TCG販促アニメでどう足掻いても悪役ポジションの私が開き直って悪役RPを満喫するお話 作:木津 吉木
「私のターン、ドロー!」
ライフ:10
手札:5 ターンカウンター:3
「【
メガネの騎士の足を侵食していた黒水晶が一気に彼の全身を覆い尽くします。
次の瞬間に、澄んだ音を立てて砕けた結晶の中から……この異界に来た直後に見掛けた眼帯の騎士が姿を見せ、地面を鞭で叩きます。
「【ケイ
黒 コスト:4 スペル
自分の場のカード一枚を破棄する。
こうして破棄したカードと同じコストのカード一枚をデッキまたは墓地から手札に加える。
こうして送られたカードと同名効果を自分はターン終了時まで発動する事が出来ない。
心臓を押さえ、もがき苦しみながら消える【ケイ
残された一枚のカードを手札に加え、ジュンくんが更なる展開を始めます。
「私の場のカードを一枚破棄し、同じコストのカードをデッキまたは墓地から手札に加える!私が手札に加えるのは【平穏の
同僚が苦しみながら消えたという事に、少々思う所があるのか渋々といった様子で【ランスロット
そして、携えていた両端に刃の付いた棒状の武器を真ん中で分け、二本の
「【ランスロット
地面に散らばる黒い結晶が一つに集まり、またあのメガネの騎士の形を作りますが……メガネにヒビが入っていたり、よく見ればその纏っている黒い鎧も装飾が一部取れていたりと壊れているように見えます。
「
「新たな力を得たこの
「……旧
しかし、これで
予め、墓地にモンスターを仕込まねばなりませんがステータスも前の
「【アグラヴェイン】の効果で場にグネヴィアトークンを出す……バトル!【ランスロット
空を飛んで逃げ回る【
黒と白銀の軌跡を描きながら幾度か交差すると、黒の軌跡が羽根を散らしながら落ちていきます。
「ターン終了だ」
「さて……場が空っぽになっちゃいましたよ……困ったものですね」
「白々しい……そのにやけ顔を歪めてから言え、その台詞は」
「あはは……すいません、これがデフォルトの表情なので。では私のターン、カウンターブーストです」
ユギト 第二ターン
ライフ:10
手札:3 ターンカウンター:4
さて、追撃が来なかったという事はあの【アグラヴェイン】も攻撃が出来ないデメリットがあると見て良いでしょう。となると【ランスロット
……前のデッキならば、こういう時に封印で良い感じに抑える事が出来たのですが、このデッキには狙って打てる封印ギミックはありません。
そうなると……素直に破棄して行くしかありませんね。
「私は【
「今度は
バイクから颯爽と降りながら【
「【
「チッ……破棄された【ランスロット
黄・黒 コスト:1 黒曜
A:3 B:3
墓地にこのモンスター名を除く【ガレス】モンスターがいる時にのみサモン出来る。
このモンスターがモンスターと戦闘する時に発動する。このモンスターを破棄する。
このモンスターはデッキに四枚以上入れることが出来る。
ふらりと酔っているような千鳥足で場に出てくるのは頬を赤く染めた少女のような愛らしい顔つきの少年騎士【ガレス】
こちらに持っている槍の切っ先を向けますが、円を描くようにその切っ先がブレてます……大丈夫なんですか、アレ?
「【ガレス
「……まあいいだろう」
向こうの手札に【ケイ
本当は【ランスロット
「私はこれでターン終了……貴方はこれ程強いのに、何故英雄になろうとするのですか?私、押されっぱなしですよ?」
「何故?決まっているだろう、彼は何もしていない私なんて必要としない!英雄となった私が彼の隣にいるのは当たり前だろう!?眠る彼が最初に見るべきは私だ、私だけでいい!!」
「…………」
正直な感想としては……何言ってるんですかねこの人。
支離滅裂、タクミくん以上にとち狂ってますが……恐ろしい事に、【
これが、人間の可能性という奴ですね……もっと、別の可能性が見たかったです。
まあ、でも一つだけ彼の言う事は分かりましたが……ちょっと、カチンと来ました。
「あの子が、何もしていないという理由で他者を嫌うと思いますか?
「幼少期からずっとだが!?私が彼の一番の理解者だ、彼は何もしていない私を嫌った!だから、私は貴様を滅ぼしてやるんだ今度こそ!!何も分かっていないのは貴様の方だ!!!」
「
ヒュッと息を吸う音が妙に響きました。
目を見開く彼は、きっと図星なのでしょう……
溜め息を吐いてしまいます。理由によっては、倒されてやるのも悪くは無かったのですが……今の彼には倒されてやる訳にはいきませんね。
「貴方がするべきなのは、ここで私と戦うことではなく……
返事の代わりに、息を変に吸い込んだ音が聞こえます。
自らの首を締めるような……いえ、何かを絞り出すように右手を添えています。苦しげに口を開いていますが、声は出ていません。
……ちょっと、予想外なのです。怒るか逆ギレするか喚くかのどれかが来ると思っていたのですが……あんな状態になるとは思ってもいませんでした。近づいて、宥めたい所ですが……"ギアスファイト"中なので、私は近づけません。
「…………
モルガナ氏が近づき、その首を絞め続ける右手に触れます。
首にくっきりと付いた手の跡が痛々しいですが……荒い呼吸を整える時間も惜しいとばかりに、途切れ途切れにジュンくんが言葉を紡ぎます。
「つづ、ける……」
「何を?」
「"ギアスファイト"を」
「黒の神が言うように、先にあの少年に謝るべきでは?」
「…………」
そろりとまた右手が首元に伸び……諦めたように、だらりと垂れました。
「どう、謝ったらいいか分からない」
「だから、"ギアスファイト"を続けて考えると?」
「……そうだ」
またモルガナ氏が溜め息を吐きますが……呆れというより、どこかホッとしたような印象を受けました。
そして、彼女はこちらに視線を向けてきます。
「黒の神、もう少し彼に付き合って下さい……お手数お掛けします」
「途中で投げ出されるなんてつまらない真似をされるより、続けてもらえる方が楽しいので問題ありません」
でもまあ……倒されてやるつもりはまだありませんがね。
モルガナお母さん……