僕たち風真家は基本僕が平日、休日いずれも1番初めに起きる。欲を言えばもうちょっと寝ていたいが目が覚めてしまうので仕方なく目覚める。
「いろは、起きろ〜。もう朝だぞ」
「んん〜」
「おはよう、いろは」
「おはようございます、お兄ちゃん」
「朝ごはん今から作るから、ちゃんと目が覚めたら布団から出ておいで」
「は〜い...」
僕の妹のいろはは朝はふにゃふにゃだ。学校ではしっかりとした生徒だが家ではそんな模範生のオフモードを見ることができる。所謂兄の特権だ。朝食から張り切る元気は僕にもないのでベーコンに目玉焼き、サラダといったオーソドックスな朝食を提供する。こんな有り合わせなものでも喜んでくれる可愛い妹を持ってお兄ちゃんは誇らしいぞ。
「今日は買い物に付き合えばいいんだっけ?」
「そうでござるよ!洋服が見たいから是非お兄ちゃんについてきて欲しいと思って」
「前約束したしね。お兄ちゃんも暇だから付き合うよ」
「ほんとでござるか!じゃあ少し準備してくるから待っててでござる」
「はいはい、ゆっくり準備していいからね」
風真家は現在両親とは別居中だ。高校生のうちから自立して欲しいという家庭の方針によるものだ。こういうのをご都合主義、とでも言うのだろうか。いろはは今年からホロライブ学園に入学したため、僕は去年までは一人暮らしだった。入学に合わせていろはもこの家にやってきた。家の中はがらんどう、帰ってもおかえりのひとつも返ってこない寂しさは今年からおさらばとなった。
「じゃーん!準備できたでござるよ」
「早かったね、全然ゆっくりで大丈夫だったのに」
「だってお兄ちゃんと早くデ...お買い物行きたかったでござるから」
「ゆっくりじゃないとさ...」
「?」
「まだどこのショッピングモールも空いてないんだよね」
「あ...」
口を栗の形にし呆然とするいろは。風真家の朝は早い。
「誰と連絡してるでござるか?」
「ちょっと、勝手に見ないでくれよ」
「あー!もしかして女の子と連絡してる?!ござるにも見せてでござる」
呆気なくスマホを取られてしまった
「この人ってシオン先輩でござるか?」
「いろは知ってるの?」
「うん、沙花叉が大ファンだから何回も見たことがあるでござるよ」
「そんな人気なんだ、紫咲さんって」
「で!なんでシオン先輩と連絡をとってるでござるか?お兄ちゃんも隅に置けない男でござるな...」
「いや...ただ席が隣になっただけだよ、で色々あって連絡先を交換したってだけで」
「席が隣になっただけじゃそうはならないでござる!もしかして昨日機嫌良かったのってシオン先輩と何かあったからでござるか?」
「...さあ」
「しらばっくれるのが下手くそでござるな。今朝だっておはようって送ってるじゃないですか?!」
「いや、せっかく昨日連絡続いてたから今日もなにか送るべきかなって」
実は昨日帰宅した後も連絡を取りあっていた。僕にしては珍しく部屋に引きこもっていたため、いろはに何か勘づかれるんじゃないか心配してたが、まさか一日でバレるなんて思っていなかった。
「返事が来てないってことはまだシオン先輩は寝てるのかな?」
「そうだといいんだけどな。さあいい時間だから行くよ」
「ちょっと!まだ聞きたいことはいっぱいあるでござるー!」
これ以上質問には答えたくないので足早に玄関へ向かいお気に入りのスニーカーを履いて家を出た。
「ねえいろは、なんでさっきからそんなむすーってしてるんだ?」
「いや別にー。なんでもないでござるよー」
「ほんとか?そうは見えないんだけど」
「お兄ちゃんは乙女の心を傷つけたんでござるよ!」
「ええ...?」
「まさかお兄ちゃんに意中の相手がいるなんて」ボソッ
「何か言った?」
「なんでもないでござる!今日はいっぱい荷物持ってもらうから」
「仰せのままに」
目的の洋服屋に着いた。周りに女性しかいなくていたたまれない。
「どうでござるか?」
「うーん...」
似合ってはいる。とても似合っているのだが如何せん肌の露出が多すぎる剣道の胴着とは対照的だ。オフショルダーのトップスにデニムのホットパンツ。年頃の女の子ということはわかっているが、いろはも成長したんだな...。
「なんだろう、なんか露出が多い気がするな」
「そうでござるか...。個人的には結構好きでござる」
「でも似合ってると思うぞ。普段の真面目さとのギャップがあっていいと思う」
「わかったでござる!ところでお兄ちゃんはどういう系統の服が好きでござるか?」
「え?お兄ちゃんは女性の服はよくわかんないけど...。強いて言うなら清楚な感じが好きかな」
「わかったでござる」
するといろはフィッティングルームを離れまた新たな服を探しに行った。
ピロリン
<風真君おはよう!今何してるの?>
可愛い犬のスタンプと共に紫咲さんから連絡が返ってきた。
「ええと、今は妹と買い物に出掛けていますよ、と」
「あー!お兄ちゃんシオン先輩と連絡してるでござるな!」
「いやごめんって」
「今はござるとの買い物に集中して!いい?」
「わかりましたよ」
一時も気を抜けないな。
いろはが持ってきた服を一緒に吟味し買う服を絞った。最初に見せてくれた露出度の高めの服と僕好みの清楚系の服を買うことに決めたようだ。その後は雑貨や僕の本探し、いろはの化粧品やアクセサリー類も見て回った。ついでに昼食もフードコートで済ませ晩御飯の買い出しも済ませてしまった。お陰で荷物持ちを志願した僕の両手は袋でいっぱいだった。いつもなら一緒に持ってくれるはずのいろはも今日は何故か拗ねていて持ってくれない。乙女心って難しいな。
「いやーいっぱい買ったでござるなー」
「たまに羽を伸ばすことも大切だな」
いろはってこんなに大人っぽかったっけ。ほんの数ヶ月前まで中学生だったはずなのにやけに大人びて見える。
「お兄ちゃん、右手の荷物ちょうだい」
「え、あ、はい」
すると右手には先程の重たい荷物ではなく華奢な1人の妹の手を握っていた。
「小さい頃を思い出すでござるな!」
「ああ、そうだな。いろはがよく泣いていたのを思い出すよ」
「もう!それは言わない約束でござるよ」
大人びても笑顔は変わらないな。
このホロメン出して欲しい等あったらいつでも待ってます!
サブキャラの話を番外編に載せるのはありか
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あり
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なくてもいい