養殖が天然に勝てると思うなよ?【本編完結】   作:物体Zさん

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沢山の感想、誤字修正ありがとうございます!


前話のエルダーの最後の叫び「そんな奴を平然と狩るなー!!!」ですが、これはプレデリアンを狩った事への否定的なものではなく、予想以上に強大で巨大で恐ろしいプレデリアンを【平然】と特に焦る事なく(焦ったのは最後の核爆発から逃げる時)殴り殺していた事への衝撃と畏怖、そして偉大な名誉をFPS視点で目撃してしまった事への興奮と、これからコイツの扱いマジでどうしようっていうエルダーとしての立場上の悩みが脳内をグチャグチャに駆け巡り、最後のエイペックスの饒舌な語りを遮り出てしまった渾身の叫びです。つまり嬉しいだけです。


Predators
生物の最も無防備な瞬間それは寝てる時


 どうも、成人してから数年が経ちました。エイペックスです。

 

 いやぁ、成人って最高だ。何が最高って、自分の船を持てるし、好きな星行けるし、もう自由な事だ。まあ、ちょっとした掟は守らないといけないけど。

 

 成人する前はゴンジの育児放棄によってよく分からねー星に放置されてサバイバルしていた訳だが、もうそんな事はしなくてもいい。いや、実は身体があの状況を求めていて偶に知らない星でサバイバルしてるんだけど、まあ今はそんな事どうでもいいな。

 

 ゴンジは相変わらずで、会う度に俺に「お前はやりすぎだ」「筋肉バカ」「異常者め」「美味い肉を食わせろ」とか色々言ってきやがる。まあ一応俺の育ての親だし、放置プレイをしていたとはいえ時間通りに俺の事を迎えに来てくれたおかげで今の俺があるし、2回目のサバイバルで貰ったスピアは今も大事に使ってるからゴンジには一応感謝してる。

 

 遠い銀河まで足を運び、様々な星で狩りを行なってきたが、一番過ごしやすい星は俺が成人の儀式で訪れた【地球】だった。気候はまあ場所によっちゃ悪いところもあるが暖かくて、空気も美味いし、何より人間の文化が素晴らしい。今はもうほとんど思い出せなくなった前世だが、それのお陰もあって全てが新鮮に感じられて楽しい。

 まあ、俺なんかが現れたら阿鼻叫喚の地獄絵図だから勿論クロークして地球を楽しむんだけど、ケルティックモーフの一件で出会った人々に会う時は別だ。

 

 あの時助けた人々は消滅した町より遥か離れた遠く日本という国で今は過ごしている。日本と聞いて何故かちょっと懐かしい気分になったけど、あの人たちが日本で暮らしていると知ってとても嬉しかった。

 

 お金を出し合い、大きな風呂を持つ家を買ってそこで暮らしているオブライエン家族とダラス兄弟とジェシーは少し大きくなった8人の子供達と共に楽しく毎日を過ごしている。

 

 時折俺はそこに訪れている訳だ。

 

 いやぁ子供は可愛いね。俺に怖がらず近寄ってきてぶら下がったり鬼ごっことか隠れんぼと呼ばれる遊びをしている。隠れんぼは1人の鬼役が隠れた人々を見つけていく遊びなんだけど、俺はクロークを使い木の上とか陰に潜んでるんだけど、何故か絶対に見つかるんだよね。不思議に思って聞いたら「エぺは臭いから一発でわかるよ!」とか言われてめちゃくちゃショックだった。やっぱ俺って臭いみたいだ。プレデターになって20年以上、プレデターが臭い事は分かっていたが、慣れているのか俺達には全く分からないんだ。

 

 だが…今はもう違う。ある時、俺の臭いに我慢できなくなったモリーが俺を風呂にぶち込んだ。

 

 銭湯と呼ばれる場所を住処にしているモリー達は、そこにある巨大な水桶に俺を突っ込み、ダラスやティムと共に浸かった。そして彼らの真似をするように身体をゴシゴシ洗い流れる温水で身体を流し外に出たら俺は覚醒していた。

 

 何を言ってるか分からねーと思うが俺はすごく綺麗になった。太い髪の毛はツルツルになり、ベトベトだった肌はスベスベになった。

 

 そして何より自身の身体から漂う匂いが明らかに変わったのを感じた。

 

 次の日かくれんぼをしたら見つからなかった。俺は最強になった。いや、これは決して冗談ではない。ある時、ゼノモーフ退治をしろと言われ行った先で、クロークをつけたまま奴らに近づいてもバレなかった。まあ近づきすぎたらバレたけど、奴らに不意打ちをされなくなったんだ。少し前にゴンジに聞いたんだが、奴らは俺達が醸し出す臭いを感知して居場所を把握しているらしい。だけど、俺が風呂に入りその臭いが薄れた事でゼノモーフは俺に気づけなかった…という訳だ。

 

 ちなみに、風呂に入った事とゼノモーフに気づかれなかった事をウルフ大先生に伝えたら「ありがとう、ありがとう」とめちゃ感謝された。

 

 それと、日課である筋トレも毎日続けている。俺の筋肉はどんどん大きくなり今では…よく分からないけどとにかくデカくなった。モリーに、

 

 「そんな筋トレするならこれでも飲めば?」

 

 と言われ、プロテインと書かれたボトルを渡された。蓋を開けて中を見ると、甘い香りのする粉が大量に入っていて、中に入っていたスプーンで粉を掬い口に放り込んだら咽せて死にそうになった。モリーに笑われ飲み方を教わって飲んだら俺の筋肉が打ち震えたような気がした。

 

 それから俺は毎日その粉を水で溶かし飲んでいる。筋トレをしていない時でも隙あらば飲んでいるので、すぐ無くなってしまう。だからモリーに金目の物を渡し大量に買ってもらった。俺の船にはプロテインが山積みにされているぜ!

 

 そんなこんなで地球を楽しみ、機械に強くなったモリーは俺の船にデーブイデープレイヤーを設置してくれたり、漫画やゲームで沢山遊んだ。

 

 だがしかし、俺は狩人だ。やはり時折バトルをしないと身体が悲鳴をあげる。

 

 日本は平和だ。争いが殆どない。

 

 だから今、俺は熱気のある場所に訪れ強い生き物を探しているわけなんだけど……

 

 ジャングルを探索していたらなんか殺意マシマシで身体に泥を塗りたくり俺に向かってくる筋肉モリモリマッチョマンが現れたんだ。

 

 

 「遂に見つけたぞ化け物め!今殺してやる!」

 「うぇ!?ちょットちょット待っテ!」

 

 俺に向かって銃を乱射し、鬼のような形相で向かってくる男がいる。

 

 とりあえず銃弾をどうにかする為、スピアを伸ばし高速回転させて飛来する銃弾を弾く。

 

 「なに!?」

 

 俺の動きに驚く男は、弾が無くなったのか背中から刃物を抜き間合いに入ってきた。男が振るった剣をスピアで受け止める。しかし、彼は片方の手を剣から放し、俺の鳩尾を殴ってきた。

 

 「グフッ」

 

 なんて一撃だ!!こんな痛み久々だ…!鍛えに鍛え俺の筋肉はあの時のケルティックモーフより硬い自信があった。それをこの人間……!

 

 俺は奴の剣の刃を持ちへし折ると、少ししゃがみ手を前に突き出した。

 

 奴はそれを折られた刃で器用に防ぐが衝撃で吹き飛び後ろにあった大木に当たった。

 

 俺は奴が怯んでいる隙に、全力で走り近づく。そして首元にスピアの先を押し当て冷静になるよう言葉をかけた。

 

 「落ち着くンダ!」

 「何故英語を…!」

 「とりあえず殺気を抑えてクレ」

 

 俺に戦う意思がないのが分かると、男はすんなり殺気を抑えた。すごい殺気だった。

 

 「貴様は一体なんだ…?」

 「俺カ?俺はエイペックスだ。プレデターだ」

 「プレデターというのか…?そのマスク、ドレッドヘアー、奴と同じだ…、そしてその大きな身体…(奴よりデカい)」

 

 泥を身体に塗りたくった男は俺の身体をマジマジと見つめた。

 

 なんだ?そんなに見たいのか?いいぞ見せてやる。

 

 俺はスピアをしまい、男に向かって肩、腕、胸に力を込めて身体を捻りサイドチェストを決めた。

 

 「!!!!!」

 

 男は衝撃を受けたのか固まり茫然とした。

 

 そして、男は何を思ったのかホルスターや服を脱ぎ俺と同じサイドチェストを決めた。

 

 す、すごい!なんて綺麗な筋肉なんだ!泥を塗っているのにトゥルッとしていて光を反射し、筋肉の筋一つ一つが脈動している!

 

 「俺の名はダッチ・シェイファー。お前の筋肉…素晴らしいな」

 「お…おう!!アンタもすげーヨ!!」

 

 俺とダッチは熱い握手を交わした。

 

 筋肉を愛する者に悪い奴はいない…!

 

 お互い少し落ち着いて、俺はダッチに聞いた。

 

 「ところでどうして俺にいきなり襲いかかってきたンダ?」

 「あぁ、それはな昔…」

 

 ダッチから聞かされた話は、10数年前プレデターと戦ったというものだった。

 

 そうか、ゴンジやウルフ大先生から度々地球には訪れているプレデターがいると聞いていたが、ダッチさんがそれに遭遇していたとはな。しかし、ダッチが素晴らしい筋肉を持つとはいえ、圧倒的に弱い種族の人間に負けてしまうとは情けないプレデターだ。まあどうせクロークを使って木の上から不意打ちしまくって、慢心してたんだろうけど。

 

 それに奴は広域殲滅爆弾まで使ったと言っていた。ただ未成年だった故に装備を破壊するだけの威力しかしなかったようだが…それでも情けないなぁ。

 

 「というわけだ。俺は地球に訪れるお前達を探し、遂に見つけたと思ったら…」

 

 俺だったというわけか。

 

 「なぜ泥を身体に塗っていル?」

 「見えないだろ?」

 

 え?バリバリ見えるけど。それを伝えると。

 

 「なに!?しかし俺が殺した奴は見えていなかったぞ。熱を感知しているのではないのか?」

 「あぁ、多分マスクの熱源ビジョンだと思ウガ」

 

 そう言って俺はビジョンを熱源に設定しマスクを外し、ダッチに渡した。

 

 「これで自分の手を見てミロ」

 「これは…!」

 

 見えない!と驚くように何度も手を見ていた。

 

 「あぁ、見えないな。ダッチさん、俺はマスクのビジョンに頼りすぎないようにしていルンダ。結局ものをいうのは自身の感覚だかラナ」

 

 サバイバルをしている時、狙っていた獲物が体温を自由に操れる奴で狩るのに困った事があった。それをきっかけに俺はマスクに頼りすぎるのをやめたんだ。

 

 「なるほどな」

 

 ダッチがそう言って、なら完全に気配を絶つ術を学ばなければな…と腕を組み思案を始める。

 

 まあ、俺じゃなくマスクに頼り切ってるプレデターだったらヤられてるかもしれんな。それだけダッチの動きはよかった。

 

 「ところでエイペックス、君は何故此処に来たんだ?」

 「強い生き物を探しに来たンダ。それでダッチに襲われたノサ」

 「ははは、そうか、それはすまなかったな。お詫びと言ってはなんだが、このジャングルには……」

 

 

 それから俺達はジャングルで超巨大な蛇を狩り、ダッチと共に焼いて食べた。美味かったな。

 

 そして数日後、俺は地球を離れて別の星で狩りをして、また地球へと向かった。

 

 「ん?なにか軌道上にいやがるな」

 

 俺が船を操縦して地球軌道上にやってくると、見た事のない船が軌道上の目立たない場所に漂っていた。

 

 「まあなんでもいいか」

 

 俺はそれを無視して地球へ降り立ち、ケリー達に宇宙で狩った肉をあげて、俺はプロテインやら牛やらを調達して船に戻り、地球軌道上に戻ってきた。

 

 「ふぅ〜、風呂に入ってさっぱりしたし、プロテインも沢山手に入れた!今日は寝るかな」

 

 俺は寝室に入ってお手製のハンモックの中に入って眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 エイペックスの眠りが深くなった時、地球軌道上に漂っていた船の中で…

 

 「奴か?」

 「ああ、奴だ」

 「よし、いつも通りやるぞ」

 「アレはどれぐらい用意した?」

 「ゼノモーフが10mlで眠る奴を150ml用意した」

 「全部使え!あの巨体なら充分だろう」

 

 そして奴らはエイペックスに気づかれず船に侵入し、麻酔薬を使い更に眠りを深くさせると、エイペックスを袋に包みこんだ。

 

 「グ…!持ち上がらない…!なんて重さなんだ」

 袋を持とうとした者が呟く。

 

 なんとか3人で引き摺るようにして横付けしていた船に乗せた。

 

 そして、その船は宇宙空間に穴を開けスペースジャンプをし、何処かへと消えた。

 

 「ムニャ…zzz」

 

 エイペックス、誘拐される。

 




 もっとダッチとの出会いを詳細に書きたかったんですが、現時点でのダッチの年齢を考慮して、少し簡単に書いてしまいました。因みにダッチの現在の年齢はターミネーター3くらいの頃のシュワちゃんです。ただ、殺意マシマシで鍛えまくってるので身体は若いです。
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