TCG販促アニメでどう足掻いても悪役ポジションの私が開き直って悪役RPを満喫するお話   作:木津 吉木

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( ˇωˇ )春といえば、恋愛の季節です


悪意の襲撃ーNo.3ー

「まあ、隠してもいなかったし?別にバレても良いんだけどね?別に怒って無いよ?でも、他人の事を勝手に話すのはいけないとお兄さん思うんだよね??」

 

 

アポロさんがブチ切れています。

言葉はいつもと変わりませんが……その雰囲気が昔の真面目な頃を彷彿とさせていて……おっかないです。

 

 

「こうでもしないと貴方を巻き込めませんので……」

 

「巻き込む必要ある?今はただのカードショップの店長なんだけど?」

 

「はは、またまたご冗談を……」

 

「私はね……冗談は嫌いだよ」

 

 

空気が暑い……と言うよりも、熱い。喉が乾き、世界が乾燥し始める。

一触即発、もう少し何かが掛け間違えば……"ギアスファイト"を通り過ぎて、リアルファイトが起こっていたでしょう。

そんな私とアポロさんの前に割って入ったのは……ソコロワ嬢でした。

 

 

「ストップであります!!小官はこの男の行動を監視しなければいけないであります、つまりはコイツの行動の責任は小官にあるであります。それを踏まえた上で、小官の話を聞いてほしいであります!」

 

 

救黄神から神託(クエスト)を出されたこと、その達成の為には魔女会(フェアリーテイル)のメンバーと接触しなければいけないこと。

 

 

「相手の戦力は不明であります……だから、協力してほしいであります」

 

「…………はぁ」

 

 

熱気と共に、アポロさんの真面目な雰囲気が霧散します。

そして、ヘラりと笑ってみせます。

 

 

「しょうがないねぇー可愛いレジーナちゃんに頼まれたらねぇー」

 

「可愛いは余計でありますが……ありがとうであります!!」

 

 

ぽんぽんと機嫌が良さそうに、ソコロワ嬢の頭を撫でているアポロさんの様子にホッと息を吐いた瞬間、そのアポロさんが目を細めた状態でこちらに向きます。

 

 

「それはそれとして、後で締めるからね()()()くん」

 

「ひぇ……」

 

 

ーーーーー

 

 

桜が咲き誇るこの道は、ツーリングコースとしてそこそこ人気がある。

道自体が真っ直ぐで川沿いって事もあり、水面に鏡合わせに映る花がキレイで……走っていてすごく気分がいい。

エンストやその他の故障の修理がようやく終わり、愛車を転がしての久しぶりのドライブを楽しんでいる。

 

 

「っカァー!やっぱ、風が気持ちいー!!」

 

 

腹の底に響くエンジンの重低音からも、愛車の調子が良い事が分かる。

全身に浴びる春の風は、川に冷やされているので少し冷たく……それが春の陽気と相まって、ちょうどよく感じられる。

 

 

「このまま隣町までぶっ飛ば……ん?」

 

 

ふと、川の方へ視線を向ければ……鬼丸(オニマル)の奴が見慣れない女の子と一緒にいる姿が見える。

見た感じ、中学生くらいに見えるその女の子は小柄ながらも()()()()()を胸部に備え付けていて……体格差もあって、鬼丸(オニマル)とは凄まじく絵面が合わない。そんな美女と野獣状態の二人だけど、鬼丸(オニマル)に女の子が擦り寄る。

アイツにも春が来たんだなぁと最初は呑気にしていたけども……様子がおかしい。

アイツの腕を掴み、まるで逃がさないという印象を受け……しかも、そのまま力づくで鬼丸(オニマル)の奴を跪かせた。

そして、女の子が何かを耳元で囁き続けて……遠目でも分かるくらいに鬼丸(オニマル)の顔色が悪くなっていく。

クラッチを握り、バイクを加速させる。

 

 

「おーにーまーるー!!!!」

 

「!」

 

 

調子が絶好調な愛機は、アタシの望むように動く。

土手を駆け下り、鬼丸(オニマル)とその女の子のすぐ側に土煙を上げながらピタリと止まる。

 

 

「おいコラちび助!アタシの舎弟に何してんだ?あ゛あ゛?!」

 

駆魔(カルマ)……よりにも、よって…」

 

「カルマ……へー、あのおねーさんがジンちゃんのねぇー?」

 

 

真っ白な髪にひと房分だけ緑色が混じっていて、その髪をツインテールに分けている女の子が金色の目を三日月のようにニンマリと細める。

緑を基調に、アクセントとして赤い花模様の描かれたチャイナドレスが妙に似合うその子が懐から出した真赤な扇子で口元を隠しながら、値踏みをするようにこちらを見てくる。

その視線が妙にねばねばして……気持ち悪い。

 

 

「勝気そうなお顔に、綺麗な赤毛……お胸は少し残念だけども、手足は健康的に伸びていて、肌もすべすべ……とても愛らしくて美人さんだわぁ。ああいう子が好みなのねぇ……」

 

「何ごちゃごちゃ言ってんだ……鬼丸(オニマル)、早くこっちに来いよ!」

 

「だめよ、ジンちゃんは今はヤォと話してるの。ヤォとしては、おねーさんの事も食べちゃいたいけどー……んー、今はお仕事優先ね!ヤォって、本当に出来た子!えらいわよね!」

 

 

見せつけるように俯き、座り込んでいる鬼丸(オニマル)の腕にしなだれ掛かるその女の子は……見た目の割に、妙に色気を感じる。

 

 

「うふふ、可哀想なジンちゃん……焦がれてる相手はとっくに他の光に目を焼かれちゃって自分を見ない上に、自分よりもずっと強い。しかも、か弱い女の子に負けちゃって……こんな情けない所を見られちゃうなんてねぇ?本当に弱くて、可哀想で……可愛いわぁ」

 

「……俺、は」

 

鬼丸(オニマル)は弱くねぇよ!!知った風な口聞きやがって……アタシがお前をぶっ飛ばしてやる!!」

 

 

バイクに備え付けていた"ギアスディスク"を腕に取り付けて構えてみせれば、女の子がコロコロと鈴が転がるような声で笑う。

 

 

「カルマちゃんがヤォと戦うの?あなた如きがこの妲己(ダジ)妖娘(ヤォニャン)と?どーしようかなぁ……」

 

 

態とらしく、口元に指を当てながら女の子──妖娘(ヤォニャン)が悩んでいるような仕草をする。

そして、鬼丸(オニマル)の方へそのねばついた視線を向ける。

 

 

「うっかり、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

「………………」

 

 

その言葉を聞いた鬼丸(オニマル)の肩がビクリと跳ね……立ち上がる。

 

 

鬼丸(オニマル)……?」

 

駆魔(カルマ)……俺が、勝てば………もう、俺を……忘れてくれ。妲己(ダジ)と……関わらないで、くれ」

 

 

わけのわからない言葉を吐いて、鬼丸(オニマル)が"ギアスディスク"を構える。

顔を上げたアイツの目は、何かに怯えたように揺れ続けていて……瞳孔に緑の光が宿っていた。

 

 

「何言ってんだよ……?なんでそいつの代わりにお前が戦うんだよ鬼丸(オニマル)!!」

 

「……"ギアスファイト"、レディセット」

 

 

神聖制約教団(ホーリーギアス)謹製の"ギアスディスク"にタクミが手を加えた事によって、強制的に"ギアスファイト"を行う機能が付け加えられている。

その機能によって、アタシの"ギアスディスク"が強制的に"ギアスファイト"をする為に起動し始める。

 

 

「人の言う事を聞けよ!!……くそっ!」

 

 

駆魔(カルマ) レイカ 【獄炎(ヘルズバーン)地獄の末弩狼怒(マッドロード)

VS

神牙(ジンガ) 鬼丸(オニマル) 【衰退と増殖の輪廻】

 

 

どうしてこうなるんだ……!!!

 




最近流行り(?)のメスガキさんです、なんと言われようともわし風のメスガキさんです
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