今ひとたび、英雄たらんことを   作:blue man

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深海の王

 

亜神クラールフと褪せ人が相対する。

まず、最初に動いたのはクラールフであった。矛を突き出し、一直線に褪せ人へと肉薄する。

それを大盾で受け止めた褪せ人。豪雨の中、甲板に硬質な金属音が響いた。同時に、褪せ人は黒鉄の大槌によるカウンターを放とうとした刹那——間髪入れずに振るわれた触手が、褪せ人の胴を打ち据える。

 

「……!」

 

僅かによろめき、攻撃を中断、その隙を見逃さなかった再びクラールフが横薙ぎに矛を振るう。

気配を察した褪せ人は即座にバックステップで躱しつつ、祈祷を発動させた。

手に握られるのは雷の槍。豪雨の中、雨粒を貫き閃光が迸る。

 

「むぅ……!」

 

雷槍を迎え撃つべく、クラールフは触手を盾の如く掲げる。濡れた身体を伝い走る雷が紫紺の触手を焦がし、その身を焼いた。

反撃の意思を宿した眼差しが前を捉える。次に目にしたのは、雷を纏った、くすんだ黄金の双斧を手に回転斬りを放つ褪せ人の姿。

 

「なんと……!」

 

矛を構え、クラールフが迫り来る猛攻を受け止める。再びの衝突。矛を伝う雷撃が、その身を貫く。

触手を伸ばして薙ぎ払うも、すぐさま褪せ人は距離を離し、巧みに回避する。

 

「恐ろしいものだ。まるで無数の戦士と相対しているようにすら思える」

 

素直な賞賛。短い攻防でありながら、目の前の男は多彩な手札でクラールフを押し切ってみせた。

やはり、侮れるものではない——クラールフが矛を構える。

 

「はぁ!」

 

その死角から、フーロンが懐に潜り込み短刀を振るう。

不意の一撃、直撃を確信したフーロンだったが——次の瞬間、目を見開いた。

振るわれた短刀、それが矛で防がれていた。褪せ人を見据えたまま、一瞥すら此方に向けていない。

 

「筋は悪くない。狙いも的確……なれど少しばかり未熟だな」

 

クラールフの言葉に嘲笑はない。

少女の一撃は悪くないものではあった。だが、圧倒的に足りていないのは経験。目の前の男のそれと比べれば、稚拙とさえ言えた。

此の身は亜神。かつて千年戦争を生き抜いた深海の王。そう易々と一撃を貰うわけにはいかない。

 

無造作に振るわれる触手が、フーロンを薙ぎ払う。

 

「ガッ……!?」

 

腹部を撃ち抜かれ、宙を待ったフーロンは、そのまま濡れた甲板を滑るように吹き飛ばされる。

 

「さて……これはどうかね?」

 

そんなフーロンに目もくれず、クラールフは褪せ人へ向けてその力を振るう。

掌に集まる水が形を成し、槍となる。変化したその水を、クラールフは褪せ人へ向けて投擲した。

凄まじい勢いで放たれたそれを、褪せ人がローリングで躱す。

先程まで褪せ人の居た場所に着弾した水の槍は、いとも容易く甲板を穿った。

水の塊であっても、侮れるものではない。

 

戦いはなおも続く。

矛と触手、そして水を操り巧みに攻めるクラールフに対し、褪せ人はそんな深海の王の攻めを躱し、戦技と祈祷で応じる。

 

「王よ! お待たせして申し訳ありません!」

 

激闘の最中、マーマン達が甲板に現れ、褪せ人を取り囲む。

大盾を構え、此方を見据える褪せ人にクラールフは口を開く。

 

「我は戦士である前に王である。……卑怯とは言うまいな?」

 

「……」

 

返答は無い。ただ沈黙を以て大盾を構える。

 

実に惜しい——クラールフは内心で呟いた。

時代が違えば、この男は英雄王に並んで世に語り継がれる存在になれたのだろう。だが、神なき時代、この男の奮闘すらも虚しさを帯びる。

 

マーマン達が一斉に槍を突き出し、褪せ人に迫る。

数の暴力、豪雨の中、目の前の男に避ける術はない。

褪せ人の身体に槍が突き刺さるその刹那——

 

閃光が走った。

天雷が全てを貫き、マーマン達は雷に撃たれたように痙攣し、その場で崩れ落ちる。

その中心には、両手に雷を纏わせたフーロン。

 

「少し、キョンシーを侮り過ぎではありませんか? 深海の王だなんだと言っても、その程度なんですね」

 

フーロンが褪せ人の隣に立つ。クラールフによって叩き伏せられた肉体は、キョンシーの持つ自己修復機能によって既に癒えていた。

短刀を構え、言葉を続ける。

 

「この人ばかりに気を取られてると、未熟者に背中を刺されますよ」

 

「威勢の良い娘だ。つくづく惜しいな」

 

クラールフがそんなフーロンを見遣りくつくつと笑う。

背後からは続々とマーマンが乗り込んでくる。

再びの増援。クラールフが矛を構え、褪せ人達と対峙する。

 

豪雨の中、沈黙が戦場を包む。

 

だが、そんな静けさを破るように、男の声が響き渡った。

 

「——オイオイオイオイ! ここは俺の船だぜ? これ以上好きにさせるかよォ!」

 

豪快な声が響き渡り褪せ人の背後から男達が駆け出す。

この船の海賊達だ。褪せ人とフーロンが戦うその間に負傷者を回収し、救援に駆け付けていた。

その中の一人、リーダー格の男が前へと躍り出る。

 

「ハッ、深海の王だかなんだか知らねぇが、この船の上じゃ俺が王よ! 甲板の穴、しっかり落とし前つけてもらうぜェ?」

 

「おのれ、一介の海賊風情が我らが王を侮辱するか!」

 

マーマンたちが顔をしかめ、怒気を露わにする。

だが、海賊の男はそんな彼らを鼻で笑い、部下たちに声を張り上げた。

 

「一介の海賊ゥ? おい野朗共ォ! 教えてやれェ! 俺がどんな男かをよォ!」

 

その声に、部下達は息を合わせて叫ぶ。

 

「この世で最も強い男! この世で最も海賊船の似合う男!」

 

「野郎共ォ! 俺の名を言ってみろォ!!」

 

「ジョ・ヴァ・ン・ニィ!! ヒューッ!!」

 

「何なんですかねこれ」

 

海賊達の見事な合唱に、フーロンが冷めた声で呟くも、熱い海の男達には届かない。

士気は最高潮。ジョヴァンニと部下達が銃を構える。

 

「そういうこった! 英雄様よぉ、雑魚の事は気にすんな! アンタはそのイカタコ野郎をぶちのめしちまいなァ!!」

 

「またしても我らの王を……生かしておかんぞ!」

 

「ハーハァッ! あんまりカッカしてると茹で上がっちまうぜェ!?」

 

マーマンに対して挑発を繰り返すジョヴァンニ。

ふざけた態度だが、マーマン達の注意が逸れ、銃弾がその足を止める。

やるべき事はやったとばかりに目配せするジョヴァンニの視線を受け、褪せ人はクラールフへと駆け出す。

 

乱戦の中、再びクラールフとぶつかり合う。

 

「ヌゥ……!」

 

振るわれる矛。遅れて来る触手の一閃。

褪せ人はステップで矛を躱すと同時に跳躍。そして、足元を通り過ぎる触手目掛けて死の騎士の長柄斧を振り下ろす。

雷撃と共に放たれた斧の斬撃は、クラールフの触手、それを中ほどから断ち切った。人ならざる、青褪めた血が甲板を汚す。

 

「ぐうぅ……!?」

 

狼狽するクラールフ。そこに、間髪入れずにフーロンの追撃が襲い掛かる。

 

「穿て、天雷!」

 

豪雨の中、稲妻が空気を裂き、クラールフの頭頂を貫く。

脳天から撃ち込まれた雷撃に、クラールフが仰け反った。

 

「ガアァ……!?」

 

一瞬の硬直。だが、クラールフは即座に立て直すと、最も近くにいたフーロンに矛を突き出す。

 

「しまっ……!?」

 

フーロンが驚愕する。

天雷の直撃、そこから復帰して放たれた矛の一撃は神速とすら言えた。

天雷を放ち、隙を晒したフーロンは対応が遅れる。

避けるのは間に合わない。フーロンがその一撃を受ける事を覚悟する。

 

だが、彼女がその一撃を受ける事は無かった。

彼女の前に褪せ人が立ち塞がると、迫り来る矛の一撃を受け止める。

鎧を貫き、矛が褪せ人の胸を抉ると、血が飛び散った。

その飛沫が、フーロンの頬に届き、漸く彼女は自分が庇われた事に気付いた。

 

褪せ人が斧を横薙ぎで振るうと、クラールフが距離を取る。

滴る血が、この男が負った傷が決して浅くない事を物語る。

 

「い、一体何やってるんですか!? 私は別に——」

 

「——フーロン」

 

「……ッ」

 

思わず叫ぶフーロン、しかしそんなフーロンに対して褪せ人は常と変わらぬ声音で呼び掛ける。

有無を言わさぬその声に、口から出かかっていた言葉をフーロンは飲み込む。

血を滴らせ、しかしまるで動じぬ鎧の男が、視線だけをフーロンに向ける。

 

「私に合わせろ」

 

フーロンを庇った事などまるで気にしていない。些事とばかりに告げられた言葉に、フーロンの胸が掻き乱される。

庇ったのが優しさなのか、或いはただ必要だからそうしたのか。それさえも曖昧なまま。

そして何より、死にたいと願いながら、庇われた事に僅かでも安堵してしまった自分への苛立ち。

 

「あぁもう、分かりましたよ! 本当に馬鹿ですね! 馬鹿、バーカ!」

 

ごちゃ混ぜな内心を誤魔化すようにしてフーロンは罵倒と共に応じる。

後で後悔すると分かっていても憎まれ口しか出てこない事に腹が立つ。

そして、褪せ人はそんな罵倒を一顧だにしない。どこまでも一人相撲な自分に頬を赤らめながらも彼女は褪せ人に合わせ、雷撃を放つ。

 

「轟放雷落!!」

 

褪せ人が祈祷に合わせ、その隙を潰すようにしてフーロンは渾身の天雷を叩き込む。

都合三連続の必殺の落雷。それがクラールフを狙い撃つ。

 

「ヌゥ……!?」

 

クラールフが水を操り、盾のように広げて天雷を受け止める。

しかし、彼女の雷は通常のそれではない。上位キョンシーの放つ天雷とは、生半可な防御も魔法耐性も貫くもの。

 

クラールフはその一撃を受け、苦悶の表情を浮かべるも、褪せ人へと肉薄する。

彼女の天雷は脅威だが、それでも本命はこの男の放つ一撃である事は明白。距離を取るは危険。死中に活を求めるべく突撃する。

 

しかし、それは遅きに失した。

 

宙に浮き上がった褪せ人が握るのは赤い雷槍。

豪雨降り注ぐ暗雲の中、赤い閃光が荒れ狂う海を照らす。

 

そして、両手に握られたその雷槍を、クラールフ目掛けて突き立てた。

赤き雷。古き竜達の一撃が、深海の王の胸へと突き立てられ、爆ぜる。

 

「グッ——アァァァ!!」

 

周囲に赤い雷撃を迸らせながら、クラールフは全身を痙攣させる。

その身を焼かれ、苦悶に喘ぎ、そして——遂に、膝をついた。

 

触手は千切れ、全身は焼け爛れている。しかし、満身創痍でありながらも未だ健在。亜神故の生命力の高さが彼を生かしていた。

雨が止み、少しずつ晴れ間が広がっていく。

 

「ガハッ……成程、ガリウスの若造め、よくもまぁ生き延びられたものよ」

 

息も絶え絶えに言うクラールフ。最早戦う力も残ってはいない。

ガリウスが死に掛けた以上、決して侮っていたつもりはない。しかし、その結果は想定をゆうに超える。

ただの人間の戦士。そう片付けるには常軌を逸した強さであった。

膝を突くクラールフへとフーロンが短刀を突きつける。

 

「私達の勝ちです。兵達に退くように命じてください。これ以上は無駄な血が流れるだけでしょう」

 

勝敗は決した。後はクラールフが降伏を宣言すれば、魔物達も戦うのを止める。

そんなフーロンの言葉に、クラールフが口を開く。

 

「そうか、我らの負けか」

 

「ええ、そうです。だから——」

 

「——だが、役目は果たせた」

 

クラールフは膝を突きながらも、己が役目を果たした事を確信した。

 

「……? 一体、何を言って……」

 

その言葉を訝しむフーロン。そこに、突然声が響き渡った。

 

『こ、こちら王国魔術ギルド! 緊急事態です!』

 

その声の発生源は、褪せ人の懐の小さな水晶から。

それは、王国の魔術ギルドが作成した通信用の水晶であった。

遠方の者達への瞬時の連絡を可能とする優れものであるが、作成と通信に多大な魔力を使用する都合上、常用するには向かず、今回の作戦に限って、緊急時の連絡手段として一部の人間に配布されていた。

 

そんな水晶から、切羽詰まった声が響く。

 

『王国を始めとした三国中心部に魔界の門が出現……! 黒い影……推定魔王の影達が各地に現れ攻撃を開始しました!』

 

「これって……!」

 

「……これが狙いか」

 

その内容に、褪せ人はこれこそが相手の狙いであった事を悟る。

そんな褪せ人達に、クラールフが口を開く。

 

「我らは囮。本命は異界召喚士による大規模な門の展開、それによる破滅の力の奪取よ」

 

「……王国には魔界の門に対する結界が張られていたはずだ」

 

クラールフの言葉に、褪せ人が反論する。

かつての王都陥落を教訓に、王都周辺には強力な結界が張られていたはずだった。当然、他の二国も同様に何らかの対策は講じているだろう。易々と門を展開出来るとは思えなかった。

そんな褪せ人の言葉に、クラールフが返す。

 

「あの男はどこまでも小物だが、その力は本物だ。王国の結界がどれ程に強固であろうとも、やりようはあるというもの」

 

実際、褪せ人の反論など意味はない。結果がそれを示していた。水晶越しに現場の混乱が聞こえてくる。

 

『魔王の影、防衛網突破……! 止められません!』

 

『破滅の力を失うわけにはいかん…! 死守しろ、諸君!』

 

『やってやる……! 俺だって訓練は受けているんだ……!』

 

決死の覚悟を決める兵士達の怒号と、破壊音が響き渡る。

勝ったはずの戦場が、異様なまでの緊張感に包まれる。

 

「お前はまさしく英雄だった。お前一人で一つの戦場を左右する程に。だがそれでも……勝ったのは我々だ」

 

クラールフが口を開くと、甲板の縁に手を掛ける。

次々と撤退する魔物達。しかし、取り逃がしたことに何の意味もない。

この戦いの是非は失われた。この場で出来るのはただ、離れた戦場を見守る事のみ。

 

「英雄よ。お前がもし、諦めないというのであれば——抗ってみせよ」

 

最後にそう言い放つと、クラールフは海へと消えていった。

気付けば水晶からは何も聞こえない。魔力が切れたのだろう。

船上を先程とは打って変わって、耳が痛くなるほどの静寂が支配する。

 

この場に留まっても仕方がないと、褪せ人はジョヴァンニへと向けて声を掛けようとした、その時である。

 

「何……でしょうか。空が、暗く……?」

 

フーロンの戸惑ったような声に、褪せ人は空を見上げる。

 

目に映るのは、暗く澱んだ空。

クラールフを倒し、再び晴れ渡っていたはずの空が闇に染まっていく。

それはまるで、光を闇が喰らっているかのようにさえ思えた。

 

先程の天候の操作とはまるで異なる未知の現象。さしもの海賊達もその異様な光景に息を呑む。

やがて、一人の海賊が声を上げる。

 

「何だ……? 身体が、なんか重くねぇか……?」

 

その一言を境に、海賊達が自身の身体に起きる異変に気付く。

体が重い。息が苦しい。

突然の身体の異常。その原因があの空にある事は明らかであった。

褪せ人もまた、己の身体が重くなっていることに気付く。未だ微弱な、違和感程度のものであるものの、褪せ人には覚えがあった。それはまるで、魔界の瘴気の中に居るかのようなもの。

 

「褪せ人……! 大変です!」

 

俄かに混乱の広がる船上にアスバールが空から降下してくる。

その表情はいつになく切迫していた。

 

褪せ人を認識して、その傷に目を見開きながらも、アスバールは今何が起きているのかを褪せ人へと告げた。

 

「物質界が魔界化しています! このままでは、地上は瘴気に覆われ、人々が……!」

 

「どういう事ですか? 一体何が起きて……」

 

「作戦は失敗。破滅の力は奪われたと、そういう事か」

 

戸惑いを隠せないフーロンの言葉を遮り、褪せ人がこの状況の原因を推論する。

物質界の魔界化。一つの世界を丸ごと塗り替えようなどと、そのような事が出来るのはただ一人しか居ないだろう。

 

「——魔王が蘇ったか」

 

「……ッ! それじゃあ、私達はもう……」

 

フーロンが褪せ人の言葉に目を見開き、そして俯いた。

最早、何もかもが手遅れ。破滅の力は奪われ、魔王が目覚めた。

世界を塗り替えんとする化け物を相手に出来ることなどありはしない。

諦観に満ちた様子のフーロンを横目に、褪せ人はジョヴァンニへと告げる。

 

「船を出せ。王国へ帰還する」

 

「あ、ああ、そりゃ構わねぇけどよ……」

 

褪せ人の言葉に戸惑いながらも、部下達に指示を出すジョヴァンニから視線を外し、褪せ人は自身の傷を癒す。

そして甲板に刺さったままのクラールフの矛へと歩み寄ると、それを引き抜いた。

褪せ人の体躯でも片手で握るには些かに巨大。しかし、その重量は好みであった。

二度三度と矛を振るい、確かめる。

 

そんな褪せ人の背に、アスバールが声を掛ける。

 

「貴方は……まだ諦めていないのですね」

 

「当然だ。まだ何一つ終わってなどいない」

 

アスバールの問いに、褪せ人は迷いなく答える。

破滅の力は奪われ、魔王は完全にその力を取り戻した。

だが、それだけだ。己はこうして立っており、戦うことに何の支障もない。

そして、あの男も決して諦めてはいないだろう。

 

「王国に戻り状況を確認。そして作戦を練る」

 

「……本当に頼もしいですね、貴方は」

 

この状況下で何一つ変わらない褪せ人に、アスバールの表情が緩む。

彼とて人類がどれ程に追い詰められているのかは分かっているだろう。それでも、折れないその姿こそがアスバールの求める英雄の姿であった。

 

「分かりました、ここまで来たなら私も覚悟を決めましょう。魔界元帥として、全面的に王国に協力します」

 

改めてそう宣言するアスバールの目に、一片の迷いもありはしなかった。

褪せ人が海の先、王国のある方角を見つめる。

魔王との決着——それが近い事を予感していた。




作中評価はやたら低いんですが異界召喚士は功績だけ見ると有能なんですよねぇ…。
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