TCG販促アニメでどう足掻いても悪役ポジションの私が開き直って悪役RPを満喫するお話   作:木津 吉木

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タイトル出オチです



デッキ破壊使いを逆にデッキ破壊してみた件

「アーティファクトが……発動した、ので【地獄道】に……衰退カウンターを、乗せて、ターン……終了」

 

「アタシのターン」

 

 

(おぞ)ましい空気が戦場に満ちて、アタシの場の【蒼氷雪(アイスタルーシアン)()妖精(スプライト)】たちが発動している【畜生道】の効果によって、消え去っていくのをただ無言で見るしかない。

場の衰退カウンターの合計は5、でも次のターンには実質6。アタシが手札から発動(・・・・・・)出来るスペルとモンスターのコストは+6に加え、アタシの場のモンスターのA(アタック)B(バイタル)は6減る……モンスターとスペルは完全に封殺された……ように見えるでしょうね。

でも……

 

 

「何も出来ない?節穴かしらその目は……完全封鎖(ロック)(うた)うのならば、歯抜け演奏にも程があるわね」

 

 

そのままカウンターブーストを掛け……終演に向けて、カードを切る。

 

 

水兎(ミト) 第二ターン

ライフ:10

手札:5 ターンカウンター:3

残りデッキ枚数:41

 

 

「ターンカウンターが、増えたので……【ベニテングタケ】の、効果で……相手の、デッキの上の……カードを一枚、破棄し……カードが破棄された、ので【餓鬼道】に衰退カウンターを……乗せる」

 

「どうぞご自由に……手札の【蒼氷雪(アイスタルーシアン)罪悪を量る君主(レディジャスティス)】の効果を発動するわ」

 

 

蒼氷雪(アイスタルーシアン)罪悪を量る君主(レディジャスティス)

青 コスト:3 妖精・氷

A:2 B:2

 

氷壁:一ターンに一度、プレイヤーまたは自分モンスターがダメージを受ける時に、任意の枚数だけ自分のデッキのカードを上から破棄する事で、その枚数分ダメージを減らす。

一ターンに一度、手札からこのモンスターを破棄して発動することが出来る。手札を二枚まで破棄し、破棄した枚数分カードを引く。

墓地に存在するこのモンスターを山札の一番下に戻し、発動出来る。相手の場のカード一枚の効果を無効にする。

 

 

発動宣言と同時に、アタシの場に氷で作られた天秤が現れる。その片皿に手札を二枚乗せれば、釣り合いを取るためにデッキから二枚のカードがもう片方の皿へと乗ってアタシの手札へと加わる。

 

 

「手札を二枚まで破棄し、破棄した枚数だけデッキからカードを引くわ。アタシが破棄する枚数は二枚、よって二枚ドローよ」

 

 

ドローよりも手札を捨てる方が今のアタシには重要。

捨て去った二枚のカード、それこそがこの"ギアスファイト"の勝利の鍵。

 

 

「今捨てた【蒼氷雪(アイスタルーシアン)()慟哭妖精(ネヴァン=バンシー)】と【蒼氷雪(アイスタルーシアン)()巨大妖精(ニャルモット=イエティ)】の効果発動よ」

 

 

蒼氷雪(アイスタルーシアン)()慟哭妖精(ネヴァン=バンシー)

青 コスト:2 妖精・雪

A:1 B:2

 

このモンスターが破棄された時に発動出来る。このモンスターを場に出し、デッキの上のカードを一枚破棄し、そのターン中このカード名のモンスターは戦闘でダメージを受けず、カード効果では場を離れなくなる。

 

蒼氷雪(アイスタルーシアン)()巨大妖精(ニャルモット=イエティ)

青 コスト:4 妖精・氷

A:3 B:1

 

墓地にこのモンスターが存在する時に、自分のカードが破棄された時に発動出来る。ランダムな相手の手札またはデッキの上のカードを一枚、破棄する。

 

 

「【慟哭妖精(ネヴァン=バンシー)】は破棄された時に、アタシのデッキの上のカードを破棄して場に出すことが出来るわ。そして【巨大妖精(ニャルモット=イエティ)】はこの子が墓地にある時にアタシのカードが破棄された時、相手の手札またはデッキの上のカードを一枚破棄する」

 

 

白い毛むくじゃらの巨人──【巨大妖精(ニャルモット=イエティ)】の手にちょこんと座っているのは、顔が見えないように前髪を垂らした長身の女性型妖精──【慟哭妖精(ネヴァン=バンシー)

そっと【巨大妖精(ニャルモット=イエティ)】が地面近くにまで手を降ろし、彼女が降りやすいようにしてやれば……恥ずかしがりながらも【慟哭妖精(ネヴァン=バンシー)】は彼(?)に小さく頭を下げ、場に降り立つ。

 

 

「先ずは手札を破棄させてもらうわ」

 

 

恥ずかしがり屋の妖精を降ろした【巨大妖精(ニャルモット=イエティ)】の次の仕事は……雪玉を投げること。

彼の基準で小さめ──一抱えもある雪の塊が神牙(ジンガ)さんへと投げつけられ……彼の手札が一枚吹き飛ばされる。

破棄されたのは……【天狗の奥の手】スペルを無効にするカード。

残りの手札は【無限増殖ーグリーンハザードー】の効果によって引かれたアーティファクトが確定している。

つまりは妨害は無い……彼の詰みが確定したわ。

 

 

「【慟哭妖精(ネヴァン=バンシー)】はこの効果で場に出たターン、戦闘ではダメージを受けなくなってカード効果では(・・・・・・・)場を離れなくなるわ」

 

「…………(破棄された時に再度場に出る代わりに耐性が付く効果か。便利だが、A(アタック)は実質0だから場に出ても…………あ)」

 

 

彼の表情が歪む。

流石に、自分の使うカードの裁定くらいは把握している筈よねぇ……でも、もう遅いわ。

 

 

「そう、B(バイタル)が0になることによる破棄はルールによる強制効果。【慟哭妖精(ネヴァン=バンシー)】の耐性を突破して、この子を再度破棄させる」

 

「だが、山札を……破棄して、そのモンスターは……場に、戻る」

 

「ええ、【慟哭妖精(ネヴァン=バンシー)】自身の破棄と場に出す為のコストによる破棄で二回【巨大妖精(ニャルモット=イエティ)】の効果を誘発してね」

 

 

こちらが一枚捨てる間に向こうは二枚の山札を失う……デッキの枚数は今はそこまででは無いから、このループを続ければ先に山札が無くなるのは向こう。

 

 

「デッキ破壊使い、自分のデッキが逆に破壊されるのはどういう気分かしら?」

 

「…………趣味が、悪いな」

 

 

 

神牙(ジンガ)鬼丸(オニマル) DeckLess

 

 

五月雨(サミダレ)水兎(ミト) WIN

 

 

 

ーーーーー

 

 

これは(へこ)む。穴があったら入りたい。

 

 

「アレは、向こうとある意味噛み合わせが良かったことによる交通事故ですよ……」

 

「しゃあねぇよアレは。お前のあのロックは普通なら決まってたよ。向こうが普通じゃなかったんだ」

 

 

ユギト(リーダー)駆魔(カルマ)が慰めてくれるが……本当に面目ない。デッキ破壊使いが逆にデッキ破壊されるってどういうことだ。しかも、ロック決めた返しにそのロックを利用された無限ループでだ。恥ずかしい。人前にしばらく出られない。本当に何やってんだ俺……一勝取れたとぬか喜びしてた俺、バカだ。そうです、俺バカです。すんません。一人だけ、既に二敗してます。生まれ変わったら苔になりたい……」

 

「めちゃくちゃ心の声漏れてるデシ、オニサマ」

 

「言ってやるな……武士の情けだ。騎士だが」

 

「………………すんません」

 

 

……ステージから降りた俺はフードを再度被り、手札に残った最後の札──【無限湖の繁殖(グラーキ)】に目を落とす。

万が一の為のリカバリーとして残していたが、意味は無かった。

もし、コイツが相手のモンスター効果を無効にする効果を持っていたら……いや、墓地までは対象外だ。それに【蒼氷雪(アイスタルーシアン)罪悪を量る君主(レディジャスティス)】には場のカード一枚の効果を無効にする効果がある……完敗だな。

次の対戦は……駆魔(カルマ)米原(マイバラ)さんか。

ウチのチームのジンクスとして……俺が負けた後の駆魔(カルマ)は、めちゃくちゃ強い。ワンターンキルを何故か量産している。だから……米原(マイバラ)さんとのデッキ相性的にも、駆魔(カルマ)が勝つだろう。

 

 

「…………」

 

 

胸の奥で、何かが(よど)むのを感じた。

五年前に、俺を助けてくれた駆魔(カルマ)。喧嘩でも、俺より強い駆魔(カルマ)

…………違うだろう?(ねた)ましいんじゃない、俺はただ彼女に守られるような現状が嫌なだけだ。

 

 

「……強く、なりたいな」

 

 

手の中の【無限湖の繁殖(グラーキ)】、そのイラストにノイズが掛かったように見えたが……気のせいだろう。

 

 

 

 




水兎(ミト)ちゃんは、このシーズン中全キャラクターで補正抜きの"ギアスファイト"の強さは五本の指に入っています。止めるなら主人公かラスボス連れて来ないとダメです
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