TCG販促アニメでどう足掻いても悪役ポジションの私が開き直って悪役RPを満喫するお話 作:木津 吉木
青と白と黄……ほんの少し黒を添えて
『お前は本当に人の心が無い』
『人の心があるわけがない、余は神だ』
『基青神の言葉は比喩です、統白神……』
その空間はどこでもなく、どこにでもある……黒一色のそこには三つの存在が浮かんでいた。
手のひらサイズの電子端末
文字がビッシリと書き込まれた一枚の紙
ブリキで作られたおもちゃのロボット
取るに足らないソレらを化身に、三柱の神は言葉を交わしあっていた。
『比喩なぞ回りくどい、言いたい事があるならば率直に言え基青神』
『良いだろう、お前のおつむに分かるように言ってやる……言うにしてもあんな喧嘩を売るような言い方は無いだろう、敵を無闇に作るな馬鹿』
『誰が馬鹿だ、喧嘩売ってるのか貴様』
『売っているわ、脳筋め。元はお前の所のルシなんたらが世界中引っ掻き回しているのが悪いのだが?ウチの指揮官をよくも拉致したなこの野郎』
『売っているな?よし、表に出ろ。拳で決着を付けよう』
『出るか馬鹿め、俺は引きこもりだぞ』
『二柱共、調停がいるのならば
沈黙が降りる。
二柱ともに分かっているのだ、この融通の効かない最も若い神に調停を任せればこの軽い口喧嘩はより、複雑に……面倒になると。
そんな二柱の思考も露知らず、これもまた自分による調停の賜物だと満足げに頷く救黄神が本題へと入る。
『新しく誘黒神が作り上げたあの肉体……そなたの新しい器となりえませんか、統白神』
『無理だ。"サモンエナジー"で作り上げられた体は、余の神威に耐えきれん。どう足掻いても、仮初であるからな……やはり、この世界で満足に動くには
『そうですか……誘黒神が入っているあの肉体の代替品はどうなっていますか?』
『ブランの家が出した肉体に匹敵する者は無い……が資質は兎も角、肉体自体が脆弱過ぎる。アレでは余が使ったとしても、全く鍛えられん。つまらん』
『……つまらんとか言いながら、自分の右腕をやる程度にはあの娘の事気に入ってないか?』
『右腕をくれてやる代わりに、定期的に余が楽しめる強者を差し出してくるからな。そういう契約だ』
『お前もだけどあの娘も大分イッているな……これだから、白は頭がイカれているんだ』
『再戦の申し出か?よし、表に出ろ』
『だから、俺は引きこもりだから外に出んわ馬鹿』
電子端末から溜め息が漏れ、神達の会話はまだ続いていく。
『誘黒神め……アレが最後のひと暴れをした際に、緑の器候補が汚染されたのだろう?恐怖を知った為に、純粋無垢ではなくなってしまった……アレで影緑神の楔が無くなってしまった……どこ行ったんだあの馬鹿丸』
『占赤神が逝った為に、太陽の味が好みではなくなったと言ったのがアレを見た最後でしたね……確か、1007年と』
『やめろやめろ、正確な時間を言わんでいい。どうせ覚えんし』
『あのような弱き化生はどうでもいい。それよりも誘黒神と早く戦わせよ。貴様の手の内に奴はいるのだろう?』
『そなたと戦わせる為に監獄に入れたわけではありません。彼には罪を償ってもらわねばなりません……
『…………
『
鼻を鳴らすような音をたて、統白神が黙り込む。
ギチリと歯車が軋む嫌な音を立てながら、救黄神が基青神に視線を向けた。
『時間は稼ぎました、この五年の間に戦士達を鍛える脚本は書き上げられていますか?』
『俺の遅筆を舐めるなよ……不本意ながら、
『……一応聞きますが、誘黒神はその脚本に一切出番はありませんね?』
『…………………』
『基青神?』
『あ!!もうすぐ、アマンソンの荷物が届く時間だな!!空間を閉ざすぞ、時間通りに届く通販万歳だ!』
『待って下さい基青神。誘黒神には回復が必要なの分かっていますよね?
『はははは!!筆が乗ったのが悪い!!登場人物が勝手に動くのはよくある事だ!!それでは
強制的に二柱──救黄神と統白神が空間から排除され、残ったのは基青神ただ一柱である。
最古の神であるその童話作家は、誰もいなくなったその空間で独りごちる。
『仕方ないだろう。鍛えるにしても
電子端末から光が失せ、ボロボロと崩れ去る。
ここはどこにでもあり、どこにもない……誰かが頭の中で作り上げた空想の世界。
基青神が間借りをしていたその場所の奥深く、子ども部屋のようなインテリアが並んだその場所には宝物のように……何体もの人間を象ったぬいぐるみが飾られていた。
「なんだか変な夢を見ていた気がします……」
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年功序列的には青>赤=緑>白>黒>黄です。最年少が一番真面目です