TCG販促アニメでどう足掻いても悪役ポジションの私が開き直って悪役RPを満喫するお話 作:木津 吉木
宣言と共に誘黒神の影が不自然に伸びて大きく広がる。その影の中から立ち上がり、俺達を見下ろすのは真っ黒なナニカ。
子供が描いた黒一色の棒人間のような体は端の方が微妙に揺れ動き、手の先は何本もの触手になっている。
顔のある辺りにはぽっかりと凹んでいて、その中で真赤な光がゆらゆらと落ち着きなく動く。
カサカサという音は未だに止まない。場に出された【
「場に出た【
黒 コスト:10 神・使徒・虫
A:10 B:10
このモンスターは【
場に出たこのモンスターは"ギアスモンスター"として扱い、相手のカードの効果を受け付けない。
このモンスターが場に出た時、または攻撃宣言時に発動出来る。このモンスターに乗せられた
このモンスターの効果でカードを8枚以上取り除いた時に発動する。プレイヤーを一人選ぶ。そのプレイヤーはファイトに敗北する。
一ターンに一度、相手がカードを発動した時に発動出来る。その効果を無効にし、このモンスターに
このモンスターの
互いのターン開始時に自分の手札が0の時、このモンスターを破棄する。
このモンスターをコントロールするプレイヤーはカードをドローする事は出来ない。
このモンスターが場から離れた時、自身はファイトに敗北する。
ゆらりと【
「私はマイバラ嬢の墓地から【緑の繁栄】【翡翠氾濫】【豊穣の地鎮祭】【
「わ、わたすのカード達が……」
「くっ……(
「さらに、この効果でカードを八枚以上取り除いた場合、プレイヤー一人を選択して強制敗北させます」
「「「!!?」」」
さっき、
「
「もう遅いですよ、マイバラ嬢はここでリタイアしていただきましょう」
そして、耳を覆いたくなるような悲鳴が響き渡る。
「いやああああああああ!!!??来ないで、来ないでぇぇぇぇぇ!!!!!」
「
普段のあのおっとりした姿から想像も出来ない程の声は尋常ではない。
駆け寄って、触手の壁を剥がそうとしてもビクともしない。
「無駄ですよ。ただの子供に破れる程、私の
「うるせぇ!!」
何度も何度も殴っても、表面は硬いくせに妙にぶよぶよとした感触しか帰ってこない。剥がれる気配もない。
「はぁ……諦めが悪いのは美徳ではありますが、無駄ですよ」
ため息と共にパチンと指が鳴らされた。
それだけで俺たちが殴っていた触手の壁は細かい塵みたいになって消えていく。
閉じ込められていた
俺たちが駆け寄ろうとした瞬間に、ジャラジャラと金属同士が擦れ合う──鎖の音が鳴り、止めようと腕を伸ばしたけれども……間に合わなかった。
牢獄の奥から鎖が何本も飛び交う。器用に倒れている
「てめぇ、
「"ギアスファイト"が終わったらお返ししますよ。まあ、精神の方は帰ってくるかは分かりませんが」
仮面で表情は見えないけれども、その声色だけで笑っているのが分かる。
許せない
怒りで視界の端が赤く染まる。さっきまで感じていた【
アイツに殴りかかろうと距離を詰めた瞬間、
「
「……
酷く冷たい声だった。
見たことが無い様子だった……でも、
「…………分かった、俺の友達でもあり、お前の友達でもあるもんな
「ええ、
静かにデッキトップに手をかけ、
「
「ええ、構いませんよ。場のカードと墓地のカードはコントロールしているプレイヤーがいなくなったので消失しますが、まあほぼ空っぽでしたし構いませんね」
「上等よ。アタシのターン、ドロー」
水兎 第三ターン
ライフ:10
手札:9 ターンカウンター:4
「…………(【
「青のカードでは除去も一苦労ですね
、なにせ
「(また、ヒントを与えるみたいな言葉を言ってる……バカにしてるの?)バウンスが効かなくても、殴り倒せばいいのよ!!アーティファクト【
牢獄の中をいっぱいに埋め尽くすように雪山が生まれる。その雪山から氷の結晶が一つだけ零れ落ちる。
氷の結晶が膨れ上がると、それは雪のような白い肌を持った氷色の髪の女妖精──
「【ティターニア】の効果でカードを二枚ドロー!そして墓地から【
「良いカードは引けましたか?」
「
青 コスト:2 ユニオン・妖精
このユニオンは青の妖精モンスターにユナイト出来る。
このカードをユニオンしたモンスターの
【ティターニア】モンスターにユニオンされている場合、以下の効果を追加する。
・一ターンに一度、手札を任意の枚数捨てて発動する。捨てた枚数と相手モンスターのコストが等しくなるように相手の場のモンスターを選択し、そのコントロールを得る。
【ティターニア】の周りに幾つもの光の玉が浮かび上がる。その一つ一つを慈しむように撫でている様子はまさに子供を見守る母親の目だ。
「【
【ティターニア】が雪の結晶のような飾りが先端に付いた杖を振る。それにより巻き起こる吹雪は今までとは比べ物にならない程の規模になっていた。
氷の刃が混ざった吹雪が【
「確かに、その
「なら、これで倒して終わりよ!!」
「いいえ、終わりません。【
真っ白だった破片がまた黒く染まる。
【ティターニア】が目を見開き、再び凍りつかせようと杖を振るおうとするも間に合わない。
全身を黒い破片に覆い尽くされ、そのまま溶けるように消える。
「嘘でしょ……これで効果も受け付けないなら殆ど無敵じゃない……!?」
「手札が0の時には戦闘破壊されますよ、ほら残りは二枚です……ほら後三回、バトルで破壊したら良いのですよ」
両手を広げ、そう簡単そうに言うアイツに心底腹が立つ……
神様連中の中では一番温厚(?)なので
そのくせ、出したらほぼ勝ち確カードなのが酷い子です