ルフィとウソップが盛大な喧嘩をした。
てか、喧嘩というより決闘?直せないメリーを置いていくルフィvs直せないメリーを直したいウソップでの、今後を決めた決闘である。
ま、結果なんて言うまでもなくルフィが勝ったわけだが、面倒ごとは次々と起こるわけで。なぜだか知らんけどアイスバーグさんが銃撃され、その犯人が麦わらの一味ってことになってんのよ。どゆこと?
なんでもロビンちゃんが犯人ぽく、その仲間であるルフィ達も関わっていると判断されたとか。うん、面倒ごと確定。帽子に籠ってよ、である。
ルフィは戦闘になったとしても私の名前を呼ばないし、ロビンがやったとも信じていない。ならば私がすべきことはなーんにもない。ちょいちょいナミちゃんが私を呼ぶ声が聞こえてくるような気もするが、騒音で聞こえませんね。
それから散り散りになった仲間を集めて相談して、敵が味方かわからないロビンちゃんを捕まえるかどうかの話し合いだ。けれどまぁルフィが捕まえると言ったら捕まえる選択しかこの一味にはないわけで、嵐が来そうな天候の中、それも敵しかいない街へと身を潜めることとなる。
「んで、お前はどうすんだ?」
ぽやっと、そう呟いたのはゾロだった。
一体誰へと向けた言葉なんだろうと首を傾げていると不意帽子の中から出され体が宙に浮き、ゾロの瞳と私の目ががっちりとあってしまうではないか。
「ルフィ、お前こいつに戦わせない気か?役にたつだろう、少しくらいは」
「そうよルフィ!ミルーは変な力があるし、ウソップがいない今は戦ってもらわないと……!」
「ダメだ」
「なんでよ!」
「おれは、ロビンを捕まえてェからだ!それに町の連中にも傷ついて欲しくねェ!」
「そんなこと言ってる場合じゃ……!」
私にだってみんなの言いたいことがわかる。いくら兄からの言い付けだからといっても、戦える人間がいるのに使わない選択をするのは間違いだ。ってきっとゾロ達はおもっているのだ。そりゃそうだろ、戦力はいくらあってもいい。でもね、そこに問題があるんだよ私の場合は。
「ゾロやんゾロやん、アイツらは、私にとって敵?」
「ミルー!」
「今はゾロにきいてんの、ルフィは黙ってて!……で、ゾロやん。ロビンちゃんはひとまず置いといて、麦わらの一味を敵とした奴らはルフィの敵ってことでいいの?」
「まぁ、そうなるわな」
「じゃあ、私、みんな殺すけど問題ない?」
「──は?」
「私、敵判定すると手加減とかできないんよー。弱い奴は死場所を選べないじゃん?強い奴じゃなきゃ、生かして勝つなんてできないじゃん?だから、殺すしかないじゃん?老若男女関係なく、町中が敵なら皆殺ししかできないけど、戦っていいん?」
私、つよつよユメヌシパワーあるけど、時と場合により能力に殺される側の人間なんで。
幼少期からこの身に刻まれた死に戻りループの恐怖のせいか、はたまた暗い過去設定モリモリにするための数々の戦闘・拷問の結果か、私は敵判定した奴らに容赦がない。人はそれを体が勝手に動いちゃうともいう。
だって殺さなきゃ殺されちゃうんだよ?殺さないと痛い思いするなら殺さないとダメじゃん?って論理故に、それを知っているエースから戦うなと言いつけられているのである。
残念なことでグレイ・ターミナルでなんどか殺っちゃってるから既にルフィも首チョンパな死体とはご対面済みだし、私の敵に対する異常なほどな殺意を知っているのだ。いやはや、おジャンプの主人公になんてもん見せてんだとはおもったけど致し方がないよね。だってそうしなきゃ私が殺されるって恐怖概念植え付けられてしまってるもんで。許すまじふわふわピンク。おめぇは許さない。会いたくはないがな、怖いから!
「私はね戦えないんじゃなくて、戦わない。おにぃちゃんからNGでてるし。──だからごめんて」
スンゲェ微妙な顔をしたゾロのおでこにもふもふおててをペチンと当てると、すんごい不服そうにルフィの元へ戻された。
ま、それ以外に戦うと能力にユメヌシ判定されそうだから嫌ってのもあるけど、戦えないのは本当だしね!嘘は言ってない!へけ!
てなわけで、私抜きで始まりました。アイスバーグさん宅への突撃訪問!私はオコジョからハムスターになって麦わら帽の中にインして全てが終わるのを待つこととする。ドンドンパンパン戦闘音が聞こえてきますが、それを子守唄にさせていただきますスヤァ。ま、うるさくて寝れないんですけどね!
なんか動物系の悪魔の実が最強どーのこうの聞こえてますが、多分最強なのはユメユメの実です。なぜならばみんなの望んだユメヌシになれるから!きっと望めば神すらなっちまうよこの能力。ハハハ!クソ笑えねぇ!
その後いったん戦闘が終わった感じなのでぬるっと帽子から抜け出して、何故か壁に挟まったルフィを救出し『エピスキー』をかけて怪我を治す。ルフィは私の目を見つめると、珍しく真面目な顔で私の名前を呼んだ。
「──ミルー」
「なんだい、ルフィ」
「……別行動だ!──アイツらを、頼む」
「しゃぁないな、おにぃちゃんの頼みだから聞いてあげる」
戦闘はしちゃいけない。これはエースとのお約束。でも怪我を治しちゃいけないとは言われてない故に。
[[rb:病蜘蛛>ジグザグ]]を使ってナミちゃん達の居場所を見つけて、カモメに姿を変えて飛んでいく。見つけたナミちゃん達に『エピスキー』をかけていったのだが、周りの人間達からはなんだこの鳥!って叫ばれた。うるせぇ!
ついでにアイスバーグさんも治してやるからありがたく思え!
その後は何故ロビンちゃんがいなくなった話とか色々聞いて、みんなで必死にロビンちゃんを取り戻すべく海列車に向かったが間に合わず。ついでにクソデカな津波、アクア・ラグナが来るってことでみんな避難を開始したのだけれどゾロだけ見当たらず、私は仕方なしにフォルムチェンジ。
いやぁー、実のところやってみたかった姿あるんだよ。一度はなってみたいよね、飛龍種。
え?ユメヌシになりたくないのにそれにはなんのかよって?それとこれは別だろぉ!?みんなの夢じゃん!おっきい龍になりたいって、一度は思うよね?え、私だけ?んなの知らん。夢は夢で終わらせらんねぇんだよ!こんな時じゃなきゃ、なれないじゃん!
てなわけで私の大好きベリオたん!
「んなっ!?」
「ンマー!?」
「でっけぇ!!」
カッコ良かろ?かっこよかろ?装備も素敵だけど女物のが好き。ヤフー!
ブンっと翼を羽ばたかなせ高く飛び、建物をぶっ壊して煙突に突き刺さってるゾロを捕獲。
モンハン最高ー!って叫びたいところだけど、まぁ、人間が龍になるのはカロリーがかなりかかるらしい。
みんながいる広間に降り立った瞬間、私の身体はハムスターに変わりコロコロと地面に転がった。そして尚且つ身体が動かない。
「おい!ハム介!」
「──オナカ、ヘッタ」
もう、一歩たりとも動けない。なんたる不覚。
どうやら小さきモノの時はあまりご飯がいらないように、体を大きくするとその分ご飯が必要みたいだ。なんでこんなとこだけ現実的なんだ!ちくせう!ヒンッ!
「ミルー!ミルー!今のなんだ!もっかいやってくれ!おれのる!」
「それならロビンを追うこともできるわよね!?」
「モ、ムリ。カラダ、ウゴカナイ」
ちくせう。人目気にせず龍種になれるとおもったのに、一瞬で終了だよ。
頭がクラクラとしているせいで身動きはできないし、お腹はぐーぐーなっている。なんて使えない能力だ。ユメヌシにしたいならカロリーなんてゼロにしやがれ。コンチクショー。
「る、ふぃ」
「なんだ?」
「あとは、たのんだぁ」
あ、もうあかんて。
私はぐるぐると目を回して、即退場。ルフィの帽子の中で休息を取ることとなったのである。
ユメイノ・ミルー
動物主であれば何やっても大丈夫!っておもってるバカ。
ついにずっとやってみたかった大型フォルムチェンジに手を出してしまったが後悔はしていない。
だってやってみたかったんだもん!