあ大人しく生徒会室にいましょう」

 

「だな」

 

 

 すると木製のドアからコンコンとノックの音が聞こえた。一条はその主を知ってるかのように勢いよくドアを開けた。

 

 

「よう!元気してるか副会長!」

 

「だる絡みしにくんなよお前ら...。一条も困るから」

 

「大丈夫、一条さんにはちゃんと許可取ってるし、会長こと兎田さんからも公認だから」

 

 

 実は未だに生徒会の男子は俺1人なのである。それを見かねてか、兎田がクラスメイトくらいなら連れてきてもいいペコ、と言ってくれたのだ。と言っても馴染みの3人なのだが。こいつらはそれに味を占めて昼ごはん時に毎回訪れて来るのだ。俺は昼休みの時くらいクラスの所行ってあげなと一条を元いたクラスに返した。

 

 

「いや〜やっぱりここの部屋クーラー効いてるわ!」

 

「クラスの方も効いてるだろ」

 

「あそこは人が多いからね。こっちの方が快適だよ。ね、委員長」

 

「全くだ。風真は柊が買ってきた購買のパンでも食べてくれ。ささやかなお土産だ」

 

「良きにはからえよ。風真」

 

「室料として受け取っておくよ」

 

 

 そんな軽口を叩きながら昼飯を食べる時間くらいしか心休まる時間がない。つかの間の休息とはまさにこのことである。

 

 

「疲れたペコー」

 

「お、兎田。おつかれ。どうだった?交渉の結果は?」

 

「外部の人がいるからあんまり言いたくないペコだけど、結果だけ言うとおっけーだったペコ」

 

「おお、まじか。まああの校長結構柔軟だし、いけると思ってたけど」

 

「まあ算段がなきゃぺこらだって博打はしたくないペコだから」

 

 

 3人はキョトンという顔をしていたが、交渉の内容は他校からも生徒を呼びたいというものであった。まあとりあえず意見が通ってよかったと思う。

 

 

「兎田さんの分も菓子パン買ってきたから良かったら食べてよ」

 

「ありがとペコ。どっかの副会長と比べて気が利くペコ」

 

「はー、言っちゃうんだそういうこと。だから近寄り難い会長っていうレッテル貼られちゃうんだー」

 

「まあまあ落ち着いてよ2人とも。兎田さんもせっかくだから一緒に食べようよ」

 

 

 古海が早い段階で丸く収めてくれた。兎田も疲れているようでこれ以上言及することはなかった。

 

 

「古海君と柊君はそれぞれ彼女いるんだよね?あやめちゃんとスバルちゃん」

 

「そうだ。俺がスバルでこいつが百鬼さん」

 

「ちなみに委員長はいない」

 

「...」

 

「...」

 

「いや別に黙るところじゃないぞ」

 

 

 

 委員長は硬派なのだろう。恋人を作ろうとしないのだ。

 

 

 

「俺は...まあご縁があれば考えるが。そもそもそういう類のものが苦手でな」

 

「伊達に委員長名乗ってないな。俺くらいガツンといけよ」

 

「柊君はスバルちゃんにデレデレって」

 

「あーそれはダメだ!!絶対に言っちゃダメ」

 

「そうは言うけどそれを知ってるやつしかいないんだよ。今更口を塞いだってしょうがない」

 

 

 柊は大空にベタ惚れである。いつもはツンケンしている彼だが違った一面もあるようだ。大空が俺らにチクってくれたから知っているが、実際に見たことはない。大空の誇張表現かもしれないが...まあなんやかんや俺らに甘いところもあるし案外そうなのではないかと思ってはいる。今もこんだけ顔を赤くしてるってことはそうなのだろう。

 

 

「じゃあ兎田さんは古海の事情知ってんのか?」

 

 

 こすいやつだ。標的を古海に移すなんて最低な。案の定あたふたしている古海に追い打ちをかけるかのように兎田は知っているの一言をかけた。

 

 

「古海は女子ウケが良くてだな、庇護欲が湧いてくるらしい」

 

 

 その言い方だとまるでペットではあるが、委員長の言っていることは一理ある。なんというか彼は愛くるしいのだ。

 

 

「基本的に誰にでも優しそうペコだからね。なんとなくぺこーらでもわかる」

 

「そんな古海が怒った事件知ってる?」

 

「知ってるペコよ」

 

 

 簡潔に言うと百鬼絡みだ。百鬼は天然だ、それは皆も重々承知している。しかしそれを良しとしない女子もいるようで、突っかかってきたらしい。それを許さなかった古海が怒ったという事件だ。絡んできた女子はどうやら古海のことが好きだったようでその腹いせなのだろう。そういうことするから俺の眼中にないんだよ、と一蹴したらしい。

 

 

「ていうかさっきからなんで兎田さんは知ってるの?」

 

「なんでってそれは風真が」

 

「「お前まじでさ」」

 

「...俺仕事思い出したから行くわ」

 

 

 やっぱりこういう話は誰かに話したくなるじゃん

 

 




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サブキャラの話を番外編に載せるのはありか

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