TCG販促アニメでどう足掻いても悪役ポジションの私が開き直って悪役RPを満喫するお話 作:木津 吉木
「──色々ありましたが、これでソコロワ嬢は無事に
「そしてお前は牢屋に逆戻り……で、ありますか。ユギト氏」
「まあ、
真っ白な壁と一枚のアクリル板。面会室で向かい合う私とソコロワ嬢の姿は、少し前に会った時と同じ状況です。
ソコロワ嬢に従っていた間の素行によって、拘束服については免除されました。
しかし、手足には枷を付けられて見た目よりもかなり重いソレは酷くて……手足を動かすのがすごく
「
「全員行方知れず……と言いたい所でありますが、
「前者は兎も角、後者は……え、まさか結構酷い目に合わせたのに反省の色無しです……?」
……いやまあ、あの娘の性格はちょっと交流(?)しただけですが、分かります。自分が最優先で、やりたいことだけをやるタイプです。
でも……彼女がそんなに
アヴァロニア氏の名前が無かったのは、彼は基青神の元に戻ったか……何となく、白っぽい気配をしていたので用が無ければ基青神が言う通りに、自身の住処に戻った可能性もあります。
「まあ、置いておきましょう。その
「……先ず、
「【
「IGP内部でも、その特異な状態について多様な意見が出ているであります……一番多い意見は、一度保護すべきというものであります」
「……ソレ、正確には解剖でもして研究したいが本音では?」
私の言葉にソコロワ嬢は答えず、唇を強く結んでいます……素直ですね、反応が。
根がまだ純粋な正義感に溢れているソコロワ嬢としては、そういう意見が自分が正義と信じている組織で多数派として出ているのが許せないのでしょう。
IGPの考えも分かります。
【
なら、後ろ盾の無い彼を狙うのが妥当でしょうね。
「ソコロワ嬢は、反対してくれているのでしょう?それだけで、十分ですよ」
「小官は…………?何の音でありま」
ソコロワ嬢が言葉を言い切る前に、面会室の壁が破壊されます。
蛇を模したデザインの列車、その先端が砂糖菓子でも砕くように建物を破壊していきます。
いきなりのことで、
「っ!!ユギト氏、こちらへ!!!」
「ユギトサマは渡さないデシ!!」
列車のドアが開き、ソコから二つの影が飛び出します。
咄嗟に何かのモンスターを呼び出そうとしたソコロワ嬢の腕を蹴り飛ばし、"ギアスディスク"を弾いたのはレイカ嬢。
私の元に素早く近づき、手枷と足枷をそれぞれ
「何故……」
「話は……後、です。逃げましょう、今は」
私の体を素早く抱き抱え、
カラフルですが列車内は座席しか存在しないシンプルな仕様です。
その一角で大量のカード類が山になっている異様な光景が広がっていて……頭を抱えている様子のジュンくんの姿もあります。
「えっと……どういう状況なのですかコレ」
「…………お前のデッキがどれか分からんから、保管庫のカードを全て持ってきた」
「持ってきたって、ソレ立派な窃盗ですよ!!?」
「仕方ないだろう!?時間が無かったんだ!!」
完全に開き直って吠えるジュンくん。
……このカードの山の中から、私のカードたちを発掘しろと?嘘でしょ……?
「ユギトサマー!!」
腰の辺りに軽い衝撃を感じ、振り返ればタクミくんがしがみついているのが見えます……やっぱり、タクミくんもいますよね。この列車、恐らくは【ハイランドーラ】でしょうし。
「取り敢えず……一から説明をして下さい」
「ボクサマは……ユギトサマをこの監獄から助けたいと思っただけデシ」
「俺は……」
「アタシは
「…………………ああ」
そして、最後の一人……ジュンくんに視線が集まります。
「
「各自の理由は分かりましたが、それでも……今からでも遅くは無いので、私を元の場所に返して下さい」
私を脱獄させるというのは……流石にやり過ぎです。
しかし、私のそんな願いを彼らは……困ったような顔をしながら拒否していきます。
「今から戻ってしまえば……監獄を壊したボクサマ、逮捕されちゃうデシなぁ」
「アタシなんて、何人もお
「盛大に窃盗してるしな、私」
「なら俺は……誘拐、か?」
「それは……」
私のせいだと押し付けてしまえば良いと言おうとした口元に人差し指が当てられます。
「だから、このままだとアタシらも捕まっちまうんで……一緒に逃げて下さい。
ニヤリと笑うレイカ嬢に……言おうとした言葉を飲み込み、代わりにため息を吐いてしまいます。
「……そんな悪い子にならせてしまったのは、私の責任ですよね」
「ああお前が悪い、責任を取れ。責任を取って…………また、私たちの主になってくれ
この中で一番、私のことを嫌っているであろうジュンくんにまでそう言われてしまったら……もう、逃げ場はありません。
「レイカ嬢」
「うっす」
「
「……はい」
「タクミくん」
「はいデシ!」
「……ジュンくん」
「ああ」
一人一人の名前を呼び、その姿を目に映して……いつものように、微笑みを浮かべます。
「悪い子は嫌いではありません。私が、この中でとびっきりの悪い子ですからね……後悔はありませんね?」
私の言葉への返答は、全員が一矢乱れずに跪く姿です。
全員の肩に触れ……そして、笑みを深めます。
「分かりました。それでは……これからも、よろしくお願いしますね」
これにて1.5部おしまいです
しばらく、閑話を流してから……シーズン2に突入です