TCG販促アニメでどう足掻いても悪役ポジションの私が開き直って悪役RPを満喫するお話 作:木津 吉木
滑らかに動かし続けていた最も愛用している羽根ペン。それが、
ルシなんたらの嘘を真実にする能力は、既に死んでいる者には届かない。
正確には、あの
黒虫──誘黒神が白の器の遺体に取り憑き、魂を呑み込んだのはファインプレーだった。お陰で、俺の仮説の一つを確認する為の手掛かりが残ったのだから……
ルシなんたらの
だが、そうはならなかった。
俺の
「いや、違うな……黒虫がヤォ坊を潰して術を壊したから、展開がズレたのか」
だが、水中に叩き込む前に既にデカイのは術から逃れていた……【
「もう
俺の周りでカチカチと規則正しく針の動く無数の懐中時計……その内の一つを消し去ると同時に、羽根ペンを放り投げた。
……神が関わるとロクなことにならん。
俺は
苛立つ心に水を差すように、懐中時計の一つから鈴を鳴らすような高音が響く。
「……時間か。やれやれ」
肉の体が、数時間ぶりに動いた拍子にボキりと音を出す。
この時間だと……ジュン蔵がモル太郎と共に白の器を連れて逃げ出した頃合か。
……さて、俺もこの
ーーーーー
眠り続ける
マリリン・アヴァロニア、
マリリン・アヴァロニアの異界から出ても追っ手はおらず、そのまま
「【モルガーン】!後、どれくらいだ!!?」
「このまま真っ直ぐ行けば、すぐの筈です……っ!ジュン、止まって!!」
私の先を先導する為に走る【モルガーン】から鋭い声が届く。
「
情けない声と共に地面に転がり、ソレを避ける基青神に再度の攻撃を加えようと【モルガーン】が杖を振りかぶる。
「待て待て待て!!話し合う前に暴力を振るうな!!暴力反対!!」
「ジュン、彼の相手は私が務めますので……どうか、行ってください」
「務めなくていい!!」
「──そうだな、私たちがここにいるからな」
低い、しかし不思議とよく通る声が響いたと同時に風を切り裂く音が走る。
基青神を取り囲むように現れるのは戦闘機を模した機械天使──【
そして、その
「騎士サマたちが来るの遅いから、迎えに来たデシ!」
「何者かは知らないが……完全に包囲している。諦めて投降しろ」
【
……だがまあ、いくら神とはいえこの状況だ。
基青神の方も観念したのか両の手を上げるが……その右手には、いつの間にか懐中時計が握られている。
「なんだそれは」
「見ての通りの時計だ。もうすぐ時間だからな……」
そう言って5からカウントをし始める基青神に、嫌な予感が
「【モルガーン】奴を止めろ!!」
「2……1……0」
最後の数字が言われると同時に、爆発音が森の奥から響く。その直後、月明かりを隠すように黒い小さな何かの群れ──虫の群れが天に向かって登る。
「ハハハ!!さあ、登場人物は揃ったぞ!!最後の一幕……神殺しの時間だ!!!!舞台の幕よ、開くがいい!!!!」
基青神の声と共に、へその裏が引っ張られるような奇妙な感覚を覚え……世界が変わる。
ーーーーー
「……そろそろ、この異界を閉じても良い頃合いですね」
少し体を休めたお陰で、気分は楽になりました。
気を失ったままの
「えっと、逆のことをしたら閉じるから……こう、ですかね?」
首を傾げながらも、腕を大きく動かせば……パチンと風船が弾けるような音と共に景色が変わります。
薄暗い森の奥の、
「上手く行きましたね……皆さん、大丈夫でしたか?無事に帰って来られていますよね……?」
「
一番に口を開いたのはレイカ嬢がこちらにカードを投げ渡してくるのを受け止めそのままデッキにカードを戻しますが……何故か、彼女の全身ずぶ濡れですね。顔面からお札の取れている
視線を動かせば、
……その近くには、眠り続けているキョウカ嬢とその彼女を守るように抱き締めている
ざっと見た感じではありますが……こちら側の人は全員無事なようですね。
対して、アヴァロニア氏はズタボロで
「アヴァロニア氏、こちらの勝ちです。
「それを決めるのはあたしじゃなくて、テラちゃんよ……まあ、それじゃあ、納得しないわよねぇ【
「よくご存知で」
ニッコリと笑みを向ければ、げんなりとした表情を返されます……ひどいなぁ。
「良いわ、どうせテラちゃんはアジトに引きこもっているでしょうし……連れてってあげる。あの坊やについては、テラちゃんに直接言ってちょうだいな」
雑にそう言って、息を整えているアヴァロニア氏……見た目以上に、ダメージが深そうですね彼女(?)は。
……基青神は直接戦闘は
早く、あの子を助けたい所ですし……ん?
「何か、音が」
すぐ近くで時計の針が動くような音が聞こえました。
こんな所に時計なんて無い筈なのに……どこから聞こえたのかと意識を周りに向けた瞬間
爆音と、衝撃……一瞬だけ感じた首の強烈な
章の表向きのラスボスを二連続でやる主人公がいるらしいんですよ