TCG販促アニメでどう足掻いても悪役ポジションの私が開き直って悪役RPを満喫するお話   作:木津 吉木

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第三章 輪廻再誕

『さあ、決勝トーナメントの前に前哨戦!!日本代表"ライジング・サン"とインド代表"ラクシャーサ"にとっては泣いても笑っても最後のチャンス!!この"ギアスファイト"で勝った方が、決勝トーナメントへと足を踏み入れる!!でもねー、これ予定には無かった奴だから巻きで頼むよー巻きでー』

 

 

開幕の式の時に司会をしていた方が今回の司会のようで、微妙に軽薄な言い回しにイラッとします……当事者たちにとっては何がなんでもという機会なのに、それを巻きでだなんて。

 

 

「無粋な方ですね」

 

「あの司会の野郎ムカつくっすよねぇー……あのお面ごとぶん殴ってやろうか」

 

「流石にそれはマズイデシよ、ドクロサマ」

 

「良いですね、許可しましょう」

 

「するな!!」

 

 

べしっと私の頭を叩くジュンくんに、恨めしげに視線を向けてしまいます。

 

 

「痛いですよ、叩かないで下さい」

 

「駆魔(カルマ)が本気にするだろうが……お前、今日は機嫌が悪いな。どうした?」

 

「別に……ちょっと、そういう日なだけです」

 

「生理か?」

 

「殴りますよ」

 

「リーダー、皇導(オウドウ)さん……落ち着いて、下さい」

 

 

私とジュンくんの間に割って入る鬼丸(オニマル)くん……ダメですね、今日は。妙に気が立ってしまいます。

みんなから視線を外し、観客席から舞台の上へと視線を戻します。

どこか緊張した面持ちの米原(マイバラ)嬢と対峙するのは……インド代表のリーダーの方ですね。

 

 

「フム?読ミ間違エタミタイネ。マア、ヨクアルコトヨクアルコト、プランヲチョット変エタラ対応出来ルヨロシ!」

 

「……よろしく、お願いします」

 

『さあ、勝利をその手に掴むのは緑の戦術の基本!ターンカウンター増加戦術を極めた米原(マイバラ)翠子(ミドリコ)か、はたまた変幻自在の戦術造形師(プランナー)ヴィヴェーク・シャルマか!!』

 

 

「「"ギアスファイト"レディセット!!」」

 

 

ーーーーー

 

米子(コメコ)のファイトを舞台裏で俺たちは応援するしか出来ない。

形勢は……悪い。

残りのメンバー、恐馬(キョウマ)と白掟(ハクジョウ)のどちらもキーとなるカードが分かりやすい上に、どちらかと言うとビートダウン型だ。

だから、相手の展開を阻害するカードやハンデスカードが向こうには大量に積まれていて……結果的に、それが米子(コメコ)のデッキにも刺さっている。

 

 

「マズイな……アレでは米原(マイバラ)の得意な展開に持っていけない」

 

「ハンデスに加えて、モンスター同士の戦いの拒否……キッツキツだねー。私だとお手上げだよ、米原(マイバラ)ちゃんじゃ、無理ゲーじゃなーい?」

 

「米子(コメコ)を信じろ、チームメイトだろ!!」

 

 

恐馬(キョウマ)と白掟(ハクジョウ)に噛み付く俺に、反対側からまだ耳慣れない声が響く。

 

 

『ハッ、無理だな。状況をよく見ろ、あのぽちゃ娘が勝つのは無理だ。さっさと帰る準備をした方がいいぞガキンチョ共!!』

 

 

嫌そうに水兎(ミト)が抱えているのはウサギの着ぐるみの頭部。声はそこから響いている……あのテラとかいう奴、よく調べたらあの体はマネキンだった。

昨日、米子(コメコ)が頭部を取った時から流暢に喋り始めた頭部の方がテラの本体だったみたいだ。

多分、モンスターなのだろうけれども本人(?)は自分のことをよく覚えていない。

取り敢えずの処置として、俺たちが持ち回りで持つことになったけれど……うるさいし、微妙にかさばる。

 

 

「あーもう、うるさい!!大人しくしてなさい!!」

 

『やめ、振るな!?世界が回る!!?ギャアアアアア!!!!???』

 

 

遂に、水兎(ミト)が立ち上がり、全力でテラを上下に振り始め……暫くして、水兎(ミト)が座った時には完全にテラは沈黙していた。

猛烈な勢いで視界が振られて揺れるんだ……自分が体験したらとなるとゾッとするぜ。

 

 

「……翠子(ミドリコ)さんは負けないわよ、馬鹿」

 

 

ぽつりと水兎(ミト)が呟いた言葉、その言葉に俺も頷いて……また舞台の上の米子(コメコ)に視線を向けた。

 

 

 

ーーーーー

 

 

「ハイ!コレデワタシノターンオワリネ!オ嬢サンノターン、ドゾ?」

 

「わたすのターン……」

 

 

盤面は悲惨。

向こうには沢山のモンスター、そしてコチラは空っぽに加えて手札も0……墓地に発動出来そうなカードも無いっぺ。

それに加えて……

 

 

「オット、ドローフェイズハ効果デスキップネ!ターンカウンター増ヤスノハ許シテアゲルヨ!」

 

「……カウンターブースト」

 

 

翠子(ミドリコ) 第三ターン

ライフ:2

手札:0 ターンカウンター:6

 

 

何も出来ない……"ギアスモンスター"の【タマモノマエ】をサモンしたとしても、彼女だけでは……

 

 

「わふっ」

 

「タマモノマエ(・・・・・・)……?でも、あなたを出しても……」

 

「わふっ!!」

 

 

自分を信じろという言葉……もう、やれることはこれぐらいしか無いのなら……やってしまうっぺな。

 

 

「…………誓約(コントラクト)サモン!!」

 

 

"ギアスモンスター"ゾーンに置かれた【タマモノマエ】のカード、ソレに触れた瞬間に閃光が迸(ほとばし)り……カードが(・・・・)書き換わる(・・・・・)。

 

 

「これが……あなたの新しい姿?」

 

「わふっ!」

 

「これなら……!!」

 

 

背後に立つ巨大な九つの尾を持つキツネ、それが影に呑み込まれ……真の姿を解き放つっぺ。

 

 

「終わりは始まり、全ては繋がりやがて一つの命の螺旋(らせん)に至る……」

 

 

それは……小さな黒い子犬。

胸元に三日月のような下向きの弧を描く白い毛の模様が特徴的な、ふわふわの小さな命。

 

 

「これでみんなずっと一緒だよ!!【永緑擬神(アバターオブグラトニー)輪廻】!!」

 

 

【永緑擬神(アバターオブグラトニー)輪廻】

緑 コスト:1 繁栄・衰退・悪魔

A:1 B:1

 

このモンスターが誓約(コントラクト)サモンされた時に発動する。自分の墓地に存在する全てのモンスターをこのモンスターの下に重ねる。

このモンスターの下にカードが存在する限り、このモンスターの効果は無効にされない。

このモンスターが場を離れる時に発動する、代わりにこのモンスターの下に置かれているモンスターを場に出す。

このモンスターが場を離れる時、代わりにギアスモンスターゾーンに戻す。

 

 

「(【永緑擬神(アバターオブグラトニー)輪廻】?【タマモノマエ】ではないモンスター……データに無い。なら、動かれる前に退場させよう!)モンスター効果発動ネ!【輪廻】ヲ手札二戻スヨ!」

 

「その前に効果だっぺ!【永緑擬神(アバターオブグラトニー)】は場に出た時に、わたすの墓地のモンスターを全てこのモンスターの下に置くっぺ!そして永緑擬神(アバターオブグラトニー)が場を離れる時、代わりにこのモンスターの下に置かれているモンスターを場に出すっぺ!」

 

 

ぞわりと背筋を寒気が襲うけども……ここは、あなたを使うしかない。

だから、どうか……許して【サンダユウ】

 

 

「豊穣の森の厄災、全てを喰らう悪食の邪神!!【豊穣(ハーベスティア)の(・)厄神(イビルゴッド)オオモリサマ】を場へ!!」

 

 

【豊穣(ハーベスティア)の(・)厄神(イビルゴッド)オオモリサマ】

緑 コスト:6 野獣・衰退

A:4 B:4

 

このモンスターが場に出た時、このモンスター以外の全てのモンスターを破棄する。

その後、破棄した数だけ自分はライフを回復する。

 

 

場に現れるのは巨大な岩の塊。

それが砕け、全身を夥(おびただ)しい量の毒々しい色合いのキノコに覆われた、豚頭の巨人が現れるっぺ。

その手が伸びた先にいるのは……モンスターたち。

 

 

「【豊穣(ハーベスティア)の(・)厄神(イビルゴッド)オオモリサマ】は場に出た時、このモンスター以外の全てのモンスターを破棄し、その数だけわたすのライフを回復させるっぺ!!」

 

「バウンスハモウ……っ!!」

 

 

むしゃりむしゃりと口に運ばれ、咀嚼(そしゃく)されていくモンスターたち。

その手からするりと抜けた犬さんの影が伸び、また新たなモンスターを呼び出す。

 

 

「【永緑擬神(アバターオブグラトニー)】の効果で【豊穣(ハーベスティア)の(・)古老狸(エンシェントラクーン)サンダユウ・ギョウブ】を出すっぺ!!」

 

 

【豊穣(ハーベスティア)の(・)古老狸(エンシェントラクーン)サンダユウ・ギョウブ】

緑 コスト:4 野獣・繁栄・偽神

A:2 B:4

 

一ターンに一度、自分の場のモンスターを一体選択する。ターン終了時までそのモンスターのコストより、現在の自分のターンカウンターが多いならばそのモンスターを超活性(オーバーブースト)状態にする。

このモンスターが存在する限り、超活性(オーバーブースト)状態のモンスターは相手のカードの効果では場を離れず、コストより超過している自分のターンカウンターの数だけそのモンスターのA(アタック)とB(バイタル)を増加させる。

 

 

大きな太鼓の音が響く。

仔狸(こだぬき)たちが二列に並びながら打ち鳴らす腹太鼓、その列の間を通るお神輿(みこし)に乗せられているのは……歳を取り、どこかやさぐれた雰囲気の大きなタヌキ【サンダユウ・ギョウブ】

 

 

「……【サンダユウ・ギョウブ】の効果発動だっぺ!【永緑擬神(アバターオブグラトニー)】を超活性(オーバーブースト)状態にするっぺ!!そして、超活性(オーバーブースト)状態の【永緑擬神(アバターオブグラトニー)】のステータスをそのコストをターンカウンターが超過してる分……5上昇させるっぺ!!」

 

 

【オオモリサマ】と併せてこれで10、終わりだっぺ!!

 

 

「アタックフェイズ!!【オオモリサマ】と【永緑擬神(アバターオブグラトニー)】で相手プレイヤーに攻撃!!」

 

「コンナ、コンナコトガ……!!?」

 

 

ヴィヴェーク ライフ:10→6→0

 

 

米原(マイバラ)翠子(ミドリコ) WIN

 

 

 

 




輪廻は普通にりんねと読みます、最後の神様(?)堂々登場です
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