TCG販促アニメでどう足掻いても悪役ポジションの私が開き直って悪役RPを満喫するお話 作:木津 吉木
「うーん……あれ、私……?」
二回目の
「あら……元に戻ったみたいね」
ニコリと笑ってはいるものの、顔色の悪い【アンブローズ】……否、アヴァロニア氏が疲れたようにため息を吐きながら、そのまま地面に座り込んでしまう。
綺麗な薄紫色のカクテルドレスは砂埃により汚れている……元に戻ったとは?
「一体何が……」
「"ギアスディスク"を見なさいな、そのカードがソコロワちゃんの……(……いや、言わなくていいか。この世界の人間は知らない方が良いだろう)……秘めた力って奴ね!」
言われるがままに"ギアスディスク"を確認すれば、そこには一枚の見慣れないカードが置かれている。
【
瑞神、それも黄の……これが、小官に秘められた力?
「小官が意識を失っていたのはコレのせい、でありますか……?」
「そうでしょうねぇ……あたしのデコピンもあるかもしれないけど。ごめんなさいね、痛かったでしょう?」
「……結構、痛かったであります」
ひたいに手を当てれば、ズキンとした痛みが走る……絶対に、これは赤くなってる。そんな小官に申し訳なさそうにしながら、アヴァロニア氏が手を伸ばす。
「気休めだけど、冷やしておいてね」
空中に現れるのは一枚のタオルと氷……あっという間に氷をタオルが包み込んで、簡易的な
それがひたいに当てられ……じんわりとした冷たさがひたいの痛みをなだめていく。
「
眠り続ける少女──
「……何故、彼女を攫ったでありますか?」
「
「寄生している……?」
寄生……そのワードで何故か、あのいつも笑っている桃色頭のこどおじを思い出す。
「その正体は【
「ま た ア イ ツ か」
頭を抱えてしまう……またあの男は何かしらをやらかしている。
本当に全ての悪い出来事の元凶はユギト氏なんじゃないかと思えてきたであります。
「(また……?)……ここに彼女を連れて来たのは、その寄生している奴を取り出す為よ」
そうして話されるアヴァロニア氏の計画……いつの間にか、
ーーーーー
「ゲホッ……なんか、また私の評判が下がった気がします」
「元から底辺なのに下がるわけないじゃーん!ほら【
緑・白 コスト:3 アーティファクト・拷問
相手がカードを手札に加える度に発動する、相手に一ダメージを与える。
相手がカードを破棄する度に発動する、相手はライフを一回復する。
私の足を拘束するのは赤黒く変色した金属の輪、その内側から鋭い針が飛び出して私を傷つけます。
ユギト ライフ:9→8
ダメージは大した事はありませんが、その副次効果が厄介でした。
喉元に迫り上がる感覚を抑えきれず、膝を着き、そのまま盛大に嘔吐してしまう。
吐き出されたのは胃の内容物ではなく、
「アッハ♡
「そう、ですね……私の好みとしては、甘い方が良いですね。見た目もイマイチですし、苦味しか無いのは嫌ですね」
「毒なんだから甘いわけないじゃん!」
何度も繰り返す擬似的な嘔吐に、体力が削られていきます。群れ自体も削られ、異界の維持に少しばかり……
でも……問題はそれじゃあ、ありません。
手足の指の先が少しづつ冷え、感覚が遠い。私自身には未だに届く事はありませんが……この体の制御が、効かなくなっていく。
舌打ちしそうな衝動を抑え、むかつきが治まらない胃の辺りを
……長引くと、キツイですね。