「あ、ご飯ごちそうさまです。ミルーです、レオンと呼んでください、もぐもぐ」
「カメレオンが喋った!?」
「こいつミルー、おれのいもうとだ!」
「うそつけぇぇえええ!」
ミクロヒメカメレオンになったわたしは、新しくお仲間になったコックことサンジに用意していただいたサラダを貪っている。
え、いつのまにか仲間になったのって?まー色々あって戦闘して、ゲットしたんだよ。その代わりナミちゃんがいなくなったけど。
「マジでこんな生きもんいんのか」
「おい、ハム介!てめぇは一体なんなんだよ!?」
「ミルーはいもうとだぞ?」
「どうみてもカメレオンじゃねぇか。メスってことなのか?」
「まぁ、性別的にはメスなのはたしかだね!」
毎回毎回姿を変えるのは、まぁ、認識を歪めるためなんですがそれを言ったって分かってもらえるとは限らんし。
ってなわけで今度は船をぶんどって行ったナミちゃんを追ってアーロンパークという、魚人族が支配する土地に向かうこととなる。そいやこの世界に来る前から思ってたんだが、魚人は食べるとするとどっちの味なのだろう。魚が哺乳類か、気になるところです。
どんぶらこと船は進み、わたしは相変わらずルフィの頭の上でウトウトする。けれどもいつものことながら寝てる暇などないわけで。ポケモン並に出会って即バトルが開催される。
アーロンパークに着くや否や、先についていたウソップがナミちゃんに殺されたと聞かされルフィは激怒した。何せルフィは純粋なので、一回信じたら信じ通ししちゃう純粋な子なので。
しかしながら怒ったナミちゃんと無事再会を果たしてしまい、ルフィはあんなに激怒していたのも関わらず、彼女がなんと言おうと気にするそぶりもなくその場に地面に横たわり寝だした。なのでわたしもそのまま寝る。
ルフィがナミちゃんと戦わないと決めたのならば、私もすることないし。まぁ、元からする予定もなかったけれど。
「ルフィ、どーするの」
「寝る!」
「そっかー」
当人がそう決めなら何にも言いませんと、私もスヤァ。小さき生き物ってよく寝るよね。いっぱい寝よ。
とまぁスヤスヤしていたらいつのまにルフィさんはナミちゃんを助けることに決めたそうです。
え、一体何があったんですかね?私、関わる気皆無だったんでなーんにも聞いてないし見ていない。
え?ユメヌシなんだからちゃんとしろ?いや私、そんなの求めてないんで。助けたい人だけ頑張ればいいのでは?てかあんな能力さえなければ私はフーシャ村から出られない小娘だったんだがな!
とりま私のそんな事情はさておいて、ルフィはアーロンパークへ突入!の巻。
知ってた。こうなる事知ってた。だってルフィだもん。仕方がない。しかしねルフィさん、私ごとナミちゃんに麦わら帽子を預けないで欲しかったなぁなんて。
「なんで、あいつ……」
帽子を深く被りないているナミちゃんの頭の上にいる私は、一先ず必死に帽子から抜け出した。
「ぷはっ、とりま、ルフィへ考えなしだけど馬鹿じゃないよ?だからへーきだよ」
「え、あ」
「ももんでもレオンでもミルーでも好きに呼んで。んで、ナミちゃんも行くの?」
「──うんっ、もう、泣くだけ泣いた、から!」
「……なら、仕方がないか。お礼はルフィにしてね」
ポンっとちんまい杖を出し、ナミちゃんの左腕に『エピスキー』をかけて治療しておく。目を見開いて驚いたナミちゃんには『へんな実』食ったらこうなったとだけ伝えたのだけれど、察しがいいのかすぐわかってくれたよね。そう、悪魔の実です。私が生涯恨むであろう悪魔の実。
「私は訳あって戦えないけど、ふぁいとー!」
と言ってまた帽子の中へ侵入。
あのちんまい体ではルフィの元へ行くのは大変だし、ルフィ以外の人の前であまり姿は変えたくない。たとえそれが帽子の中であったとしてもな!
ぐわんぐわんと揺れる頭にへだりついて、アーロンパークに辿り着いたところで帽子の隙間から私は様子を伺う。ルフィは何処だろと目玉をキョロキョロ見回しても目につくのは魚人ばかりだ。
はて、どうしたものかと考えていれば少し遠くの場所から噴水のように打ち上がる水と、ルフィの声が聞こえてきた。私の脳がそれがどういう意味か察する前にゾロがサンジに指示を出し、プールらしきものに飛び込んだのだ。
まさかだと思うが、ルフィさんあなた沈んでるんではあるまいな?お前も悪魔の実食ってんのに、私と違って浮けるわけでも[[rb:泳げる>・・・]]わけでもないに?
流石にこれは助けなきゃやばいかと思って小さな体のままトポンとプールに入水し、浮く前に身体の形を変える。人前で変えるのは嫌だったが、ルフィが死にかけるなら話は別。
私の能力はユメヌシっぽいことができること。
それはつまり、どっかで一人でも海に浮けるユメヌシがいてもいいじゃないと考えてしまえば、[[rb:海に愛されて>・・・・・・]]泳げるユメヌシがいたっておかしくはない。と考えてしまえばできてしまう能力なのである。
人じゃなくて、同じ人魚設定ならば尚更できてしまう、全くもってチートすぎる能力でもあった。
だだし使用者の精神的ダメージがかなりきつい。
あ、頭が。いつぞやの、厨二の傷が疼いてはずかしくなるっ……。オエェッ!
それでも頑張ってヒラヒラとヒレを動かし、目の前にいるタコっぽい魚人に尾鰭を巻き付かせた。
こちらを見ているのは知らない女の人とサンジ。その二人ににやぁっと笑って敵じゃないよと手を振った。
「ほらぁ、オレがギュッとしてるうちにそれ砕きなよぉ」
その姿は夢の国産、ヴィラン学校の見た目がヤバい方のリーチである。いやぁ、やってみるとできるもんだね、成り変わり。しかしまぁ、悪魔の実のせいか若干泳ぎは劣ってるっぽいけど。泳げないよりマシだからね。
なんでもできちゃうユメヌシってすごーい⭐︎
……羞恥心で倒れそう。
ぎゅぎゅっとタコ魚人を尾鰭で締め付け、挙げ句の果てに陸にポイっとして。私はサンジによってルフィの足を拘束していた石が無事砕かれたことを確認すると彼等から離れたところまで泳ぎ体を陸にあげる。そうしてまた誰にも見られないうちにミニマム生物に変化させた。
「おぅ、体びしょびしょ。力でない」
カメレオンじゃ足が遅いからといったんハムスターになったが、これはこれできついものである。
ぐだぁっと体を伸ばし暫し毛皮を乾燥させて入れば、何やら建物が崩壊していくのが見えた。ルフィが派手に戦ってんだなぁと感心しつつ、ようやく怠さが抜けたところでとっとこ走る。ようやくみんなのところへ着く頃にはすでに全ては終わっていて、尚且つ変なネズミ頭の海軍がフルボッコ状態でプールに浮かんでいるではないか。
「なんだ、焦ってくることなかったじゃん」
「ちょっとアンタ何処に行ってたのよ!」
「帽子からおちまして、へけ!」
私に手を伸ばしてくれたナミちゃんの手のひらにちょこんとのぼり、首を傾げた。
可愛かろ?話すハムスター、可愛かろ?
今後のためにわたしはミニマム生物にだと思い込んでおいてください。
「ルフィー」
「んあ?お前何処に行ってたんだよ!」
「帽子をナミちゃんに渡したのはお前だが?」
「そだっけか?」
「そーだよ」
全く仕方がないやつめ。
良いしょっとナミちゃんからルフィの肩に飛び移り、そのままヨジヨジと頭の上まで登る。
「次から誰かに帽子預けるときは気をつけてね、私落っこちるのはいやだ」
「わかった!」
本当にわかったのかこいつ?
まぁルフィのことだからまたやらかすだろうな、なんて思いつつ私は惰眠を貪ることにした。
スヤァ。
サクサク進めたいから、箇条書きっぽい。