TCG販促アニメでどう足掻いても悪役ポジションの私が開き直って悪役RPを満喫するお話 作:木津 吉木
「──で、マリリンの居場所が知りたいんだよね?」
「そ、そうであります……」
にこやかに話すアポロさんとソコロワ嬢の後ろでは、ミラージュの特注エプロンをお借りした私による初めての接客業が繰り広げられています。
「いらっしゃいませー!パック販売ですね!こちらのダミーカードからご希望の品を選んで下さいー!ショーケースご希望ですね!少々お待ち下さいー!あ、ちょっとそこのキミたち、喧嘩はダメですよ!!」
メガネのお陰で、私の正体に気づくお客さんはいません。
パタパタと走り回り、小学生たちの喧嘩の仲裁をしたり、ショーケースからカードを取り出すのを手間取ったり、レジ操作に首を傾げながらも何とか成功させたりと……我ながら、頑張って働いていると思います。
アポロさんに締める発言をされた後に、暫く店番を頼むと無茶ぶりをされ、直後に
「アポロさーん!!無理!無理です!流石にワンオペでこれは無理ですよ!!?」
「HAHAHA!こっちに声掛ける余裕が有るならまだいけるね!がーんばれ、がーんばれー」
「アポロさんのオンボロ!短足!薄い本!!!」
「アレらと私を一緒にしないでくれるかなぁ?……『予言しよう。もうひと波、お客が来るよ』」
「いやああああああ!!!!」
…………真っ白に燃え尽きました。黒の神ですけどね。
精魂尽き果て、よろよろと最後のお客さんの相手をする為にレジへと向かいます……これが終わったら、いっぱい労わってもらうんです私。
「い、いらっしゃいませー……」
「あらぁん……お兄さんお疲れみたいね?大丈夫かしら?」
「ま、まあ何とか……性悪店長にこき使われている一日バイトなんです私……」
『聞こえてるよ!!』とバックヤードから返されますが、今は接客中なので無視です。
「それで、何かお探しでしょうか……?」
「ええ、シングルで探しているのだけど……」
「当店は個人営業ですが、地域でNo.1の品揃えを自負していますので……ショーケースに無くてもバックヤードに在庫があるかもしれません。宜しければカード名を教えていただいても?」
「あらぁん、頼もしいわぁ!あたしが探しているのはね
【
ーーーーー
「いやー、でも頑張ってるよねユギトくん。初めてにしては本当に上手くやれてるよ、出所したらアルバイトとして雇ってあげようかな?」
「神二柱が経営しているカードショップとかヤバすぎるでありますよ」
ケラケラと笑いながら、自前のマグカップから美味しそうにコーヒーを飲む元占赤神──
「私は元だよ、もーと!ま、今は
「さて、話を戻すけど私の予言は、現実をねじ曲げるものだよ」
「現実をねじ曲げる……?」
「そうだねぇ……簡単に言うと、
さらりと言うけれども、その能力は強力過ぎる。
「言った事が本当に……?さっきの、急に店に客が押し寄せたのも……?」
「そ、私の
そう言って、
「次にドローするカードを予言するのも中々コツがいるんだ。自分の作ったデッキなら、
「それでも、四割当たるのはすごいとは思うであります」
「だめだめ、十割じゃないと本来の私を使うのに支障が出るからね……で、マリリンの場所を予言してほしいって事だけども……」
マグカップに口を付け、唇を湿らせる
「あの人が今、どこにいるか分からないからね……ブラジルとかにいる状況で予言して、近くに呼び寄せるとか無理だからね。距離の制約はデカいよ」
「むむむ……なら、小官たちの
「お、頭の良い考えだ。でも残念。神に関わる事だと、グッと下がるよ成功率……ごめんね、レジーナちゃん」
やはり、そう上手い話は無い……表で誘黒神が
「もう、失礼だよねー!私みたいな優良店長はそうもいないのに……ん?」
急に言葉を止め、不思議そうに左目だけをパチクリさせる
「どうしたでありますか?」
「……あー、うん来たよレジーナちゃん。『予言しよう、マリリンは近くにいる』」
その言葉を聞いた瞬間に、小官はバックヤードを飛び出して誘黒神を呼ぼうと店頭に移動して……ソレを見た。
はち切れんばかりの胸部とキュッとくびれ、うっすら割れているのが見える腹筋。スラリと伸びた筋肉質な肢体を包むのは品の良い薄紫色のカクテルドレス……切れ長の蒼い瞳に滑らかな銀色の長髪と相まって、カードショップ内なのに幻想的にも見える。
でも、だが、しかし……どこからどう見てもその人物は……
「お、男であります!!?」
「あらぁん?可愛いお嬢ちゃんねぇ〜?こんにちは〜」
見た目に
その……女性的な男性は誘黒神の左手を掴んでいるであります。
「へ……?あの、えっ、ちょっと離していただいても?」
「嫌よ、ここで逃がしたらあたしに与えられている
そう言うやいなや、誘黒神の体が宙を舞う。
もう片手で、ガッシリと誘黒神をホールドしたその男はうっとりとした様子だ。
「ふふふ……こんな簡単に捕まっちゃって、警戒心が薄いわねぇ……可愛いぼうや」
「ひぇ……」
小官ですら恐ろしいのに、当事者である誘黒神はどれ程の恐怖を覚えているのだろうか……ぷるぷると震え、うっすら涙目になっている姿を見ていると、情けないと思うよりも同情の感情の方が強い。
目の前で行われようとしている誘拐とこれから行われるであろう……薔薇の花びらが散るような案件は流石に警察官として見過ごせない。
「ま、待つであります!誘拐は犯罪であります!!」
「そ、ソコロワ嬢、助けて……色んな意味でまだ死にたくない!!」
素になって助けを求め始める誘黒神が暴れるも、ビクともしない。
そんな中で、のんびりとバックヤードから出てきた
「やあ、久しぶりだね
「お久しぶり、アポロちゃん」
「マリリン……?え、嘘、まさかマリリン・アヴァロニア!?」
小官の驚きに対して、予想通りと言わんばかりに男性──マリリン・アヴァロニアが口元を歪める。
「男が魔女しちゃ悪いかしら?あたしが
「いやああああ!!!!貞操の危機!!やだ!!ぼくこの人だけはやだあああああ!!!!!」
誘黒神の頬を舐め上げてるマリリン・アヴァロニアに……ついに、誘黒神は泣き出した。
現在の
ムキムキオカ魔女のマリリン・アヴァロニア
サドスティック可変式メスガキの
これが作者の癖の一部です、受け取ってください