「部隊長、だと」
「あぁ、お前に任せたい」
至極真面目な表情で王子は言ってのける。この男は本気で、己に一部隊を任せると、そう言うのだろうか。適任だとは思えないが。
「まぁ、そう身構えるな。順を追って説明しようじゃないか」
そう言って、王子が今回の遠征の概要を説明し始める。
「先遣隊の人員については、後でリストを渡すつもりだが、大半はデーモンや竜人、ダークエルフによって構成されている」
いずれも王国の正規兵では無い。いわば傭兵団のような寄せ集めになる。つまりは瘴気に大して影響を受けない者達が中心の部隊という事だろう。
魔界の瘴気の問題は解決したが、それはあくまでもアイギスの神器を身につけた王子が居ることが条件である。本体より先んじて動く先遣隊は、本隊の到着までの間、瘴気の中で戦う事になる。それが故の人選だろう。魔界の土地勘に詳しい者達を集めるのもまた、道理ではあった。
「そういう事だ。加えて、お前には実績がある。魔界に迷い込み、その上で無事に帰還した人間という実績が」
魔界に行き、独力で物質界への帰還を果たした人間は現王国においては褪せ人しか居ない。王国の兵達にとってみれば、完全に未知の世界。成程確かに、己が先遣隊に配属されるというのも理解は出来る。
「魔界遠征の先遣隊として、瘴気の中でも戦力として十分であり、またデーモン達を従えるという説得力を持たせられる人物というのは、お前しか居ないわけだ」
王国民が幾ら大らかでお人好しな気質を持ち合わせているといっても、デーモンという存在に思うところが無い訳ではない。しかし、王都奪還の立役者として、また度重なる依頼の中で実績を積み重ねた褪せ人の配下であるという体裁があれば、話は変わってくる。
「心配するな、何もお前に全てをまとめあげろとは言わないさ。補佐として副長を付ける。お前は副長の意見を聞き、最終的な判断を下してくれれば良い」
実際のところ、王子はそれほど心配はしていなかった。こと戦場におけるこの男の判断は極めて合理的である。その結果として、必要とあれば己の身を顧みない傾向こそあるが、引き際を弁えていない訳ではないのだ。
「……良いだろう、話は分かった。それで、その副長とは誰だ」
王子の説明に理がある事を確認した褪せ人が、了承の意を示す。任された以上、顔合わせは必要だろう。そう考え、副長について問いかける。
「あぁ、それは——」
「——私です」
王子が答えようと口を開いたところで、執務室に何者かが入ってくる。それが誰かを認識し、褪せ人は王子の思惑を悟る。
「……そういう事か。このお人好しめ」
入ってきたのは、先の密林での戦いにおいて褪せ人と戦い、降将となった魔王軍の魔将、ハルモニアであった。
あれこれと理由を連ねていたが、結局のところ、この男はハルモニア達の立場を改善したいのだろう。当然ではあるが、現在の彼女の立場は決して良いものとは言えない。故にこの男は己の副長として先遣隊に彼女達を組込み、実績を作ろうと企んでいる。彼女を快く思わない者達からは、己が目付け役に居るという名目も立つ。
「色々彼女達と話をして、信頼出来ると判断した。魔将が副長につくのだ。不足は無いだろう?」
「今回の遠征、魔王軍も出てくる可能性は十分にある。かつての主君に弓引く事になる。その覚悟はあるか」
実力については、疑う余地もない。己より余程部下の扱いには長けるのだろう。しかし、気にすべきはそこではない。果たして、この悪魔がかつての同胞に槍を向けられるかどうか。そこだけは聞いておかねばならなかった。
「……信用頂けないのも無理は無いと思います。ですが、私は既に貴方達に命を救われた身。既に王子とも契約を交わしました。悪魔は契約を違えません。一本の槍として、王国の敵を撃滅する事を、誓います」
「ならば、良い」
その表情に、少なくとも嘘の意思は見えない。戦場においても、この魔将は職業軍人として己を定め、そのように振る舞っていた。故に、今の己がどれ程目を掛けられているのか分からない訳でも無いだろう。本人の意思が聞ければ、それで十分だった。
「意外にあっさり引き下がるんだな」
「雇い主が信用出来ると判断した以上、私が疑っても仕方ない。何か問題があると判断すれば、斬り捨てるだけだ」
王子が、王国がそう判断した以上、人員の配置に意を唱えるつもりは無かった。裏切りそのものには、ある意味で慣れているというのもある。崖から突き落とされる程度なら、許してやらなくもない。
「それで構いません。王国の方達は些か私達を信用し過ぎているきらいがありますので」
ハルモニアも褪せ人の言葉に当然の事であると頷く。
王子を筆頭に揃ってお人好しな王国軍にあって、寧ろ褪せ人のようなスタンスは彼女としてもありがたい事ではあった。褪せ人にしても副長として側に置くことを是としている以上、十分に甘いと思われるが、これはどちらかといえば善意というよりは無関心という意味合いが強いのだろう。
必要なのはその能力が足るかどうか。全体の不利益となるならば、それから斬り捨ててしまえば良い。軍人であり、裏切り者であると己を定めるハルモニアにとってみれば、そちらの方が居心地が良いと思えた。
「お前がそう言うなら、俺からもこれ以上何かを言うつもりもない。アンナから追ってリストは渡させるから、顔合わせくらいはしておけ」
「分かった」
王子もまた、褪せ人の言に何も言うことは無かった。恐らくは、斬り捨てるという事態にはならないだろうと確信しているが故に。彼の目が、彼女が裏切ることは無いと判断し、褪せ人もまた、早まった決断を下すような男ではないと知っているからだ。
王子からの言葉を聞き、褪せ人が執務室を後にする。部隊を率いる事になってしまったのは面倒事ではあったが、大きく事態が動く事そのものは歓迎できるものであった。
「……褪せ人を信頼しているのは確かだが、どうにも生き急ぐきらいがある。良く見ていてやってくれ」
「承知致しました。貴方の戦友を、守り抜く事を誓いましょう」
あの男の力を信頼していない訳ではない。寧ろ戦いにおいてはこれ以上なく信を置く者の一人ではある。それでも不安を拭えないのは、あの男の有り様のせいだろうか。
使命に邁進し、その為に生きるあの男が、その命を燃やし尽くしてしまうのではないかと、そればかりが気掛かりであった。
褪せ人は己に割り当てられた兵舎の一室で、アンナに手渡された部隊のリストを眺める。
名簿には、アブグルント、ラピス、そしてエスネア、トリシャといった見知ったデーモンと竜人の他、カラザ、リキュノス、シェイド等の面識の無い者達の名もある。カゴメの名も当然の如くあった。そんな異種族が入り混じる中二人の人間の名が、褪せ人の目に留まる。
——ソシエ、人間
備考:聖魔殺しの異名を持つ、対悪魔、天使との戦闘において強い特攻を持つ銃士であり、魔界の瘴気の下でも十分な戦力として見込める。また、本人の強い希望から先遣隊入りとする。
——問題は無いだろう。銃による援護射撃は確かに瘴気下においても影響は少ないと考えられる。デーモン、天使との戦闘がある事を考えれば、人間であってもごくごく妥当な人選であるとも言えた。
——リムリィ、人間
備考:先日王国領内にて魔物狩りと草刈りをしていた不審者。王国に来るまでの間、無職であり、かなりの金欠な様子から諸々の手当を目的に先遣隊入りを希望。
元処刑人、魔物との戦闘は豊富との事で実力は確かな事を確認済、面倒を見てやって欲しい。
——問題しか無いだろう。身元不確かな不審者を拾い上げ、あまつさえ魔界に放り込むのは中々に狂った人選である。実力は見てみないことには判断がつかないが、果たして瘴気の中、どれほど戦えるのか。面倒ごとなのは確かだった。
とはいえ、それ以外の人員に特段言うべき事は無い。我の強い者達が多いが、かえって連携など気にする必要が無い程度にはそれぞれ実力者揃いなのも助かった。やはり己が兵を指揮するなど、柄では無い。部隊長というのも体外的なポーズでしか無いのだろう。
いずれにせよ、やる事は変わらない。レヴィアタンの心臓を確保し、己の使命である魔王を滅ぼす。その道が続く限りは、歩みを止めるつもりなどありはしなかった。
——魔界遠征、当日。
かつて大いなる災厄と称された閉ざされぬ魔界の門、そこに王国軍が集結していた。
褪せ人率いる先遣隊もまた、結界に覆われた石碑を前に、出撃の時を待つ。
大悪魔と称される者、魔将、竜人に妖怪、元処刑人と錚々たる面子を率いた先遣隊の士気は高い。ある種禍々しいまでの気配を漂わせるその部隊は、共に戦う仲間であると分かっていても王国の兵士が気圧されるのも無理からぬものであった。
「誰も言わねェからアタシが言わせてもらうけどよォ……。アレが魔王軍だって言われても仕方ないんじゃねェか……?」
「それは……。まぁ、薄々は皆さん思ってるんでしょうけど……」
デステリカが薄々王国の面々が先遣隊に抱いていた感想を言葉にする。その言葉にアンナもまた、静かに同意を示した。先遣隊と称しているが、戦力としてはかなり高い。王子や軍師達も、威力偵察だけでなく、かなうならばそのまま叩き潰してしまうことを視野に入れていた。
その一団の先頭に立ち、常と変わらぬ態度で堂々とトレントに跨る鎧の偉丈夫。これ程頼もしいものも無いだろう。あの男は全く意図したものでは無いだろうが、王国軍の士気向上にはしっかりと貢献していた。
「結界を解くぞ」
バルバストラフの合図に従い、結界に隠された魔界の門が再び姿を現す。
「俺達もすぐに向かう。死ぬなよ」
「無論、使命を果たすまでは死ぬつもりは無い」
それ以上の言葉は不要だった。褪せ人率いる先遣隊が前に出る。そして、次々と魔界の門を潜り、魔界の地へと足を踏み入れるのであった。
「ねぇねぇ、これから一緒に戦うんだし、自己紹介くらいはした方が良くない?」
魔界に降り立ち、ハルモニアとルートを確認、ひとまずの目的地が定まったところで、ダークエルフのシェイドが口を開いた。
「そんなものが必要か?」
「えぇ〜、絶対いるっしょ!仲良くなって損は無いんだしさ!」
ラピスが煩わしそうに眉根を寄せる。しかし、シェイドは退かなかった。いくら個人主義の強い部隊であるからと言って、背中を預ける以上は、互いの事は知っておきたい。ごく当然の事ではあった。
「じゃあ、アタシからね〜。アタシはシェイド。ダークエルフだから、同族との交渉は任せてね。というか、今回アタシはそれがメインなんで」
ダークエルフのシェイド、彼女の今回の遠征における役割は大きい。魔界出身のダークエルフであり、女王とも面識のある彼女はこの作戦においてダークエルフ達とコンタクトを取る上で最重要とも言える人物であった。
「あ、後アタシ結構強い剣士なんで、近接戦闘は任せてくれてもいいよ」
「ほう、それは是非とも手合わせ願いたいな」
剣士としても優れた技量を持つという彼女の言葉に、一人の竜人が反応を示す。
「また今度ね〜。貴方は?」
「うむ、私の名はリキュノス。見ての通り竜人だ」
蒼竜のリキュノス、蒼い髪に竜の翼、そして鱗を持つ彼女が口を開いた。
「武者修行の旅の最中に王国に立ち寄ってな……。しばらく籍を置かせて貰うこととなった。この国は猛者が多くて退屈しないな!」
実に楽しいとばかりにリキュノスは笑う。一族の中でも突出した実力の彼女と渡り合える者など、集落の中には居なかった。それがどうだ、王国では渡り合えるどころか、王子を筆頭に己を遠慮なくぶっ飛ばす相手さえ数多く居る。故に、武者修行の旅はひとまず終え、王国の地で武技を磨くこととしたのだ。
「では、次は私が。カラザです。よく王国の方々に間違えられるのですが、そこのリキュノスさんとは別の一族出身です。よろしくお願いします」
氷竜魔術士、カラザ。彼女もまた、竜人の一人であり氷竜と呼ばれる竜族の出身であった。元々は、表に出てくる事を嫌う一族ではあったが、昨今の情勢からそうも言ってられなくなった。魔術の力を世のために振るうべく、彼女は王国へとやってきた。
「強いドラゴンが、すごい魔法を使う。強くてすごいカラザをよろしくお願いします」
「ふむ、同じ竜族の魔術士。仲良く出来そうだね」
「わぁ、上位互換」
得意げに胸を張り、自己紹介をするカラザに、トリシャが声を掛ける。同じ竜人、同じ魔術士。仲良くできると踏んでの事だったが、相手はそう思わなかったようだ。
竜族の魔術士として見た時、あくまでカラザ視点であるが、トリシャは己よりも非常に優れた魔術士である。殲滅力も、破壊力も、トリシャの振るうそれは抜きん出ているとしかいえなかった。
魔術の力を世のために振るう。それそのものは嘘ではない。だが、一族を飛び出して王国に来たのは、ひとえに承認欲求がためだった。
折角、引き篭もって研鑽した魔法。凄い、かっこいい、そう言われてみたいと勇んで来た王国では、彼女は井の中の蛙であった。
「キレ散らかしそうです。キャラも被ってますし」
「被ってないよ〜」
「ギリギリ胸は勝ってるようですが……」
「ふむ、もしかして喧嘩を売られているのかな?」
どうにも脱線気味になりつつある自己紹介に、ハルモニアが軌道修正するべきかと考える。
「いけませんいけません、折角同じ部隊の仲間です。仲良く致しませんと」
ハルモニアが口を開く前に、大鎌を持った女が仲裁に入った。この部隊に置いて、数少ない人間のうち、その一人。
「リムリィと申します。先日不審者として王国にしょっぴかれ、そのまま王国軍の仲間入りを果たしました。よろしくお願いします」
「おかしくない……?」
ごく短い挨拶に、盛大に突っ込みどころを用意するリムリィに思わずといったようにシェイドが声を上げる。突っ込むべきは彼女自身か、或いはそれを登用した王国か。
「特技は魔物と草を刈る事。趣味は野草を探して食べる事です。魔界の野草、どんな味がするのでしょうね?」
どこか空虚で掴みどころの無い雰囲気を漂わせ、リムリィは自己紹介を終える。デーモンと竜人の中にあって、異様な存在感を放っていた。
「……ソシエ、銃士、よろしく」
小さな身体に不釣り合いな長銃を構えた少女が、言葉少なに自己紹介をする。褪せ人の想定よりも遥かに幼かった。それでも、この面々に埋もれる事のない、堂々たる態度ではある。
「それだけか?」
「それだけ。……皆みたいに変な事は言えない、ごめんなさい」
「気にするな!……ん?私は別に変な事は言って無いよな!?普通の自己紹介だったよな!?」
短い自己紹介に口を開いたリキュノスが、ソシエの思わぬ言葉に焦ったように周囲を見渡す。特段、変な事は言っていないが、周囲の面々は無言だった。
「何か言って欲しいんだが!!」
その後も自己紹介は続く。アブグルント、ラピス、トリシャとカゴメが名乗る。
「エスネアだよっ!つよつよ人間の下につくのはちょっと嫌だったけどぉ、頑張るからよろしくねっ」
「ハルモニアです。故あって降将の身ながら、この隊の副長に任ぜられました。思うところもあるかと思いますが、よろしくお願いします」
かつての魔王軍所属の二人が名乗りを上げる。かつて敵軍であった二人の自己紹介に、しかし先遣隊の面々は好意的であった。
「うむ、別にかつての敵が共に並び立つ事など、戦争ではそう珍しくもない。共に戦う以上、貴殿らは仲間だ」
「その通りですその通りです。私よりは余程真っ当な理由で部隊入りされてますし、気にすることではありませんよ」
「自覚はあるんですね……」
不審者が部隊入りしているのだ。これより下の理由は無いだろう。
「——ところで今、『頑張る』と、そう言いましたね!?」
「えっ、う、うん。頑張るよ!」
「素晴らしい!アタシの前でその言葉を口にした以上、最早貴方に逃げ道はありません!無限に頑張りましょう!」
「えぇっ!?」
妖怪の前で、軽々しく頑張ると言ってはならない。新参者のエスネアは知らなかったのだろう。
頑張ると口にすると、どこからともなく現れて、無限に頑張りを強要される。王国では常識であった。
「最後はぁ、隊長?自己紹介がまだじゃな〜い?」
「……褪せ人、傭兵だ」
シェイドに促され、渋々といった体で褪せ人は言葉少なに名乗りを上げる。
「いやいや、この部隊の隊長がそれだけはないっしょ!」
「他に言うことはない。形式上はこの隊の長だが、唯の雇われに過ぎない」
自己紹介もひとしきり終えたのを見計らい、褪せ人はトレントを駆り、魔界の地を歩み始めた。
「強い雄は背中で語るという。それもまたアリ、だな!」
「何か言葉少なに有能感出してますね。カラザ的には嫉妬対象です」
「誰かれ構わず噛み付くの辞めない?」
「噛みつきませんよ。カラザは出来る女なので、嫉妬を燃料に努力を積み重ねます」
「良いですね、それ!カゴメポイントを進呈します!」
「何の役に立つんですそれ?」
背後から聞こえる騒ぎ声に、随分と面倒な連中を押し付けられたと、既に褪せ人は疲労感を感じる。王子に言われた通りに、顔合わせ程度はしておくべきだったか。
「随分と楽しい旅路になりそうね?」
「お前にとっては、そうなのだろうな」
褪せ人の雰囲気を察したのか、アブグルントが微笑みかける。傍観者気取りのこの女、何とか振り回せないだろうか。思わずそんな事を考えてしまった。
「もう少しすれば、最初の目的地である、奴隷地区に着きます」
ハルモニアが地図を確認し、褪せ人へと話し掛ける。魔界遠征、その最終目標はレヴィアタンの心臓、その為にダークエルフの住まう魔界都市へと向かう必要があった。
そして、この地はデーモンが幅をきかせる魔界であり、多くの人間が連れ去られては虐げられている。そんな状況を見逃す王国ではない。
故に、魔界都市への進行ルートから僅かに外れ、デーモンの支配する奴隷地区を侵攻、解放することも今回の目的に組み込まれていた。
「ふん、相変わらず悪趣味な奴らだ」
奴隷地区について、魔界出身の者達の方が詳しいのだろう。その単語にラピスが不快感を示す。他の面々も同様であった。
「侵攻にあたって、何か作戦とかはあるのか?」
「いいえ、恐らく奴隷地区に居るのは下級のデーモンが大半。我々の戦力ならば、十分に殲滅可能でしょう」
リキュノスの問いに、ハルモニアがかぶりを振る。
奴隷地区を防衛しているのは、そう大した戦力ではないだろう。デーモンにとって、奴隷とは単に甚振るだけの娯楽に過ぎない。仮初の肉体しか持たない彼らは、態々奴隷を働かせて利益を得る必要などありはしないのだから。故に、奴隷地区は重要拠点にはなり得ない。
「作戦は無い——蹂躙を始めるぞ」
褪せ人の簡潔な指令に、先遣隊の面々は不敵な笑みを浮かべる。
弱者を虐げる者達に、より強い力が降り掛かる。ただそれだけの話であった。
出したいキャラとりあえずぶち込んでみました。