僕の平穏だった学園生活   作:-つくし-

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こんな放課後も悪くない

<今日の放課後一緒に帰ろうよ>

 

 と書かれている紙が僕の席に届いた。送り主は僕の隣の席である紫咲さんだった。小さな声であれば話せる距離なはずなのに何とも粋なことをするなと思った。紙をちぎって僕も返答を用意する。断る理由もなければむしろ嬉しいので答えはもう決まったようなものである。

 

<いいですよ>

 

 と記載された紙を僕はノールックで紫咲さんの机まで配達した。

 

 その後は互いに何事も無かったかのように授業を受けた。僕は横腹をつつかれたあの日から授業中は常に目をぱっちり開けるように心掛けている。紫咲さんが隣だと何されるかわからないからだ。そう考えている今も何をしてやろうかと企んでいるに違いない。常に隣を警戒して受ける授業は恐ろしい程に眠気が覚めた。

 

 

 

「風真!今日も一緒に帰ろうぜ」

「悪い、今日は先約があるんだ」

「なんだよ、もしかして妹ちゃんか?前も一緒に帰ってたよな」

「いや違う」

「じゃあ誰なんだよ?お前にそんな親しいやついったけ」

「そんな悲しいこと言わないでくれ」

「風真君!一緒に帰ろ」

「ああ、紫咲さん。じゃあ行こうか」

「もしかしてまだ柊君と話してる途中だった?」

「いや大丈夫、それより早く行こう。クラスの視線がこっちに集まってて気まずい」

「おい風真!どういうことだよ!一緒に帰る相手がまさか紫咲さんだなんて!」

「ちょっとシオン!スバル達と一緒に帰らないとは言ったけどまさか風真君と一緒に帰るなんて聞いてないぞ!」

「「どういうこと?!」」

「柊、大空さんちょっと声のボリューム落として、クラスの視線が痛すぎます。あと癒月さんと百鬼さんは微笑んでないで助けてください」

「あらあら〜♡」

「余はすっごくいいと思うぞ!」

「紫咲さん、早く帰りますよ。このままだとまずいので」

 

 

 

「いや危なかったですね。クラスのみんなが押しかけて来るところでした」

「...風真君、手」

「え?ああ、ごめんなさい!無意識に握ってました。その、早くあの場を抜け出したいというかなんというか」

「あはは!いいっていいって全然、もしかしてシオンと手繋ぎたかったのー??w」

「違います!教室からいち早く脱出したかったことに変わりはありません」

「そんな嘘つかなくてもいいんだよ〜w」

「ちょっと横腹つつかないでください」

「風真君もしかしてだけど〜、横腹弱いよね〜?」

「まさかそんなわけないじゃないでs、グッ!」

「ほらやっぱり〜w」

「ああ!あんなところにクレープ屋があるなー!僕クレープ食べたいな〜」

 

 これ以上弱点だと知った横腹をつつかれるのを避けるために、苦肉の策ではあるがクレープ屋に誘導することにした。ちなみにクレープを食べたいは全くの嘘だ。

 

「いいね〜クレープ」

「紫咲さんは何食べますか?良かったら僕奢りますよ」

「ほんとに!!じゃあ遠慮なく〜。じゃあシオンは〜...」

 

 

 

「う〜ん!このクレープ美味しい!」

 

 だからっていちばん高いの頼まなくたっていいじゃないか。沢山フルーツやアイスが乗ってる如何にも高そうで美味しそうなクレープ。持ち合わせが少なかったおかげで僕のクレープはなんの変哲もない普通のクレープになっちゃったじゃんか。

 

「風真君そんな何にも乗ってないクレープで良かったの??ww」

 

 誰のせいだよほんとうに!!

 

「あ!シオンバナナ嫌いだから食べてよ」

「バナナ嫌いなんですか?別にいいですけど、何で嫌いなんです?」

「あれは果物じゃない!」

「いやそんなに言わなくても...」

 

 全バナナさんへ、ごめんなさい僕が責任を持ってバナナさんを食べます。いただきます。

 

「あれ?もしかして紫咲さん最後にいちご食べる派の人ですか?」

「そう!やっぱりこの大きいのは最後に味わって食べたいよね〜」

 

 悪戯心が芽生えてしまった。許せ紫咲さん、今までの報復だ。僕のプレーンのクレープに彩りを加えるための糧になってくれ。

 

「あ、あんなところに大空さんたちが」

「え!ほんとに?...って、ああー!!シオンのいちごが!」

「...さあ、僕は知りませんよ」

「じゃあそのもぐもぐしているものはなに!しかも手にいちごのへたあるし!」

「知りません」

「ね゛え゛え゛え゛え゛え゛! !」

 

 多少罪悪感はあったが、しょうがないですよね。このいちご甘!美味しい!

 

「ぐすん、シオンのいちご...」

「あの紫咲さん、その申し訳ありませ、グッ!」

「あはは!うっそー、シオンはそんな簡単に泣きません!」

 

 やはり紫咲さんの方が1枚上手だったようだ。

 

「紫咲さん、鼻に生クリーム付いてますよ」

「え?ほんとうに?」

「はい、ちょっと失礼します。ほら、少しだけですが」

「ほんとうだ...って風真君?!」

「この生クリーム少し甘いですね。胃もたれしそうです」

「...ああ」

「どうかしましたか?顔少し赤いですよ」

「なんでもない!まだ時間あるしプリクラ撮りに行こうよ」

「ええ、僕プリクラなんて妹としか撮ったことありませんよ」

「へーあの可愛い可愛いいろはちゃんね〜」

「もしもし紫咲さん?目のハイライトがありませんよ、あとなんで妹の名前知ってるんですか?」

「前教室来てたじゃんいろはちゃん」

「まあそうですけど、そんなに声大きかったですか?」

「いいやーそんなことないよ。それよりも早く行こ!」

 

 

 

「ほら風真君もっと屈んでよ!全然写ってないよ」

「じゃあ紫咲さんも少し背を伸ばしてください」

「それは無理!」

 

 僕は180cm、紫咲さんは多分150cm満たないくらいなのか、いやそれよりも小さく感じるためかなりの身長差が発生する。それを僕が屈む形でカバーする他ないのだ

 

「風真君写りわっる!ww」

「...仕方ないです慣れてないので」

「これなんて半目じゃんww」

「タイミングが分からないんです」

 

 いろはと来た時もそうだがいまいちタイミングが掴めない。あと最近流行りのポーズも。花のJKってすごいんだな。紫咲さんがデコレーションしたプリクラは僕がとんでもないメイクをして手元に来た。もちろん紫咲さんはこのプリクラを見てゲラっていた。紫咲さん、写りいいな羨ましい。

 

 

 

 

 その後はたわいもない話をしながら帰路に着いた。高校一年生の頃の話、テスト近いねーとか学祭楽しみだねーみたいな、そんな話。

 

「じゃあ私ここだから」

「意外と僕の家と近いかも知れません。多分ここから10分くらい歩いたら僕の家です」

「ほんとに!運命ってやつじゃない?」

「そんな運命クソ喰らえです」

「ね゛え゛え゛え゛え゛え゛! !」

「その、良かったら連絡先交換しませんか?」

「え?」

「え?」

「なんでQRコード出してるの?」

「いやだって、交換するための手段じゃないですか」

「別にクラスの連絡先から友達追加すればいいじゃん」

「ああ、そうですね」

「じゃあシオンから追加しとくねー」

「あ、はい。よろしくお願いします」

「じゃあね!風真君。また明日!」

「また明日」

 

 

 

 1人で帰る道はさっきと違ってやけに静かなように感じた。朝の読書の時間よりも何故だか空虚なように感じた。さっきのことを反芻してたら自然と嬉しいような感じがしてきた。

 

 

 

「ただいま」

「おかえりでござるお兄ちゃん!」

「ああ、いろは帰ってたんだ」

「お兄ちゃんいつもより笑顔でござるな。何かあったでござるか?」

「いいや、何にもないよ。それよりお兄ちゃんお腹減ったな。今日のご飯は?」

 

 

 

 




このホロメン出して欲しい等あったらいつでも待ってます!

サブキャラの話を番外編に載せるのはありか

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