TCG販促アニメでどう足掻いても悪役ポジションの私が開き直って悪役RPを満喫するお話 作:木津 吉木
──フレーバーテキスト【
楽しそうに体を揺らし、宙に浮かぶカードを自分の前に並べたユギトサマが思い出したように、口を開く。
『そーだ!
胸を張り、得意げに語る姿はやっぱり……あの人らしくはない。
でも、
……つまるところ、僕と騎士サマは捨て石になる。
でも……最悪のタイミングで【
『で!ぼくのターンからだね!【
ナイアルラト 第一ターン
ライフ:10
手札:6 ターンカウンター:2
『【
ユギトサマがカードを"ギアスディスク"に置いたと同時に、楽しげな音楽を伴って黒い馬車が場に出てくる……既視感があるのは何故だろうか。
『そしてー……スペルカードの【
黒 コスト:4 スペル・使徒
自分の手札から黒のモンスターを一体場に出す。
こうして出したモンスターのコストはこのファイト中、コスト:8として扱う。
自分のターン終了時に、そのモンスターを破棄する。
このスペルの使用後、自分はターン終了時までモンスターを場に出せない。
空にギラギラと輝く星が浮かんだと思ったら、次の瞬間にはそれが黒い影に包み込まれる。
『てふだから、くろのモンスター【
ゆらりと、幽霊のような動きで起き上がったのは灰色の仮面を被ったユギトサマそっくりなモンスター──【
仮面のスリット越しに見える赤い目は、虚ろにこちらを見つめていた。
……コスト的にも、見せるならこのカードしかない。
「僕サマが見せるのはコスト:6の【
『じゃあねー……ぼくのかちだね!ぼくがみせるのはコスト:8の【
ユギトサマから投げ渡されたカードを懐に入れ【
『あとね【
一ターン目から好き勝手に動きまくるユギトサマ……【レヴィアタン】は墓地から攻撃を止める効果があるし、動きに無駄がない。
あんなふわふわした雰囲気だから、付け入る隙が有るかと思ったけども……甘かった。サモナーとしてのユギトサマは、今の状態でも何ら変わらない……
でも……このまま、何の爪痕も残さずに負けるなんて
「僕サマのターン!!カウンターブースト!!」
タクミ 第一ターン
ライフ:10
手札:5 ターンカウンター:2
赤:0 青:0 緑:0 黄:0 白:0 黒:0
手札には……今日もまた、
『【
「知ってるデシ!!僕サマはアーティファクト【プリズムラインターミナル】を発動するデシ!」
地響きと共に地面から迫り上がるのは【ハイランドーラ】が根城にしている白い宮殿を模した駅──【プリズムラインターミナル】
自分の住処が出て来た事が嬉しいのか、僕の背後にある大きな白い卵の中から、唸り声みたいな音が響く。
「【プリズムラインターミナル】の効果発動!手札の【ガラハド
黄 コスト:1 スペル・予言
自分の手札のカードを一枚、ゲームから取り除く。
このスペルを使用してから二回目の自分のターン開始時にこの効果で取り除いたカードを手札に加える。
銀色の拳より少し大きな筒状の入れ物……その中に【黄魔華時】のカードを投げ入れると、その姿を消した。
「そして【
白い動く鎧がその手に持った盾を構え、ユギトサマに向かって突進する。
金属同士がぶつかるような、低い轟音が響く……そして、次の瞬間には【
ナイアルラト ライフ:10→9
『えへへ、いったーい……うそだけどね!』
ペロンと舌を出すユギトサマの赤い目と、目が合う。
『そとがこわいのに……なんでひとと、かかわろうとするの?』
ユギトサマの目に映る僕は、赤に溶けていて……血の海に溺れているようにも見えた。
異界に風が吹く。
強烈なソレに思わず目を閉じて……次に目を開けた時、
『せまいへやでネットのうみにおぼれて……てがとどくはんいのせかいで、まんぞくしていたらよくない?』
僕と瓜二つの姿で、唯一異なる赤い目が弧を描く。
『かかわらなければ、きずつけられない……かしこいぼくなら、とっくにりかいしてるよね?』
「……理解はしても、納得はしないデシ」
外界と自分の最後の壁になっている仮面に触れる……これを取るのはやっぱり怖い。
でも、怖いままで良いとあの優しい人たちは言ってくれた。
「だって、実際に出会わなければ知らなかったデシ……バイクに乗った時の風の強さも、頭を撫でる手の温かさも、心配してくれる視線の優しさも」
『…………あっそう』
つまらなさそうに、そう一言だけ言ったユギトサマの姿が戻る。
そして、急に楽しそうに……大きな声で笑い始めた。
『アッハハハハ!!!じゃ、次はぼくのターンだよね!?いいよね!!?』
「え、あ……うん」
『やったー!!!』
急なユギトサマの変貌に面を食らってしまう……ペースが、掴みづらい。