TCG販促アニメでどう足掻いても悪役ポジションの私が開き直って悪役RPを満喫するお話   作:木津 吉木

176 / 184
第二章、悲嘆

俺の背後に立つ"ギアスモンスター"は【龍騎炎熱(ドランバーニング)救世主ゴウエン】……新たな力を得た相棒が、傷だらけのイカつい顔をくしゃりと歪めてこちらに笑顔を見せてくる。

 

 

『今回の相手はアイツか?』

 

「そうだ、変な見た目だけど……油断はしない」

 

『それでいいぜ百火(ヒャッカ)……アレは、ヤベェ奴だ』

 

 

大剣を構え、前を見据える【ゴウエン】

向こうの"ギアスモンスター"は……巨大な銀色の懐中時計が浮かんでいる。レジーナみたいな感じで変形でもするのか……?

 

 

「先行は俺だな、俺のターン!ドロー!!」

 

 

百火(ヒャッカ) 第一ターン

ライフ:10

手札:6 ターンカウンター:1

 

 

「【烈火ネズミ】をサモン!さらにアーティファクト【竜神殿ージャッジメント・Dー】を発動してターン終了」

 

 

【竜神殿ージャッジメント・Dー】

赤 コスト:1 炎・アーティファクト

 

自分の場のモンスターが破棄される度に、このアーティファクトにC(コントラクト)カウンターを乗せる。

このアーティファクトを破棄して発動出来る。このアーティファクトに乗っていたC(コントラクト)カウンターの数以下のコストの赤のカード一枚をデッキから手札に加える。

 

 

背中が燃えている赤い毛皮のネズミ【烈火ネズミ】が場に出ると同時に、辺りの景色が変わる。

薄暗く、熱気を帯びた室内の隅をよく見れば赤く燃えたぎる溶岩が流れている。古めかしい和風の調度品が並び、一際目立つ一段高く造られた祭壇の上には竜の爪のような形が特徴的な紋章の入った鏡が飾られている。

 

 

「……俺のターン、カウンターブースト」

 

 

テラ 第一ターン

ライフ:10

手札:5 ターンカウンター:2

 

 

初めて聞いたテラの声は低く掠(かす)れていて、妙に覇気(はき)がなかった。

そして、そのままゆっくりとした手つきで、二枚のカードを手札から繰り出してくる。

 

 

「アーティファクト【物語の奴隷】【悲嘆の物語】を設置」

 

 

【悲嘆の物語】

青 コスト:1 物語・アーティファクト

 

一ターンに一度、自分のデッキの一番下のカードを破棄して発動出来る。自分のデッキの一番上のカードを確認し、手札に加えても良い。加えた場合、自分の手札のカードを一枚、デッキの一番上に置く。

 

 

テラの手元に出てくるのは二冊の本、青い表紙の本と赤黒い何かで汚れた本には触れず、奴の展開が続く。

 

 

「スペルカード【魔女の手引書】を発動」

 

 

【魔女の手引書】

青 コスト:2 スペル

 

このスペルはデッキに二枚までしか入れることは出来ない。

デッキの上からカードを二枚引き、その後自分の手札を一枚デッキの一番下に置く。

 

 

「カードを二枚引き……手札を一枚、デッキの下へ送る。そして【悲嘆の物語】の効果発動。デッキの一番下のカードを破棄し、デッキの上を確認する。そして、デッキの上のカードを手札に加え……手札を一枚、デッキの一番上に置く」

 

「手札交換の連発か、初手が悪かったのか?」

 

「デッキから破棄されたことで【残り火の少女】の効果を発動する。このモンスターを場に出す」

 

 

バスケットを手に下げ、ボロボロの服を着た、足が燃えている茶髪の女の子が場へ出てくる。

彼女はチラリとテラの方を見て、悲しそうにしながらも……唇を噛み締めながらこちらを睨みつけてくる。

デッキからの破棄がキーのカード……初見の相手だが、中々楽しめそうな相手だ。

 

 

「【残り火の少女】の効果発動。このカード自身の効果で場に出た際に、墓地のカードを一枚手札に加える。【魔女の手引書】を回収。さらに【物語の奴隷】の効果発動、デッキの上から五枚を確認し、その中から種族:物語のカードを一枚選び、破棄する。その後、残りのカードはデッキに戻し、シャッフルする」

 

 

デッキの上のカードを展開し、少し動きが止まるテラ。

そして、一枚のカードを選んで墓地へと落とす。

 

 

「【七人の一人】を破棄する。デッキから破棄された時に効果発動。【七人の一人】を場へ出し、その効果でデッキより【午前三時(ブルーアワー)の(・)時計塔(クロックタワー)】を発動する」

 

 

二足歩行する白い子ヤギが、おどおどした様子で場に出てくる。そのまま小さく鳴き声を上げると……大きな時計塔が地面から生えてきて、その背後に子ヤギが隠れてしまう。

 

 

「【午前三時(ブルーアワー)の(・)時計塔(クロックタワー)】の効果発動、カードを一枚引く……アタックフェイズ」

 

 

長かったテラの動きがようやく止まる……その指示によって、子ヤギが半ベソをかきながら【烈火ネズミ】へと走ってきた。

 

 

「【七人の一人】で【烈火ネズミ】を攻撃」

 

「【烈火ネズミ】はバトルする時に、デッキから火または炎カードを一枚選択して破棄する!俺は【龍騎炎熱(ドランバーニング)墓守りのエンジュ】を破棄する。さらに、俺の場のモンスターが破棄されたので【ジャッジメント・D】にC(コントラクト)カウンターを一つ乗せるぜ」

 

 

わちゃわちゃと小さなネズミと子ヤギの追いかけっこが始まり、そのまま二匹はどこかへと走り去っていった。

 

 

「【残り火の少女】で相手プレイヤーを攻撃」

 

 

【残り火の少女】が自身の持つバスケットの中からマッチを取り出すと、それに火をつけてこっちに投げつけてくる。小さな種火が不思議な程に大きな火の玉となって俺にぶつかった……が、熱は感じられない。予想に反して、実体化はしてなかったみたいだ。

 

 

百火(ヒャッカ) ライフ:10→8

 

 

「これで俺のターンは終了する」

 

 

淡々とプレイをして来るテラ……恐怖連合(ダークアライアンス)みたいな悪党なら、実体化してリアルダメージで攻めてくると思っていた。

…………アイツ、本当に恐怖連合(ダークアライアンス)の一員なのか?

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。