TCG販促アニメでどう足掻いても悪役ポジションの私が開き直って悪役RPを満喫するお話 作:木津 吉木
「──以上八名が日本代表"ライジング・サン"のメンバーとなる」
「二十年前の世界大会……この俺、
無念そうに、中年──
「だが!今回の日本代表は違う……俺は感じている。お前らのポテンシャルは二十年前の俺らと同等……いや、それ以上かもしれない!」
俺の隣の
「さっきの決勝戦……
「それなら、アタシは辞退するわ」
「ほう……理由を聞こう?」
「アタシにとって、勝利が全て。引き分けなんて負けと同じよ。だから、負けたアタシはリーダーに相応しくない」
「
「良いぜ、お前とのファイトは久しぶりに燃える戦いだったんだ……何度だって、相手してやるよ。何なら、今からでもやるか?」
「良いわよ……今度こそ、魂の底まで凍てつかせてあげるわ」
一触即発。ずっと、歯ごたえの無い相手ばかりだった俺は今すぐにでも
もう数秒もすれば互いに"ギアスディスク"を構えそうなその時、俺と
「
「
俺の前には……記憶の中の桃色と同じ色の髪は短めに整えられ、どこか眠たそうに半開きな目の中で透明感のある深い緑色の瞳をとろんと蕩けさせたカソックを纏った青年──
「……久しぶりね、
「あぅぅ、ごめんだっぺ……
小学校の卒業と同時に、
積もる話もあるけれど……コホンと
「それじゃあ、代表チームのリーダーは
そう言って、リモコンで何かを操作する
「ちょうどいいタイミングだったな、アメリカ代表発表の記者会見だ。メンバー的に……やはり"エボニーマスクス"が代表になったか」
「"エボニーマスクス"?」
俺が聞く前に、
…………恥、かかなくて良かったぜ。
「T.M.インダストリーがスポンサーの【ドレッドギアス】チームだ。大会荒らしで有名でな、アメリカで行われた過去五年の賞金が出る類の大会において、その八割の優勝を
『──それでは、大会に向けて意気込みを一人づつお願い出来ますか?』
『ああ、構わない。先ずは私からだな………………
五年経っても絵本の王子様みたいな整った容姿は衰えず、寧ろより生き生きとした様子で先陣を切っているのは──
……凄まじい、言い掛かりに近い因縁をぶつけられている気がするのは気の所為か?
「
『騎士サマ言うに
「彼は
『えっと……では、気を取り直して一言コメントを……』
『………………』
『あの……?』
『…………がんばり、ます』
室内だというのに深々とフードを被っていて、長袖に加えて皮手袋まで付けて一切肌を露出させていないガタイの良い男が……心配になるくらいの間を開けてから、ようやく一言だけ喋る。
……声は聞いたことあるけど、どこだったか。
「あの不審者スタイルの彼は
『次はアタシだね。やるからには狙うは優勝!!全員ぶち抜いてやるよ!!』
レザー素材の無骨な衣装、さらにドクロの仮面を斜めに頭に被っている姿と快活に笑い、向けられているであろうカメラに向かって指をビシッと指している姿。
威圧感とどこか茶目っ気を感じさせる見た目のギャップは……ちょっと可愛いと思う。
『…………チッ』
『何舌打ちしてんだよ
『なんでも……ない』
「"エボニーマスクス"の紅一点、
どいつもこいつも強いのは分かるけども……俺が一番興味を持っているのは最後の一人、つまりは
『最後は私ですね……そうですね、一番対戦を楽しみにしているのは日本代表です。彼らとは……きっと、楽しい時間が過ごせると思います』
桃色の、一部の髪が白くなっている長髪は、三つ編みにされて肩の方から前に流さるている。人当たりのいい笑みを浮かべ、掛けられている昔よりもレンズのかなり薄い銀縁のメガネの向こう……血よりも赤い深紅の瞳と目が合う。
「……誘黒神、今はユギトと名乗っている"エボニーマスクス"のリーダーだ。IGPの収容施設からの脱獄、さらにその収容される理由となった五年前の全国大会における暴走により……今も、指名手配されている一番の危険人物だ」
……危険人物と言われて、カチンとは来たけども完全に否定は出来ない。
アイツのやってきたことは……客観的に見れば、悪事ばかりだからだ。
「
『でも……あるチームにだけは、楽しむよりも勝つ事を優先して望みたいですね』
大きなベルトみたいなチョーカーを片手で弄り、ユギトが静かな──まるで感情を抑えているかのような声色を出す。
『フランス代表、
真っ赤な、背筋を寒気が走るような気味の悪い色の瞳が画面越しに……真っ直ぐにここでは無いどこかを睨んでいるような気がした。
〜オマケの小噺〜
ユギト「では、これから活動する中でチーム名を決めないといけませんが……案がある方はいますか?」
レイカ「"
タクミ「どこの暴走族の名前デシか!!?」
ジュン「"
タクミ「個人名出すなよ!!」
ユギト「えー……"私と愉快な仲間たち"」
タクミ「愉快なのは分かるけれど、流石にその名前は締まらないデシよユギトサマ!」
レイカ「否定ばっかしてアンタは何か案は無いのかいタクミ!!」
ジュン「そうだそうだ!貴様も何か案を出せ!即座に却下してくれる!!」
タクミ「……"仮面軍団"?」
ジュン「付けるが流石にどストレート過ぎるわ!!」
レイカ「軍団って、五人しかいねぇじゃん!!」
──その後、黒に関連する言葉を入れたいという意見に纏まり、辞書を各自で眺めて"エボニーマスクス"に決まったという