TCG販促アニメでどう足掻いても悪役ポジションの私が開き直って悪役RPを満喫するお話   作:木津 吉木

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( ˇωˇ )難産です


第二章、嫉妬の舞姫

──僕は"ギアスファイト"が強い、小学生にしては……が着くけども。

近所の他の子たちと"ギアスファイト"をしては連戦連勝……だから『タクミは〇〇のカード使うのは禁止!』とか『お前は強すぎるから攻撃するの禁止』とか無茶苦茶な事を言われて、その枠組みで戦えるようにとデッキを組んでいたら……気づけばハイランダーになっていた。

そして、それが僕の中で噛み合って……気づけば、全国大会に出場して上位入賞していた。

そして、学校に戻って……みんなからすごいと言われると思ったけども違った。

少し前に来た転校生が、全国大会の運営に関わっている人の子供で……その子によって、大会の裏事情がバラされたらしい。

対戦相手のデッキ内容を知ってからのメタデッキの作成、その情報戦を制した者が試合で勝ち抜き……また情報戦に入る。

僕は知らなかった。妙に墓地肥やしを妨害されるとは思ったけども、ハイランダー編成だからこその銀の弾丸の豊富さが……その場しのぎの対策をねじ伏せていた。

でも、僕の言葉は誰も信じなかった。

()()()()()()()()()()()()()()()()()

実力じゃなくて、メタ張りで勝った卑怯者……学校での僕の扱いはソレだ。

学校に居場所は無かった。帰り道は処刑場だった。先生に相談しても……取り合ってくれなかった。

だから……僕は、人が怖い。

大司教サマがいなかったら……僕は、その内に死んでいたかもしれない。人の世界にいるのが嫌になって……でも、僕に世界の優しさを教えてくれたのは大司教サマだった。

僕にとっての救世主(ヒーロー)……それが、白掟(ハクジョウ)優義徒(ユギト)という人だ。

 

 

だから

 

 

後回しにされたのが悲しい、悔しい、恨めしい……大司教サマに目をかけてもらってる相手が酷く()()()()

 

 

ーーーーー

 

 

「僕のターン、カウンターブースト!!!」

 

 

タクミ 第三ターン

ライフ:10

手札:4 ターンカウンター:6

赤:1 青:2 緑:1 黄:0 白:1 黒:2

 

 

「【SW(秘密兵器)No.6(ナンバーシックス)】の効果で、デッキトップから一枚をこの子の下へ送りますよ」

 

()()の【神聖なる使徒(エンジェリル)カマエイドス】の効果発動!相手の場に黒のモンスターがいる時に、墓地からサモン出来る!!」

 

 

漆黒の大鎌が地面に突き刺さり、それを引き抜くのは、黒く煤けた白のローブを纏った黒い髪の青年──【カマエイドス】

大鎌の切っ先を【Mr.UNKNOWN(正体不明)】に向け、苦々しい表情を向けます。

 

 

「【カマエイドス】……その子、コピーじゃなくて本物の方ですね。どこで手に入れたのです?」

 

()()()()()()()がくれたのさ!スペルカード【悪夢の序章(バッドエンド・ストラテジー)】を発動!ライフを2支払って、デッキから【神聖なる使徒(エンジェリル)ミカエリス】を破棄する!!そして、バトル!」

 

 

タクミ ライフ:10→8

 

 

【ミカエリス】を破棄……?不可解な行動ですが、今は気にはしていられませんね。

攻撃の合図と共に【ガレスⅩI(イレヴン)】が【Mr.UNKNOWN(正体不明)】に向かって跳びますが、それは止めさせてもらいましょう。

 

 

「【ガレスⅩI(イレヴン)】で【Mr.UNKNOWN(正体不明)】を攻撃!」

 

「ダメです。スペルカード【旧き印】を発動します」

 

 

【旧き印】

黒 コスト:3 スペル・使徒

 

相手モンスターが攻撃してきた時に発動出来る。その攻撃を無効にし、場に使徒モンスターが存在するならばその中から一体を選んでその効果を無効にする。

 

 

Mr.UNKNOWN(正体不明)】が腕を動かすと、空中に捻れた五芒星のような奇妙なマークが刻まれます。そこから放たれた暗い光に目を焼かれて【ガレスⅩI(イレヴン)】の動きが止まります。

そして、光を浴びた【カマエイドス】が苦しみ悶えます……

 

 

「【ガレスⅩI(イレヴン)】の攻撃を無効にし、使徒モンスターである【カマエイドス】を選んでその効果を無効にします……覚醒はさせませんよ」

 

「クソ、クソっ!!」

 

「大分荒れてますね……貴方の持ち味である智慧(ちえ)も、そうも湯だった状態では曇りますよ」

 

「うるさいうるさいうるさい!!!!全部、アンタのせいなのに棚上げにしてくんなよ!!ターン終了!!!」

 

 

苛立ち紛れに、髪をぐしゃぐしゃに掻き乱しているタクミくんはどう見ても平静ではありません。

……正直に言いますと心当たりが多すぎて、彼が何に対して怒っているのかが分かりません。だから、下手に言葉を掛けられないのです……私の何に対して怒っているのかを、私は知らなければいけません。

 

 

「私のターン……ドロー。そして【SW(秘密兵器)No.6(ナンバーシックス)】の効果で、デッキトップから一枚をこの子の下へ送ります」

 

 

ユギト 第四ターン

ライフ:5

手札:5 ターンカウンター:7

 

 

ターンカウンターをこれ以上稼ぐ理由も少ないので、珍しくドローをしてみましたが……微妙ですね。やはりサーチです。サーチこそが私を救ってくれるのです。

SW(秘密兵器)No.6(ナンバーシックス)】の吸いも……今欲しいカードを結構吸っていて悲しくなります。

 

 

「…………まあ、行きましょう。【混織誘黒旅団(ノーフェイスブリゲード)()特攻隊長(ヘッド)Mr.K(カイエン)】をサモンです」

 

 

紫炎の火柱の中から姿を表した【Mr.K(カイエン)】は真横でヘラヘラ笑っている【Mr.UNKNOWN(正体不明)】に向かって、跪きながら頭を下げて臣下の礼をします……流石に真面目に挨拶されるのは想定外で困っていますね……あっちの私。

 

 

「【Mr.K(カイエン)】の効果です、手札からコスト:4の【愛欲の堕天使】を破棄し、コスト:1の【プリズムラインターミナル】を破棄します」

 

 

たった一本の刀で、神殿にも似た巨大建築物を破壊する。私から与えられた無理難題に【Mr.K(カイエン)】はただ一太刀で答えました。

音さえ置き去りにした神速の居合抜き……カチンと鞘と鍔が当たった金属音を合図に静かに建築物がズレていき、紫炎を伴った爆発を起こします。

そして、地面を強く踏みつけて亀裂を作り……そこから二枚のカードをタクミくんの手札に加えさせます。

 

 

「ああーっ!?クソ、クソ!!」

 

「カードが破棄された事により、【Mr.K(カイエン)】の更なる効果が起動します。タクミくんの墓地から【氷雪(アイスタル)()蝶妖精(モース)】と【妖精の目眩し】を回収し、タクミくんの手札へ……バトルです。【Mr.UNKNOWN(正体不明)】でタクミくんに攻撃」

 

 

とぷんと、水の中に入るような音を出して自らの影の中に落ちていく【Mr.UNKNOWN(正体不明)

そして、タクミくんの背後から姿を表した彼は……軽く頭を小突いてから、私の元へ歩いて帰ってきます。

 

 

タクミ ライフ:8→4

 

 

「……これでターン終了です」

 

 

(なぶ)るような形になってしまいますが……防衛されず、カードの効果で選べない【Mr.UNKNOWN(正体不明)】で殴り続けるのが安全で確実です。

防御札も有るので……()()()()()()()()()()()()()()()()()

……一つ、気がかりが有るとすれば、何故【妖精の目眩し】を使わなかったのか。アレはプレイヤーに干渉する効果です……

Mr.UNKNOWN(正体不明)】の耐性をすり抜けることが出来るのに何故か使わなかった……胸騒ぎがします。

私は何かを見落としている。

 

 

「僕のターン、カウンターブースト!!」

 

「【SW(秘密兵器)No.6(ナンバーシックス)】の効果で、デッキトップから一枚をこの子の下へ送ります」

 

タクミ 第四ターン

ライフ:4

手札:3 ターンカウンター:8

赤:3 青:1 緑:1 黄:1 白:2 黒:3

 

 

その宣言と共にリズミカルな音楽……列車の到着メロディが流れ始め、それと同時にタクミくんの背後の真っ白な卵にヒビが入っていきます。

 

 

誓約(コントラクト)サモン!!定刻発車、六番線!!眼前の敵を全てなぎ倒せ!!【六限列車ハイランドーラ88(ダブルインフィニティ)】!!!!」

 

 

【六限列車ハイランドーラ88(ダブルインフィニティ)

赤・青・緑・黄・白・黒 コスト:8 虹・兵装

A:6 B:6

 

このモンスターは墓地のカードの名称全てが異なり、六色分のカードが揃っている時にのみサモンできる。

一ターンに一度発動出来る、自分の手札のカードを一枚破棄し、墓地からカードを一枚手札に加える。

このモンスターの攻撃時に発動する。ターン終了時まで、自分の墓地の最も数の多い色と数の少ない色の差だけこのモンスターのA(アタック)を下げ、このモンスターのA(アタック)分のダメージを相手の場のモンスター全てに与える。この時に、全ての色の数が等しいならば相手プレイヤーにもダメージを与える。

 

 

卵がついに割れる。

列車の汽笛にも似た甲高い咆哮をあげ、その巨大蛇は生まれ落ちます。

白銀のボディには各色のラインが描かれており、先頭車両は蛇の頭のようにも見えます。六両編成、全身武器庫のモンスター列車……それが、タクミくんの"ギアスモンスター"である【ハイランドーラ】です。

墓地の数からして、出しても旨みは少ない。壁として出したのでしょうか?

……さっきから、嫌な予感が止まりません。不可解な行動の数々をタクミくんがしている……そこまで頭の回りが弱くなっているのならば僥倖(ぎょうこう)ですが、そうでないとしたら……

 

 

「【ハイランドーラ】の効果発動!!手札を一枚捨て、墓地からカードを回収する!僕が捨てるのは……【邪聖天の嫉妬(デモリエル・ヴァーチェ)レヴィアタン】!!回収するのは【悪夢の序章(バッドエンド・ストラテジー)】!!」

 

「なっ……【レヴィアタン】!?何故そのカードもキミが持っているのですか!!?」

 

「教えてやらないよ!!」

 

 

何故【ミカエリス】を破棄したのか、何故わざとダメージを受けたのか……あのまま追撃していれば【レヴィアタン】の効果で攻撃を止めてスムーズに墓地に落とす事が出来た。攻撃されなくても【ハイランドーラ】の効果で落とせる……背筋を寒気が走ります。

まずいまずいまずい……このタイミングで仕掛けたと言うことは、彼の手札には……!!

 

 

「そして、スペルカード【七つの虚罪(ヴォイドコール)】を発動!!!その効果で、互いのプレイヤーは自分の場のカード全てを選んで破棄する!そして、破棄した枚数だけライフを回復!!」

 

 

虚空に開くのは万物を吸い込む孔……プレイヤー自身に選ばせる効果故に【Mr.B(ベリアル)】でも防げない……っ!

SW(秘密兵器)No.6(ナンバーシックス)】を破棄された事でその下の五枚のカードも破棄されていきました……場に存在しないカード扱いなので、【七つの虚罪(ヴォイドコール)】のカウントに含まれないのも辛いです。

 

 

ユギト ライフ:5→8

 

タクミ ライフ:4→7

 

 

「破棄された事で【ガレスⅩI(イレヴン)】の効果発動!デッキから【黒曜騎士(オブシディアンナイト)トリスタンIX(ナイン)】を場へ!」

 

 

戦場に残った小さな黒水晶の破片から、呼び出されるのは巨大な弓を携えた優男……ここでその人は面倒ですねっ本当に!

 

 

「そして【七つの虚罪(ヴォイドコール)】の第二の効果!!墓地の【神聖なる使徒(エンジェリル)ミカエリス】と【邪聖天の嫉妬(デモリエル・ヴァーチェ)レヴィアタン】をゲームから取り除き……D(デュアル)R(レゾナンス)!!!」

 

 

全身から血を滴らせた大蛇……その頭部に突き刺さった刀に手を伸ばすのは、深紅の髪を靡かせる赤みがかったローブを纏った女騎士【ミカエリス】

取られまいと【ミカエリス】を飲み込もうとする大蛇ですが……彼女は笑ってもう片手で握った剣で蛇を真っ二つに引き裂き、その身を文字通りに()()()()()

紅蓮の炎が、その背徳を裁くように大蛇ごと【ミカエリス】を飲み込みますが……もはや、ただの火では()()は止まらない。

深紅の髪はその先が八つに分かれ、毒液を牙から滴らせる蛇となります。瞳孔は縦に割れ、さらには顔や腕に鱗が生え……下半身は人の足ではなく蛇の胴体へと変態している姿は……例えるならばラミアでしょうか。

右手に【レヴィアタン】から抜き取った刀を、左手に元から扱っていた片手剣を握り締めて振るう姿は……その怪物でしか無い外見とは裏腹に、洗練されていて美しい。

 

 

「妬み、燃やせ!!【虚構魔人(ゼロギアス)()舞姫(インヴィディア)ミカエリス】!!!!」

 

 

 

 

 

 

 




( ˇωˇ )怒りだけでは足らないので嫉妬も着いてきてましたよ……
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