「【永劫に留める】の効果発動!!さあ、全ての存在よ……永遠に堕ちるがいい!!!」
私の宣言と共に【永劫に留める】がその全身に存在する瞳を開眼させる。
万物を石化──否、黒曜石へと変じさせる権能は【誘黒神】を取り込んでいる【這いよる混沌】には効かないが……その周りは別だ。
『んー……しかたないなぁ、もー!スペルカード【唄うように繰り返して】をはつどー!!』
【
唄うように繰り返して】
黒・白 コスト:4 スペル
自分の墓地からカードを一枚取り除く。そのカードを手札から使用した時の効果を発動する。
奴の手元に銀色の棒……恐らくは指揮棒が現れる。それを楽しげに奴が振るうと、地面が割れて……そこから、ハルバードが【永劫に留める】に向かって投げつけられる。
『ぼちの【Mr.B】をとりのぞいて、てふだから【Mr.B】をつかったときのこーかをつかうよ!
「っ……相手からの効果を受け付けない効果か」
『そーゆーこと!だから、ソイツのこーかはおにーさんだけがくらうよ!』
その言葉通りに、ハルバードを避ける為に目を閉じてしまった【永劫に留める】の呪いを受けたのは私の場のモンスターとアーティファクトだけだ。無惨にも黒曜石の塊となっているが……だが、これでいい。
「これで貴様の防御札である【Mr.B】は簡単に再利用出来なくなった……安い代償だ」
『そのためにそのこたちをぎせいにしてるのに?ひどいひとだー!』
「最終的に勝つ為だ……無駄にはしない!!スペルカード【黄魔華時】、発動!!」
【黄魔華時】
黄 コスト:8 スペル
このスペルのコストは自分の場のモンスターの数だけ減らせる。
自分の場のモンスターを全て破棄する。その後、それらのモンスターと同じステータスを持つ黄魔トークンを場に出し、場のトークンの数だけカードをドローする。
何度も打ち鳴らされるのは日本でよく見られる鐘──梵鐘。
十六回鳴らされ、その後に私のモンスターたちだった黒曜石と【永劫に留める】から影が伸びる。
「このスペルのコストは私の場のモンスターの数だけ減る!場には三体、よってコストは3減って5だ!私の場のモンスター全てを破棄し、同じステータスを持つ黄魔トークンを場に出し、さらにカードをトークンの数だけドロー!!」
それぞれ影がモンスターたちを飲み込み、同じ姿の黄色いぶよぶよとした何かに変わる。
……唯一【永劫に留める】だけが、影から吐き出されてオウムガイにも似たアーティファクト形態へと姿を変えている。
『ふーん?でも、モンスターをいれかえただけだよね?【レヴィアタン】をとりこんだ【這いよる混沌】がいるかぎり、おにーさんはこーげきできないよ?これからどーするの?』
確かに私は赤のカードを持たない上に、このターン中にアレをどうにかする手段は無い。
……ああ、癪に触る。私では、奴にはこれ以上手が出せん。
だから、後は任せるぞ。
「……私の役割に徹するだけだな!!スペルカード【悪夢の序章】を発動!ライフを2支払い、デッキから【ガラハドⅩⅢ】を破棄する!!そして【ガラハドⅩⅢ】が破棄されたのでゲーム外から【聖杯の奇跡:星雲招来】を手札に加える!」
ジュン ライフ:6→4
「ターン終了だ!」
『じゃあ、ぼくのターン!「スペルカード【やり直し】を発動!!」っうぇ!?』
【
やり直し】
赤・青・緑・黄・白・黒 コスト:2 スペル
互いのターン開始時にのみ発動出来る。
全てのプレイヤーは手札を全てデッキに戻し、手札が五枚になるようにドローする。
「互いのプレイヤーは手札を全てデッキに戻し、手札が五枚になるようにドローする!!」
通してしまえば、奴は【誘黒神】のデメリットでドロー出来ないので、そのまま手札0でもう一つのデメリットにより敗北が確定する。
「さあ、無効にしてもらおうか!!」
『……【這いよる混沌】のこーかで、そのスペルはむこーにするよ』
思惑通りに動かされるのが不服なのか、嫌そうにしながらも効果を無効にしてくる……
『……でも、このターンで【No.6】のしたにカードが6まいかさなったよ!【No.6】のもーひとつのこーか!このカードのしたにあるカードをすべててふだにくわえてーゲームがいから【混織誘黒旅団のFW列車砲】をばにだすよ!』
【
混織誘黒旅団のFW列車砲】
黒・青 コスト:8 無貌
A:6 B:6
このモンスターは【混織誘黒旅団のSWNo.6】の効果でしか場に出せない。
一ターンに一度、自分の手札を任意の枚数破棄して発動出来る。破棄した枚数だけ、カードをドロー出来る。
自分のカードが破棄される度に発動する、全ての相手プレイヤーに破棄した枚数×2のダメージを与える。
DR:混織誘黒旅団モンスター×2
奴の場で置物のようにずっと置かれていた黒馬車がその真の姿を表す。
黒光りするボディは見るからに頑丈そうな金属で造られ、巨体を四つのキャタピラで支え……その中でも特に目を引くのは背中に備え付けられている巨大な大砲。
操縦席らしき場所に腰掛けているのはドクロを模した仮面を被った男性──【Mr.K】だ。
【ハイランドーラ】……惹琴の"ギアスモンスター"がモチーフなら、その殺意は受け継いでいる筈だ、動かれる前に潰さねば。
『どーだ!かっこいいでしょー!!』
「スペルカード【聖杯の奇跡:星雲招来】!!互いの場のモンスター全てを破棄する!!」
『ねぇ、ちょっとでオチはひどくない!!?』
「やかましい!!何か使うのなら早くしろ!!」
『もー!ぼく、おにーさんきらい!!【這いよる混沌】のこーかで【列車砲】を【這いよる混沌】のしたに!!』
宣言と共に無数の黒い虫が【列車砲】を取り込み……【這いよる混沌】の左肩辺りに大砲を模したような突起が生まれる。
Aがこれで24、Bは25だが、【ベディヴィアⅧ】が少し削って今は23か……これ以上はステータスを上げられると、作戦が破綻するが……これ以上は上げられることは無いだろう。
空に開いた虚空へと繋がる大穴、ソレに【這いよる混沌】を除く全てのモンスターが吸い込まれる。
だが、その直後に【這いよる混沌】の肩の大砲に光が集まる。
『ぼくのカードがはきされるたびに【列車砲】のこーかですべてのあいてプレイヤーにはきされたまいすー×2のダメージをあたえるよ!【Mr.UNKNOWN】と【Miss.Z】がはきされたからー……ごーけい、4てん!!やっちゃえ!!!』
「出すのに手間が掛かるだけあって、酷いカードだな……神牙がそれ一枚で詰むぞ」
……削った手札もリカバリーされ、出来たのは【ガラハドⅩⅢ】と【永劫に留める】を仕込む位だったか。
少なくとも、次のプレイヤーである神牙に手番は回る。そうなれば……後は、神牙の引き次第か。
そして、集束された破壊の光が解き放たれ……私を飲み込んだ。
ジュン ライフ:4→0
プレイヤーチェンジ
皇導ジュン→神牙鬼丸