ナギサはその事実が重くのしかかり日に日にやつれていく。
だがナギサは思いつく。
先生を奪ってしまえば...。
<ナギサ視点>
「先生が、ミカさんと結婚...?」
私はその言葉を聞いてから魂が抜けたように日々を過ごした。
ミカさんと先生が目の前に現れるたびに、私の体調は目に見えて悪くなっていった。
二人にはバレないよう気を付けてはいるものの、セイアさんにはバレているようだった。
セイア「ナギサ、今日は大丈夫かい?今日も彼女たちは来ると思うが、休んだほうが良いんじゃないか?」
「私は...大丈夫です。彼女たちに余計な心配事を増やすのは申し訳ないですから」
セイア「そうか...」
その日の夜、私はいつもの様に眠れずにいた。
あの日から4日、私は寝ようと瞼を下ろしても、あの光景が浮かんで吐き気を催してしまう。
「私は...酷いですね...。親友の幸せを心から願うことができないなんて...。」
そんな時、私はあることを思いついてしまった。
邪悪で今までの自分では思いつかないような事を、もしかしたら、疲れで頭がおかしくなってしまったのかもしれない。
「先生さえ手に入れれば...この苦痛から...」
「でもミカさんが...」
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<先生視点>
私は今日もティーパーティーへ足を運ぶ。
いつもと違うことは、ミカ、彼女が寝坊しているくらいだ。
コンコン
"失礼するよ、おはようナギサ、セイア"
セイア「...いらっしゃい、ミカはお休みかい?」
ナギサ「先生おはようございます。」
"ミカは寝坊かな"
私はいつもの様に席に座り紅茶を楽しむ。
セイア「おや、先生。その持ち方ではマナー違反だよ。」
ナギサ「私がお教えします。」
"あぁ、ありがとう"
彼女は私の横に来て私の手を動かし説明する。
すると、彼女は手を私の手に絡ませる。
"ちょ、ナギ..."
彼女の方に目を向けると、彼女は私へ艶やかな笑みを向けてきた。
"(ナギサがこんなこと...いや、私の気のせいだよな...)"
ナギサ「先生?聞いてますか?」
"ん?あぁごめんごめん..."
ミカ「せんせ~!お~っはよ!」
"ミカ、おはよう"
ミカ「あれ?ナギちゃん?先生に近くない?」
ナギサ「先生にマナーを少し教えていたところなんですよ。」
ミカ「ふ~ん」
ミカ「ま、いいけどね。ナギちゃんに先生を奪うような事はできないだろうし☆」
セイア「君達落ち着き給え、先生がいるんだぞ」
ミカ「フン!」
ナギサ「...はぁ」
"じゃ、今日はここらへんで帰るとするよ。今日もありがとね"
私はミカと共に退室した。
"あ、そういえば今日は大事な仕事があるから私はシャーレに戻るよ"
ミカ「先生?仕事と私、どっちが大事なの?」
"もちろんミカだけど、ミカを養うには仕事をしないといけないから"
ミカ「そっか、なら仕方ないね」
"ごめんね"
ミカ「ううん、いいの。私の為って聞いたら嬉しくなっちゃった。」
"はは、じゃあまた明日"
私たちは解散し、各々帰路につく。
...
......
.........
"仕事...多いな..."
ピロン
"ん?ミカかな...あれ?ナギサ?"
私はナギサの通知を見て今朝のことを思い出してしまう。
"いや...さすがに...無いか"
私はモモトークを開き内容を確認する。
ナギサ『先生、仕事中ですか?最近先生はどこか悩んでるように見えるので、ミカさんの幼馴染でもある私に悩みを打ち明けてみませんか?』
実際私は悩みを抱えていた。
そう、まさしくミカ関連のことだ。
結婚したというのはあるがそれ以前に私たちは先生と学生という立場には変わらない。
ミカはあの件から距離がさらに近くなった。
しかも、ミカと最近はずっと一緒にいたため、溜まったものを吐き出すこともできなかった。
正直、このミカと距離を置くことができたためこの仕事には感謝している。
"確かに、ナギサならいい解決策を提案してくれるかもな..."
先生『じゃあお願いしようかな...。明日ティーパーティーに行ったときによろしく頼むよ』
ナギサ『今、行きますね。先生は今どちらに?』
先生『え?そんなのナギサに悪いよ。』
ナギサ『ご心配なく、最近眠れないというのもあるので夜が退屈なのです。』
先生『...シャーレだよ。』
ナギサ『わかりました』
30分もしないうちに彼女はシャーレにやってきた。
コンコン
ナギサ「先生、入ってもよろしいでしょうか?」
"どうぞ"
ナギサ「失礼します。お疲れのようですね...。」
"久しぶりに徹夜になりそうだよ"
ナギサ「じゃあこちらのアロマを焚いてもよろしいですか?こちらはリラックス効果のあるものでして」
"助かるよ"
そうして彼女はロウソクに火をつける。
"不思議な香りだね"
ナギサ「最初は慣れないかもしれませんが」
ナギサ「先生、悩みって何でしょうか」
"...あの件からミカの距離感がまた近くなった気がするんだ。最近なんかはずっと一緒にいる気もするし"
ナギサ「なるほど、他には何かありませんか?」
"......。最近ミカとずっと一緒にいるからか..."
私は心の奥底に秘めておこうと思った物を吐き出していた。
アロマの不思議な匂いのせいかもしれない。心のリミッターが外れている気がした。
ナギサ「...ずっと一緒にいるから...た、溜まったものが吐き出せないと...。それに生徒と先生の関係であるからミカにはそういうことはできない...ですか」
ナギサ「では、わ、私とするというのはどうですか?」
"え?"
ナギサ「先生がミカさんとできないのは罪悪感から来るものでしょう。それならばその罪悪感を感じなければいいんです。」
ナギサ「ミカさんの幼馴染である、ましてや付き合ってもない私とすれば、罪悪感なんてなくなるのではないでしょうか?」
"...そう...だね"
私は思考が定まらない。
フワフワと曖昧な意識で返事をする。
ナギサ「話が早くて助かります」
彼女は今朝見せた色っぽい笑みを私に向けた...。
...
......
.........
ナギサ「先生の初めては...私ですね」
"う、うん..."
私は何をしてしまったんだ!
先生という生徒を導く立場でありながら!
ナギサ「これは二人だけの秘密にしましょう。」
...
......
.........
ミカ「先生!今日は一緒にいよ?」
"そうだね"
コンコン
"失礼するよ。"
ミカ「ナギちゃんセイアちゃんおはよ~!」
セイア「やぁ二人とも、今日は一緒に来たんだね」
ナギサ「おはようございます。先生、ミカさん。」
彼女は何もなかったかのように平然と挨拶をする。
気にしているのは私だけなのだろうか?
私はその日、昨日のことが頭に残り紅茶の味などさっぱり分からなかった。
なんならセイアに、
セイア「おや、先生、昨日マナーをナギサに教えてもらったんじゃないか?」
なんて言われてしまった。
セイア「む、そろそろ時間だね。ナギサと私は大事な用事があるからここらで失礼するよ。」
ミカ「ナギちゃんセイアちゃんいってらっしゃ~い」
"二人ともお疲れ様"
"じゃ、私たちも行こうか"
私たちは旧校舎の寮へ向かった。
"じゃあ私は少し仕事しようかな"
ミカ「着いて早々仕事するなんて先生は真面目過ぎじゃんね」
"ミカは休んでいてよ"
ミカ「私も手伝うよ!先生とイチャイチャしたいし☆」
私たちは仕事を進めた。
ミカ「やっと終わった~」
"もう夕方になっちゃったね..."
ミカ「私頑張ったよ!」
"ありがとうミカ"
そういい私はミカの頭を撫でる。
ミカ「ふふふ、あと結婚したんだし、羽のブラッシングもお願いしようかな」
"任せてよ"
私はミカとゆったりと幸せの時間を過ごした。
"そろそろ寝ようか"
ミカ「そうだね」
電気を消しベッドに横になる。
ミカはすぐ寝付いてしまったが、目を瞑れば私はナギサとの記憶が鮮明呼び出される。
"......。"
私はミカを起こさないようにトイレに行く。
廊下を歩いているとき、
ピロン
まさかと思い通知を見る。
そこにはナギサからのモモトーク。
恐る恐るモモトークを開きメッセージを見る。
ナギサ『先生、その、今からお会いしませんか?』
私は返信するか悩んだが、既読は付いてしまっている。
先生『いいよ、今どこ?』
ナギサ『私の2つ目のセーフハウスです』
"失礼するよ"
ナギサ「あ、先生...昨日はその、すみませんでした...。」
"いや、いいんだ。もう過ぎたことだししょうがないと思ってる。あと、その、私も忘れられなくて..."
ナギサ「...ふふふ」
ナギサ「では、私は紅茶を淹れてきますね」
"ありがとう"
私はナギサから紅茶を受け取る。
"その、今日は..."
ナギサ「先生、そもそも昨日のことは罪悪感を減らすという目的なのですよ。そのお願いはミカさんにでもしたらいいじゃないですか。」
"......。"
私はその日紅茶を飲み終わってすぐセーフハウスを後にした。
ナギサの言う通りだ。
昨日のことは罪悪感を減らすという目的のためだった。
だけど、この日を皮切りに私はこっそり抜け出しナギサによく会うようになっていった。
それに加え、行為もエスカレートしていった。
~数日後~
<ナギサ視点>
セイア「ナギサ、最近はなんだか元気そうだね。ミカの件の時は死んでしまうかと思ったよ」
「えぇ、おかげさまで。」
セイアさんにはあのことはバレていないようですね。
私と先生はあの件以降よく会うようになったが、本番までしたのはあの日だけだった。
あの日の、快楽、背徳感と罪悪感が混ざり合った不思議な感覚を私は忘れられずにいた。
その日の夜、先生からまた連絡が来る。
ナギサ『今日はあの場所です』
先生『わかった』
"ナギサ、今日は..."
「ふふふ、そんなものまで買って、どうしたんですか?」
"今日はしよう最後まで"
「いいんですか?ミカさんとはまだしていないのでしょう?今ならまだ引き返せますよ?」
"あの日が忘れられないんだ。ナギサ..."
「ふふ、先生、いいですよ」
その瞬間、私の何かが溢れそうになるほど幸せとはまた別の何かが満たされていく感じがした。
この日以降、私たちの距離感は周りから見ても少しだけ違和感を感じるくらいには縮まった。
ミカ「ナギちゃんなんか先生と近くない?」
「ふふふ、ミカさんの気のせいですよ?そうですよね?セイアさん、先生」
セイア「う~ん...。まぁ少し近いと思うが、ナギサの言う通りミカ、君が言うほど近いとは思わないが」
"う、うんミカの気にしすぎだと思うよ"
ミカ「先生まで!私たちは結婚してるんだよ!ナギちゃんは離れて!」
「すみません。ちょっと近すぎでしたかね。」
"まぁまぁミカも落ち着いて、ほら撫でてあげるから"
ミカさんは私へ得意げな表情を向ける。
私はそれがどこか滑稽に思えた。