TCG販促アニメでどう足掻いても悪役ポジションの私が開き直って悪役RPを満喫するお話   作:木津 吉木

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終章ノ二 これもまた一つの愛の力

D(デュアル)R(レゾナンス)っ!?カードが墓地から取り除かれた事で【天道】のデメリットにより場の衰退カウンターが全て取り除かれてしまうが……問題はない。

攻撃を止める効果を持つ【シロテングタケ】が合計で4、さらにアーティファクトを守る我輩も場に存在する……今更、()()()()()()()()()()()だけで何が出来るというのか。

 

 

「(この効果……そういう事か!!)【天羽々斬(アマノハバキリ)】の効果だよ!!この()()()()D(デュアル)R(レゾナンス)で場に出た時、墓地からコスト:4以上のモンスターを一体場に出して、このユニオンをユナイトする!!」

 

 

天羽々斬(アマノハバキリ)

赤 コスト:4 ユニオン・日輪・レゾナンス

 

邪聖天の嫉妬(デモリエル・ヴァーチェ)レヴィアタン】とコスト:4以上のモンスターを使用したD(デュアル)R(レゾナンス)でのみ場に出せる。

このユニオンがD(デュアル)R(レゾナンス)によって場に出た時、自分の墓地からコスト:4以上のモンスターを一体場に出し、このユニオンをユナイトする。

このユニオンをユナイトしたモンスターのA(アタック)B(バイタル)を2増やし、以下の効果を付与する。

・一ターンに一度発動出来る。自分のデッキの一番下のカードの種別を宣言する。自分のデッキの一番下を確認し、宣言した種別のカードだった場合相手の場のカードを一枚選択し、その効果を無効にする。違った場合、自分はデッキをシャッフルする。

 

 

(つるぎ)が光を放つ。

その光に導かれるように……地の底から()()()()()()()()(ひるがえ)る。

 

 

「アタシが出すのは……【混織誘黒旅団(ノーフェイスブリゲード)()詐術師(フィクサー)Mr.O(オニテング)】!!!」

 

『なっ!?その我輩は黒の神の(もと)にある筈!?』

 

白掟(ハクジョウ)様が貸してくれたんだよ!!()()()()がアンタをぶっ倒すのに相応しいカードさ!!

さらに【混織誘黒旅団(ノーフェイスブリゲード)()特攻隊長(ヘッド)Mr.K(カイエン)】をサモン!!!」

 

 

並び立つのはドクロの面を被った嫉妬に狂わされた亡者と鬼を模した面を被るもう一人の我輩……しかし、その二体だけでこの布陣をどう越えようというのか。

 

 

「【天羽々斬(アマノハバキリ)】をユナイトした【Mr.O(オニテング)】の効果発動!!アタシのデッキの一番下のカードの種別を宣言し、それが宣言した種別なら鬼丸(オニマル)の場のカードの効果を一枚、無効にするよ!!宣言するのはモンスター!!」

 

『先程の【カイエン】の効果でデッキ下に【獄炎(ヘルズバーン)】モンスターが送られている……狙っていましたか、このコンボを!!?』

 

「(偶然なんだよなぁ……)へっ!デッキの一番下は【獄炎の元総長(ヘルズバーン・オービー)ゴドウ】!モンスターだ!アンタの効果を無効にするよ【オニテング】!!!!」

 

 

無骨な剣──【天羽々斬(アマノハバキリ)】を【Mr.O(もう一人の我輩)】が天に向かって掲げれば、分厚い黒雲が退けられて顔の描かれていない……正真正銘の太陽が我輩に陽光を照射する。

見る間に、天狗としての神通力(じんつうりき)が失われるのを感じ取れる……何よりも、陽光の熱が身を焼く苦しみに苦悶(くもん)の声を漏らしてしまう。

 

 

『グッガ、アァ!!!?』

 

「まだだよ!!手札の【獄炎の暴走旗(ヘルズバーン・シンボル)】を破棄して【Mr.K(カイエン)】の効果を発動!!【衰退の菌類楽園(ファンガスガーデン)】を破棄するよ!!そして【衰退の菌類楽園(ファンガスガーデン)】は破棄された時に、場に存在する他の菌類(ファンガス)アーティファクトを全て破棄する!!全部、燃え尽きちまいな、クソキノコ!!!!」

 

 

我輩の守りが無い、故に我らが故郷は格好の的であった。

Mr.K(カイエン)】が紅蓮の団旗を掴み、大きく振るえばそれが火の波となって、全ての同胞(キノコ)たちを呑み込む。

また、同胞が喪われる。

手を伸ばしても、その惨劇が止められることはない。

燃える、消える、死んでいく……我輩を、置いて……また、我輩はこれで独りだ。

いやだ、いやだ、いやだ

 

 

もう、■■■■のはいやだ

 

 

「──カウンタースペル【鬼源覚醒(デモンランページ)】ぃ発動ぉ!!!!!」

 

 

意識の範囲外から、もう聞こえるはずの無い声が聞こえた。

 

 

ーーーーー

 

ぐらりとあたまがゆれる

とおいところから、こえがきこえた

まっかで、きれいな……ごうをやきつくすひかり

()()()()()()()()

くちのたっしゃな、かれがひかりにてをのばす

()()()()()()()()()

わたしたくない、渡したくない。

ぼんやりと霞みがかっていた意識が、俺の中に湧いたその欲によって急速に、取り戻されていく。

酷く体がだるい……思考も、気を抜けばまた飛んでいきそうだ。

でも、現状は分かった。

俺は駆魔(カルマ)と"ギアスファイト"をしている……そして【オニテング】が杜撰(ずさん)なプレイをしていたお陰で、負けそうになっている。

何故、また彼女と"ギアスファイト"をしているかまでは思い出せない……だが、こんな無様な有様で押し負けるのは、嫌だ。

視界を(はば)(わずら)わしい紙を取り捨てれば、熱風にあおられてどこかへと飛んでいく。

そして、一枚のカードを"ギアスディスク"に叩きつけた。

 

 

「──カウンタースペル【鬼源覚醒(デモンランページ)】ぃ発動ぉ!!!!!」

 

 

鬼源覚醒(デモンランページ)

緑・黒 コスト:4 衰退・天狗・スペル

 

自分の場のモンスターを一体選択して発動する。そのモンスターのA(アタック)B(バイタル)は相手の墓地のモンスターの枚数だけ上昇し、そのモンスターがバトルを行い、勝利した時にそのモンスターのA(アタック)が相手のモンスターのB(バイタル)を超えている分だけ相手のライフにダメージを与える。

 

 

目を見開いた【オニテング】の姿が変貌する。

背に生えていた鴉羽(からすば)は全て散り、二本の捻れた角が側頭部から生える。

天狗から鬼へと転じた【オニテング】が低く唸るような声で問い掛ける。

 

 

『あ、主様……?正気に戻られたのですか……?』

 

「【オニテング】……サーチ効果を、使い忘れて……いるし、アーティファクトの……選択も、良いとは言えない」

 

『……ぐうの音も出ません。主様のデッキ、回すの難しいです』

 

「…………駆魔(カルマ)

 

 

【オニテング】の言い訳を黙殺(もくさつ)し……対峙する、太陽の光を背負った彼女に視線を向けた。

彼女もまた、俺が意識を取り戻したことにショックを受けているのか……ぽかんと口を開けて固まっている……普段の男勝りな姿とのギャップがひどく可愛らしい。

 

 

鬼丸(オニマル)……アンタ」

 

「決着を、つけよう」

 

 

彼女が言おうとした言葉を断ち切るように、俺の言葉を重ねる。

発動した【鬼源覚醒(デモンランページ)】の効果で"ギアスモンスター"である【オニテング】のステータスは駆魔(カルマ)の墓地のモンスターの数だけ上昇し、その数字はA(アタック):34B(バイタル):38という【ドレッドギアス】において有り得ない値と化している。

【畜生道】によってバーンダメージを受けないので今、駆魔(カルマ)が俺のライフを削るにはこの強化されきった【オニテング】を突破しなければならない。

 

 

「ああ、やってやるよ!【Mr.O(オニテング)】はアタシの墓地のカードが八枚以上の時に効果が追加される!!アタックフェイズ時にアタシの墓地のカードの枚数だけ、A(アタック)を上昇させるよ!!!」

 

 

奇しくも、それは……俺の【オニテング】と似た効果だった。

ただし、アチラはA(アタック)だけを上昇させる代わりに……対象が墓地のカード全てと増大している。

()()()()、順当に【オニテング】たちが相打ちとなり……残った【カイエン】によって、俺は倒される。

…………負けるにしても、最期くらいはカッコつけたい。

 

 

「……来い、駆魔(カルマ)ぁ!!!!」

 

「ああ、やってやんよ!!!アタックフェイズ!!【Mr.O(オニテング)】で【オニテング】を攻撃!!!」

 

 

二体の鬼が幾度も交差する。

鏡写しのように拳をぶつけ合い、互いの牙を、角を、骨を砕いたその決着は……仮面を被った鬼の持つ無骨な(つるぎ)によって、もう片方が貫かれるというものであった。

だが、それでも残された鬼もまた直ぐに後を追うように地に伏せる。

 

 

「【Mr.K(カイエン)】で、鬼丸(オニマル)に攻撃!!!!」

 

 

紫炎を纏った刀が迫る。

死ぬのも、痛いのも怖い……だが、その怯えを()()()()の前で見せるのは、嫌だ。

歯を食いしばり、後ずさりそうな足を意志で留め……最後まで、目を逸らさずに前だけを見ていた。

 

 

 

鬼丸(オニマル) ライフ:2→-2

 

 

 

 

 

 

 

 

 




意識を取り戻したと思ったら、既に詰んだ状況だったという
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