TCG販促アニメでどう足掻いても悪役ポジションの私が開き直って悪役RPを満喫するお話 作:木津 吉木
序章、即ち代理戦争
「なんだか変な夢を見ていた気がします……」
妙な夢を見て、思わず独り言が出てしまいました。
視界いっぱいに入る白い壁は、見た目以上に頑強な作りです。さらに視線を動かせば、これまた頑丈そうな鉄格子が備え付けられており、その向こうでは刑務官の方が私の一挙手一投足に目を光らせています。
……監獄という良くイメージされる暗い感じよりは明るく、清潔な雰囲気ですが……独特の重苦しい空気にはなれそうもありません。
「ユギトさん、あなたに面会したい方がいますので来て下さい。拒否権はありません」
「私に面会ですか……ここに来てから初めてですね。分かりました、案内をお願いします」
そう言って、ベッドから体を降ろします。
両手を体に密着させるように、袖が縫い付けられた真っ白で頑丈な服……所謂、拘束着を着せられている私の事を警戒するように、刑務官の方が遠巻きに私を見ている姿が妙に面白くて……つい、笑ってしまいます。
「大丈夫ですよ、
ーーーーー
「来たでありますか誘黒し……どうしてそんな有り様に!?」
「もがもが……(意訳:ソコロワ嬢、お久しぶりです)」
軽いジョークを言ったつもりですが、向こうは本気に取ったようでした。
口枷を付けられ、喋る事も……顎を動かす事すら出来ません。
流石に、喋られないので口枷を外してもらいましたが……やはり、口は災いの元ですね。
「どうも、変な所見られちゃいましたね」
「お前が元から変なのは知ってるであります」
バッサリと切り捨てられるのは……流石にメンタルに来ます。ガクりと項垂れる私に対して、面会人──ソコロワ嬢が冷たい視線を向けてきます。
「変わったでありますな……寧ろ、そちらが本性でありますか誘黒神?」
「やるべき事が終わったので……今は気楽な余生を過ごしている最中なのですよ。働かなくても三食保証されているの素晴らしいですね!……半分は冗談です、笑ってください」
さらに視線の温度が下がりました。
「……小官に、救黄神から
「それはそれは……良ければ、内容を聞かせていただいても?」
組織に所属している者たちは、大なり小なりその神へと忠誠、或いは憧れを抱いている事が多いです。そんな一歩間違えば狂信者になりかねない人たちの中で、
救黄神が自ら創設したのが
「その為にここに来たのであります。『誘黒神と協力し、
「
「小官も存在を知ったのはつい最近なので仕方ないであります。
基青神……実際の姿を見た記憶はありませんが、何度か話した事があります。
酷く面倒くさがりで……でも、自作の童話を何度か送ってきてくれた事があります。
『子供が読んだ反応が見たい』という理由でしたが、贈り物をくれる方は中々少なかったので……当時の私はすごく嬉しかったです。童話の内容は……難しい言い回しが多くて読みづらかったですね。
「活動内容は……基青神からの
「ふむ……基青神の人柄は詳しくはありませんが、酷く面倒くさがりでインドアな方だったと思います。その
「神の考えている事は分からないであります……兎に角、
口元に手を当てようとして、自らが拘束されている事を思い出します。
一時釈放という事は、この拘束も解いてもらえると……思っていいはずです。そして、没収されたデッキも……
「良いですよ、でも一つ条件があります」
ニコリと微笑んでみせれば、胡散臭そうにソコロワ嬢が見てきます……ただ笑っているだけなんですけどねぇ。
今回のPTは出番の少なかった面子で行きたいです