TCG販促アニメでどう足掻いても悪役ポジションの私が開き直って悪役RPを満喫するお話 作:木津 吉木
──日本代表が宿泊しているホテルの一室はひたすらに重い空気が満ちていた。
俺と
「…………悪い、俺たちがいれば」
「
少なくとも俺が残っていれば、そうすればこの試合に勝ってそのまま決勝トーナメントに進めたかもしれない。
その後悔を口にしようとした瞬間、
「
「そんな訳ないだろう!!?」
「なら、アンタが口にするべきなのは謝罪じゃなくて感謝よ」
「……いいよ、最後に勝てなかった
むすっとした表情のまま外を見ていた
「痛ってぇ!?」
「でもさぁ、もう少し早く帰って来れないの
「八つ当たりで連打すんなよ!!痛い!!」
ムギャー!!と喚きながら俺の額を突きまくる
「
「するな馬鹿」
「むー……ていうか、妹ちゃんが
「その……朝に起きてから、身支度を整えていたら……お
何かが引っ掛かるような、そんな違和感を感じたけれど……分からない。
俺が首を傾げている間にも、会話は続いていく。
「その時に連れ去られたと……再三聞くが、どこか違和感は無いか
「無いのだわ!!」
「なら良いが……少しでも変に感じたら直ぐに言うんだぞ」
「はーい!!」
「……そんなに大事な妹ちゃんなら、鍵掛けた部屋に閉じ込めたら?」
「それも一つの手か……」
「お外に出て、お
「なら、やめておこう」
「ねぇ、私の知人たちみんな頭のネジ外れてない?もしかして、私だけ常識が違うの?」
「いや……今回は
「今回"は"!?」
収拾がつかなくなってきた状況を、ほんわかとした声がおずおずと変えに来る。
「あのー……
「え?ああ!」
あの鶏頭は直ぐに姿を消したけれども、俺とファイトをしていたウサギ頭の奴は気を失った状態で放置されていた。あのまま置いておくのもなんか気分が悪いからと連れて来てそのままだった。
「
「なんでそんなの連れ帰ってるのよ、バカ!!」
「しゃーねぇだろ!?気絶してるし、放置しとくのもなんか悪いじゃん!!」
「と、取り敢えず……息苦しそうなこの被り物は取るっぺな!!」
そう言って、
寝ているテラは中身が……
ーーーーー
懐の電子端末の一つが着信音を響かせる。
試合には負けたが、まだ最後のチャンスが残っていることを日本代表の子供たちに伝えようと廊下を歩いていた矢先だ。
振動するソレを手に取れば、表向きに使っているモノとは別の電子端末だと直ぐに分かった。
「俺だ……ああ、お前か」
「仕方ないだろう、誘黒神のチームは強い……善戦した方だよ、彼らは」
「……大丈夫だ、アイツが
通話を切ってから、深く息を吐き終え……背後の気配に向けて殺気を飛ばす。
「誰だ」
「廊下で電話とはマナーが悪いな……
振り返ると同時に、舌打ちをしたくなる衝動を抑える。
まさか、アイツらと同じホテル取ってたなんてな。
「急な電話だったんだ、仕方ないだろう……
「好きに呼べ……」
眉間に深く刻まれた
「なら、昔みたいに
「…………通りがかっただけだ」
昔のアイツなら、これぐらいの
丸くなったなぁ……
「なら、俺はもう行かせてもらう」
「待て」
「なんだよ」
「……
「アイツが
「お前は、アイツの友人で……元チームメイトだろう」
「二十年前の話だろ……今のアイツの居場所なんて知らないな」
肩を
「……変わったな。昔のお前は、仁義に厚い男だった筈だ」
「変わったのはお前もだろ、忍耐強くなったな……あの放火魔が」
「……色々、あったんだ」
「俺の方も色々あったな」
沈黙が降り、
「時間を取らせたな」
「ほんとだわ、可愛いチームの子供たちが待っているからな……ああ、そうだ。お前に言いたいことが一個あるな」
そこに、ニンマリと笑みを浮かべながら……ちょっとしたからかいを投げつけてやる。
「息子さんが公開プロポーズを受けたことに対して、コメントをどうぞ?」
「燃やすぞ貴様」
……コイツあんまり変わってないわ、やっぱり。