夢主やめたい   作:燈葱

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急募、昔の歌

 

 

 

 

 

 

 メリー号はいなくなってしまってしまったが、新しくルフィの仲間になったのはサウザンド・サニー号。とパンツを人質に呼び出したフランキーと、仲違いしてしまったはずのウソップ。

 まあ、ウソップがちゃんと戻ってくるまでにガープのおじさんが砲弾投げてきて大変だったんだけど、笑うしかない。なんで砲弾投げてくんだよあの人。まじで。

 流石の私も砲弾をドゥードゥルして軽い物体に変えたよ、沈没は怖いもの。

 

 コーラを大量消費してサニー号は空を飛び、颯爽と海軍から逃げ出したルフィ達が向かうのは海底にある魚人島。そこに行くにはいったんシャボンディ諸島に立ち寄らなくてはならないのだが、その前に摩訶不思議現象に巻き込まれてしまっている。

 どんぶらこっこと流れてきた『海神御宝前』を拾ったせいか、それともたまたまかわからないが大嵐がこの船を襲ったのだ。全くもって飽きない旅路だなと、私は麦わら帽の中でいつも通りにのんびりしていた。そう、のんびりしていた。だってやる事ないもの!

 

 船は嵐の中を進み、それをこえたところで今度は魔のトライアングルに入ってしまった。

 元いた世界でもよく聞いた話だが、そこに入ると船や飛行機が消えるってとこだよね。いったい何処に消えたのやら、気になるところだ。

 

 ま、そんなことはさておき。今世の魔のトライアングルの話をしよう。霧に覆われ毎年100隻以上の船が消失する魔の海域。そして何処からともなくヨホホホーと聞こえてくる謎の歌。一体何処から聞こえてくるのかと皆が首を傾げていると、後方から巨大でボロい海賊船がやってくるではありませんか。

 悪霊の船だとか呪われた歌だとか言いたい放題の最中、いやでもよく耳に入ってくるこの歌。これはもしやロジャーさん達がよく歌ってたやつでは?流石の私でも歌えるやつですね!

 ヨジヨジとハムスターフォルムでルフィの帽子の上によじ登り、私は小さな声でヨホホホーと陽気に歌う。ルフィはそれを気にすることなくその船に乗り込むと意気込み紐はしごを登り、ちょこんと顔を出した骸骨に悲鳴をあげたのだ。

 

「ごきげんよう‼︎ヨホホホ‼︎! 先程はどうも失礼、目があったのに挨拶もできなくて!」

 

 ブルックと名乗った紳士?なガイコツはナミちゃんに挨拶をするとパンツを見せろと言い出すし、フランキーと別の意味で変態なのは確実なのだろう。骸骨に怯えているのかはたまた変態に怯えているのかわからないがナミちゃんは若干震えていて、ルフィから私を奪い取ると両手で抱きしめたのである。これぞまさしくふわふわセラピー!

 

 ブルックはルフィに言われるがまま仲間になるっぽくて、ゾロやウソップは大変驚いていた。ついでに言えばロビンちゃんにまでパンツを見せろという始末。サンジも女の子好きだが、これとはちょっと次元が違うよね。愉快。

 サニー号で夕食でもしましょうと何故かブルックが仕切りだし、結局出てきてしまったサンジ飯。とても美味しゅうございます。何気に私サイズの食器を用意してくれているサンジには感謝である。

 ご飯を食べ終えたところでブルックが何故骨だけなのかという謎は悪魔の実の能力のせいだと判明し、死ななきゃ使えない生きているうちには役に立たない能力でもあったそうな。骨だけでも蘇るとかなんでもありなんだな悪魔の実。分かっていたけど容赦ないよな、悪魔の実。

 

「それで喋るガイコツの完成か!白骨でもちゃんと蘇っちまうところが"悪魔の実"の恐ろしいところだな」

「もう半分呪いじゃねェのか」

「悪魔の実の正体は''呪い"ってのは腑に落ちるー!」

 

 ぴょんぴょんとサンジの頭の上でタップダンスを開催してみれば、大人しくしようねぇっと小さきモノ扱いを受けた。あってますけど。へけ!

 

 まぁ私の話はさておき、能力云々の話も置いといて。なんやかんやでブルックは鏡に映らないことが判明したのである。

 まるでバンパイアだと慌てふためくクルーと、影すらなくなっているブルック。何者のかと問われると、数年前に影を奪われたのだと彼は話し出した。どうやら影を奪われた人間は光を浴びると消滅してしまうようで、本格的によく知る童話のバンパイアっぽい。

 

「つまり私は光に拒まれる存在で‼︎ 仲間は全滅、"死んで骨だけ"ブルックです!どうぞよろしく‼︎」

「なんで明るいんだよ‼︎散々んだなお前の人生!」

「ちょっと厨二病的言葉使いに黒歴史を感じざるを得ない!」

 

 イタタタ。過去の傷が疼く。う、闇に封印されし右腕が、今解き放たれる……的な!

 

 なんて素敵な日なんでしょうと喜ぶブルックはこの深い霧の中で漂った年月を思い出し、本当に寂しかったののだと本音を吐いた。寂しくて怖くて、死にたかったと。

 ルフィが仲間に誘ってくれたことが嬉しくて承諾してしまったが、本来ならば断らなければならなくて。影がないブルックはこの海を出ることができず、影を取り戻せる日を待つしかないのだから。

 ルフィは既にブルックが仲間内に入ってしまっているのか俺が取り戻してやる!と叫んだが、ブルックがそれを了承することはなく。変態さんだけど、いい大人でもあるんだね。

 

 とまぁ、ブルックの予想ではここでいい感じに私たちと別れる筈だったのだろうがそう簡単に物事は進まない。

 ぬんっとサニー号に現れたゴーストと地震にも似た振動。船の前方は門で閉ざされてしまい、後方には不気味な島が見ていている。

 

「これは海をさ迷う"ゴースト島"……!スリラーバーク‼︎」

 

 霧で隠れた街並みが、何処ぞのネズミの国ハロウィンタウンにしか見えないよ!あー、ブルックがハロウィン王に見えてきた私は罪なのでしょうかね!

 死んで骨だけ故に軽いのだとブルックはこちらの静止の声を聞かず、海の上を走り去っていく。ナミちゃんはあの島がやばいと逃げようと言うもの、ルフィはニコニコしているのです。

 つまり前進あるのみ!ヨーソロー!

 

 知識量のハンパないロビンちゃんのおかげで此処に閉じ込められている事が分かったが、それでも脱出したいウソップとナミちゃんとチョッパー。けれどそれを無視するかのように海賊弁当をサンジに要求し、さも当たり前のように作り渡され、カブトムシを獲りに行く勢いのルフィ。ロビンちゃんはスリルが好きらしくニッコリです。

 

「ミルー! アンタはこっちいらっしゃい!」

「えー、なになにぃ?」

 

 怖がりなナミちゃんに呼ばれて近づいてみれば、ポスンと胸元にしまわれた。

 

 大事な事だから二度言おう、胸元に、谷間に、しまわれた。

 

 同じ女でもこうも胸部の出来が違うと悲しくなるよね。私、ツルペタなのに。チクセウ。

 

 その後は船に上陸する気のない怖がりたちの集まりと、そこに加えられた私でフランキーの用意した小船を試し乗りしたわけだが見事に流されて上陸を果たしてしまったわけである。ちっちゃいメリー号かわいい!とか言ってる場合じゃなかったわ。ウケンネ!

 

 

 

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