TCG販促アニメでどう足掻いても悪役ポジションの私が開き直って悪役RPを満喫するお話 作:木津 吉木
「で、虫下しでいいの?虫殺しじゃなくて」
「良いのよ♡出してしまえば、後はあたしがちょちょいとやっちゃえるからね♡」
夜も更けて、煌々と青白い月が輝く中で……土に刻まれた魔法陣の上で寝かされているのは【
魔法陣の上にいてもらう必要があるとはいえ、女性を地べたにそのまま寝かせているのはしのびない……手早く済ませよう。
この土地……旧
故に、かの瑞神を引きずり出して討滅するにはここが適している。
「じゃあ、始めちゃうわよ。いざとなったら、フォローよろしくねヤォちゃん♡」
「まっかせてよ、マリちゃん!!」
背後に微動だにせずに立ち尽くす人形を置き、やる気十分に胸を張る
……哀れな娘だ。ろくでもない存在にばかり目を付けられて、その在り方を大きく歪まされている……まあ、それは私も同じか。
自嘲の笑みを浮かべ、陣に"サモンエナジー"を込めて起動させる寸前……視界の隅に、
「っ!?マリちゃん!!」
──あーそびーましょ
世界が一変する。
咄嗟に、眠る少女に触れたのが功を奏したようで
その異界に受けた最初の印象は……
空に浮かぶのはニヤケ顔が描かれた三日月、地面に生えている花にも笑顔、木にも笑顔……しかも、デフォルメされていない生々しい老若男女様々な人間の笑顔だ。
なんて……
「「「趣味悪……」」」
──酷くないですか、全員揃って!!?
思わず呟いた言葉に追従するのは男女の声……どうやら、私をこの異界で相手取るのはこの二人らしい。
「あらぁん?ソコロワちゃんにキョーマくんじゃなぁい♡」
「マリリン・アヴァロニア……今度こそ、倒させてもらうであります!!」
「
"ギアスディスク"を構えるソコロワ……横の
「うふふ、おいたはダメよ♡
「……
「好きにしろ、俺は
「ふぅん?お兄さんは二人同時でも構わないけれども……いいわ、先ずはソコロワちゃんからね♡」
"ギアスディスク"を起動し、デッキを装填する……今回は【
ーーーーー
「そんなに趣味悪いですか……?」
「
「レイカ嬢ですら肯定してくれない……」
ガクりと膝を着いて項垂れている
アタシと
「ヤォもこれは引くわぁ〜何なの?メルヘンホラー目指してるの??」
「ホラーは目指していません、純度百%のメルヘンですよこれは」
「ふーん……てことは、アンタが作ってるんだこの異界」
目を細め、懐から取り出した赤い扇子を広げて口元を隠す
「
「……倒せるのですか?今の彼を」
立ち上がった
アーティファクト破壊カードをソイツに叩き込めば言いけども、そうしたら他の厄介なアーティファクトに手が回らなくなるし……何よりも【
元から相性は最悪、言うのも情けないがアイツとの"ギアスファイト"の勝率なんて良くて二割程度だ。
それでも
「アイツはアタシの舎弟なんすよ……アタシが、アイツを助けてやらなくてどうするんすか」
顔面に札を貼られ、一言も発せずに文字通りの人形としてこの場に立ち尽くす
自信が無くても、やるしかない。
まっすぐに
「なら、この子たちを連れて行ってください……今のこの子たちは、きっと貴女の力になってくれます」
そう言って、差し出されるのは
その時は、頭がボーッとして……正直、自分でも何やってんだか分からなくなってた。
「……
眉尻を下げ、恐る恐るといった様子の
返事は……カードを受け取って、デッキの中に入れる行動で済ませる。
あの大会の時から、アタシにとって
アタシなんかよりもずっと強いし、その正体からしてずっと歳上なのも分かってるけど……ふとした行動が幼くて、そのくせ自分が傷つくのに
この異界を開くのもぶっつけ本番だし、結構な負担がある筈なのにそれを欠片も見せない……こうやって、色んなことで体を張るのは
……そんな姿をずっと見せられたら、信じないわけにはいかねぇだろ?
「レイカ嬢……ありがとう」
「礼は良いっす。それより、早くアイツと二人にさせて下さい」
「カルマちゃんが、ジンちゃんとまた戦うの?手も足も出ずにボッコボコにされたのにぃ〜?あっは♡カルマちゃんってば、ど♡エ♡ム♡」
ムカつく喋りをする
その次の瞬間、景色が変わる。
周りを踊り狂っていた動物たちは消え、代わりに空に浮かぶのは生々しい笑顔を浮かべた太陽。
見渡す限りの草原、そこを吹き抜ける風はどこまでも爽やかで気持ちがいい……あの太陽を除けば、良い空間なんだけどな。
「
「…………」
分かっていたけども、返事は無い。
"ギアスディスク"をアタシが構えれば、アイツもまたぎこちなくだけども"ギアスディスク"を起動させて構えた。
ーーーーー
「本当に飛ばしたんだ〜?何のカードを渡したのか知んないけどぉ……それだけでカルマちゃんがジンちゃんに勝てると思ってるの?」
「
真っ直ぐにヤォを見てくる誘黒神の鮮血のような目がひたすらに気持ち悪い……アイツの正体は既にテラちゃんから聞いてるから尚のこと、嫌悪感しか湧かない。
「キモイ目で見ないでよ、人に取り憑く寄生虫如きが」
「その寄生虫如きよりも格下なのが貴女です、
口角が上がる。
抑えていた力を解放すれば、かあ様譲りの真っ白な尾が露出する。
肉体も愛らしい少女の頃のものから、瑞々しい色気を放つ熟成された歳の頃のものに成長し……纏っていた服もチャイナドレスから
「あっは♡ちょうどいいわ、お前を痛めつけてやるのにあの姿だと力不足だったのよねぇ」
「見慣れた姿に戻ったようですね……そちらの方が、私としても好都合です。子供を
「ふぅん?異界にいるとはいえ、この土地はお前にとって最悪の場所よ?そんな場所で一人でヤォと戦うの?カルマちゃん呼び戻して加勢してもらったら?一人じゃなーんにも出来ない寄生虫さん♡」
「一人だから、良いのですよ」
──お前を潰す所を、他の子に見せたら怖がらせるもん
血のような緋色の目と形の整った唇が弧を描く。
カサカサと小さい何かが
元々【
「「「「「"ギアスファイト"レディセット!!」」」」」
レジーナ・K=ソコロワ 【進撃!
VS
マリリン・アヴァロニア 【楽園の帰還者】
VS
ユギト 【亡き神に捧げる双奏】
VS
「「「「「スタートアップ!!」」」」」