TCG販促アニメでどう足掻いても悪役ポジションの私が開き直って悪役RPを満喫するお話 作:木津 吉木
衰退による緩やかな滅亡、そして生命の新生が無ければ世界は停滞する
しかし、一人の破戒僧の手によってその輪廻は崩され……その歪が生まれる
──フレーバーテキスト【衰退の
──急に現れたその女の子に"ギアスファイト"を挑まれ……無碍に断る事も出来ず、受けてしまったのが悪かった。
俺以上に
ただ痛めつけ、治し、また痛めつけ……
プツリ
──ぁ
ーーーーー
「アタシのターン!カウンターブースト!!」
レイカ 第三ターン
ライフ:24
手札:8 ターンカウンター:4 残りデッキ枚数:30
鮮やかな連続攻撃を前のターンに魅せた
【コガネテングタケ】と【餓鬼道】のコンボで【
だが、俺の場にモンスターはいない……戦闘を行う対象がいないから、先のターンのような連続攻撃を行う事は不可能な筈だ。
なのに……
「先ずは整地だ!スペルカード【
赤・黒 コスト:1 スペル・冥王
場のカードの枚数が一番多いプレイヤーを選択して発動する。
自分の場のカードの枚数を、最も場のカードの数が少ないプレイヤーと等しくなるように墓地に破棄しなければならない。
黄色のヘルメットを被り、キッチリとネクタイとスーツを着込んだ【ソウテイ】が現れ、俺の場と
そして、小走りで何かの書類を運んできた同じくネクタイとスーツ姿の【シンコウ】からその書類を受け取ると……俺の元へ駆け寄り、差し出す。
「
「……
【衰退の
「よっし!ぶっ込み、一発かっ飛ばしな!!【
低く轟くエンジン音と共に地面に炎の轍が刻まれ、真紅のバイクに跨った鎧武者──【カイエン】が走り抜ける。
「【カイエン】の効果発動!デッキトップを確認し、それが【
勢いそのままに俺にぶつかり、すれ違いざまに背負っていた日本刀により、斬撃を食らわせられる。
とても熱くて、痛い……痛い。
「スペルカード【
恰幅の良い強面の男性──【エンマ】が鉄骨を振り回しながら現れると同時に、地面に亀裂を生み出してそこに人魂を投げ入れる。
「手札から出た【エンマ】の効果で【
【カイエン】の攻撃は、極論を言えばダメージしか無い……後続を呼ぶモンスターの攻撃を止める方が優先だ。
だから、痛いのは
「【エンマ】で攻撃!!」
「ダメ、だ【シロテングタケ】で……止める」
「だろうな!!【カイエン】を対象にスペルカード【
赤・黒 コスト:3 スペル・冥王
自分の場の
そのコスト未満になるように、異なるコストの
【エンマ】が振るう鉄骨に幾つもの白いキノコが生えて、その動きを止めるが……奴は諦めなかった。
【カイエン】と共に天に向かって拳を突き上げると、地の底から朱色の髪を風に靡かせた女性──【タイザン】と肩身の狭そうな【
「【カイエン】のコスト未満になるように異なるコストの【
投げつけられた薬品による火傷の痛みとレンチで殴り付けられる衝撃……
「これで終いだ!!場の【
辺りに響き渡るのは心臓のリズムよりも早く鳴り響くエンジン音。自らの心臓の位置を抑えたまま、高らかに
「
赤・黒 コスト:4 勇者・炎・冥王
A:5 B:2
自分の場の
このモンスターが場に存在する限り、相手プレイヤーはカードを破棄出来ない。
武者鎧に付けられているマフラーから紫炎を吹き出し、禍々しい日本刀にソレを纏わせながら"ギアスモンスター"の【カイエン】が戦場に降り立つ。
「【
力強く踏み込み、炎の軌跡を描きながら走り込んでくる【カイエン】。勢いそのままに紫炎を纏った斬撃が、袈裟に入り……踏み留まれずに吹き飛ばされる。
「っ……ぐ…ぁ」
ーーーーー
勢い良く吹き飛ばされた
「あっちゃ〜ジンちゃん大丈夫〜?起きれる〜?」
心配そうなのは言葉だけで、行動と声色は全く違う。
ぐりぐりと
「てめぇ!!
「ジンちゃんはヤォのだから好きにしていいの!カルマちゃんこそジンちゃんを壊そうとして酷いわ!」
あの細く脆そうな体でどこにそんな力があるのか、
「本当に酷い子、ジンちゃんの気持ちなんてこれっぽっちも知らなくて……目の前の暗い光に目を焼かれちゃって、あんな虫ケラのどこが良いの?」
「ごちゃごちゃうるせぇ!!轢き潰すぞ!!!」
アタシの言葉に肩を竦め、立たせた
何が楽しいのか、くすくすと笑い声が響く。
「ほらほら、ジンちゃん。このままだと負けちゃうよ?良いのかなぁ〜?ヤォが代わりに戦っちゃうよぉ〜?」
「……それ、は……」
「同じ目に合わせたくないよねぇ〜?なら……その子、使っちゃいなよ」
「……………………」
手札に目を落とした
「俺の、ターン……カウンターブースト」
手札:2
ライフ:1 ターンカウンター:4 残りデッキ枚数:41
いつの間にか空は暗く、重たい雲が拡がっていた。
春にしては冷たい風が、桜の花びらを攫い吹き荒れる。
「スペルカード【無限増殖ーグリーンハザードー】を発動……手札を、一枚破棄し……アーティファクトを、宣言する」
宣言した種別のカードをデッキトップ五枚から確認して手札に加える……
でも、今はそれは使えない。
「……?発動、しない……?」
「【
「あーあ、ジンちゃんのデッキ機能停止だねー……ほら、やっぱりその子使わないと勝てないよ?」
"ギアスディスク"が反応しない事に困惑する
「…………アーティファクト、顕現」
辺りから生き物の気配が消えた。
ごぽりと沼の底から空気が湧くような気持ちの悪い音、青臭いのにどこか甘い腐臭、完全に太陽を覆い尽くす分厚い黒雲が……そのカードへの恐れを呼び起こしていた。
「死骸の、群れ……衰退の、果て……滅亡から、始まる……汝の名は
【
黒・緑 コスト:4 アーティファクト・使徒・瑞神
このアーティファクトが場に出た時、このカード名を除く自分の場のアーティファクト全てのコピーを場に出す。
自分の手札、墓地、デッキからアーティファクトが出た時、そのアーティファクトのコピーを場に出す。
一ターンに一度、発動出来る。自分の墓地からアーティファクトを一枚場に出し、それと同コストのアーティファクトをデッキから場に出す。
このアーティファクトが存在する限り、自分は互いのターン開始時に1ダメージを受け、相手プレイヤーにダメージを与える事が出来ない。
甘苦い腐臭が生臭さへと変わり、清らかに流れていた川がいつの間にか、淀んだ緑の藻が浮かぶモノへと変貌していた。
その藻を栄養源に、キノコが大繁殖を始める。
「【
あっという間にキノコの大群が生まれ落ちるが……【
「でも、そいつらじゃあアタシを止められないよ!!」
「【
緑・黒 コスト:1 アーティファクト・衰退
自分がカードの効果でダメージを受ける代わりにこのアーティファクトに衰退カウンターを一つ乗せる。
場の衰退カウンターの数だけ、相手の場のモンスター全ての
相手プレイヤーがダメージを受けた時に発動する。場の衰退カウンターを全て取り除く。
地面に散らばるのは……多分、動物の骨だ。人間の物とは思えない太さや形をしているソレらは見ていて気分が良くない。
「【
「どんどん増えやがるね……」
異常な勢いでアーティファクトをコピーし、増えていく様は恐ろしさしか感じられない。
ざっと数えて【
「これで……ターン、終了」
「アタシのターン、ド「【
「デメリットにより、俺はターン開始時に……一ダメージを、受ける」
「アンタのライフは残り1、自爆かい?締まらないオチだね」
「……そうは、ならない」
川から緑の藻が侵食し、
「【畜生道】の効果、により……俺がカードで………ダメージを……受ける代わりに、この…カードに……衰退カウンターを、乗せる」
その瞬間、アタシの場のモンスター達に動物の骨が襲い掛かる。折れた牙に砕けた爪……一つ一つは他愛のない塵のような亡者たちが、群れとなって荒れ狂い、冥府の指導者達を喰らい尽くす。
「何が起こってるんだよ……!?」
「……【畜生道】は、場の衰退カウンターの……数だけ…相手モンスターの………
アタシの【
モンスターを出したとしても、直ぐに
「……ドローせずに、カウンターブースト」
レイカ 第四ターン
ライフ:24
手札:3 ターンカウンター:6 残りデッキ枚数:27
「…………ターン終了だよ」
「俺の、ターン……ドロー」
手札:2
ライフ:1 ターンカウンター:5 残りデッキ枚数:37
アタシに
「スペルカード【無限増殖ーグリーンハザードー】を発動……手札を、一枚破棄し……アーティファクトを、宣言する」
一気に手札が五枚にまで回復し、そこから【イボテングタケ】【テングツルタケ】【タマゴテングタケ】が展開され、コピーされる。
「……ターン、終了」
淡々と、アーティファクトを置くだけでアタシのデッキはどんどんとその厚みを無くしていく。
そして
「ちくしょう……」
最後の一枚が破棄され、アタシのデッキがゼロになる。
敗北したと、心が認めた瞬間に全身から力が抜ける……"サモンエナジー"を吸われる感覚だ。
「……」
「エっグぅい♡ライフを削らずに、デッキを壊して行くなんてジンちゃんってば、本当に好♡き♡者♡」
「…………」
勝ったのは
「あーあ、もう消えちゃったんだーまあいいや、これ貼っつけて〜……よし!じゃあ、帰ろっかジンちゃん♡」
そして、ヤォニャンと共に
残されたアタシは追い掛けようとするけども、足がもつれてその場に倒れ込む……曇天の空はついに崩れて、雨が降り始めた。
ザアザアと……負け犬のアタシを追い詰めるように、冷たい雨が桜の花びらを散らしながら振り続けていた。
生きるのは痛い、死ぬのは苦しい、だからこそ我々はその狭間で動き続ける。
日輪の裁きにこの身を焼かれるまで……死者の
──フレーバーテキスト【
ーーーーー