煩わしい歓声が遠のく。
スポットライトが照らす戦舞台の上で……優義徒が私を待っている。
二勝二敗、チームの勝敗が決まる最後の大一番でもあるが……そんなものは私にはどうでもいい。
「優義徒!!お前との久方ぶりの"ギアスファイト"をこの大舞台で行える……滾る、滾るぞ!!ククク……アーッハハハハハハハ!!!!!」
「唯純ちゃん、ハッスルしてるねーお顔が大惨事だけどねー」
優義徒に指摘され、上がりきった口角を手で下げつつ滲む唾液を拭う。
いかんな……楽しみ過ぎて、感情が抑えきれん。
「(いつも通りキモイな、唯純ちゃん)じゃ、早く始めよー」
「ああ!!始めよう、この最高の時間を!!!!」
「「"ギアスファイト"レディセット!!」」
白掟 優義徒 【黄風祀る後星】
VS
皇導 ジュン 【純なるを蝕む不変】
「「スタートアップ!!」」
「じゃあ、ぼくのターン。ドロー」
優義徒 第一ターン
ライフ:10
手札:6 ターンカウンター:1
俺の背後には【アーサーI】、そして優義徒の背後には黄色の布で全身を隠したモンスターが立つ。
「アーティファクト【星間宇宙要塞アルデバラン】を発動するよー」
【星間宇宙要塞アルデバラン】
黒・白 コスト:1 アーティファクト・星魔
自分のターンに一度、自分の手札のモンスターをこのアーティファクトの下に置く。
相手のターンに一度、このアーティファクトの下にあるモンスターをサモン出来る。
優義徒が発動したアーティファクトが場に展開される。辺り一帯が擬似的な宇宙空間へと変わり、さらにその背後に球状の巨大な機械が浮かぶ。
「ぼくの友達たちのお家へようこそ!【星化生の幼生】をサモンするよ」
【
星化生の
幼生】
黒・白 コスト:1 星魔
A:1 B:1
このモンスターが場に出た時、デッキから【星間宇宙要塞アルデバラン】を手札に加えることが出来る。自分の場に【星間宇宙要塞アルデバラン】が存在するならば、代わりに星化生モンスターを手札に加えることが出来る。
気味の悪い鳴き声と共に、白い粘液に濡れた芋虫のようなモンスターが這い出る。
……アイツのデッキ、全く知らない物になっているな。
「【星化生の幼生】が場に出た時に、ぼくの場に【星間宇宙要塞アルデバラン】が有るならばデッキから【星化生】モンスターを手札に加えるよ。ぼくは【星化生の幼生】を手札に加えて……【アルデバラン】の効果を使って、今加えた【星化生の幼生】を【アルデバラン】の下へ置くよ」
「ほう……」
ユギトの使っていた【No.6】と似た効果か……置ける種類は決まっているが、自分で選べる分まだこちらの方が使いやすそうだが……どんな効果かまだ分からんな。
「これでターン終了するね」
「私のターンだな!ドロー!!」
ジュン 第一ターン
ライフ:10
手札:6 ターンカウンター:1
「アーティファクト【騎士は消して引かず】を発動!!さらに【黒曜騎士ガレスⅩI】をサモン!!」
「この瞬間【アルデバラン】のもう一つの効果を使うよ!このアーティファクトの下のモンスターをサモンする!!おいで【星化生の幼生】!!」
「私のターンにサモンだと!!?」
【ガレスⅩI】が場に出たと同時に二体目の芋虫モンスターが現れる……嫌そうな顔をするな、私も流石にあの大きさの虫は生理的に無理だ。
だがあのモンスターが場に出たということは……またサーチが来るか。
「【星化生の幼生】が場に出たので、デッキから【星化生の標虫】を手札に加えるよ」
「面白い……行くぞ!!【ガレスⅩI】で優義徒に攻撃!!」
「【星化生の幼生】で防衛するよ」
【ガレスⅩI】が突き出した槍に、芋虫が優義徒の盾になるように飛び出してそのまま貫かれる。
飛び散った粘液に嫌そうに顔を顰める【ガレスⅩI】の気持ちは分かる……分かるが、耐えてくれすまん。
「これでターン終了だ」