ピンポーン
「はーい」
「いろは大丈夫だよ僕が出る、だから身支度済ましちゃいな」
なんの変哲もない月曜日の朝。休日が終わり、社会人、学生ともに憂鬱な1週間の始まりの日でもある。僕がそろそろ学校へと向かおうかと思っていた矢先、普段は静かなインターホンが久しぶりの仕事を果たした。
「どちら様で...って、え!」
「やっほー風真君、おはよう、一緒に学校行こうよ!」
「お、おはようございます、1度色々聞きたいことがあるんですけどちょっと待っててもらえませんか」
バタン
なんで?なんで家知ってるの?怖ー、怖すぎるんですけど。僕はリュックを背負ってもう一度家を出る。もちろん妹を刺激しないためだ。
「誰だったでござるか?」
「え、あー、ひ、柊だよ。僕の友達。一緒に学校行こって」
「あーじゃあもう行くのでござるな、行ってらっしゃいでござる」
「うん、い、行ってきます」
頼むいろは、インターホンを確認しないでくれ。兄ちゃんからの一生のお願い!
「あれ?でも柊さんとうちの家って学校を挟んで逆にあるって前に言ってたような気が...」
「じゃあまず、なんで紫咲さんは僕の家を知ってるの?」
「先週一緒に帰った時、家まで送ってもらったあと勝手に尾行しちゃった☆」
「...」
「まあまあ近所ってことだしいいじゃんいいじゃん、細かいことは気にしないの!」
「じゃあ家に来るっていう旨を連絡してくださいよ、いきなりはちょっとびっくりします」
「えー、それはサプライズしたいじゃん」
そうだ、この人はそういう人だった。
「じゃあ僕がもし紫咲さんが来る前に学校へ向かってたらどうするつもりだったんですか」
「えーその心配はないよ」
「なんでですか」
「スバルから何時くらいに風真君が学校に着いてるか聞いたから、大体この時間なんじゃないかなーって逆算したってわけ」
「大空さん...」
大空さんに悪気は無い。うん、きっとそうだ。
「ていうかいつもこの時間に出てんの?早すぎー」
「朝は読書するって決めているので、最近は何故かあんまりできてないんですけど」
「えーwなんで?誰のせいなのかなー?ww」
「さあ、いったい誰のせいなんでしょうか。僕の隣の席の人で僕の文房具だったり教科書を隠したり、横腹をよくつつくような人だった気がします」
「シオンには分からないなーw。風真君も大変だねーw」
「ほんとですよ」
朝からテンションの高い紫咲さん。朝はダウナー気味の僕にとって一日の始まりを明るく彩れることは案外悪いことではないかもしれない。
下駄箱を開けると一通の手紙が入っていた。
「何これ?もしかして風真君宛のラブレターとか?w」
「いやよくあることですよ。思い当たる人がいます。今回も多分同じ人です」
「よくあることって...。その人もめげないねー」
「まったくです」
<昼休み、屋上で待つにぇ!!>
いつも通りの一文がその手紙には書いてあった。
「あれ?この語尾ってもしかして」
「紫咲さんご存知ですか?」
「うん、間違いなくあの人だよね。風真君と知り合いだったんだー。へー」
「なんでかは知らないんですけどね」
「昼休みほんとうに行くの?」
「まあ断る理由もありませんし、一応先輩なので行っときます」
「そっか...」
「まあ多分すぐ終わりますよ。ていうかすぐ終わって欲しいです」
今月に入って始めてのお呼び出し。そろそろめげてほしいと思っている。
「あれ?シオン今日も早...ってえっー?!風真君も?!お前ら先週何があったか教えろ!」
「ちょっとスバル朝からうるさすぎー」
「だってまさか一緒に帰ったと思ったら今日も一緒に学校来やがって。リア充がよ」
「僕たちはまだそんな間柄じゃありません」
「え?!まだってことは...」
「そんな間柄じゃありません!!」
教室に入るやいなや大空さんに案の定捕まってしまった。放課後何があったかを洗いざらい話しているうちに癒月さんや百鬼さん、先週まで休んでいた湊さんも合流し、状況はかなりカオスなことになっていた。この場を一掃してくれたのは僕の友達柊。柊が来た瞬間、みんなは散り散りに自分の席に座っていった。不憫だとは思うがよくやった柊。俺だけはその働きを評価する。
「もう勘弁、勘弁です...」
「ほんとねー。一緒に帰っただけじゃん。なんでみんなそんなふうになるのさ」
「あ、あてぃしの知らないところで色々あったんだね」
ちなみに僕の後ろの席は湊さんだ。湊さんはかなり人見知りなため、あんまり話せないだろうなと自分の中では思っていたが案外そんなことはなく、紫咲さんもいるおかげでスムーズに会話をすることができるようになった。
「でもシオンちゃんのクソガキムーブに耐えれるの?風真君」
「いやー結構ウザイですよ。隙あれば消しゴム隠してくるし、この前はグッ!このように横腹をつかれるんで」
「あははー!横腹こんなに弱いんだよ?弱点をつかないわけにはいかないでしょー」
「うん、そうだね...」
うんそうだねって言いながら若干引いちゃってるじゃん湊さん。ていうか何その尊いものを見る目は。やめて、全然違いますから。
「あくあも授業中後ろからつついてよ!絶対面白いから!」
「ええ、あたしも?」
「こら、湊さんに悪知恵を入れ込むのはやめてください」
「いたっ」
紫咲さんの頭に手刀を一発。もちろん軽めで。これくらいは許されてもいいんじゃな...
「うわぁー風真君セクハラだー!レディーに触るなんて信じられないんですけどー!」
ああ、この人はそういう人だった。
「で、話ってなんですか?星街先輩とさくら先輩」
「今日こそはしら研に入ってもらうにぇ!」
「風真君も暇でしょ?すいちゃん達も歓迎するからさ」
いや歓迎するって言っても星街先輩の持ってるその斧は何!ほんとに切れたりしないよね?しかも星街先輩目にハイライトないの怖すぎる。ほんとにいろははこの人のファンなのか?
「いやです、僕は家に帰るっていう大事な仕事が放課後には待ってるんです」
「じゃあ体験入部って形で今度来るのはどうかな?きっと楽しいよ?」
「ああ!その手があったにぇ!ナイスすいちゃん」
「まあバカみこちには考えつかないかなー」
「でゃまれよ!」
「ほんとに仲がいいですね...」
「で、どうするの?くる?こない?」
ここまで勧誘されて断り続けるのもあれだしな...。ずっと断り続けるのは僕の良心が持たないし。いっそ1回行けば勧誘も収まるんじゃ...。
「確か2年生にも入部している人がいましたよね」
「うん、フレアとノエルね」
不知火さんも白銀さんも知っている。何故ならばモテるからだ。白銀さんに至ってはもはや言うまでもなく男のロマンを全て持っているからだ。
「分かりました。1回行きますよ、だから星街先輩はその斧を下ろしてくださいお願いします」
「じゃあ決まりね!今日の放課後、3階の部室で待ってるから」
「...わかりました」
「やったにぇ!すいちゃん」
「じゃあ話は終わりだから...あれ、シオンちゃんどうしてここに?」
「!!え、いや、なんかたまには屋上に行ってみよっかなーって」
「あれ、紫咲さん。どうかしたんですか?」
「ああそう!風真君に用事があったから、さっき屋上行ったよって知って来たんだよねー!行くよ、風真君」
「え、あ、ちょっと。じゃあ先輩また放課後に」
紫咲さんに連れられて屋上を脱出した。今度は手を繋いでしまっていると気づいてしまい、胸の高鳴りが止まらなかった。
このホロメン出して欲しいなどあればいつでも待ってます!
サブキャラの話を番外編に載せるのはありか
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あり
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なくてもいい