事件から二日後ウォーターセブンにて、麦わらの一味はガレーラカンパニーに匿われている状況なぅ。
だがしかし、そこにいきなり現れる人はまぁいるもので。尚且つ権力かざしてくるってよか、親権かざしてくる人なんだけれど。
派手に玄関をぶっ壊しいらっしゃったのは、犬の帽子?を被ったガープ中将。所謂ルフィのおじいちゃん。兼私の保護者代理。なにせじぃちゃんはもう歳なので。
「モンキー・D・ルフィに合わせたい男達がおるんじゃが……」
いまだに寝てるルフィを庇おうとするサンジとフランキーだったが、おじさんの愛のある拳はルフィにまっすぐに振り落とされた。ご飯中だからとルフィから離れていなければ、私もあれの餌食になっていただろう。怖すぎる。
「い!?痛ェー‼︎」
「痛ェ?!何言ってんだ、パンチだぞ今の!ゴムに効くわけ……」
「愛のある拳は防ぐ術なし!ずいぶん暴れとる様じゃのう、ルフィ!」
「げェ‼︎じ、じいちゃん‼︎」
モンキー・D・ガープはもちろんその名の通りルフィの祖父である。だがそれを知るものはフーシャ村以外じゃいないだろう。
皆が驚く最中私はもしゃもしゃと卵焼きを食べ続け、ひっそりと物陰にかくれた。なにせルフィについてきたことは誰にも言ってはない。多分きっと、村じゃあいつも通りの放浪旅になっているハズ。
二人が言い争っている様子をひとごとの様に眺めていたのだが、流れ弾とはいつ間にか飛んでくるものだ。
「してルフィ、こっちにミルーは来ておらんじゃろうな?シークさんから長期にわたって帰ってきてないと連絡が来ての、もしや思っとんたんだが……」
「んあ?ミルーならそこにいっけど?」
「どーしてバラすの!?」
そこは黙っとけよルフィ!
あ、ちなみにシークは私の祖父の名前だ。ほぼほぼ園側でお茶飲んでるご老人で、お願いされればすぐ赤髪のロリコンさんに引き渡す残念な祖父でもある。もうボケが始まってるのかもしれない。
そんなことはさておき、今の問題は目の前にいるおじさんだ。
タンコブを作ったルフィが指差したのはウサギフォルムの私。流石に小さきモノは殴れまいと思っていると、首根っこを掴まれてしまったのである。苦しい。
「ミルーよ、なんでウサギになってるんじゃ?お前は人だろうに。それになぜここにおる」
「ふわふわは正義なので、人型は嫌いですし?なぜと聞かれればあなたのお孫さんに誘拐されたからとしか……?」
「ゆーかいはしてねェぞ!」
「ちょっと黙っとこうかルフィ!面倒になるからぁ!」
案の定自分から村を出てきたと理解されてしまった私はそのままおじさんに拘束される始末。このままフーシャ村に強制送還ですかな?それでもいいけど、多分すぐどっか飛ばされるよきっと。ルフィといるから準ユメヌシ扱いで飛ばされてなかった説が濃厚だし?飛ばされた果てに帰ってくるのはルフィの元だと思う。ま、私調べですが。
「じいちゃん!ミルーは自分から村を出たんだ!連れてくな!かえせ!俺の仲間だ!」
「せめて此奴だけでも立派な海兵にしなんだ!それにミルーならルフィ!お前も捕まえられだろう!」
「え、私の意見抜きで話してません?あんたらいつもこーだよな!話を聞け?」
私、ルフィのお仲間になったつもりはない。ついでに言えば海兵になるつもりもない。
ヨジヨジと必死に身を捩りおじさんのぶっとい腕から抜け出すと、急いでロビンちゃんのお胸はダイブ。抱っこされるなら女の人がいい、いい匂いがするもの。
疲れたと呟けばニコニコしたロビンちゃんが撫でてくれるので至福のひと時になりましたとさ。マル。
でもまぁちゃんといっとかないとじぃちゃんに心配かかるかなと、一応ある良心が気にしてるのでおじさんには帰らないと宣言しておくとしよう。
「ガープおじさん、私、帰らないよ。でも今のところルフィのクルーにはなる気もないけど。目的達成したら村に帰るわ!」
「ミルーは、おれの、クルーだ!」
「いやだ!」
「お前ほどものがなぜルフィと……、目的があるなら海軍でもよかろう!」
「拘束されるのキラーい!」
てかいつ何処に飛ぶかわかんないだから、海軍になんか属せるわけないだろうに。おじさんもそこんところ知ってると思うんだけどな?
全身全霊でイヤイヤとダダをこねていると、ルフィとゾロが誰かと戦い始めたのでいったんこの話は終了とさせていただく。全くもって面倒でしかない。そしておじさんは私を海兵にしようとするでない。
その後ロビンちゃんから差し出されたにんじんをカジカジとたべ、ナミちゃんがくれる林檎を食べているとなぜかおじさんが壊した扉を直し始めていた。律儀だからこういうところは嫌いじゃないのよねと見つめていれば、やっぱりおじさんは爆弾を不意に落としていくのである。なんなんだろうねこの人。台風が何かかな?
おじさんが落とした爆弾とはルフィが革命家、トップ、モンキー・D・ドラゴンの息子という事実。なんだからそれ繋がりで私もその人の娘になりかけているではないか。会ったこともない人の娘にはなれないのだが?
「あんたらのお父さん‼︎とんっっでもない男よ!!?」
「違うが?」
「何が違うのよ!?」
「え、私とルフィの親違うけど?」
「また厄介な話きた!?どーゆーことよ!兄妹なんでしょ!?」
「義兄妹だしぃ、元は幼馴染だしぃ」
「ややこしい!」
すまんて。
そこんところ詳しく言ってなかったからそりゃ誤解もされるか。ほんとすまん。
しょんぼりしていれば、ムキーっとなったナミちゃんにもみくちゃにされた。ごめーん!ほんとややこしくてごめーん!でもナミちゃん、なでなで楽しんでるやろぉ!!もっとやれ!
てなことがあったその日の午後。おじさん方がかえったらBBQとなりました。水水肉ってなんだろと思ったが食べてみると美味しいので、この世界の食べ物に興味しかない。途中からフランキー一家やガレーラカンパニーも合流し、大宴会になってしまったのはいうまでもないだろう。
飲みや歌えやしているとちょこちょこ私を見てくる奴らいて、何かようかと聞けば巨大に見合わない小さな声で『ドラゴンになれるんすか?』と聞いてくるではないか。
「もしかして、ドラゴンすき?」
「そりゃ嫌いな男はいないだろう!?」
「うぉっ、うっせ」
小声で聞いてきたから小声で答えたのに、大声で寄ってくる男ども。ちゃっかりゾロとサンジもいるあたり気にしてはいたのかもしれない。
「お前ハム介のくせになんであんなデカくなれんだ?」
「もしかしてミルーちゃんの能力なのかな?」
「まぁ、そんな感じぃ。ただ小さくなるのは平気っぽいけど、大きくなるとお腹空くからもうやらなーい」
「くそッ!乗りたかった!」
「もっかいだけなってみろよ、ドラゴン」
「お前ら欲望に忠実だね」
ま、ドラゴンに乗るなんて夢のまた夢ですからね。
そいやあんな巨大で街中飛んだけど話題に出ちゃってるの?と聞いてみれば、あの時はアクア・ラグナで避難してる人が多かったから見ていた人はそんなにいないとのこと。ついでに言えば噂していた人がいたとしても、大抵は信じてないらしい。
そりゃそうだわな。なむさん。
「でもさぁ、そう考えるとミルーちゃんの能力は姿を変える系か?なんの実たべたの?」
「さぁ、なんだろ。名前知らないんだよねぇ。それっぽいのは見つけたけど、能力、姿変えるだけじゃないし?」
「え、そうなの?」
「そーなの。もっと言えば能力消したいから、ルフィについてきてるようなもんなんだよ、私。村じゃ、もう調べることなかったから」
モグモグと肉を頬張りつつコテンと首を傾げれば、サンジも同じように首を傾げた。
そいや一応性別が女と分かってからサンジは優しくなったよなぁと思いつつ、肉のおかわりを所望する。するとサンジはニコニコしながら次のをくれるわけで。うん、いちおう女の子対応や。
「ま、あれだね。今後もついていくんでよろしくー」
もしかしたらそのうちドラゴンに乗るチャンスはあるかもね、なんて。