TCG販促アニメでどう足掻いても悪役ポジションの私が開き直って悪役RPを満喫するお話 作:木津 吉木
では、混ざっていた状態から繋ぎが消えればどうなるのでしょうか?
ザーザーとシャワーヘッドから勢い良く出てくる熱湯を頭から被り続けながら、私は
「大丈夫……大丈夫……」
瞼を閉じれば思い返されるのは今日一日にぶつけられた感情……
どれもこれも
「大丈夫……」
『私らしくない』……私らしいとは何なのでしょうか?
言った本人であるオニマルくんが知る私は……
でもそれは……そのらしさは父に植え付けられた
「大丈…夫……」
言い聞かせるように何度も呟く言葉の意味が分からなくなってきた……
ぐるぐると思考が混ざり合いそうで混ざらなくて……分からない、分からない分からない。分からなくて、だから……
「
瞼を開き、浴室の鏡に向かって問いかける……鏡の中の私、桃色の長髪が濡れそぼっているルビーレッドの瞳の青年は答えます。
「私はユギトです」
「
「さあ?知りませんよ、私は」
「おしえてよ」
「知らない物は教えられません」
不毛な一人芝居……でも、ぐちゃぐちゃの
「
優しげなユギトの言葉に何も答えられない。
熱湯を浴び続けている筈なのに寒くて仕方ない……熱い筈なのに、体の震えが止まらない。
「やるべき事をやりなさい」
「わかってる……」
「ならば良いのです。やるべき事をするのに、自分が何者かなんて気にする必要がありますか?」
ニッコリと笑うユギトが
ドロリと思考が濁った気がした。
「明日です……明日には全て終わります」
「うまく、できるかな?」
「
もう一度、鏡の向こうのユギトを見た。
……変わらず微笑んでいる姿に安心して、
ーーーーー
『……ダメかもしれないなアレは』
元から
いくら中身がアレでも、人としての価値観がある中で過ごして来たのだから精神的におかしくなるのも不思議ではない。
自分のアイデンティティが崩されたような物なのだから。
『……明日一日持てばそれで良いが、流石に他の者達も勘づいてきているからな』
かなり察しの悪そうな暴走族使いの少女からも少し怪しまれていたし、天狗の青年は完全に疑っていた……騎士の方は縛っているから問題は無いが蛇の子は厄介そうだから何とかしたい。
『むー……悩ましい』
「何がですか【ルシフェリオン】」
いつの間にか出てきていた
服は着ているが髪は濡れたままで、間違いなくこのまま寝かせたら風邪を引くだろう。
『髪を拭いて来なかったのか?』
「ふふ、なんか疲れちゃいまして……貴方がいる気がしたので拭いてもらおうかなーと思いました」
ニッコリと笑ってくる様は子供のソレと同じで、髪を拭くようにと強請ってくる所がその印象をより強くしてくる。
『召喚者、良い大人なのだから自分でやりなさい。良い子の見本となれ見本と』
「誰も見てないし良いでしょう?今日だけ、今日だけですから」
体を寄せてくる
柔らかな髪質は
「明日……明日になれば、全て終わります」
『ああ、そして始まるのだ……万事、頼むぞ召喚者』
小さく頷いた
さて、消えるのは誰でしょうか?