TCG販促アニメでどう足掻いても悪役ポジションの私が開き直って悪役RPを満喫するお話   作:木津 吉木

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( ˇωˇ )豆腐メンタル野郎二人が終わったら、残ったのは鉄壁メンタル野郎だけです……こうでもしないとこの人は崩れないのですよね
可哀想に


し あわせ

たっぷりと砂糖と牛乳の入ったコーヒー牛乳を嗜みつつ、ちらりと視線をいつもと変わらない様子のアポロさんに向けます。

 

 

()()()()、モルガナ氏が作った異界に巻き込まれなかったと言うことでありますか、運がいい奴であります」

 

「HAHAHA、日頃の行いだね!」

 

「(赤の()神……彼を起点に異界を作ったので逃げられる筈がないのに……何をしたのですかこの男は)」

 

 

この場にいるのは私とソコロワ嬢、レイカ嬢、アポロさんそして、ジュンくんとモルガナ氏だけです。

タクミくんはミラージュの閉店作業を行ってもらい、百火(ヒャッカ)くんについては……次の日が登校日という事で、帰宅してもらいました。今回の件には彼をあまり巻き込みたくありません……学生生活というものは、()()()()一度しか体験できませんからね。そちらに注力してもらいたいのです。

何よりも……このバックヤードはカードの詰まったダンボールで狭いので、あまり大人数が入る事が出来ません。

 

 

「それで……ジュンくんはこちらに帰ってくるつもりはありますか?」

 

()()まだ無い」

 

 

少しも考える素振(そぶ)りもなく、そう言い切ったジュンくん。

その目は真っ直ぐとこちらを見ていて、残念なことに淀みが見えません。

 

 

「今は……ということは、いずれは帰ってくるということですね」

 

「彼を……優義徒(ユギト)を連れてな」

 

 

甘党子供舌の私と違い、ブラックコーヒーを口に含むジュンくんはつい先ほどまでの狂乱が嘘のように冷静で……教団聖剣士(ホーリーエッジ)の筆頭として、その腕を振るっていた時を思い出します。

……こういう、落ち着いている時の彼は普通に有能なのですよね。

 

 

「基青神が優義徒(ユギト)を攫った理由は分からん……だが、彼を害するつもりはないようで、眠り続ける彼を丁重に扱っている。ここで私が抜ければ、優義徒(ユギト)が目覚めた時に守る人間が居なくなるからな……戻る時は、彼も連れて戻る」

 

「こちらから、その拠点に乗り込んでやれば良いのでは?向こうは攻め入られると思っていないであります、奇襲を掛けるにはもってこいであります」

 

「……私は拠点がどこにあるか知らん、モルガー……そこの女に場所については聞け」

 

 

そう話を振られたモルガナ氏ですが、マグカップを置き……目を伏せながら、言葉を続けます。

 

 

「結論から言うと、場所を教えても無駄です。マリリンが許可した者しか立ち入れませんし……無理に押し入ろうとすれば、相応のペナルティを負うことになります」

 

「ペナルティ……具体的に言うと?」

 

「簡単に言うと、死にます」

 

「とんだデストラップでありますな!?うっかり、一般人が紛れたらどうするでありますか!!?」

 

「……拠点は、彼の作った異界なのですよ。なので、元から侵入しようとする者しかそのペナルティを受けることはありません」

 

 

異界を作れる……同じように異界を作り上げたモルガナ氏の正体が【呪いの始まり(オブシディアン・ヘイトレッド)モルガーン】であったということを考えると……マリリン氏も、何かしらのモンスターである可能性が高いですね。

しかし、やはりこうなるとお手上げになりますね。

こちらから向こうに会いに行けない以上、向こうから出てくるのを待たなければ行けませんが……向こうが既に目的を達成しているならば、出てくる理由がありません。

このまま引きこもられると、ソコロワ嬢の神託(クエスト)も達成出来ませんし……困りましたね。

 

 

「モルガナ氏、貴女の方から働きかけて、マリリン氏を外におびき出すことは出来ませんか?」

 

「難しいですね……彼は今、手が離せません。()()()()に関わる仕事をしていますから」

 

「ぐぬぬ……どうしたらいいでありますか……!」

 

「気長に待つしかありません……私からは以上です。そろそろ戻りますよ、ジュン」

 

「そうだな……コーヒー、馳走になった」

 

 

軽く頭を下げ、席を立つ二人……まだ、聞きたいことが私にはあるので待って欲しいですね。

 

 

「ジュンくん、そちらに鬼丸(オニマル)くんもいると思うのですが……彼の様子はどうなのですか?」

 

「……神牙(ジンガ)か」

 

 

苦虫を噛み潰したような、そんな表情を浮かべる彼に……胸騒ぎを覚えます。

そもそも、ジュンくんは優義徒(ユギト)を連れて帰るとは言いましたが……鬼丸(オニマル)くんのことには一言も触れていない。仲が悪いわけではありません……寧ろ、教団聖剣士(ホーリーエッジ)のメンバーの中ではジュンくんと一番仲が良いと言えます。

……何故、そんな彼のことを口に出さないのか。

 

 

神牙(ジンガ)は…………帰って来れないかもしれん」

 

「どういうことですか?説明をして下さい、ジュンくん」

 

「奴は、今はもう……妲己(ダジ)妖娘(ヤォニャン)の人形だ」

 

 

 

ーーーーー

 

あたまがふわふわする。

てをひっぱられる。

しゃがむ。

 

 

「ジンちゃんいい子〜♡おっきいから、ヤォが歩くよりずっと早く行けるねー!」

 

 

かたになにかがふれる。

かるい。

こえがきこえる。

あたまをさわられる。

■■がわらう。

めいれいされる。

あるく。

 

 

「じゃ、テラちゃんの神託(クエスト)の続き頑張るぞぉー!目指すはえーりょくしん!」

 

 

あるく。

あるく。

あるく……

あたまをさわられる。

なにもわからない。

おれはなんだったか。

わからない。

めいれいされる。

あるく。

わからない。

あたまがふわふわする。

 

 

神牙(ジンガ)お兄さん……?なんでここにいるっぺか……?」

 

 

なにかがいる。

わからない。

かんがえなくていい。

めいれいされる。

それがおれのしあわせ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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