TCG販促アニメでどう足掻いても悪役ポジションの私が開き直って悪役RPを満喫するお話   作:木津 吉木

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第二章、鏡

「──鏡花(キョウカ)ぁ!!!」

 

 

ラ・リィアー島の外れにある、誰も住んでない屋敷……かつての住民の趣味だろうか、洋風建築のそこは島の南国の雰囲気とは合っておらず、人が住んでないのもあってどちらかと言うと暗く重たい雰囲気を放っていた。

 

 

──時は遡る。

 

 

日本代表の予選最終戦、本来なら俺と恐馬(キョウマ)の奴が出る筈だった。

だが、恐馬(キョウマ)の妹の鏡花(キョウカ)が……ホテルの中で何者かに攫われた。

残された手紙には俺と恐馬(キョウマ)の奴が名指しで指名され、島の外れにある屋敷まで来るようにと指示が出されていた。

他の奴が来てもダメ、どちらか片方しか来なくてもダメ、日本代表の面々以外に知らせてもダメ……素直に指示に従うしか無かった。

 

 

「すまん……俺は、鏡花(キョウカ)のことを優先したい。だから」

 

「いいよー僕も米原(マイバラ)ちゃんもデッキの調整してたから、代わりに出られるからねー」

 

「そうだっぺ!わたすたちの方は大丈夫だから、鏡花(キョウカ)ちゃんのこと、早く助けに行ってあげるっぺな!」

 

「…………恩に着る」

 

 

少し離れた所にいる水兎(ミト)が、俺に視線を向けてくる。

 

 

「アンタがいなくても、アタシがしっかり倒してやるわ……だから、アンタは前だけ向いてなさい」

 

「……おう、そっちは任せるぜ副(・)リーダー」

 

 

『勝手に変な役に任命しないでもらえる?』と絶対零度の視線を向けてくる水兎(ミト)に苦笑で応え、俺と恐馬(キョウマ)はホテルを飛び出した。

 

 

─────

 

屋敷に入ってすぐのホールに、恐馬(キョウマ)の叫びが木霊(こだま)する。

鶏を模した着ぐるみの頭部だけを被った異様な男、その男の膝の上に頭を乗せて目を閉じているのは……鏡花(キョウカ)だ。

 

 

「えぇ……もう来たピヨかー、来るの早くなーい?空気読めよこの野郎」

 

 

どこかで聞いたような……着ぐるみのせいでくぐもっているその声の持ち主の正体は俺には分からない。

でも、恐馬(キョウマ)には心当たりがあったみたいだ。

 

 

「貴様、【不死鳥(フェニックス)】!?」

 

「知り合いか……?」

 

「恐怖連合(ダークアライアンス)の幹部で……俺の家族の仇(かたき)だ」

 

 

あんなふざけた格好の奴が恐怖連合(ダークアライアンス)の幹部というのにも驚くけども……それよりも、家族の仇(かたき)という部分によって、一気にあの鶏頭への警戒心が強くなる。

 

 

「そうピヨ!ピヨちゃんこそが、泣く子も黙る恐怖連合(ダークアライアンス)の大幹部様ピヨー!」

 

「あの振る舞いに油断するな……奴は、強い」

 

 

ケラケラと笑い声を上げる【不死鳥(フェニックス)】とかいう奴は、眠る鏡花(キョウカ)のことを大切そうに抱き抱え、立ち上がる。

 

 

「鏡花(キョウカ)から離れろ!!そして、返せ!!」

 

「うっせぇなぁ……可愛い可愛い鏡花(キョウカ)ちゃんが起きちゃうじゃあないピヨか。あんなうるさいお兄さん嫌ピヨよなー?ねー鏡花(キョウカ)ちゃん♡」

 

 

クチバシの辺りが、鏡花(キョウカ)の頬へと近づいていき……

 

 

「俺の妹に汚ねぇ面(つら)を近づけるな、クソ鶏(とり)ぃ!!!」

 

 

恐馬(キョウマ)の怒りに呼応したのか、一部だけ具現化した腐った巨大な鳥の翼が【不死鳥(フェニックス)】に襲い掛かる。

同じくらいの大きさの鳥の翼が、その一撃を受け止めるが……大きく後ろへと弾かれる。

 

「あっぶね!?流石にソレ出すのは禁じ手だろうが!!ピヨちゃんの頭より間違いなく汚ねぇだろうがそっちの方が!!」

 

「うるさい、死ね!!!」

 

「あ゛あ゛!?久しぶりにトサカに来たぜ……よし、新人!!お前はあっち相手にしてろ、私はアイツを潰してくる」

 

空いてる手で指を鳴らし、それを合図に奥の扉が開く。ゆっくりと歩み出てくるのは……ウサギの着ぐるみの頭だけを被った奴だ。

……恐怖連合(ダークアライアンス)って、こういう奴らばかりなのか?

 

 

「恐馬(キョウマ)、俺の相手はあのウサギみたいだ……そっちは大丈夫か?」

 

「俺だって、この五年で鍛えてきたんだ……それに、鏡花(キョウカ)をあの鶏頭の手から取り戻さなければならない。必ず勝つ」

 

 

真っ直ぐに【不死鳥(フェニックス)】を見据える恐馬(キョウマ)……相対する奴の方は、名残惜しげに鏡花(キョウカ)を何処からか出してきた鳥の羽の山の中へと寝かせている。

 

 

「俺の相手は、アンタか」

 

「…………」

 

 

ウサギ頭の奴は何も言わない、ふらふらと頭部が揺れていて……その足取りも不確かで、酷く不安定に見える。

"ギアスディスク"を起動すれば、対戦相手の名前が表示される……テラって言うのか。

 

 

 

「「「"ギアスファイト"レディセット!!!」」」

 

 

 

炎柳(エンリュウ)百火(ヒャッカ) 【緋の炎と淵の禍】

VS

テラ 【Slave to the Sun】

 

 

黒鉄(クロガネ) 恐馬(キョウマ) 【血濡れた英雄譚】

VS

■■(■■■■) ■■(■■■■)【憤怒に狂う黒翼】

 

 

 

「「「スタートアップ!!!」」」

 

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