だがある朝、先生の頭には羽が、その羽は幼いころから一緒にいた彼女の物だった。
<ミカ視点>
「ん~...あれ?先生?」
一緒に寝ていたはずの先生がいない。
「トイレなのかな...」
私は寝起きで重たい瞼をこすりながら起き上がる。
コッコッコッ
革靴の音が廊下に響く。
ガチャ
"あれ?ミカ、起こしちゃったかな?"
「ううん、ちょっとお手洗いに行きたくなっちゃって」
"そうなんだ"
私は彼の服をつまむ。
「...先生、廊下で待っててくれない?」
"いいよ"
今考えると凄く幼稚で恥ずかしいお願いだなと思ったが、先生が突然いなくなる、そんな気がして。
「先生、いる?」
"いるよ~"
...
......
「お待たせ、ごめんね?こんな我儘に先生を付き合わせちゃって」
"ミカのお願いなんだから、別に気にしてないよ"
先生は私の頭を髪を梳かすかのように優しく撫でる。
「ふふっ」
私は歩くペースを少し落とし先生に後ろから勢いよく抱きつく。
"うっ"
「...あれ?先生、ちょっと汗の匂いするよ?運動か何かしたの?」
"ま、まぁちょっと散歩にね"
「先生と一緒に行きたかったなぁ...」
"わざわざ起こすのも申し訳なくって...ごめんね"
「別に謝ってほしいわけじゃないよ?次からは誘ってね!」
私と先生は雑談しながら部屋に戻る。
"じゃあミカ、おやすみ"
「おやすみ、先生☆」
私はまた深い眠りにつく。
...
......
.........
"...カ...ミカ...ミカ起きる時間だよ"
先生の声がする...。
「ん~...もうちょっと...」
"ミカ、ちゃんと起きないと"
重たい瞼を開けると目の前には先生の姿。
「ふふふ...」
私は先生に抱きつく。
「幸せ...」
"はぁ...ミカは仕方ない子だなぁ"
先生の温もりを感じていると急に体が浮いたかのように浮遊感がした。
目をしっかりと開くと、目の前に先生の顔がある。
どうやら私はお姫様抱っこされているようだ。
"ほら、顔洗って!"
そんな幸せなひと時はすぐさま終わり、私は下ろされる。
「は~い...」
私は顔を洗い部屋に戻る。
"今日はフレンチトーストだよ"
最近は先生が料理を作ってくれる。
私は先生の目の前に座り手を合わせる。
"いただきます"
「いただきます」
そうして私たちは朝ご飯を食べる。
「おいしい!先生はやっぱり料理の才能があるね!」
"ありがとう、嬉しいよ"
そんな他愛のない話、でも私の憧れていた理想の日常。
「ふふっ」
"ミカ?どうしたの?"
「幸せだなぁって」
"ミカが幸せなら私も幸せだよ"
先生は私を見つめそう言った。
そんな先生の瞳が眩しくて、私は目を逸らして紅茶を飲む。
あっという間に完食し、私と先生は学校に行くための身支度を始める。
「先生、先生なら覗いてもいいんだよ☆」
"ミカは、お嫁さんとはいえ大事な生徒なんだから着替えを覗くなんてしないよ"
「ふ~ん」
「じゃあ先生、着替え終わったからいつもみたいにブラッシングお願いね☆」
"わかったよ"
「先生はやっぱり上手だね」
"はは、ありがとう。...はい終わったよ"
「先生ありがと☆」
私は翼を広げ鏡の前でくるくる回る。
「今日も完璧だね☆」
"じゃあそろそろ行こうか"
...
......
.........
「今日はナギちゃんとセイアちゃんをなんていじろうかな~」
"ほどほどにね"
私は大きな扉を開ける。
「ナギちゃんセイアちゃんお~はよ!」
「あれ?」
セイア「あぁ、君達か、おはよう。」
"おはよう、セイア。ナギサは、寝てるみたいだね"
「セイアちゃん何やってるの?」
セイア「見ての通り膝枕だよ。最近寝不足みたいだからね」
そういいセイアちゃんはナギちゃんの頭を撫でる。
「ふ~ん」
セイア「ミカ、君はまた悪いことを考えただろう」
「バレちゃった?☆」
セイア「君のにやけ面で大体想像がつくよ」
「それって悪口かな?」
"ミカ落ち着いて!"
「冗談だって~」
セイア「全く、君たちは相変わらず仲良しだな。いや、夫婦なのだから当たり前の話だったね」
セイア「君たちの来る時間は大体決まってるからすでに準備はしてあるよ」
"ありがとう"
「セイアちゃんにしては気が利くね!」
セイア「はぁ...君もナギサのように可愛げがあればね...」
「ナギちゃんのどこに可愛げがあるっていうのさ!」
セイア「おっと、こっちの話だ。気にしないでくれたまえ」
「いいもん!私も先生に膝枕してもらうもん!」
"ちょっと、ミカ"
「いいじゃん☆どうせすることなんてないんだし☆」
"ね、寝ちゃった..."
セイア「こんな状態で悪いが、真面目な話をさせてもらうよ」
...
......
.........
ナギサ「ミ~!カ~!さ~!ん~!?」
「わっ!ナギちゃんどうしたの」
ナギサ「ここで寝るなんて言語道断!しかも先生の膝枕なんて!」
「ナギちゃんだってセイアちゃんの膝の上で寝てたじゃんね☆それとも先生の膝枕が羨ましいの?」
ナギサ「う、羨ましいなんて...!そ、それにセイアさんの膝枕だって!」
セイア「コホン...そろそろやめていただこうか。先生が困っているだろう。それにナギサ、私もその、恥ずかしいのだが...。」
"ははは"
セイア「ふむ、もう良い時間だね。」
ナギサ「セイアさん大事な話は...」
セイア「あぁ、君とミカが寝ている間に済ませてしまったよ」
ナギサ「すみません...」
"じゃあ私たちはお暇させてもらうよ"
ナギサ「先生、お疲れさまでした」
セイア「また明日」
「セイアちゃんナギちゃんバイバ~イ」
今日も私たちは愛の巣(寮)へ戻る。
"私はご飯作るからミカはお風呂に入ってきて"
「は~い」
私は今日先生と交わした会話を鼻歌交じりに頭で反芻する。
「楽しかったなぁ...これからこんな幸せが毎日...」
私の頭は先生でいっぱいで蕩けていた。
「早く出ないとご飯が冷めちゃう!」
私は急いで全身洗い、お風呂を出る。
"ミカ、ちょうどできたところだよ"
「先生、じゃあ今日もよろしくね」
"はいはい"
私は今日も先生に髪を乾かしてもらう。
「先生めんどくさくない?」
"全然、むしろ頼ってくれて嬉しいよ"
「ありがと♪」
先生はどんなにめんどくさいお願いも嫌な顔一つせずやってくれる。
"今日は一段と上機嫌だね"
「ふふ、バレた?」
"いつも見てるからね"
...
......
「じゃあ、いたたきます」
"いただきます"
今日はカニクリームコロッケ?っていうものらしい
「私これ初めて食べるかも」
"そっか、ミカはお嬢様だったもんね。じゃあ揚げ物はあまり食べたことないのかな?"
「うん、あまり食べないかも」
"お口に合うといいな"
「先生」
私は口を開けて「食べさせて」と指でさす。
"ほら、あーん"
「あー...んむっ!」
「おいひい!」
私は口いっぱいにカニクリームコロッケを頬張る。
そのせいか、はみ出た中のクリームが口の端に付く。
先生はそんな私を見てクスクスと笑った。
「んもう!次は私の番!」
私は先生の口にカニクリームコロッケを詰め込む。
"んぐっ!"
「あはははっ!」
「先生の口の周り真っ白だよ!サンタさんみたいっあははは!」
"ミ、ミカ、危ないから"
...
......
.........
「ごちそうさまでした」
"ごちそうさまでした"
「お皿は私が洗うから、先生はお風呂に入って」
"ありがとう、お言葉に甘えさせてもらうよ"
「ふんふんふふ~ん」
お皿を洗っていると、
ピロン
先生の携帯に通知が来る。
「......。」
私は携帯を取り、通知を見てみる。
「ナギちゃん?」
そこにはナギちゃんからのモモトークが来ていた。
「......いや、私は先生を信じてるしね!」
携帯にはロックはかかっていなかったので私はモモトークを見てしまおうとも考えたが、そのようなことはしなかった。
「ロックをかけないってことは信用されてるってことじゃんね☆」
お皿を洗い終わり部屋のベッドで先生を待つ。
"お待たせ"
私は目を輝かせ先生をじっくりと見る。
お風呂上がりの先生はいつにも増してかっこいい。
「先生そういえば今日はお月様が真ん丸な日なんだよ」
"じゃあ見に行こうか"
...
......
.........
「わ~お...凄い綺麗だね...」
"そうだね"
私たちは月明かりの元ベンチに座り空を眺める。
......。
「先生...」
"ミカ?"
私は先生に顔を近づける。
「もう結婚したんだし、いいよね?」
ックシュン!
"風邪ひいちゃうよ!早く戻ろう!"
いい雰囲気を崩したのは私だった。
しょぼんとしながらお姫様抱っこで部屋まで運ばれる。
「先生、寒いからぎゅってして?」
"いいよ”
私は先生に後ろから抱きしめられその温もりで眠りに落ちる。
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<先生視点>
ミカはもう寝たかな?
私はミカから離れヘイローを確認する。
"寝ているっぽいね..."
私はモモトークを開きナギサに連絡をする。
先生『ミカが寝たから今行くよ』
ナギサ『お待ちしております』
...
......
.........
"ナギサ、失礼するよ"
ナギサ「お待ちしておりましたよ、先生」
彼女は艶やかな表情で私を向かい入れる。
ナギサ「先生、本当にミカさんは、んむっ!」
私は彼女を口付で黙らせる。
ナギサ「っはぁ...先生、今日は積極的ですね。ではこちらに」
彼女は私の腕を引き寝室へ連れていく。
ナギサ「先生、その...私にも膝枕をしてくれませんか?」
"羨ましかったんだね"
ナギサ「~~~っ!///」
"ごめんって"
ナギサは私の膝の上に頭をのせる。
ナギサ「落ち着きます...。」
私はナギサに目をやる。
よく見るとナギサはほぼ透けているような薄い生地の部屋着を着ていた。
ナギサ「......。先生♡」
彼女は起き上がり私にキスをする。
私はナギサを押し倒す。
ナギサ「先生...では...。っ!///」
それが始まると彼女は大きな翼で私を包み込む。
...
......
.........
"ハァ...ハァ...ナギサが寝てるうちに戻るか..."
彼女は疲れ切ったようでぐったりと寝ている。
私は急いでミカのもとへ戻った。
"まだ寝て...るね"
私はシャワーを浴びミカの隣で眠る。
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<ミカ視点>
「ん~...もう朝?」
寝返りを打つと目の前に先生の顔がある。
むにむにと先生のほっぺをいじくりまわすが先生はぐっすりと眠っている。
「今のうちに片づけちゃおうかな...」
私は干してある洗濯物を取り込み畳む。
そこに、
"ふぁ~ミカ、おはよう..."
頭をポリポリと掻く先生が歩いてくる。
「......。」
先生の頭には真っ白の羽が付いている。
「ねぇ先生。この羽って誰のかな?」
私は彼の頭に付いた羽を取り先生に聞く。
この羽には見覚えがある。
色、艶、軽さ、私の子供のころから付き合いのあるナギちゃん、彼女の物で間違いない。
"いや、それは昨夜ナギサの仕事を手伝ってて"
「嘘、ついてるでしょ?ねぇ先生、私ってそんなに魅力がないかな?」
"本当なんだって!"
私は彼の目を見つめる。
「......。わかった、先生を信じるね?」
"ありがとうミカ"
「きゃっ!」
私は先生に抱き締められる。
"私の一番はミカ、君だけだよ。信じてくれてありがとう..."
「いいよ、許してあげるね」
でもなんで頭に羽なんかついているんだろう...?
まぁ、いっか。
先生の一番は私なんだし。
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<ナギサ視点>
「はっ!」
ここは...私の寝室...ですね。
私は時間を確認して慌ててベッドから降りる。
だが、
ガクッ
足に力が入らない。
「先生...翌日には響かないようにとお願いしたはずなのですが...」
私は下腹部をさすり自然に歩けるまでゆっくりと支度を始めた。
「羽もブラッシングいたしませんと」
...
......
.........
「もうこんな時間に...」
時間は11時、しっかり遅刻していた。
ピロン
セイア『今日は随分と遅いようだが、体調は大丈夫かい?』
ナギサ「セイアさん、ご心配かけたようですみません。体調は大丈夫ですので、お気になさらず。』
セイア『?大丈夫なんだな?』
私は紅茶を飲み終え家から出る。
~12:00~
「すみません、遅れてしまいました...。」
セイア「大丈夫なのかい?」
ミカ「......。」
"ナギサおはよう、いや、こんにちはかな?"
「ミカさんも、こんにちは」
ミカ「ナギちゃん、ちょっと話そう?」
「いいですが...どうしましたか?」
セイア「あまり面倒ごとは起こさないでくれよ...」
ミカ「ナギちゃん?今朝先生の頭にナギちゃんの羽が付いていたんだけど、何してたの?」
「お仕事を手伝ってもらっていたんですよ。ホストにしか務まらない仕事を」
ミカ「ふ~ん、でも頭に羽が付いている理由にならないよね?」
「それは先生が疲れによるものか、倒れかけたのを羽で受け止めたのですよ。その時に付いたものと思われますが」
セイア「君達、喧嘩はやめないか。本当に...。」
セイア「それにミカ、付き合いの長い君ならわかっているだろう?ナギサがそのようなことをする人ではないと」
ミカ「......それは...そうだけど」
「ミカさん、誤解を与えるようなことになってしまったことは謝罪いたします。ですが、私にも仕事があるのです。」
ミカ「...ごめんね、ナギちゃん。疑って。」
「ミカさん...いいのですよ」
私は彼女を抱きしめる。
セイア「はぁ...和解したみたいでよかったよ...」
私は泣いているミカさんをなだめ、笑みが零れそうになるのを必死に堪えた。
シャワー浴びたのに頭に羽付いてるの意味わからないと思いますが、自分でもわかりません。
許して!