TCG販促アニメでどう足掻いても悪役ポジションの私が開き直って悪役RPを満喫するお話   作:木津 吉木

122 / 147
後二話くらいでジュン編が終わると良いですね……何処に着地するんだろうこの男


【憧憬と陶酔……失墜】

「私のターン、ドロー!」

 

 

■■(ジュン) 第二ターン

ライフ:10

手札:5 ターンカウンター:3

 

 

「【黒曜の純化(オブシディアン・プロモーション)】を発動!【アグラヴェインⅩⅡ(トゥエルブ)】を破棄し、デッキよりそれよりコストの2大きい黒曜騎士(オブシディアンナイト)モンスターを場に出す、来い【黒曜騎士(オブシディアンナイト)ケイIV(フォー)】!!」

 

 

メガネの騎士の足を侵食していた黒水晶が一気に彼の全身を覆い尽くします。

次の瞬間に、澄んだ音を立てて砕けた結晶の中から……この異界に来た直後に見掛けた眼帯の騎士が姿を見せ、地面を鞭で叩きます。

 

 

「【ケイIV(フォー)】の効果発動!手札を一枚破棄し、デッキからコストを2減らした状態でスペルカードを一枚、手札に加える!私は【悪夢の再来(バッドエンド・シークエル)】を加え、そのまま発動!!」

 

 

悪夢の再来(バッドエンド・シークエル)

黒 コスト:4 スペル

 

自分の場のカード一枚を破棄する。

こうして破棄したカードと同じコストのカード一枚をデッキまたは墓地から手札に加える。

こうして送られたカードと同名効果を自分はターン終了時まで発動する事が出来ない。

 

 

心臓を押さえ、もがき苦しみながら消える【ケイIV(フォー)

残された一枚のカードを手札に加え、ジュンくんが更なる展開を始めます。

 

 

「私の場のカードを一枚破棄し、同じコストのカードをデッキまたは墓地から手札に加える!私が手札に加えるのは【平穏の黒曜騎士(オブシディアンナイト)ケイ】、さらに【ケイIV(フォー)】が破棄されたのでデッキから【黒曜騎士(オブシディアンナイト)ランスロット(セカンド)】を場へ!!」

 

 

同僚が苦しみながら消えたという事に、少々思う所があるのか渋々といった様子で【ランスロット(セカンド)】が場に歩いてきます。

そして、携えていた両端に刃の付いた棒状の武器を真ん中で分け、二本の(つるぎ)にして構えます。

 

 

「【ランスロット(セカンド)】の効果!相手の場のカードを一枚破棄し、同じコストのカードを手札に加える!!【無貌の劇場(ザータ=ホーグラ)】を破棄して【憧憬の黒曜騎士(オブシディアンナイト)アグラヴェイン】を手札に加え、そのままサモン!!」

 

 

地面に散らばる黒い結晶が一つに集まり、またあのメガネの騎士の形を作りますが……メガネにヒビが入っていたり、よく見ればその纏っている黒い鎧も装飾が一部取れていたりと壊れているように見えます。

 

 

黒曜騎士(オブシディアンナイト)は横並びが出来なかった筈ですが……面白くなってきましたよ」

 

「新たな力を得たこの黒曜騎士(オブシディアンナイト)たちは、墓地に同じ名を含むモンスターがいる時にサモン出来、さらにデッキへの投入枚数の制限無い!!」

 

「……旧黒曜騎士(オブシディアンナイト)たちに喧嘩を売っている効果ですね」

 

 

しかし、これで黒曜騎士(オブシディアンナイト)の横並びが苦手という弱点が消えましたね。

予め、墓地にモンスターを仕込まねばなりませんがステータスも前の黒曜騎士(オブシディアンナイト)と変わらないようですし……順当にデッキパワーが上がっていますね。

 

 

「【アグラヴェイン】の効果で場にグネヴィアトークンを出す……バトル!【ランスロット(セカンド)】で【Mr.O(オニテング)】を攻撃!!」

 

 

空を飛んで逃げ回る【Mr.O(オニテング)】を追うのは()()()()()空を駆ける【ランスロット(セカンド)

黒と白銀の軌跡を描きながら幾度か交差すると、黒の軌跡が羽根を散らしながら落ちていきます。

 

 

「ターン終了だ」

 

「さて……場が空っぽになっちゃいましたよ……困ったものですね」

 

「白々しい……そのにやけ顔を歪めてから言え、その台詞は」

 

「あはは……すいません、これがデフォルトの表情なので。では私のターン、カウンターブーストです」

 

 

ユギト 第二ターン

ライフ:10

手札:3 ターンカウンター:4

 

 

さて、追撃が来なかったという事はあの【アグラヴェイン】も攻撃が出来ないデメリットがあると見て良いでしょう。となると【ランスロット(セカンド)】さえ何とかすれば現状は彼の動きを抑える事が出来ます。

……前のデッキならば、こういう時に封印で良い感じに抑える事が出来たのですが、このデッキには狙って打てる封印ギミックはありません。

そうなると……素直に破棄して行くしかありませんね。

 

 

「私は【混織誘黒旅団(ノーフェイスブリゲード)()特攻隊長(ヘッド)Mr.K(カイエン)】をサモン!」

 

「今度は駆魔(カルマ)のモンスター……!」

 

 

バイクから颯爽と降りながら【Mr.K(カイエン)】が刀を抜き放ち、斬撃を【ランスロット(セカンド)】に向けて放ちます。

 

 

「【Mr.K(カイエン)】の効果発動!手札からコスト:6の【クルーシュチャ方程式】破棄し、そちらの場の【ランスロット(セカンド)】を破棄します!」

 

「チッ……破棄された【ランスロット(セカンド)】の効果発動!墓地に【ガレスⅩI(イレヴン)】がいるので【陶酔の黒曜騎士(オブシディアンナイト)ガレス】を場に出す!!」

 

 

【陶酔の黒曜騎士(オブシディアンナイト)ガレス】

黄・黒 コスト:1 黒曜

A:3 B:3

 

墓地にこのモンスター名を除く【ガレス】モンスターがいる時にのみサモン出来る。

このモンスターがモンスターと戦闘する時に発動する。このモンスターを破棄する。

このモンスターはデッキに四枚以上入れることが出来る。

 

 

ふらりと酔っているような千鳥足で場に出てくるのは頬を赤く染めた少女のような愛らしい顔つきの少年騎士【ガレス】

こちらに持っている槍の切っ先を向けますが、円を描くようにその切っ先がブレてます……大丈夫なんですか、アレ?

 

 

「【ガレスⅩI(イレヴン)】を仕込んだのは手札コストのタイミングですね……抜け目が無い事です。【Mr.K(カイエン)】の更なる効果です、カードが破棄される度に自分または相手の墓地のカードを手札に戻します!合計で二枚破棄していますので……【黒曜騎士(オブシディアンナイト)ガレスⅩI(イレヴン)】と【黒曜騎士(オブシディアンナイト)ケイIV(フォー)】を手札に戻して下さい」

 

「……まあいいだろう」

 

 

向こうの手札に【ケイIV(フォー)】を元に場に出せるカードがいるのは分かっていますから、それを排除しておかないと面倒ですからね。

本当は【ランスロット(セカンド)】も戻したい所ですが……コスト的に、優先すべきは先の二つでしょう。まだ余裕はあります。

 

 

「私はこれでターン終了……貴方はこれ程強いのに、何故英雄になろうとするのですか?私、押されっぱなしですよ?」

 

「何故?決まっているだろう、彼は何もしていない私なんて必要としない!英雄となった私が彼の隣にいるのは当たり前だろう!?眠る彼が最初に見るべきは私だ、私だけでいい!!」

 

「…………」

 

 

正直な感想としては……何言ってるんですかねこの人。

支離滅裂、タクミくん以上にとち狂ってますが……恐ろしい事に、【邪聖天(デモリエル)】たちの気配がありません。完全に彼だけの感情であそこまでおかしくなっています。

これが、人間の可能性という奴ですね……もっと、別の可能性が見たかったです。

まあ、でも一つだけ彼の言う事は分かりましたが……ちょっと、カチンと来ました。

 

 

「あの子が、何もしていないという理由で他者を嫌うと思いますか?優義徒(ユギト)への解像度が低いですよ、何年一緒にいるんですか貴方?あの子のことを何も分かっていませんね」

 

「幼少期からずっとだが!?私が彼の一番の理解者だ、彼は何もしていない私を嫌った!だから、私は貴様を滅ぼしてやるんだ今度こそ!!何も分かっていないのは貴様の方だ!!!」

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()。やっぱり、分かっていませんよ貴方は……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

ヒュッと息を吸う音が妙に響きました。

目を見開く彼は、きっと図星なのでしょう……優義徒(ユギト)は彼に対して嫌う理由を言った筈です。理由(ソレ)から目を逸らして、別の何かで埋め合わせをしようとしているのが……彼の現状なのでしょう。

溜め息を吐いてしまいます。理由によっては、倒されてやるのも悪くは無かったのですが……今の彼には倒されてやる訳にはいきませんね。

 

 

「貴方がするべきなのは、ここで私と戦うことではなく……優義徒(ユギト)に謝罪することですよ、ジュンくん」

 

 

返事の代わりに、息を変に吸い込んだ音が聞こえます。

自らの首を締めるような……いえ、何かを絞り出すように右手を添えています。苦しげに口を開いていますが、声は出ていません。

……ちょっと、予想外なのです。怒るか逆ギレするか喚くかのどれかが来ると思っていたのですが……あんな状態になるとは思ってもいませんでした。近づいて、宥めたい所ですが……"ギアスファイト"中なので、私は近づけません。

 

 

「…………()()()()()()()()()()()()()()()?」

 

 

モルガナ氏が近づき、その首を絞め続ける右手に触れます。

首にくっきりと付いた手の跡が痛々しいですが……荒い呼吸を整える時間も惜しいとばかりに、途切れ途切れにジュンくんが言葉を紡ぎます。

 

 

「つづ、ける……」

 

「何を?」

 

「"ギアスファイト"を」

 

「黒の神が言うように、先にあの少年に謝るべきでは?」

 

「…………」

 

 

そろりとまた右手が首元に伸び……諦めたように、だらりと垂れました。

 

 

「どう、謝ったらいいか分からない」

 

「だから、"ギアスファイト"を続けて考えると?」

 

「……そうだ」

 

 

またモルガナ氏が溜め息を吐きますが……呆れというより、どこかホッとしたような印象を受けました。

そして、彼女はこちらに視線を向けてきます。

 

 

「黒の神、もう少し彼に付き合って下さい……お手数お掛けします」

 

「途中で投げ出されるなんてつまらない真似をされるより、続けてもらえる方が楽しいので問題ありません」

 

 

優義徒(ユギト)に謝る気があるようなので、私としては問題ありません。

でもまあ……倒されてやるつもりはまだありませんがね。

 

 

 

 

 

 




モルガナお母さん……
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。