TCG販促アニメでどう足掻いても悪役ポジションの私が開き直って悪役RPを満喫するお話   作:木津 吉木

152 / 159
ラストバトルです
リアルバトルにしようかとも思いましたが、ユギトが瞬殺するので止めました


【Slave to the Story】

……正直、驚いたのは事実です。

四人がかりとはいえ、あの子たちが【誘黒神(ナイアルラト)】を使用した私を倒したのですから。

ラストアタックを受け、地面に大の字に寝転がったまま……湧き上がる衝動に従って、はしたなく大きな笑い声を上げてしまいました。

 

 

「は、白掟(ハクジョウ)様……?当たり所まずかったかな……?」

 

「もう一度叩くか……?今度は物理的に」

 

 

視界の端で、腕まくりをするジュンくんが見えたので大急ぎで体を起こします。

意味もなくぶたれるのは、流石に嫌ですからね。

 

 

「正気です!正気ですから、殴るのはダメですよ!……強くなりましたね、四人とも」

 

「私は良い所は無かったがな」

 

 

フンと鼻を鳴らすジュンくんですが、私はそうは思いません。

 

 

「ジュンくんが【唄うように繰り返して(リフレイン)】を切らせなければ【堕威卍鼔六堰終(タイマンコロッセオ)】を使用した際に、使われていたでしょう。そうすればあのターンでレイカ嬢は【這いよる混沌(ナイアルラト)】を倒すことができませんでした」

 

「む……」

 

「タクミくんも、一人で【誘黒神(ナイアルラト)】を引っ張り出したのはえらいですし、決め手となった【餓鬼道】の設置などのレイカ嬢のアシストをした鬼丸(オニマル)くん……そして、最後にきっちりと勝負を決めたレイカ嬢。全員が、きちんと仕事をこなしたのですよ。これは、貴方たち四人の勝利です」

 

 

そう締めくくれば、各々──タクミくんは意識を失ったままですが──どこか照れたように視線を逸らしたり、頬をかいたりと反応を示します。

その姿に目を細め……そして、この舞台を眺めていた客席の演出家に向き直ります。

 

 

「──こうして、私が元に戻ってめでたしめでたしですか?基青神」

 

「そうだな。まだエピローグは残っているがほぼほぼは終わりだな、誘黒神」

 

 

アヴァロニア氏と妲己(ダジ)妖娘(ヤォニャン)はおらず、ただ一人で腰掛けたままの彼に指先を向けます。

 

 

優義徒(ユギト)(さら)い、鬼丸(オニマル)くんの命を奪い、それで終わりと?随分とお粗末なハッピーエンドですね、【ストーリーテラー(・・・・・・・・)】」

 

 

基青神の眉が跳ねます。

気分を害したように、眉間に皺を寄せて先程よりも低い声で答えてきます。

 

 

「名を呼ぶ程に親しくはない筈だがなぁ誘黒神?お前が大事にしてた白の器は返してやったし、そこのデカブツは今は(・・)死んだままの方が後の都合がいい。目先じゃない、完璧な大円団を迎える為に今はこれが必要な伏線だ」

 

「人を散々、黒虫やらクソ虫やら言ってたお返しです。必要だから?だから、鬼丸(オニマル)くんの命を奪ったと……ふざけています?」

 

 

私の影の中、完全に掌握した【這いよる混沌(ナイアルラト)】の方の群れが少しづつ出ていき……この異界を飲み込み始める。

 

 

怒るな(・・・)、お前が怒るのは都合が悪い……クソ、物分りの悪さは昔のままだな。何故理解しないんだ、お前は。過程なんて(・・・・・)どうでもいい(・・・・・・)。最後に全てが丸く収まればいいだろう?お前も似たようなことを考え、そして失敗した。俺のこの考えを理解出来る筈だ、違うか?」

 

「違います」

 

 

影を大きく開き……レイカ嬢たち四人をこの異界から、無理矢理に脱出させます。

……正直、あの子たちを気に掛けながら振る舞える自信が無いのです。

 

 

私は誰の命も(・・・・・・)奪わない(・・・・)命さえ有るならば(・・・・・・・・)全ては取り戻せます(・・・・・・・・・)!貴方は取り戻せないモノを奪った、それで偉大なる童話作家?ハッピーエンド至上主義?笑わせないで下さいよ!!!」

 

「命が無事ならばそれでいい?犠牲無しに大円団を迎えられるものか!(とうと)いものを失う悲劇!未来に進ませる為に捧げられる犠牲!それらを乗り越えた先にこそ、世界が見惚れるような最高の終わりを迎えられる!!!」

 

 

机を両手で叩き、立ち上がる基青神。

そのすぐ近くに小さな懐中時計が浮かび上がり……砕ける。

 

 

「従え、従え、従え、従え!!この俺が書き記した最高の終わりを迎える為の筋書き(シナリオ)に!!」

 

「お断りですよ……大団円を大円団と誤用し続ける三流作家の三文芝居になんてねぇ!!」

 

 

間が開き……そして、私と彼は同じ結論に至ります。

 

 

 

「「ぶち殺す!!!!」」

 

 

 

互いにデッキを浮かべ、各々が一枚のカードを抜き放ちます。

 

 

約定(クレスト)カード【強壮なる使者(暗黒のファラオ)】を使用します!!」

 

約定(クレスト)カード【完全無欠のハッピーエンド(クルエルトゥルース)】を使う!!」

 

 

「「"ギアスファイト"レディセット!!!」」

 

 

 

ユギト 【闇をさまようもの】

VS

ストーリーテラー 【Slave to the Story】

 

 

 

「「スタートアップ!!!!」」

 

 

 

 

 




世界よ、俺の筋書き(シナリオ)はどうだ?
書き上げた全ての最後が大円団のハッピーエンドだ、素晴らしいだろう?
お前という箱庭の中でこれほどの物語が幾つも紡がれているんだ
とても浪漫()に溢れていると思わないか?

──フレーバーテキスト【基青神(ストーリーテラー)】より抜粋
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。